星の子のレビュー・感想・評価
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家族という優しい足枷
この映画に共感してしまう絶望的な日常に浸かっている人に、選択肢はあるんだということを知ってほしいと思いました。そのために自分を客観的に見つめるためにこの映画を勧めます。
芦田愛菜ちゃん大きくなったけど小柄なのね。
愛菜ちゃんのファンなので内容も知らずに観ました。
内容的には特に感動も無く、前半少し眠くなりました。この映画の良さが私には分かりませんでした。
宗教にどっぷり浸かっている両親の元で育てられた子供は、洗脳される子が多いでしょうね。
でも、思春期に周りとの摩擦で傷つき姉のように出て行ってしまう子もいるのでしょう。
私の周りにも親が熱心な宗教家の家族が何組かいらっしゃいますが、宗教の種類に関わらず、子供さんは素直で優しい子ばかりです。
この星の子の宗教は良く分かりませんが、小さい時に道徳や善悪を教わる事は決して無駄な事では無いと思います。
ちひろちゃんも素直な良い子、周りをよく見てたくさんの人と関わりを持って、自分の進むべき道を自信を持って生きて欲しいです。
芦田愛菜ちゃんは、可愛らしく演技も自然で流石だと思いました。
淡々と進む物語
かつて、とある宗教に関わってました。
映画と似たような感じでしたね。
今の日本の新興宗教でまともなのは存在しません。
普通にキリスト教や浄土真宗やらをやる方が良いという結論に至ってます。私は。
新興宗教にありがちな、如何にもありそうな水が終始出てきますね。
それで病気にならないなら良いのですが…。
芦田愛菜さん、更に演技力上げてます。
最後は何もなく終わりました。
え?これで終わり?
拍子抜けしました。
宗教に関わってる方、この映画見ないでしょうね。
鑑賞禁止かな。
絶対、数学嫌いになるね
岡田将生
岡田准一
岡田健史
イケメンに岡田姓が多いのはなんでだろう?
岡田真澄の影響?高級靴のコマーシャルを思い出した。
ちひろが授業中にあこがれの数学教師の似顔絵を描いてるノートはかつて母親が育児日誌としていた10年ダイアリー。
エドガー・ジェフリーだっけ?タロン・エガートン?あぁ、思い出せない。記憶力サイテー。数学の授業もちんぷんかんぷんだったし。岡田将生の突然のキレかたが酷すぎる。サイテー。ちひろのショックと悔しさの入り交じった顔。良かった。大きくなったね❗
なぐさめる親友役の娘がスゴく良かった。なんか、昔の南沙織に似ていた。有名写真家の奥さんね。
その彼氏役もおもしろくて、よかった。
宗教団体の研修のシーン。覗き見できた感じで、お徳感ありました。
高良健吾と組むと《黒木華》がぐっと気持ち悪くなる感じがすごかった。メイクのせいもあるけど、やっぱり女優なんだよなあ。浅田家、甘いお酒で乾杯でぐっと近づいたのに、また、遠くの手の届かないところに行っちゃった感じ。浅田家もう一回見なきゃ。
「あなたの意思でおきていることじゃないのよ。」って、なに?恐い!
お姉ちゃんはかなり変わっているけど、自立していてカッコいい。
ハウンドドックのおじさんと池谷のぶえの夫婦役良かった~
お姉ちゃんと夜中に飲むブレンドコーヒーはスティックタイプなのが、とてもあのコマーシャルみたいで、やらしいよね。
乳児湿疹って、自然に治るんだから、むきになっていろいろすると、こじれるのよ。 水道水でいいから、清潔な水で柔らかいガーゼで優しく拭いてあげてね。
ちひろの将来は、、、
このような宗教問題を扱う映画は珍しいですが、なかなか面白かったです。(大森立嗣監督といえば「日日是好日」や「マザー」など大胆な脚本と構成で個人的にですが大注目の監督です。)
もちろん宗教の自由という原則があり、どの宗教を信じようと無宗教であろうと本人の自由です。ただ金儲けのために人を騙したり、テロなど犯罪行為を行うことはどんな宗教であろうと許されないことだと思います(この映画の中の宗教のことではありませんが)。
「信じるものは救われる」という言葉の通り信者はそれで幸せなのかもしれませんが、この映画のようにその家族などが振り回されてしまうことは現実によくありますね。
宗教には少し疑問を抱きつつもでも親は信じているちひろ。はたしてちひろはどのような大人に成長するのでしょうか。
ひとつ心配なのはかなりメンクイで中身を見ないので宗教に騙されるより男に騙されないかのほうが将来心配です(笑)。
天才子役だった芦田愛菜ちゃんもすっかり少女となりましたが、かわいらしいのも演技が上手いのも健在でした。ですがこのような純粋な少女を演じてハマるのは想定内なので、今後はもっと様々な役柄を観てみたいです。
※平日の昼間ということもあるかもしれませんが、映画館内はお年寄りがとても多かったです。芦田愛菜ちゃんってお年寄りに人気が高いのでしょうか?
