酷評の嵐だが、東宝映画『世界大戦争』の現代的翻案とみれば、本作は立派な反戦映画足り得ている。
低予算映画かつ制作者の怠慢ゆえか、戦闘場面のショボさや軍事考証の甘さが目につくが、そもそも『米中開戦』という邦題をつけた人が悪いのであって、『世界最終戦争』が内容に合致したタイトルだろう。
なお、動機不明のハッカーが世界最終戦争を引き起こすという筋立ては、尤もらしくプロットを体裁付けるだけのもので、たいして意味を為さない。
制作者は、戦争なんて、些細なことから、恐怖の総和(『トータル・フィアーズ』)が徐々に高まり、最期は核戦争になっちゃうから、ダメなんだよね。やっぱ平和が第一よ!みたいなことがいいたいのかな?
まあ、この手の映画は、邦画なら『世界最終戦争』があるし、ジョン・バダムの『ウォー・ゲーム』や『トータル・フィアーズ』を直ちに想起しちゃうんだけど、ん~なんか、やたら音響がデカすぎて、テーマの深刻さや緊張感が少しも伝わらないのね。
反戦平和という志が高すぎて、プロットが生きない典型的作品だとおもう。
でも、円盤で70円(実は私、愚かにも新作で借りたから250円払いましたが)ぐらいなら、まあ、とてつもなく凡庸で陳腐な映画をみたいなら、ちょうどいいのかも。
それにしても、コケオドシとハッタリを散々重ねた挙げ句、綺麗事を宣う映画といえば、『キャシャーン』があったか。そういう観点で観るなら、駄作としては、抜きん出ている。
まあ、本作は、低予算映画だから、笑って許せるから、いいか笑