星の子のレビュー・感想・評価
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いろんな側面からの描写が芸達者な役者さんで支えらているが、、
新興宗教に対する信者内の和気あいあい感が良く出ていたし、それに対する叔父や教師に代表される世間の敬遠感も感じたし、芦田愛菜演じるちひろの心の揺れも、ちひろの周りにいる友人たちのそれはそれとして友達だし感も良く伝わる、芸達者な役者さんの演技が良かった。
だが、明らかに家が経済的に貧しくなっている設定に対し、ちひろの制服に感じる新品っぽさや良質な素材を思わせる私服、そして背筋が伸びている芦田愛菜、、、ここら辺のリアリティがなく、どこかこの話自体があくまでフィクションで客が飲み込まれ過ぎないようにしているのが気になった。テーマが宗教だからかもしれないが。
子は親を選べない。でもいつかは自我が芽生え親から自立していく、けど親と子の縁が切れることはない。ラストシーンはそんなことを感じた。
波動水を信じて。
人生においては謹厳な正誤よりもコミュニティにおける触れ合いや関わりが大切で、少々柔弱感のある相手や自分でもいいじゃない、という安堵感のある作品です。波動水を飲んでシンクロ現象に戸惑う主人公、校内エピソードがやや陳腐かな。この宗教は霊能波動水などを霊感商法で販売しているのですが、だからと言って特に悪いものとはしておらず、実際にパワーのある教団ではあり、アトピー治癒で興味を持った両親を中心に、凡庸な庶民の一コマとして描いているのだと思います(現実には薬事法云々ありますがこの映画については被害者はいないと仮定します)。啓発合宿の夜に見よ、あれが向上の証だ、いや文芸賞の星かも? 上映ライバルを意識させますね。傍から観ればよくも悪くも視える、実際はまた別の話です。
信じる側と信じない側の対比
原作は未読。宗教にはまっている両親のもとで育った女子中学生の立場から家族、親戚、友人、学校生活を描く物語。
両親が宗教にはまったキッカケが、乳児の自分の病気ならば自分もそれを受け入れざるを得ないのがよくわかる。幼少からの家庭教育がどれほど影響を与えるかということを改めて思い知らされる話だ。
主人公のちひろは宗教を除けばごくごく普通の女の子。友達がいて、イケメン好きで、先生に憧れている。だからちひろの生活を通して、信じる者と信じない者の対比がリアルに感じられた。研修に参加して周りが信じる者だらけになった状況もまた面白い。内と外を強く感じさせられた。
誰でもハマる可能性はあると思う。でも宗教にハマるということは必ずしも不幸とは限らないと思ってしまった。私がハマる可能性は限りなく低いのだが。
モヤモヤ
私自身の体験と照らし合わせながら観ました。
私も小学生まではちひろのように母の言うことに合わせて行動しました。それは宗教の教えを信じていた訳ではなく、母が喜ぶから頑張っていただけでした。
中学生の頃にはお姉ちゃんのまーちゃんのように反発しぶつかり合い、母親と分かり合え無くなりました。
宗教は家族の幸せの為と言う母、でも毎日集会に行き家事もせず家に居ない。
一緒に反対していた父が早期退職して宗教に行きだした時は絶望しました。
宗教は心が弱っている時に近づいてきます。それが大人になって更に怖くなりました。
皆さんのレビューを観て、少し納得しましたが、もう少し宗教の怖さを伝えてほしかったです。
とても良い映画
「まーちゃんに子どもが産まれた…」という両親の言葉に、芦田愛菜と一緒に泣いた…不覚にも(笑)
それって、"嘘"なのに…(たぶん、もうこの世にいない…)。
人の心とは、かくも弱いもの…誰かに支えられているだけでなく、また誰かを支えているからこそ、強くもなれるし生きている実感が湧くんでしょう…
(姉と会えなくても、"コーヒー1杯"で妹の心は姉と繋がっているし、たとえ両親の事を疑い出したとしても、"姉"が心の支えになっているから、親の愛を無理に否定しようとせず、同居して行くことが出来るのでしょう)。
しかし、結局のところ、娘を2人とも失ってしまう事になるであろうこの親たちも、また哀れです。
(かつて未熟児で生まれ皮膚病に苦しむ我が娘を、藁にもすがる気持ちで救おうとした両親の気持ちは、あまりにも尊いですが…)
*芦田愛菜の両親を「かっぱみたい」と言って、教室で同級生たちと笑うシーンが、ほのぼのとして良かった(笑)…逆に、こういうシーンがあるからこそ、主人公の気持ちの揺れや変化をリアルに感じることが出来ました。
この先の行方は
宗教とは本来、人が幸せに生きられるよう導いてくれるものではないのか。
芦田愛菜ちゃんをスクリーンで観るのは初めて。TVドラマ『Mother』が懐かしすぎる。
