1917 命をかけた伝令のレビュー・感想・評価
全635件中、241~260件目を表示
伝えることについての話
ロジャー・ディーキンス撮影の戦場ワンシーン映画ということで、
塹壕を進むショットや砲弾の中を駆け抜けるショットなど、予告編で観た場面はやはり凄い臨場感と没入感が味わえた。
ただストーリーはシンプルで、こんな話だろうなと思っていた以上のことは起こらないため、正直言って最初は映像が凄い・撮影が凄いという以外の感想が浮かばなかった。
でも帰りの道中で、これって何が言いたい話なんだっけと思い直し、命がけで伝える話だったなとあらためて感じた。
この映画の邦題を聞いたとき、「命をかけた伝令」なんてバタ臭い余計なサブタイトルだなと思ったが、この話の本質は第一次世界大戦についてではなく、「伝える」ということの方だったので、今は「1917」よりもこちら方が大事なワードだと思っている。
伝令の使命が与えられたのは、主人公ではなくもう一人の若い兵だった。彼の相棒役に指名され、主人公は最前線へと向かうことになる。
兄が最前線にいるもう一人の兵とは違い、まさかこんな危険な任務だとは思ってもみなかった主人公には、そこまで命がけで付き合う理由はない。
最初は、なぜ自分を選んだんだと相手をなじっていた主人公だが、彼に命を救われ、そして彼が不意に命を落としたことによって、作戦の任務と、彼の死を家族に伝えるという2つの伝令役を背負うことになる。
そこからの主人公は、生き延びるためではなく、伝えるために命がけで前線に突き進んでいく。
ラストに2つの伝令を果たして映画は終わる。
とくに2つ目の伝令である、もう一人の兵の死を兄に伝えた後、彼はオープニングシーン以来の束の間の安息の時間を得る。
ただ伝えるというだけの話。
映画の最後に、
監督の祖父に捧げるというクレジットが出てくる。
この映画は監督のサム・メンデスが、昔英軍で伝令を務めていたおじいさんから聞いた戦地でのエピソードを基に作られた。
サム・メンデスもおじいさんから受け継いだものを、こんな凄い映画にして観客に伝えている。
何かを受け継いで伝えるというのは、どこか生きることの本質に触れるような行為なのかもしれない。
というふうに、
自分も誰に読まれるとも知れないこんな文章を書いて、人に必死で何かを伝えようとしている。
迫力映像でのロールプレイングゲーム
長回しのリアリティー
ワンカットという臨場感
まばたきがしにくい映画
世界大戦を知らない世代の人間(自分もですが)が、どう戦争を追体験を出来る映画を作るか…ということで多分ワンカットに見えるような「手法」に取り組んだのではないかと思うのですが、そこを個人的にはどう評価したらいいのか分からない映画でした。
(じゃあレビューするなよ、という話でもあるのですが…)
ただ、結果的に、まばたきがしにくい映画、だったというのが大まかな印象です。
やはり、ワンカットによる見逃せない画面作りで、それだけ完成度が高かったのかもしれません。
見終わった後、「お、終わった…」と、息をついて安堵しました。
しかしながら、噂で聞いたことなのですが、劇中に出てきた歌がアメリカの歌で、その当時本当に歌われていたのか疑問、というのを耳にしました。
そうなると、ちょっとファンタジーな作品だったのかな…とも思ってしまいます。
あとラストシーン辺りの走りでの音楽の流れ方とか、ちょっとあざとい感じも、しなくもなかった、と正直感じました。
面白かったか? と問われれば、まあまあ、というのが個人的な本心ではあります。
基本苦手だけれども
全編をワンカットでみせる意義が疑問
1917年4月のある日。
第一次世界大戦の真っ只中の西部戦線。
膠着を続けていたが、ドイツ軍が撤退を始めた。
前線の英1個大隊はこれを好機とみて進軍の準備を進めるが、空中からの偵察により、この撤退はドイツ軍の罠だと後方の指令本部は気づいた。
大隊指揮官へ進撃中止の命令を届けねばならぬ・・・として選ばれたのが、ふたりの若い兵士だった・・・
というところからはじまる物語で、第一次大戦下の伝令の映画といえば、メル・ギブソンの出世作、ガリポリの戦いを舞台にした『誓い』が思い出される。
まぁ、1981年の作品だから、思い出すひとは少ないだろうが、思い出しちゃったものは仕方がない。
あちらは戦争を背景にした青春映画の趣があった。
本作は、全編ワンカット映像の謳い文句も華々しく、戦争アクション、戦争サスペンス映画。
多少の伝令ふたりの友情は描かれるが、それはやはり多少のスパイスで、戦争アクション娯楽映画。
全編ワンカットと謳っているだけあって、映像から迸る緊張感はものすごい。
(実際は、ロングテイク、長廻し演出を巧みに繋ぎ、エンドロールで示される多数のデジタルアーティストによる合成もあるのだろうと推察されるが)
でも、出だしで観る気持ちがズッコケてしまいました。
