子どもたちをよろしく

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子どもたちをよろしく

解説

元文部科学省の寺脇研と前川喜平が企画を務め、子どもたちを取り巻く社会の闇を繊細かつ鋭く描き出した人間ドラマ。北関東のとある街。デリヘルで働く優樹菜は、母親の妙子と義父の辰郎、辰郎の連れ子である稔と4人で暮らしている。辰郎は酒に酔うと妙子と稔に暴力を振るい、優樹菜には性暴力を繰り返した。妙子はなす術もなく、見て見ぬ振りを続けている。稔はそんな父母に不満を感じながら、優樹菜に淡い思いを抱いていた。一方、優樹菜が働くデリヘルの運転手・貞夫は、妻に逃げられ重度のギャンブル依存症に陥っている。息子の洋一と暮らす家に帰るのはいつも深夜で、洋一は暗く狭い部屋の中で1人、帰ることのない母親を待ち続けていた。同じ中学校に通う稔と洋一は以前は仲の良い友人だったが、今は稔たちのグループが洋一をいじめの標的にしている。ある日、稔は家の中でデリヘルの名刺を拾う。姉の仕事に疑問を抱いた彼は、自分も洋一のようにいじめられる側になるのではないかと怯えるようになり……。主演は「愛なき森で叫べ」の鎌滝えり。「ワルボロ」の隅田靖監督がメガホンをとる。

2019年製作/105分/G/日本
配給:太秦
劇場公開日:2020年2月29日

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映画レビュー

2.0うーん、、、

2025年1月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他、VOD
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あじま

5.0これもひとつの大きな真実

2025年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

この作品に描かれている真実
人の弱さと強さ
ミノル
普通に学校へ行き、普通に暮らせている。
その理由を、彼はずっと後で知ることになる。
彼は未熟で、いじめ仲間同様に思い上がっている。
その背景にある「普通」という概念。
同時に悩みもある。
アルコール漬けの父と暴力
ミノルは思った「父さえいなければ幸せでいられる」
この甘えが殺意となり、姉の仕事に気づき、諸悪の根源である父を刺し殺そうと決意する。
しかし姉は何もできない無力なミノルをたしなめる。
その真意さえわからないミノルは、デリヘル嬢を運ぶ仕事をしているヨウイチの父にも同じような敵意をむき出しにする。
ミノルが執拗なまでにヨウイチを攻撃したのは、ヨウイチの中に見た自分と同じ弱さだったからだろう。
何もできないことへの怒り
何をされても無抵抗だという怒り
いじめられても何もしないという怒り
これらは全部ミノル自身が普段家でしていることとと同じだった。
この気づきに対する怒りを、石を投げる行為で表現したのだろう。
さて、
この作品は見るものをとても不愉快にさせる。
前半では辟易感を覚える。
しかし、
この作品が描きたかったのは、そこまで追い詰められていながら何もできない「弱さ」という1点に的を絞っている。
ミノルの家族
有森也美さん演じた母 似たような演技で私生活までバッシングを受けたにもかかわらずこの演技は見事でしかない。
このどうしようもない女 昭和時代に特に多く見られた。
自分は変われないけど、誰かが何かしてくれると思い込んでいる。
自分は何もできないから、誰かに何かしてほしいと考える。
その延長線上にあるいま 娘の仕事を知りつつ、それが生活費となっているので何も言わない。知らないふりを続ける。
ミノルの父
確かに会社経営に失敗したが、何もしない妻 何もできない子供たち。
何をしても無能で無抵抗な妻 酒がDVを引き起こし、それが性的虐待になるが、それでもみな黙っている。
八方塞で、酒 酒 酒
ミノルはそんな父に殺意を抱くが、何もできない。何もしない。
知恵を振り絞ってみても、出てきたのは短絡的なことだけ。
それをよく理解したのが姉のユキナ
ナイフを払った時にできた傷
それを父が手当てしてくれた。
ダメなのは短絡的に動く者と、何もしない者。
自分で強く生きなさい。
これこそがこの作品が伝えている真理を突くメッセージ。
ヨウイチ
彼はずっと母が迎えに来ることを信じ続けることしかできない無能な人物
父の仕事も知らないし知ろうとも思わない。
いじめを受けても無抵抗で、無気力で、ただ父の帰りを待つこと以外できない。
やろうと思えば新聞配達くらいできるだろう。
デリヘルが年齢詐称で出来るならば、新聞配達だってできるはずだ。
学校から給食費の請求や修学旅行のお金の請求が来ても、ガスが止められても、電気が止まっても、何もしようとしない。
この無能さ
ヨウイチのこの無能さを、ミノルは自分の中に見つけたのだ。
しかし、その怒りを表現する以外何もできない自分自身を、まだ彼は見つけられずにいた。
そうして帰ってみれば姉からの置手紙。
まさか父と一緒に暮らすから出ていくなどとは想像さえできなかった。
打ちひしがれてもなお何もしようとはしないで伏して泣く母
駆け回って探すミノルはやがてヨウイチを訪ねる。
割れた窓ガラスと家族写真
無能で無抵抗な人間が行き着く先
必死に探し回ったものの、時すでに遅し。
ヨウイチの父の記者会見
何もできない人物の体裁のいい上辺だけの言葉
いじめっ子たちの調査 嘘 嘘 嘘
しかしミノルは、真実を話した。
全てを告白した。
ここが彼の人生の始まりになった。
どれだけ多くの人がこの登場人物たちと似たような風に生きているのだろうか?
私はいっいどんな幻想を見て、どんな現実を見ていないのだろうかと考えてしまう。
ユキナのように同窓会で嘘をつきながらも家族のために風俗で働く強き者。
うまくいかない原因は、家族であっても無能な人の所為
現実を見て、知って、生きて見ろ!
これが彼女の言葉だろう。
おそらく父は再出発できる。
この物語の中の弱き者こそが、不幸の元凶を作っていることになるのだろう。
ここに描かれた真実は、ある種の真実を良く捉えている。
よくこんな作品を作った。凄かった。