美しく聡明な少女に成長した彼女が演じたせいか、難しく不穏なテーマであるはずなのにすんなりと見入ってしまった。
自分たちの力ではもうどうにもならないと絶望を感じた心の底に、誘いの手を伸ばしてくるカルト宗教。
だが、親は子を、子は親をお互いに大切に思っている気持ちが切にわかるから、彼らが幸せというのであれば、それでいいのかもと感じてしまう。
家族でも同じ道は歩けない。一緒には生きてゆけないこともある。ちひろはどうするのだろう。これからも三人で夜空を見上げるのだろうか。ラストシーンが繰り返し問い掛けてくる。
流れ星が見えたということは
そこには国民的子役から成長し、すっかり国民的女優となっていた芦田愛菜ちゃんがいた。
正直に言って子役時代はあまり好きではなかった…(ファンの方すみません)
やっと身体が中身に追いつき、また外見も大和撫子でそして演技も相まってまさに"国民的“。
個人的には清原果耶ちゃんと雰囲気が似ていると思っており、朝ドラヒロインを演じるのはいつだろうと期待しています 笑
病弱だった自分を治してくれた宗教の信者となった両親。
世間一般から見たら変だと言うことはわかりつつ、芦田愛菜ちゃん演じるちひろは自分はどうしていけばいいか迷っています。
日本は国民自身の自覚からして無宗教者が多い国。
劇中での信仰宗教が絶妙なラインで描かれています。
大友康平さん演じる伯父に水がインチキ商品であることを立証されますが、それ以外は全く無害なんですよね。
ちひろが生まれてから15年間、商品を買う資金作りのためか小さな平屋に引っ越してはいたが家族3人は幸せそうで。
観ているこっちもいい意味で個人の価値観でしか善悪を決めることができなかった…
伯父さん以外でちひろ家族を否定した唯一の人物が、岡田将生さん演じる片思いの先生なのだから残酷すぎるではないか…
同級生の中学生たちでさえイジメるでもなく、そっとしておいたのにも関わらず…
宗教の集会で当選者が壇上で宣言をする場面。
当選者の中にはるちゃんの彼氏いたよね⁉︎笑
何を宣言したんだろう…
最後3人で星を眺めるシーン。
ちひろは2人とは別のタイミングで流れ星を見つけますが、僕はあれは嘘だと思っています。
これは宗教を信じていないことを表しているのではないでしょうか。
そして嘘をついた理由は、"宗教は信じないが父と母2人は見捨てない“というのがちひろが出した答えだということでまとめます。
思ってたより難しい映画
映画を娯楽と捉える私にとっては難しく、なんだったんだ???とすっきりしない内容と結末に悶々としてしまった。
演者はとてもいい、脚本もいい、見せ方がイマイチ。
微妙なところで切ったり、話がちぐはぐと繋げられていたり、導線はたくさん張られていたのに回収されず、
視聴者様のご想像にお任せします
な結末。なんとも消化不良。
信じるものがハッキリしている人は幸せだと思った。
みんな信じるものがないから不安になり噂に惑わされ周りにイライラしたりする。
不安があるから、信じるものを探し、一度信じると抜け出せなくなる。
そんな教訓めいたことはこの映画には込められていないだろうけど。
映画館メモ
140席くらいの8列目真ん中寄りで鑑賞。
高さは結構ぴったりだった。
グロテスク
まなちゃんが愛らしいので家族愛のお話かと思ってしまいますが、その真横にあるもっといびつなものがテーマなのかと思います。
お姉ちゃんの行動が全て。外からの手助けにすがりつつ、土壇場で刃物をむけてしまう。おそらくそんな自分にぞっとして家を出る。
妹はそんな姉の気持ちを理解しているのにもかかわらず家に残ることを選ぶ。
おかしい事、ずれている事に気づきながらも見ないふりをして過ごす人達に違和感を持っている上で、同じようにそこにいようとする。
それは家族愛とかではない。
姉妹で出した結果は違うけど、生きるための立ち位置を模索しているのだと思います。
三人で見上げる星空、両親と同じ流れ星を目撃できなかった事、これはこの先見るもの目指すものが違っていることのたとえじゃないかと思いました。
救いは…お父さんが高校の事を、遠いな…と漏らしてその後の言葉が本当はあったかもしれない瞬間。おじさんの家から通う選択肢が、僅かだけ提示されていたのかと。
でもじつはもっと怖いのは、それらを超越してあの団体は動いているのかもと思わせる不気味さ。
合宿先でなかなか両親と会えなかったこと、催眠術を駆使するという女性に揺らぐ心を言い当てられること、それらは仕組まれていたのかも。会えない時間に両親から娘の相談を受けていて、さも心を見透かしたように投げかける言葉…こういう手口はよく聞きますよね…怖。
ところであの素敵なバランス感覚のお友達なべちゃん、まく子ちゃん演ってた美人さんですよね!途中で気づいて嬉しくなりました。
お姉ちゃん役のあじゅちゃんも応援してます!
