パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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かなりの終盤で
あえてカメラを引いて撮ったり、出し入れというか、映像作りはプロが撮ってるなって感じでした。(当たり前だろうけど)
ただのハラハラする話なのかと思ってたら、かなりの終盤で一気に考えさせられる展開でした。コンプレックスって恐ろしいですね。
経済格差。匂いの表現。
格差の表現の仕方がとても面白かった。
単純に見た目の見窄らしさ等で貧困を表すのではなく、どう頑張っても隠しきれない半地下の匂いで貧困さを表しているのが良かった。特に洪水の後の富裕層と貧困層の対比に、普段の生活でも感じるような経済格差を感じた。また、富裕層の子供の生育環境を見て、生まれや環境で、やはりどうしても乗り越えられない壁があるようにも感じた。
最後のシーンのカメラワークが良かった。全体を通して経済格差の問題を実感する。全体通してとても面白く時間があっという間に過ぎたので星5。
経済と心の関係
経済格差に焦点を当てた作品。
物語は豪邸に住んでいる家族、その豪邸の地下に密かに住んでいる家政婦の夫婦、半地下に住んでいる家族の3つの家族を描いている。
前半はコメディーのような感じでテンポも良く、楽しめる。だからこそ後半の展開の雰囲気との差が視聴者に衝撃を与えたと思う。
金持ちの家族の一家は全員悪いことは何もしていない。彼らは普通に生活をしていただけである。しかしこの家族の父親を半地下の家族の父親は刺した。理由は匂いを指摘されてプライドが傷ついたからだと思う。半地下の父親は気が動転していたのもあるが、心が貧しかったから刺してしまった。その心の貧しさを作ったのは経済の貧しさであった。
振り返ってみれば半地下の家族の行動は全体的に常識から外れていた。信頼してくれていた友人を簡単に裏切って女の子と恋愛関係になってしまうところ、深刻な桃アレルギーの人にわざとアレルギーを起こさせるところ、家政婦を蹴り飛ばしてしまうところ。
地下に住んでいる男の異常な行動もまた経済の貧しさが作った。
そんな経済格差の問題を訴えるような作品だったと思う。
一筋縄ではいかない曲者作品
娯楽性、社会性、風刺、狂気、等々、様々な顔を見せながら、最後は収まる所に収まるという離れ業のような斬新な展開で、心に刺さる作品である。要素が多過ぎて、面白いとかつまらないとか、本作を一言で語ることは難しい。
カンヌ映画祭、アメリカ・アカデミー賞を制した作品ということで、覚悟して鑑賞した。予想通り、個性的で、一筋縄ではいかない曲者作品だった。鑑賞力が必要な作品であり、万人が楽しめる作品ではないが、格差社会を従来作とは異なる視点で捉えた意欲作である。
本作は韓国の貧困家族の物語。彼らは職に就けず、ギリギリの生活をしていた。ある日、長男の富裕階級の友人が留学することになり、家庭教師の代役を依頼される。長男は、経歴を偽り、家庭教師先の母親に巧みに取り入り、富裕階級家庭の家庭教師となる。家庭教師を起点として、彼らは富裕家族との接点を徐々に増やしていくのだが・・・。
題名通り、富裕家族との接点を増やしていく前半は、胡散臭さはあるが、貧困家族の能力は本物なので、サクセスストーリー風の、コミカルで小気味よい展開で作品世界に入り込むことができて痛快だった。しかし、世界を席巻した作品がこのままいくわけはないだろう、後半で本作の本性が現れるだろうという予感がした。
予想通り、後半、接点の増加がピークに達した時、作風が一転する。シリアスな展開になっていく。さらに、予想外の足し算もあり、作品の軌道が見え難くなる。終盤で事態は決定的な段階を迎え終息する。
前半は、格差社会に挑んだ貧困家族の挑戦だった。攻めの章だった。一転して、後半は、守りの章となる。貧困から這い上がり経済的に豊かになった者にとって、貧困に戻ることは耐え難い苦痛となる。だから、彼らは、形振り構わず豊かさを死守しようとする。終盤の展開が象徴的である。
格差社会の底辺で藻掻き続ける者達の悲哀を描いた作品は多い。本作は、その悲哀を斬新な設定で捉えた怪作である。
前半の小気味なテンポの成功劇と後半の絶望の対比が脳裏に焼き付く