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R41

3.5何度も言う。ギャンブルのために借金したら絶対負けるって!

2020年8月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 『MOTHER』や『許された子どもたち』という衝撃作を観た後では、ちょっと見劣りがする。ましてや『ステップ』という前向きに生きる作品を観た後だ。DVやイジメ、ギャンブル依存といったインパクトのある問題提起は感じるものの、ストーリー的には終盤の展開に集約されすぎたように思います。TVドラマ「フルーツ宅配便」のようにデリヘルという風俗に限定しても良かったかな~と思う。もしくは市会議員候補の夫が優樹菜にハマったとかのドロドロ展開・・・商工会会長だと弱すぎかな。

 優樹菜、稔の家庭が、室内を見渡す限りはかなり裕福そうでしたが、やっぱり夫が親から受け継いだ家だったのでしょうか。飲んだくれ親父にしては稼ぎが良すぎる気もします。ダメ親がなぜ再婚したのかは想像できるだけに、その背景も知りたいところでした。

 デリヘリの送迎車はタクシードライバーから見ると“邪魔”でしょうがない。何人もの女の子を抱えてる店にすれば送迎も大変だと思うのですが、それでも稼ぎは少なそう。「これしか仕事がなかったんだよ」との言い訳は通用しない。多分、トラック運転手の人手不足を考えれば、まだまだ仕事はありそうな気がします。逆にデリヘル送迎なんて求人は見たことないぞ!(笑)

 などと言ってみても、このコロナ禍じゃほんとに仕事はなさそうです。洋一くんちみたいな崩壊家庭が増えないことを祈るばかりです。ちなみに最後の優樹菜の行動は謎です・・・

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共感した! 4件)
kossy

4.0子どもがいじめを受ける原因は親にもある

2020年7月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

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りあの