凄いなぁ、エグいなぁ
『タロウのバカ』を観た時にムカムカし、この監督は最低だと思った。次作『マザー』で長澤まさみを良い意味でブッ壊し、おや?大森監督良いじゃん、て。で、何か一見華の無さそうな本作観て、ブッ飛んだ。凄い、その題材と生々しい内容に圧倒された。参った、俺は大森監督にハマってきてるのか。
ある意味、禁断の信仰宗教物。かつてこんなに入り込んで取り上げた作品があっただろうか。集会の時間の長い事、細部の細かい事、監禁や催眠商法の噂、なんとも凄え。
信仰宗教と家族、親と子、親戚や教師や友人との関係を、ある意味残酷で痛々しくも何か暖かさを感じさせ、観ている我々に淡々と、しかしながらグイグイ見せつける。とにかく、凄いというかエグい映画。大森監督アッパレです。
芦田愛菜を主演に置いた狙いはあるだろうが、残念ながら芦田愛菜でなくても良いかな、と。何かこう、も一つ物足りない。優等生過ぎるというか淡々とし過ぎてるというか、悲惨さや可憐さがあまり出せてないかと。脇の役者は完璧だが。
あとヒロインにとってのイケメン俳優として、エドワードファーロングの名前が出ていたが、現在のその劣化&落ちぶれが判るだけに、ここは笑うツボなのか、と思ったw
結論は出ないが、芦田愛菜だよ!
信仰宗教にハマる一家の娘。
洗脳されてる訳ではない。
既に自分が世間から少し怪訝な目で見られている事は
自覚している。
多分、両親がそうなった原因が自分にあるので、
申し訳ないと感じてる。
しかし、あからさまに言われると反発してしまうんだな。
自分は、宗教を主宰している方に関心がいってしまう。
本当に、信心しているのか?
あんな立派な宮殿を建てて、活動出来るほどの
経済的な余裕がある。
経営側の本心は、どうなんだ?
バカ信者だまして、楽な生活できて、満足してるのか?
それとも、自分を、自分で洗脳して、世の中の為に
活動していると本気で思っているのか?
信仰なんだから、どっちでもいいと思う。
見分ける基準は、金銭的に信者を、
金銭的に破綻に追い込むかどうか?
だと思う。
それさえなければ、勝手にどうぞって感じ。
だましてろうが、そうでなかろうが。
高い水、とかいろんなもの買っても、普通の生活送って
いられれば、それでいいじゃん。と思う。
少し変だ、と思うけど、幸せそうな家族じゃん。
自分で、自分の為に、どれだけ何に、お金使うかって、
本当に個人の価値観だからさ。
何百万のロレックスの時計とか、
何千万のフェラーリとか、完全にひとつの「宗教」だぞ!
時計、車、あと、靴、服、
白いTシャツが一万とか、いいのか?
宝石だって、言ってみれば光る石ころだし。
そんなもんに、何百万払うのは普通か?
