ニューヨーク 親切なロシア料理店

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ニューヨーク 親切なロシア料理店

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解説

「17歳の肖像」「ワン・デイ 23年のラブストーリー」を手がけたデンマーク出身の女性監督ロネ・シェルフィグが、老舗料理店に集った人びとの交流を描いた人間ドラマ。ニューヨーク・マンハッタンの地で創業100年を超える老舗ロシア料理店「ウィンター・パレス」。かつての名店も、今では料理もひどい、ただ古いだけの店になっていた。さらに、店を立て直すためにマネージャーとして雇われた刑務所を出たばかりのマーク、仕事ばかりで他人のためだけに生きる変わり者の常連客アリスと、店に集まるのはクセのある人びとばかり。そんな店に2人の子どもを抱えたクララが飛び込んでくる。無一文の彼女は、ある事情で夫から逃げてきたというが……。キャストに「ルビー・スパークス」のゾーイ・カザン、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のアンドレア・ライズボロー、「預言者」のタハール・ラヒムらが顔をそろえる。2019年・第69回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。

2019年製作/115分/G/デンマーク・カナダ・スウェーデン・ドイツ・フランス合作
原題:The Kindness of Strangers
配給:セテラ・インターナショナル

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第69回 ベルリン国際映画祭(2019年)

出品

コンペティション部門 出品作品 ロネ・シェルフィグ
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映画レビュー

4.0共助の大切さ

2021年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

コロナ禍で「自助・共助・公助」という言葉がよく使われた。格差拡大の現代社会では、自助では生きて行けない人がいるが、国が財政難では公助も絞られる。ならば、共助が大切ではないか。しかし、地域コミュニティも空洞化している今、どのような共助がありうるだろうか。
本作は、ニューヨークのロシア料理店に集う人々の共助を描いた作品と言える。夫の暴力から逃れて、2人の子どもを連れてNYの街で行き場を失っている。刑務所から出所したばかりの男をマネージャーに迎えたロシア料理店には、看護師をしながらボランティアでセラピストをしている女性はこのレストランの常連客。それぞれが様々な傷を抱えて生きているが、ふとしたことでこのロシア料理店で出会い、互いに助け合って生きていく。人は一人では生きていけない、助け合わないといけないという当たり前のことを描いた作品だが、役者の確かな芝居とデンマーク出身の監督らしい、リアリズムの演出で深く染み入る。今は失われた共助の大切を切々と伝えてくれる素晴らしい作品。

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杉本穂高

3.5都市、異国情緒、群像劇の絡み合いに、シェルフィグらしい筆致が光る

2020年12月27日
PCから投稿

一つの街を舞台に群像劇を紡ぐーーーそんな趣向の映画は腐るほどある。だが、大都市ニューヨークとその片隅のパッとしないロシア料理店を掛け合わせ、そこに集う人々の人生を慈しみ深く浮かび上がらせる手法には、北欧出身の名匠シェルフィグらしいタッチが光る。切実な理由を抱えてすがるような思いで逃げ込んできた母と息子たち。彼らの視点をすくい取り、地べたから見つめた都市の姿をありありと立ち上げていく様が興味深い。時に物語は胸をえぐるようなシリアスさにも傾くが、シェルフィグ監督はいわゆる”絶望”を描く人ではない。むしろ本作では、人と人とが微かなハーモニーを奏でるくだりで、ほんのりと幸福な温もりを灯す。夫にまつわる顛末をもっと丁寧に描くべきとの声もあろうが、逆に考えると、この温もりの映画に彼の居場所などなかったのだ。シェルフィグの作家性でもって彼を強制退場させたかのような早急な展開に、私は思わず笑ってしまった。

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牛津厚信

4.0タイトルは、作品を見ると沁みてきます。予備知識不要です。まずは見てみてください!

2020年12月11日
PCから投稿

まず正直、本作のタイトルには惹かれませんでした。
ただ、原題は「The Kindness of Strangers」で、これもちょっと微妙かもしれません。
なので、本作は見てみるしかないのですが、見ると確かに、それぞれのタイトルの意味が分かります。
最初に、夫婦が2人で寝ていて、突然、妻が起きて2人の子供を連れ出して車でニューヨークへ逃げだします。
どうやら警察官の夫に対して、子供が嫌がっているのが原因のようです。
……と、このくらいで十分で、あとは物語に身を委ねてみてください。
展開が結構、自然で面白いです。
人と人とのつながり合いも描いています。それぞれのキャラクターが「あ~、いるな、こういう人」と興味深く、私にとっては「救急病棟でナースをしていて、その合間に教会でセラピーのボランティアなどをこなすアリス」が一番気になる存在でした。

本作を見ていて、なぜかキャストに存在感があって不思議でしたが、見終わったあとに資料を読んで分かりました。もちろんビル・ナイくらいは知っていましたが、それ以外の人達も「あ~、あの作品の!」という人ばかりで、意外と豪華であることを知りました。
アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、脚色賞にノミネートされた「17歳の肖像」の監督作ということも納得の心温まる作品でした。

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細野真宏

3.5渋いけど見終わったら、ちょっとちょっと前向きに。

fukui42さん
2021年10月13日
iPhoneアプリから投稿

一言「人間の関係は、糸を手繰り寄せるようなものかな」。

タイトルからお店の料理云々かなあ、と。
ロシア料理の描写はほぼなくて。。
原題は「kindness of stranger」。タイトルうまくつけたな。

DV夫から子供を守る為NYに逃げてきた母親の話を軸に。
家賃滞納で家を失った青年、家族がなくいつも誰かの世話をしている看護師。
出所した男と、友その人弁護士。
落ちぶれたロシア料理店の、オーナー。

それぞれがどこかで誰かに、そっと手を差し伸べている。
その手が徐々につながっていく話が、興味深かった。
「辛い経験をした他人同士」でも。
助け合う気持ちが、どこかにあるんだな。
お節介の一歩手前のように。

人は一人で生きてるんじゃない、困ったときにきっと誰かが。
そして自分も誰かに手を差し伸べる時が、くるはず。

ラストは曖昧な終わり方だったけど、それが今回は効いている。
ロシア料理店の隣はコンサートホールで。
「モルダウ」が流れるシーン。人はどこかへ流れている。
あの交響曲のような余韻を、味わいました。

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fukui42
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