全員失業中で極貧に喘ぐキム一家に舞い込んだ、高台の大豪邸に暮らすパク一家長女に対する英語の家庭教師の仕事をキッカケに、交わることのないはずだった2つの家族が奇妙な関係を繰り広げていく様子を描いたブラックコメディ作品。
第72回カンヌ国際映画祭、第92回アカデミー賞にて作品賞を含む複数の主要部門にノミネート、受賞を成し遂げ、非英語作品において初の作品賞を受賞したことで韓国映画のみならずアジア映画初の快挙を数々成し遂げた事で話題を呼んだ今作。
前半1時間近くで描いたキム一家が各人赤の他人の体でパク一家の周囲で職にありつく演出の小気味の良さが異常で後半の胸糞悪さを知らない限りは何度でも前半だけ見返したいという気持ちに陥った笑。
その一方、口八丁手八丁に素人仕込みの演技で能天気なパク奥様、一見用心深いが気に入ったモノに対しての深い詮索をしないパク主人に取り入るための手口が濡れ衣や殺人未遂とも思える行為に次第にエスカレートする様に異常性を感じた。
一見完璧に見えたキム一家の偽装もマナーや態度、そして何より印象的なワードだった「におい」によりメッキが剥がれるようにボロを出し始め、輪をかけるように発覚した先住人の存在でカオスな脱出劇となった後半は一見すると笑える笑えないの境界線が曖昧な表現や発言などシュールとシリアスさが混在したブラックコメディ然と化した展開が印象的だった。
情けない、悲しい、気持ち悪い、可哀想、怖い、不気味と様々な感想が挙がる、人間の生々しさ剥き出しの作品だった。
若干の文化の違いや日本を貶める表現があった気もしたが自分は気にならなかった。
初めて韓国映画を観たが、韓国語の響きも意外と耳馴染みが良かった。
2020年01月24日(金)1回目@TOHO日比谷
2022年03月07日(月)2回目@Amazon Prime
意外性が有る怒涛の展開のミステリーであり、階層構造打破を若い世代に託す信号も発信
まずミステリーとして、相当に面白かった。IT企業社長宅で家族皆が集まり、幸せに酔っ払っているところは、社長達が帰って来ないかと、ハラハラしてしまった。そして、チャイムが鳴ってからの怒涛のストーリー展開は、意外性もあり良い意味で驚かされた。
社長達家族が急に帰ってくる事になり、チェ・ウシクは家庭教師相手の娘のベッド下に隠れるが、イヌが気が付きあわや・・。更にその後、ソファの下に父と子供達3人は隠れるが、その上で社長夫妻が絡み始める展開は、時計回り言及(もっと進めて!)も含めて、ユーモラスで笑えた。
更に、社長の息子が描いた惨劇を予言した様な絵、水に浮かぶ山水景石、社長娘が頭を殴打された家庭教師を運び出す映像等、とても気になる描写が有ったが良く理解出来ず、結局3回見る羽目になった。結論として、とてもよく練られた映画だと改めて感心させられた。
ポン・ジュノ(スノーピアサー等)監督による2019年公開の韓国映画。脚本はジュノ監督ととハン・ジンウオン。撮影はホン・ギョンピョ、音楽はチョン・ジョイル、編集はヤン・ジンモ。
出演はソン・ガンホ(父親)、イ・ソンギュン(社長)、チョ・ヨジョン(社長妻)、チェ・ウシク(息子)、パク・ソダム(娘)、チャン・ヘジュン(母親)、イ・ジョンウン(家政婦)、パク・ミョンフン(家政婦の夫)、チョン・ジソ(社長娘)、チョン・ヒョンジュン(社長息子)。
ソン・ガンホ宅は豪雨で家が完全なる浸水状態になり、3人は体育館に避難。一方、社長宅では優雅にパーティが行われようとしていて、一家の貧しさと格差が強調される。下水道からトイレに逆流する様を見せる洪水描写は誇張すぎるとも思ったが、実はリアリティが有るらしく驚かされた。韓国の人口の約2%に当たる38万3千世帯が、あの様な半地下に住んでいるらしい。撮影も家屋内以外は、ソウル市内のロケで行われたらしい。社長宅からの帰り道、下へ下へ降りて行く象徴的な階段やトンネル等、ソウルの絵になる景観が実に上手く活用されていた。
洪水の後、家庭教師していた息子が水に浮いた山水景石を持ったまま体育館に逃れ、更に社長宅の地下へ運ぼうともする。財運をもたらすとの触れ込みであったが、重さが無い偽物の様であり、実力や実体が伴わない計画・夢想を象徴するものか。最後には、あの岩は、息子チェ・ウシクの意思により川に捨てられる。彼の地に足がついた計画実行の決意表明とも解釈できた。