若くして子供を産む役が多いな。 笑
もやもや
家族の絆がテーマなのだろうけど、観賞後なんだかもやもや感が残った。素直に信義信条は置いといて、家族は家族と捉えられれば良いのだろうけど。
主演のちひろ役芦田愛菜は、天真爛漫な感じが出ていて、劇中の子供時代とイメージが繋がっているので違和感なく観れた。制服姿を見てると「グエムル」のペ・ドゥナを思い出す。子役時代から観てると、やはり応援したくなるのですね。ちひろの両親に永瀬正敏と原田知世。産まれたばかりの病弱なちひろを救いたい一心で、新興宗教にのめり込んでいくのだが、半歩離れた世俗感をうまく表現していた。狂信的なのだけど、それ以外は優しく普通の両親といった体だ。彼らががっちり脇を固めた形で、嫌悪感なく、それでいてどこか怪しい夫婦がよく表現されていた。
両親のそんな信仰心が、中学卒業を控えたちひろに世間の冷たい眼差しという現実を突きつける。丁度、自ら社会と関わり始める年代のちひろが、思い悩むさまが描き出される。
自分の好きな人たちが分かり合えないつらさに遭遇し、戸惑いながら自分はどうなのかと自問する。
状況は深刻なので、暗い映画にもなりそうだが、そこは芦田愛菜の朗らかさが救っていた。多分演者が違えば、また違った印象になっていただろう。
家庭は崩壊しても、家族は崩壊しないといったまとめになるのかと思うが、どうももやもや感は残ってしまう作品だった。
観賞後に考えさせられる作品
芦田愛菜が好きで久しぶりの主演映画だからという軽い気持ちで鑑賞しましたが、終わった後は良くも悪くも呆然としてしまい、色々と考えさせられました。
この映画では、普段私たちが当たり前と考えていることが通用しません。
・宗教に傾倒してしまい、娘の修学旅行代も払えないようになるまでお金を使ってしまうのはダメなこと
・宗教に傾倒している妹を目覚めさせるのはいいこと
・宗教に傾倒している子供を助けるのはいいこと
外から見ていたら当たり前だと思うことです。
しかし、主人公は生まれてから宗教に傾倒している親の元で育っているので、当たり前が当たり前ではありません。
本作ではそんな主人公が世間とのずれを認識していく姿が丁寧に描かれています。
主人公は世間とのずれを認識しても、親への愛情を捨てることができません。
特にラストシーンでは、主人公は信仰している宗教団体への不信感を感じながらも、最終的には星を見ることを選択してしまいます。
最初はこんなところで終わるの?と思いましたが、他の方のレビューで、何も見えない空に架空の星を見ることを選択していることが描かれているという解釈を見て、究極のバッドエンドだと思いました。
今後も主人公は世間とのずれに葛藤しながらも、両親を信じていくのでしょう。
宗教ではなく、両親を裏切れない、見捨てられない、ほっとけない等の理由で信じていくのでしょう。
また、宗教が悪徳宗教なのか、宗教団体の悪い噂は本当なのか、なぜ宗教団体の会合で親と会えなかったのか等は何も描かれていません。
鑑賞者の想像に任されています。ただ、明らかに生活レベルを下げて宗教団体の物品を購入しているので健全な宗教団体とは言えない気がします。
考え方によっては、レイプや監禁による金銭徴収が横行している悪徳宗教団体に、主人公が蝕まれていくという見方をすることもできます。
少しでも報われてほしいと切に願ってしまうような作品でした。
親への無条件の愛
どんな親でも親は親で、好きなものは好き、という子どもなりの愛を表現した作品に思えました。
役者に繊細な演技が求められる作品。
ちひろ役の芦田愛菜を筆頭に、両親を演じた永瀬正敏、原田知世、友人役の新音らの演技力は素晴らしかった。
とはいえ、やっぱり新興宗教は罪深いし嫌い。
実在しない宗教とはいえ、決して糾弾するわけでも、肯定するわけでもなく、あるものはある、という距離感で描かれているものの。
信者に高額商品を売りつけ、弱った人につけ込み勧誘する手口に、信者を集めた集会など、宗教がらみのシーンになるたび目を背けたくなる気分の悪さを覚えました。
ろくな説明もありませんでしたが、ちひろが幼い頃住んでいた家が豪華な購入型マンションで、中学生のちひろの家が昭和的なボロい賃貸一軒家になっているあたりに、批判的な香りがあったのだけは、よかった。
もうちょっとかな
