劇場公開日 2020年2月14日

1917 命をかけた伝令 : 特集

2020年2月10日更新

「すさまじい体験がしたい」なら、これを見て! 究極の映像体験、圧巻の
臨場感、驚異の“全編ワンカット”、戦地を駆ける兵士に“完全密着”…
絶対に映画館で目撃しなければならない話題作、そのすごさを徹底解説!

2月14日公開の「1917 命をかけた伝令」は、絶対に映画館で鑑賞してほしい一作だ。匂いや触感すら伝わってくる圧巻の臨場感によって、観客は驚異のノンストップ・ライド、究極の映画体験へ導かれるからだ。

“全編ワンカット”で創出された映像は、まるで戦地をゆく兵士に“完全密着”したかのよう――「すさまじい映像体験がしたい」と刺激を求める観客は、とにもかくにも本作を大スクリーンと良質な音響で“体感”すべきだ。

本特集では一足先に鑑賞した映画.com編集部が、感想を交えて「どこがすごいのか」を解説する。


【予告編】走れ―― 賞レースを席巻する、必見の話題作

【絶対に映画館で見て】究極の映画体験――! ワンカットで描かれる衝撃、
圧倒的な臨場感、完全密着の映像… こんな映画、見たことない!

本作は何が何でも劇場で鑑賞してほしい……! 戦争映画の傑作「プライベート・ライアン」や、クリストファー・ノーラン監督作「ダンケルク」に勝るとも劣らない“すさまじさ”が、この映画には詰まりまくっている。


[臨場感と没入感] 初めての体験だ… 息づかいさえ感じる“完全密着”

まず衝撃的だったのが、その臨場感。物語は、2人の若き兵士が伝令のため走る姿を追っていく。カメラは彼らの背後にピタリとくっつき、眼前に広がるすべての光景をスクリーンに焼き付ける。

それを眺める観客は、まるで“3人目の兵士”として実際に戦地を突っ切り、彼らと同じように息を切らしているかのような感覚に陥る――。

百聞は一見に如かず。ということで、上記の予告映像から臨場感の一端を味わってほしい。本編を鑑賞した編集部員は、VRとも異なる“初めての体験”に没入しすぎて、上映後もしばらく放心状態で言葉が出なかった。


[常識破りの撮影] “全編ワンカット”!? こんなことが実現できたのか…

そうした臨場感と没入感は、長回しのワンカット撮影により生み出されている。普通、映画はひとつのカットが長ければ長いほど、その撮影の難易度は上がっていく。

芝居やカメラワークなどあらゆる面で複雑な計算が要求されるうえに、当然、途中で失敗したら最初からやり直しだからだ。最後の数秒で自分がNGを出してしまう……想像するだけでも背筋がヒンヤリしてくる。

しかし、本作のカットは非常に長い。しかも全編が屋外での撮影であり、兵士ひしめく塹壕から廃墟となった街、花びら舞い散る河川、爆発音轟く最前線など、様々な舞台を横断して物語を紡いでいく。

広大なロケ地(動線が非常に複雑)や天候(些細な変化でシーンが台無し)などの影響を含めると、“完成したことが不思議なくらいクレイジーな難易度”だと言える。


[Q:なぜこの手法?] A:リアリティを追求したから

なぜ製作陣は、そんな手法に挑んだのだろうか。一言で答えるならば、それはリアリティと没入感のためである。

監督のサム・メンデス(「007 スペクター」など)は、「映画化するにあたり<リアルタイム>で、物語の主人公の息遣いのような詳細まで描くために<長回し・ワンカット>で撮影する方法がベストだと考えた」としている。

以下のメイキング映像では、興味深い“製作の舞台裏”に密着。その“すごさ”が非常によくわかるので、何はともあれご覧あれ。撮影監督を担った名手ロジャー・ディーキンス(「ブレードランナー 2049」など)らの証言を交え、驚異の手法を明らかにしている。



【撮影手法だけじゃない】物語のドラマ性、伝令の意味、展開のアツさ、
タイムリミットのハラハラ、ゲーム的ギミック… あらゆる要素が面白い!