社長の下層階級の臭いへの反応から、怒りが込み上げ無計画に殺してしまうソン・ガンホ、社長を盲目的にリスペクトし元家政婦をしていた妻にされた仕打ちの復讐なのか絵の先生パク・ソダムをいきなり包丁で刺し殺すパク・ミョンフン。ありふれた映画とは異なり、下層階級の人間の衝動に動かされる駄目なとこが容赦なく描かれていて、少々驚かされた。同時に、この世代の格差解消や階級超えた交流の困難な現実を、シビアに描き出していた。
対照的に、社長娘及び社長息子世代には階級差解消への希望が描かれていた。娘は家庭教師ウシクとキスをし、彼の気持ちを慮り、更に頭を殴打され出血のウシクを自らおんぶして懸命に運び出し命を救う。そして、社長息子の方は下層階級を十把一絡げに臭いとはせずに、一人一人の匂いを識別していた。そして元家政婦と心を通じメール連絡もしていた。
とすると、社長息子による誕生日に屋外でのテント張りは、惨劇予言ではなく、絵を知っている元家政婦のサジェスチョンによるものか。その行為の目的である?パク・ミョンフンによる電灯によるモールス信号送信も、社長とは異なりほぼ解読しかけていた。
社長息子のブーム、インディアン扮装も、単に無邪気な遊びというよりも白人に虐げられた存在への共感を象徴するものか。そして、モールス信号を一方的に送るソン・ガンホとパク・ミョンフンは、隠れたメッセージを含む娯楽映画を作り続けるボン・ジュノ監督の分身?社長息子もウシク息子も、そのメッセージを受け取ってくれ、次に社会を変えてくれる若い観客を象徴する存在に思えてきた。
成る程、娯楽的ミステリー要素と社会メッセージ的要素を見事に合致させていて、監督の力量の高さ・凄みを感じた。仏及び米国での賞受賞も頷けた。
55点
映画評価:55点
80点くらいの面白さだったのですが、
途中から大騒ぎになってしまい
ただただ悲しくなり終了しました。
この作品を通して
韓国での貧困差とか、
生活について考えさせられました。
貧しい人間たちの一発逆転劇という訳ではないけど、ハラハラドキドキしながら見てました。
段々と金持ち一家を侵食していく所は見物でした。
地下についても
驚いたし、次の展開に胸を踊らせたつかの間
急に安直な内容に
ガッカリしちゃいました。
【2022.2.15観賞】
めちゃ面白い!
自宅PS4にて、amazon prime videoで鑑賞しました。
貧乏な一家が、金持ちの一家に、家庭教師になったり家政婦になったりと様々な手を用いて潜り込んでいきます。ですが、その金持ち一家には驚きの秘密が…というお話。
(以下、金持ち一家と貧乏一家の、父、母、息子、など省略して記載します)
意外なエンディングでした。豪邸の地下に住んでいた男が、貧乏息子の頭を打ち、貧乏娘を包丁で刺してしまいます。前半のコメディっぽさから一転、後半はサスペンスっぽさが強くなり、最終的には人が死んでしまいます。まさかああなるとは…
でも、貧乏父が金持ち父を殺した理由が、私が読解力がないのか分かりませんが、よく理解できませんでした。詳しい方教えてください。
金持ち娘、貧乏息子の友人と結婚すると言っていたのに、すぐに貧乏息子に惚れ付き合ってしまいます。なんて尻g…浮気性なのでしょうか。
日本という言葉が2度ほどでてきましたね。海外映画に日本が少しでも登場するとちょっと嬉しくなってしまいます。ですがまあ、韓国と日本は政治的には仲悪いので、今回出てきたのも戦争の敵としての登場でした。残念。
貧乏一家が豪邸で豪遊していたのですが、金持ち一家が帰ってきて、貧乏一家は隠れる羽目になります。金持ち夫婦がソファでエ○チなことをしている間、すぐ近くのテーブルの下に隠れてる時のハラハラ感、堪りませんでした。ほんとに、バレたら殺されるんじゃないかっていう笑
金持ち一家の奥さん役に、木村佳乃感を感じたのは私だけでしょうか。なんとなく雰囲気似てるかなと感じました。
金持ち一家の旦那役、ええ声でしたね。麒麟川島?福山雅治?そんな感じの男っぽいダンディな声でした。
金持ち娘役のチョンジソがかわいいです。この娘を見るためにもう一回見てもいいです。それくらいかわいいです。
最後にさしかかるまでは、笑いあり、ハラハラありでとても面白かったので、最後がバッドエンドで終わってしまったのは少し残念な気もします(コメディ映画見ろ)。でも本当に面白い映画でした。
思ってたのと違った
凄く話題になっていたので、面白いんだろうなーとワクワクしながら見始めた。
前半は、驚きと笑いでテンポ良く物語に引き込まれる。