テレビドラマのマザーで、芦田愛菜見て、
スゲーと思った。
今回の演技は普通によかった。
でも、舞台挨拶での信じる事の話の方がスゲーよ。
新興宗教に傾倒する両親と、翻弄される家族の、よくある話。
世間一般によくある、非日常のような日常を、淡々と描いた、掴み所のない作品。
芦田愛菜の可能性は引き出したのかも知れないが、彼女の魅力を十分に引き出したとは言いにくい。
感動的な場面もなく、盛り上がりに欠ける、非常に残念な作品。
そこら辺に山程転がっているよ。
信仰宗教、マイノリティ、精神疾患者、
これらに対する風当たりは長期間滞在
し続ける台風のようなものです。
大概は、
生きている上で、ストレスになるものを
直接受けない限り、事件になるような事は
決してないと言えるし、
宗教であれば、勧誘も当然ですからね。
うんざりするほどであれば、
しかるべき相談窓口や、警察に訴えれば
よい訳です。
自分が危害を加えられた訳では無いのに、
妄想と真しやかな噂話で白い目で視て、
後ろ指指す奴は、性格ブスのゲスい人だ、
岡田将生が演じた学校の先生のように!!
ただ世の中は
そんな人達ばかりだと思うよ。
流れ星は地獄への入り口の踏み絵となる?!悲劇への現実的な予感に震撼した?!
この宗教自体は穏便で害のないものかもしれませんが、極端に傾倒する信者からはとことこん搾り取っているようです。
永瀬夫婦は裕福な家庭なのに家を失い、食事すらもままならず、貧困まっしぐら、そのうち風呂もあの水を使えば、あとは犯罪に手を染めるでしょう。
主役の女の子は、両親を含めて善良で友達思い。
でも、授業中絵ばかり描いている極端な性格なので、長女と違い、両親に依存して、監督の前作のマザーと同じ構造になっています、ああ、恐ろしい。
それなりの宗教なら良いかもしれませんが、主人公家族は教祖に目をつけられているので、研修中に教祖に洗脳され、子供を星空に誘い、流星の踏み絵を踏ませます。
そう、見えてなくても、見えていると信じさせているのです。
先生の発言はまともだと思います、でも、救うことはできなかったので、教師失格です。
芦田愛菜と岡田の演技が鬼気迫り、凄い演技でした。
信仰というか
こういった環境に置かれたことがないので、どこをどう捉えてよいのか迷う映画の題材ではあった
新興宗教の家庭に生まれた二世の視点であり、過剰な演出があるわけではなく
ごくごく普通の学校生活が描かれているところにゾッとするものを感じた。
水で治ってしまったという現実が家庭の絆を生み、逆に絆を揺るがすものでもあるジレンマ
見えないものや感覚的なものはカタチにできないものでとても不気味だけど
それは愛情や友情も一緒でカタチのないものだけど不気味と感じはしない
信仰の行動を異常と感じる岡田将生演じる先生がインフルエンザになるならないの違いについて語るシーンは何事も紙一重だと感じる印象的なシーンだった。
ラジオ人生相談を聴いてる感覚に近い視点で観ていた気がする。
38.5℃ならPCR検査受けてください!
星の子といえば、カービィやチョビンしか知りませんでしたけど、今作では芦田愛菜が演じています。宇宙から授かったかのようなイメージで、特に途中のアニメーションでは浮遊感さえ覚えてしまいました。そんな主人公ちひろは未熟児として生まれ、アトピーなどで悩まされる病弱だった幼少期。それを新興宗教の勧めにより水の力によって元気な子に育ったのです。
もしかして宇宙人?などとも考えてみたのですが、友人のなべちゃんを演ずる新音は『まく子』で宇宙人だと言ってたし、南先生役の岡田将生は宇宙飛行士も演じたことがあった。父親・永瀬正敏は宇宙人ジョーンズと同僚だったこともあるし、母親・原田知世は時をかけることもできる!そんな新興宗教。両親が頭にタオルを乗せて水をかける奇妙な光景によって、それが当たり前だと思っていたちひろが南先生の目を気にして宗教に疑問を抱くようになる。
一見して平和で幸せそうな家族なのだが、ちひろが授業中に描いている南先生の絵(エドワード・ファーロングともいう)は母が綴っていた分厚い日記帳だったし、終盤になってちひろの修学旅行費は伯父の雄三(大友康平)が支払ったという驚きのエピソード。林家は生活が苦しかったんだ。と、ようやく気付いた。コンビニの水よりちょっと高いだけだと思ってたのに・・・
