サイレント・トーキョー

劇場公開日:

サイレント・トーキョー

解説

「アンフェア」シリーズなど手がけた秦建日子がジョン・レノンとオノ・ヨーコの楽曲「Happy Xmas(War Is Over)」にインスパイアされて執筆した小説「サイレント・トーキョー And so this is Xmas」を映画化したクライムサスペンス。佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊らの豪華キャスト陣を迎え、「SP」シリーズの波多野貴文監督がメガホンをとった。クリスマスイブの東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたという一本の電話がテレビ局にかかって来た。半信半疑で中継に向かったテレビ局契約社員と、たまたま買い物に来ていた主婦は、騒動の中で爆破事件の犯人に仕立て上げられてしまう。そして、さらなる犯行予告が動画サイトにアップされる。犯人からの要求はテレビ生放送での首相との対談だった。要求を受け入れられない場合、18時に渋谷・ハチ公前付近で爆弾が爆発するというが……。

2020年製作/99分/G/日本
配給:東映
劇場公開日:2020年12月4日

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(C)2020 Silent Tokyo Film Partners

映画レビュー

3.5渋谷スクランブル交差点の再現度 これに尽きる

2020年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

佐藤浩市、西島秀俊、石田ゆり子………、キャストの並びを見ただけで安定感たっぷり。ただ、それ以上に今作を語るうえでは「渋谷スクランブル交差点の再現度」、これに尽きるのではないだろうか。栃木・足利に作った巨大オープンセットに、その本気度がうかがえる。作ろうといって簡単に作れるものではない。製作サイドの情熱だけでも無理な話で、莫大な費用とそれを支える手間があってこそ。この再現度の高さ、隅々までを大きなスクリーンで見て頂きたい。

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大塚史貴

3.5ネタバレ厳禁のため、例えるなら「SP」、いや日本版「コンテイジョン」のような作品?

2020年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

本作は岡田准一×堤真一の大ヒット作「SP」シリーズの波多野貴文監督がメガホンをとったので、「あの名作の再来か」と期待していました。ただ、起こり得る危機への警告、という意味では同じでしたが、「99分ノンストップムービー」といった趣向が強く、「SP」とは作風等が大分違っていました。
今年、新型コロナウイルス騒動が起こってから、2011年に公開された「コンテイジョン」というハリウッド映画が世界的に注目を集め、「まさに映画と同じだ!」とDVD等が飛ぶように売れていました。
そんな状況を目の当たりにして、もし「コンテイジョン」が今年の2月くらいに公開されていたら凄いことになっただろう、と思っていました。

人は、それぞれ毎日の生活が忙しく、基本的には「安全神話」の中で生きています。
そんな中「SP」シリーズ等のように、起こり得る危機へのシミュレーションをしているのが本作だと思います。
渋谷駅のスクランブル交差点を忠実に再現したセット等に1日最大1200人規模のエキストラが集まったそうですが、これは昨年の11月下旬から12月上旬という、ある意味でラッキーな時期に撮影された結果で、このような作品はしばらく見られないのかもしれません。
「佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊らの豪華キャスト陣」という紹介が多いですが、彼らはもちろんのこと、私は中村倫也の演技がなかなか良かったと思います。
さて、本作の脚本の構成は、もう少し深みとリアリティがあれば良かったかな、と思いましたが、これは2011年に「コンテイジョン」を見た時も思ったので、私自身が「安全神話」にいるのかもしれないですね。
響く人には響く作品だと思います。

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細野真宏

3.5「消費」をただの消費で終わらせないために

2025年1月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

「サイレント・トーキョー」は短い。原作にあった細かな背景(未読なので詳細はわからないけど)を描写する時間をバッサリ切って、石田ゆり子や佐藤浩市のシーンもバッサリ削って、とにかく12月24日の事件だけを狂乱と共に観せる「クリスマス狂想曲」の映画だ。
戦争批判や体制批判、原作が持っていた登場人物の背景や人生の悲哀を排して、最後に残ったこの映画のテーマは「消費社会の虚無」だ。

映像的にもストーリーの山場としても、この映画の主題は「渋谷ハチ公前の爆破事件」だろう。
12月24日18時、渋谷駅ハチ公口。時間と場所が指定され、渋谷駅はお祭り騒ぎだ。それは正にイベント。
怖いもの見たさなのか、歴史の目撃者になりたいのか、日本史に残る事件を共有したいのか、わざわざ渋谷駅に集まる人々の様子は、非日常を味わうための「時間の消費」に他ならない。
その代償として起こる悲劇の映像は圧巻。デジタル撮影の長所を活かして、パノラマで魅せるスローモーションは素晴らしい出来だった。
あと、派手で大音量のシーンと沈黙のシーンの音のコントラストも良い。
耳鳴りの音も「あれ、私の鼓膜かな?」と思うくらい良い出来だったしね。

仮に、渋谷駅で何も起こらなかったとしても、この「一生に一度あるかないかのイベント」に参加することに意義がある、と思う人がいるのは不思議じゃない。
そして、その「消費行動」は一週間後に「初詣」にとってかわられることも。
荒れる成人式を小バカにしたり、恵方巻を食べたり、花見に繰り出しているうちに、渋谷駅のことなんて忘れてしまう。私たちは、高速で出来事を消費する様式に慣れ過ぎている。

この「高速消費」の娯楽性を最も再現できるのが、99分の短尺なのだ。あっという間に終わってしまう映画。
まあまあ面白かった、なんて思ってる間に、ご飯のメニューや明日の仕事が迫ってきて、そして「サイレント・トーキョー」の輪郭がぼやけていく。

まるで自分が「サイレント・トーキョー」の登場人物かのような、ちょっと倒錯した話だ。
ぶっちゃけ、何を言ってるかわからないと思う。私のこの感覚は、とても曖昧で表現しがたいが、「まあまあ面白い」映画であるがゆえに「まあまあ面白い」で済まし難い、アンビバレンツな映画、とまとめておこうか。

キリストがこの世に降誕したことを祝うクリスマスが、年々商業イベントの様相を加速していることに、先代教皇ベネディクト16世も憂慮されていたらしい。
そういう意味で、映画「サイレント・トーキョー」は最も正統なクリスマス映画と言っていいのかもしれない。
過度に商業的で、あらゆる感情や悲劇や喜びを消費財と見なす社会の流れを深く自省し、消費以外の喜びを見出だすべきだ、的なね。

映画の中では、12月24日の出来事を「過ぎ去ったもの」にせず、自分の本当に望むものへの糧とした人物もいた。
悲惨なことも、ささやかな出来事も、明日へのチャンスに変えることが出来る。
チャンスの数だけ、自分の望みを叶えられる機会が増える。
そして、自分が本当に望まない限り、望みは叶えられないのだ。「War is over」は「If you want it」と常に一対なのである。

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つとみ

3.5爆発した時のCGが、、

2024年12月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

単純

興奮

難しい

いや良かったよ。
脚本も、俳優の演技も。
渋谷のCGも。
でもね、爆発した時のCG。
ハチ公の犬の壊れ方。
あのちゃん率いるモブの血。
まじでそれが許せない。
今際の国のアリスが凄すぎて、目が肥えたのかな?

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ちゃんごら