というのも、伝令を届ける先は14.5キロ先。
つまり、尺の2時間では到底到着できない。
「尺の」と書いたのには理由がある。
全編ワンカット、と聞いたので、「あ、これはリアルタイム・サスペンスもの(=上映時間と映画の物語の時間の長さが同じもの)だな!」と思っていたから。
(ワンカット映像にチャレンジした作品ではヒッチコックの『ロープ』、リアルタイムサスペンスものではジンネマンの『真昼の決闘』を思い出します)
映画の中の時間が尺を優に超えてしまうのならば、全編ワンカットのシームレスで撮る必要がない。
そう思うし、実際、シームレスにしてしまったが故に、映画内の時間の流れが全然わからなくなり、とにかく目まぐるしいだけ。
(あれれ、知らないうちに夜になっちゃった。いつ時間が進んだんだ? もしかして、さっき目を瞑った瞬間? とか余計な労力を要してしまいました)
これならば、エピソードごとのワンカット長廻しで、ワイプ、ディゾルブ、フェードインなどの一般的な映画文法で描いたほうが、格段よかったのではないかしらん。
と、まぁ、オールドファンとしては乗り切れず。
乗りこなせない荒馬のような映画でした。
ドキドキの2時間
共に走り抜ける感覚、が疲れる
周りからの勧めで「絶対音と映像にこだわった方がいいから!」とIMAXで観賞。
さすがワンカット風!
臨場感凄い!!
でも息つく間もなくとにかく疲れる^^;
何分?110分??
開始20分超えたあたりからずっと心臓がバクバクしっ放し。
塹壕のシーンはインディ・ジョーンズっぽく、マッケンジー大佐のところまで300mというところまで来てのフロントライン横切り作戦はもはやゾンビ映画にしか見えなかったwww
戦争映画は好きです。
映画的脚色はあってもモラル面から「嘘」がないから。
それに人の命が終わるときも一瞬であることが上手に描写されていて、大切に毎日を生きよう!という気分にさせられる。
でも、この映画は疲れます。
このタイミングで大きな画面で観られてよかった(*´ω`*)
伝言をめぐる祖父の戦争
2時間1ショットという話題だけが一人歩きしていたので、それは大変そうだけど、考えようによっては、セッティングを完璧にして、かつキャストとスタッフが優秀なら、2時間で撮影が終わるわけだなとか思っていた。いざフタを開けてみたら、主人公は途中で気絶しているし、ヒッチコックの「ロープ」同様黒みでつないでいるところもあって、その点では肩透かしだった。
塹壕の中を移動する人物を追って延々とトラックバックしていくシーンは、どうしたって同じ第一次大戦を扱ったキューブリックの「突撃」の映画的記憶を呼び覚まさざるを得ない。
監督が祖父から聞いた話が元になっているそうだけど、物語というほどのものでもないので、映画というより戦争体感アトラクションと言った感じだ。ただ、臨場感という観点から見てもクリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」の方に一日の長があったように思う。
技術的にはすごい、、
ワンカット撮影のメリットをあまり活かせていないように思った。
ワンカットでドキュメンタリー調に撮影するメリットは、映像に没入してしまうようなリアリティにあるようにおもう。
この映画から没入感と緊張感をあまり感じれなかった。
直線的な時間軸の上に、予定調和な出来事が”きれいに”配置されすぎている。
史実をもとにストーリー構成をし、それをドキュメンタリーな手法で撮影しているにも関わらず、”きれいすぎる配置”のせいで、単なるエンターテインメントとなってしまっている。
ドキュメンタリーであるということは、予測不能な出来事の積み重ねによって完成するのではないだろうか。
このシーンで、演者はこう動き、仕掛けをこのタイミングで作動させ、ドローンはこういう経路で飛ばす、、、というふうな作為性を感じずにはいられなかった。
ワンカットで一人の人物を追うというのもどうかと思う。
この人物は、この先(あるいはストーリーの終わりがくるまで)死ぬことはないのだろうと予想してしまった。
いつ死ぬかもわからないという、死と隣り合わせの戦場において、死ぬことはないだろうと予測されてしまうことは、映像の臨場感、没入感の表現という観点において致命的ではないだろうか。
ただ技術的にはもちろんすごいし、総合的にみて楽しんで鑑賞することができた。
少し演出的だなとは思ったが、水死体が浮かぶ川に花びらがふるシーンはお気に入り。
迫力もさながら、主人公の成長物語
ワンカットでどういう演出をするのか楽しみで鑑賞した
一応、言うとワンカットではなかった
ただ、第三者の目線から主人公が体験するリアルの戦場の臨場感が味わえて良かった
さらに、主人公の成長が見ることができ
とても楽しかった
お見事でした❗️
ワンカット(の、ように見える)のは凄いけど・・・
安心感
全635件中、241~260件目を表示