新興宗教の信者とはいえ、誰にも迷惑をかけるわけじゃないし、なべちゃんや新村くんだって宗教によって差別はしなくて、ごく普通に接しているのだ。「風邪ひかないんだよ」には勧誘の意味も多少あるけど、なべちゃんには聞き流すだけの才能があるように思えました。南先生の言葉は強烈だったけど、もちろん、作品自体も宗教批判してるわけじゃないし、黒木華が催眠術を使えるという噂があるだけで、超能力を用いたカルト教団でもなさそうだった。個人的には高良健吾の作る焼きそばには何か薬が混入されてるように疑ってしまいましたけど。
両親のかけがえのない愛情。5歳上の姉まーちゃんだけは宗教を毛嫌いしてたみたいけど、病弱だった妹に両親の愛を奪われた気がしてただけかもしれません。恋愛観、結婚観、それに新婚旅行にこだわりを持つところだけはさすがに親の教育方針が奇異に映りましたが、まーちゃんもそれに逆らったのかもしれません。そんな気がします。
15歳という多感な年頃の少女。両親の愛をそのまま受け入れて、宗教も信じ続けるのか。流れ星をみつけることで親元を離れないよと応えた形になるほど、ちひろは成長し、宗教と実社会を使い分けていけるんだろうな~などと、しんみり。と、宗教にはほぼ無縁の者が語っても重みがありません・・・そして、なぜか思い出す歌。
あなた 私のもとから
突然消えたりしないでね
過去も未来も星座も超えるから・・・(「時をかける少女」作詞:松任谷由実)
あ、そういえば、歪み矯正メガネはどうなったんだ?欲しい気もするんだが、最後に助けようとしたメガネの子がかけてたのは・・・
何を言いたいのかよくわからない
お水を飲むことは健康にいいんだよね。糖分たっぷりのジュースより。プロテインと筋トレすればもっと風邪ひかないのにな…
えっ、そのテーマの映画じゃない?
芦田愛菜の演技がいいこと?
岡田将生はかっこいい?
似顔絵が上手い?
学校は学ぶ所でHRは静かにしましょう?
どれがテーマだっけ?
合宿の弁当はもっとお金をかけてあげて欲しい
これがテーマだった!やきそば食いてーー!
一瞬の流れ星を皆んなで追うのは難しい。
宗教、健康食品、ファッション、政治活動
何であんな事物にお金や時間が掛けられるのか。
他人から見たら滑稽なんだけどその仲間内では何物にも代え難い価値が有る。
可哀想なのは中と外の間の人、芦田愛菜や大友康平。悩むよね。
何でも軽る〜くいきたいもんです。
映画としては必要十分条件を満たしていたので☆3
原作有りとは言え演技力に頼ってはだめですよ、監督。
「訳わからなくなること、あるんだよね。」
私の大好きな蒔田彩珠さんのセリフです。
この映画から最も感じたことは、「家族の大切さ」。
それはもちろんストーリーから感じましたが、それ以外にもいろいろとポイントがありました。
まず、非常に長いカットが多い。カット割りが少ないことで、俳優さんの演技が見えないシーンがいくつかありましたが、それ以上に纏まりを感じ、それが家族へつながるシーンがいくつもありました。
特に、蒔田彩珠さんと少女時代の芦田愛菜さんの非常に長いカット。2つにしか割ってませんでしたし、部屋全体のカットでセリフOFFで別シーンを挟む。これは親からの目線を感じるようで非常に良いシーンでした、、本当に蒔田彩珠さんが出るとシーンが引き締まる、、、最高です。
次に、ラストの星空のシーン。ここは本当に感動した。見ればわかると思うので細かくは書きませんが、親の本心が非常に重く、ストレートに伝わってくる。親も、宗教に入っている自分たちに飽き飽きしていたんだろうな。それを感じたところで涙が流れた。
軸として宗教が取り巻く家族があるので、周りからのバッシングとか内からくる嫌気のようなものをどのように演技するのか。出演される俳優さんたちの演技を非常に楽しみにしていました。
ただ、芦田愛菜さんの演技にはあまり感動を得ませんでした。というのも、ふたを開けてみると芦田さんの役は周りからも内からも静かに対抗する時間が長かったので、見たい演技を見ることはできなかった。瞬きも多いし。表情は豊かだが、目はずーっと一緒だった。たまにピークが立つときはあるが、もう少し見たかったし、ひとりで海へ行くシーンは感情震わせる表情を見たかった。もう少し多くの作品を見てみたい。