地下に暮らす人が出てきたあたりから、急にミステリーな展開。
半地下はまだわかるけど、光がささない所で暮らすって?しかも一生ここで暮らしたいという価値観、理解不能。
韓国のドラマは一つも見た事がなかったので(朝テレビでやってた時代劇以外は)あんなに貧富の差が激しいのかな?というか貧しい地域というのが存在するのがリアルなのか、勝ち組富裕層はごく一部なのか、、
世界中に絶賛された=面白い!と思っていたので、
思ってたんと違う結末で、後味悪かったです。
ダッソンのトラウマがもっと強烈なものになっちゃって、かわいそう。
ジャージャー麺?も話題になったけど、食べてみたいとは思わなかった。
あの家は素敵だったけどねぇ。
どう受け止めたら良いかわからない映画でした^^;
なんだか、心の底からは絶賛できない。
全体的な物語の構成としては不思議な魅力のある作品だと思った。
ただ、一つの家族(父、母、兄、妹)が身分を偽ってある上流階級の家庭に入り込む過程や、最終的に刃傷沙汰に至るまでの動機付けなどに強引な印象を受けた。
面白かったです。
人間関係や社会的地位の対になった表現が多彩に盛り込まれており作品として非常に面白かったです。
冒頭から終盤にかけての抑揚が激しく、映像のみではついていけない事はありました。
事実、このような社会問題(どんな問題でも同じですが)は当事者にならないと分からないし、韓国語が話せないのであの映画が伝えたい事が映像では100は分かりません。
自分の中では韓国語は表現豊かな喜怒哀楽の分かり易い言語であると思っていたのですが、この映画の怒りは静かでしたね〜、、立場もあったのでしょうけど
私は映画を観る前はあまりその映画について調べません
〜賞受賞とかその時代背景を調べすぎたら、意識しなくても潜在的に固定概念が生まれるような気がして調べない様にしてます。
批判を強要する様な方が映画.comにもたくさんいますが、
純粋に映画を楽しんで多種多様な意見があるんだな〜っで
終わりましょうよ♪
完璧
私にとっては完璧な映画。
すごく楽しめた。
同じアジア人として、韓国の映画は日本の作品とはまったく次元が違うと感じた。
サスペンス、アクション、家族愛、社会問題、ユーモア、すべて盛り込まれている。
最初から最後まで目が離せないストーリーとスピード感。役者の演技のレベルの高さ。画面の豪華さ。
ポスターのビジュアルまでも斬新で素敵。
ホラー?社会派? 面白かった
インスタントラーメンがやけに食べたくなるとか、わけのわからん評論が出てましたね。
鮮やかな詐欺の手口で富豪に次々と雇われてゆく家族。
ひどい一家だと思っていたらもっと酷いのがここにもいた。。。
ゲスな内容ですが、ゲスすぎないと感じるのはそれぞれの家族が家族のことは大切にしているからでしょう。
Tier3 秀作
エンタメ性のある社会派映画。
2周目が面白い作品でありながら、一周しただけで胃もたれしてしまうほど重い作品。
富者の夢に取り残された息子が、貧者(家族)の死をあざ笑うシーンと、富者の死には笑わないシーンが印象深かった。
確かにオモロイ
話題になった当時も周りから鑑賞を進められたが、根っからの天邪鬼気質か、「話題なればなるほど」観るのを拒んでいた。
今回たまたまテレビで放送していたので、録画して観たのだが、確かにオモロイ。
一家が侵食していく様、
実は地下に人が居た事実
信頼し合っていると思っていたのに、実は嫌悪するほどのニオイ
等々、奇想天外なストーリーではあるが、笑える面白さと、貧富の差はそう簡単には理解し合えないという悲しさ。
内容に深みがあった。
ただ、「それはないやろう」というシーンももちろんある。
松本人志が言っていた、「家政婦さんが戻って来るタイミングとか理由とか、そして招き入れる、とかおかしいやん!」
というシーンももちろんだが、それ以前に、セレブ一家がキャンプに出掛けるからと言って、初めてのタイミングでパラサイト一家が集まって飲み食いするのは、あまりにも危機感がなさすぎる。
それはもっと後のタイミングであるべきだろう。構成が稚拙すぎる。
まぁ、それでもよくできた作品であることに変わりはなく、久々に高評価付けさせてもらいます。
再度テレビでやってたら、思わず観てしまうってくらい面白かった。
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