役者はいいしテーマもいいけど、ストーリーがもうちょっとかな。
冒頭のシーンは特にいいし、家が粗末になってる感もいいし大友康平周りもいい。
ただ、宗教関連のエピソードもっと欲しかったかな。子供の目線だから、というのもわかるけどもっとあるでしょうと。あと、学校での立ち位置もそうじゃないだろうとか思っちゃいました。水持ってくだけじゃないでしょうと。
じんわり感動してしまった、良い映画。
中学3年生の主人公ちひろと、病弱だった幼少期のちひろを治した怪しい宗教にハマってしまった両親を描く、中3の女の子視点に広がる人間ドラマ。
大森監督は、暗くて目も当てられないぐらいの辛さを描く作品も結構あるので、この映画もそっち寄りなのか?と思ったけど、そんなに暗くもなく、どろどろした感じもなく、青少年の視点から見た大人や周囲の世界を淡々としたトーンで描いていて、私は好きなタイプの映画だった。
でもあくまで全てを知らない、まだまだ無知識な時期を生きる年齢からの視点で描いているから、だからこそ色んな世界や大人の闇や心の闇がぼんやりふんわりと(あえて)隠されている内容なのかもしれない。その感じが闇や無知識の怖さをじんわりと感じさせるといえば感じさせるかも。
宗教にハマってしまってる両親の信仰心とか、その団体にいる人達の行動とか、そういった団体への白い目線を送る担任教師や、怖いな…嫌だな…と思うシーンは随時出てくるんだけど…
ちひろの純粋な思いや疑問や葛藤は、見ててとても惹き寄せられるものがある。芦田愛菜ちゃん以外キャスティングが考えられないってぐらい、愛菜ちゃんのちひろは良かった…凄く。演技も雰囲気も表情もとても良かった。
家庭環境が嫌になり出て行ってしまった姉を演じる蒔田彩珠も良かったな。ちひろとは違い両親への違和感を強く感じたせいか家にあまり居なくなり、出て行ってしまったけれど、妹のことはやっぱり大切にしてるし合わなくなっても心の何処かで想っているんだろうなと感じさせる姉。
そして、私も見てる人も絶対好きになった、小学生の頃からちひろと一緒にいる友達・なべちゃん。ハーフみたいな顔立ちで綺麗なスタイルの女の子だけど、さばさばしていて、ちひろに対しては家庭の事とか宗教のこととか割とばっさりと指摘してくることも多々あるんだけど、そこを置いておいてもなべちゃんはちひろという人間が好きだから普通に一緒にいる感じが、その関係性がなんか凄く良くて。付き合ったり離れたりを繰り返すちょっとアホななべちゃんの彼氏も含めて3人の関係がめちゃくちゃ良かった…私はこの作品の中でなべちゃんやその3人のシーンが1番好き。はらはらする映画を観た時の心の拠り所のシーンとかではなく、純粋に笑えるし笑顔になるし良い友達を持ったちひろの人柄や友達の人柄に触れてジーンとするしほっこりするから、好き。
ちひろのクラスメイトも割と良い子が多いし、保健室の先生とのシーンも良かったなぁ。ちひろの心配をしてくれている親切な叔父さん家族も。
色んな人達との出会いや付き合いで生まれる心の葛藤や判断・決断…。第三者がどうこう言ってその人達が思う「世間的にこうした方が良い」ではなく、ちひろが自分自身で選んだ道を歩もうとするところに感動しました。
良かったです。
うーん 最後にもう一声!
ラストまではめちゃくちゃ引き込まれた
宗教って本当に難しくて、周りから見れば滑稽に映るんだろうけど、それを拠り所にして救われている人もいる
その対比がとても丁寧で、主人公にめちゃくちゃ感情移入して苦しくなった
熱出して保健室に行ったシーンなんて最高に泣きそうになった
最後「これで終わり!?」感だけは否めなかった
お父さんの「遠いな」という言葉の背景にはどんなことがあったのだろう
自由に想像してくださいってことなんですかね
ナベちゃんがめっちゃいいキャラしてたことと数学の教師のクソさが際立ってました
芦田愛菜さん健在
未熟児で産まれた自分のために宗教に傾倒していった両親。そこで自分は、、。そんな難しい役を見事に演じた芦田愛菜さんに拍手。内容は単純なカルト宗教の映画ではなく、家族愛とは何か?を考えさせられる映画。
観る人によって解釈は変わるはず。永瀨さんも原田さんもいい味出しているし、岡田将生さんはこういう役は天下一品。
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