撮影手法のみならず、ドラマ性を含む“作品全体の完成度”も非常に高いからこそ、多くの映画賞を獲得している本作。本項では、撮影以外の5つの要素で魅力を詳述していく。


[ドラマ性もすごい] 若き兵士は戦場を走る 1600人の命を救うために――

物語の主人公は、若きイギリス兵のスコフィールドとブレイク。2人は最前線で戦う1600人の友軍部隊に、「退却したドイツ軍の追撃を中止せよ」と伝令する任務を与えられる。

ドイツ軍は退却したと見せかけ、友軍を一網打尽にするべく待ち伏せしていたのだ。翌朝に追撃が開始されれば、友軍はほぼ確実に全滅する――。あらゆる通信網が遮断されているため、伝令が最後の手段だという。

友軍部隊にはブレイクの兄も所属しており、一刻の猶予もない。2人は安全な塹壕を這い出て、トラップだらけの荒野やドイツ占領下の街など、あまりにも危険な戦地へ踏み出していく。

刻々と変化する状況と、それに伴って盛り上がる人間ドラマが、見る者の心を強く揺さぶる。さらに物語中盤、ある深刻な出来事により“伝令”に“別の使命”が追加される。その使命とは……ぜひとも本編を鑑賞し、その模様を目撃してもらいたい。


[展開のアツさもすごい] 墜落する戦闘機… あらゆるシーンがひたすら興奮する!

鑑賞後もたびたびフラッシュバックするシーンが非常に多い。スコフィールドたちがいくつもの危機をなんとか脱し、人里離れた民家で休息をとっていると、上空で3機の戦闘機がドッグファイトを繰り広げている。

そのうちの1機が被弾。爆発・炎上しながら、あろうことか“こちら”に突っ込んでくる! スクリーンのこちら側にも、その衝撃が伝わってくるからすごい……!

映画のハイライトは、スコフィールドが“砲撃の雨”が降る平原を激走するシーンだ。上官らしき兵士が、精神をやられたのか子どもみたいに泣きじゃくっている。スコフィールドは瞳に強い意志を宿し、突撃する兵士たちにまぎれて走り出す。

誰かとぶつかり、したたかに転ぶ。足元が爆発する。煙で前が見えない。それでも止まらない。止まることなんてできない。観客の興奮は最高潮に達し、アドレナリンが大量に放出されるのをひしひしと感じるだろう。


[ハラハラ感もすごい] タイムリミットは1日 でも困難と危険だらけ…!

スコフィールドたちは、ピクニック気分でのんびり伝令に向かうわけではない。刻々と減る時間、迫る仲間の危機――タイムリミットは非常にタイトであり、作品全体に張り巡らされた緊迫感が、観客をひと時も飽きさせない。

しかも彼らは、爆弾が仕掛けられた塹壕や、渡っていたらいきなり狙撃されるような橋を越えなければいけない。慎重に進みたい、しかし遅すぎると仲間の命が……ハラハラが止まらず、手に汗握る展開に没入していたら、2時間は比喩でもなんでもなく“一瞬”に感じられる。


[ゲーム的ギミックもすごい] FPSやRPGみたいな“攻略”が面白い!

ところどころ、ゲーム的な要素が見え隠れする点も興味深い。兵士たちが戦地を走る映像は「Call of Duty」などのFPS(一人称視点のガンゲーム)を彷彿させ、道中で偶然拾ったアイテムが後のイベントで役に立つなど、「ドラゴンクエスト」などのようなRPGを連想させる。

本作が“単なる映画鑑賞”にとどまらない秘密がここにある。ゲーム的な迫力と攻略の面白さをミックスすることで、作品に“無類の楽しさ”をもたらしている。


[結論] 話題騒然も納得 新たな“傑作”の誕生!

実際に鑑賞した結果、アカデミー賞含め賞レースを席巻しているのも、世界中で話題騒然となっているのも納得……というか「必然だ」とすら感じた。

「プライベート・ライアン」「ダンケルク」に続く、戦争映画のジャンルを超えた“歴史的な金字塔”となることはおそらく間違いなく、とにかく映画を超えた“人類未踏の体験”とさえ言える、すさまじい作品だった。

鑑賞できたことの幸福感をかみしめつつ、劇場を後にした。次は、この記事を読む“あなた”が、本作を目撃する番だ。

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