ほかの生徒役の子たちもちょっと、、、という感じだったので、芦田愛菜さんの演技が変に立つところがあった。これはわざとなのだろうか。。。
“信教の自由”を理解しながらも、差別や偏見にまみれる社会の縮図
「星の子」。
主演映画は「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」(2014)以来となる芦田愛菜。
まだ16歳なので“マナちゃん”と呼んでも差し支えないはずなのに、時折、垣間見える知性と、子役からの実績が、すでに“芦田愛菜さん”と呼ばせる空気感を纏っている。
前作の頃(10歳)は、“ザ・子役”のルックスであり、この世代における6年の大きさを物語る。芸能ニュース的には、この間に慶應義塾中等部に通常入試で合格した才女である(現在、慶應女子高)。
そして6年ぶりの映画として、彼女が選んだのが主演作品であり、しかも大森立嗣監督作品というところが、またその大物感に箔をつける。実力派俳優がこぞって出演を望む監督のひとりだ。今年も大森監督は長澤まさみ主演の「MOTHER マザー」を送り出している。
さて本作の原作は今村夏子の同名小説で、第157回芥川賞候補になっている。
主人公の中学生ちひろ(芦田愛菜)は、愛する父母に大切に育てられた。幼少期に病弱だったちひろを救ったのは、藁にもすがる想いで、両親が頼った宗教と、その団体が提供する怪しい“水”だった。
いぶかしがる叔父の家族は、ちひろと姉を引き取って、両親から引き離そうと試みるが、ちひろは愛する両親を裏切れず思い悩む。
中学3年生で受験を控えたちひろは、新任の先生に一目惚れするが、夜の公園で両親が頭にタオルを乗せ、“水をかける”怪しい儀式を先生に目撃されてしまう。
結果、片思いの先生には激しく拒絶され、避けられてしまう。揺れ動く心の葛藤を演じる芦田愛菜の演技が見どころだ。
本作の完成報告イベントで、「信じる」ことについて聞かれた芦田愛菜が語った答えが、日本国内だけでなく、中国版ツイッターWeiboの記事にも取り上げられ大反響を呼んだ。
「『その人のことを信じる』ということは、その人自身ではなくて、『自分が理想とする、その人の人物像みたいなものに期待してしまっている』。だからこそ人は『裏切られた』とか言うけれど、それは『その人が裏切った』とかいうわけではなく、『その人の見えなかった部分が見えただけ』。その見えなかった部分が見えたときに『それもその人なんだ』と受け止められる、『揺るがない自分がいる』というのが『信じられること』なのかなって思った。」
「でも、その揺るがない自分の軸を持つのは凄く難しい。だからこそ人は『信じる』って口に出して、不安な自分がいるからこそ、成功した自分だったり、理想の人物像だったりにすがりたいんじゃないかと思う。」
小学生の時すでに年間180冊の本を読んでいたという読書家の彼女の状況理解力・考察力には感心するばかり。ただならぬ16歳である。
と同時に、記者の質問「信じることについて」は、映画のテーマである“宗教観について”を聞いたものであって、これまた絶妙に、はぐらかしているところが賢明すぎて恐ろしい。
この映画(原作)が描いているのは、ひじょうに日本的な風景であり、“新興宗教”をモチーフに日本社会の縮図そのものを表現している。
この映画を観る人も、“信教の自由”を理解しながら、差別や偏見にまみれ、加害者にも被害者にもなりうる。世界的に種や文化の多様性が叫ばれる時代に、“自分とは異なる異様なものを受け入れられるか”という課題も突きつけられる。
惜しむらくは、芦田愛菜のダダ漏れる知性のせいで、主人公のちひろが平凡な女の子に見えないこと。授業中に、片思いの先生の似顔絵をノートに落書きする姿は、どうしても芦田愛菜という才女イメージが邪魔をしてしまう。
大衆イメージというのは厄介だ。バラエティ番組への出演よりも、映画や舞台でもっと幅広い役柄をこなし、彼女のキャリアを積み上げるしかないのかもしれない。
いまから、こんなことを求めちゃいけないとは思いつつも、やがてオトナの女性を見せる役柄や、汚れ役にも挑戦してほしいし、女優・芦田愛菜の可能性は無限に広がっている。
(2020/10/10/ヒューマントラストシネマ渋谷 Screen2/ビスタ)
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