アド・アストラのレビュー・感想・評価
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退屈だった。
すごい映像をみよう
物凄い潤沢な予算と、暑苦しいほどの情熱と、シンプルな脚本が集まるとこうなりますの典型。
と言いたい作品。
とにかく魅せる。
こんなロケット発射の撮り方を今まで観たことないし、そんなこと出来るんだ!のビックリもあるし、
おいおい海王星かよとか、
月はもうフツーに暮らせるんだとか、
火星もありですかとか、
そういったところは楽しめたけれど、
如何せん、脚本がシンプル過ぎて、こんな壮大なスペクタクルに、
そんな安直な動機なの?!とか、
それで良いんですか?とか、終始突っ込みどころ満載でした。
ブラピはワンハリとがらりと雰囲気を変えているので、
違和感なく観られたけれど、
トミー・リー・ジョーンズはもはや、
缶コーヒーのCMのせいで、
なにをやってもホントは宇宙人なんでしょと疑いたくなる始末w
凄い映像が観たければこの作品はとても良いと思う。
(奇しくも見終わった直後にHB2をJAXAが飛ばしたので、リアルの方が玩具っぽく見えた)
名優
ここでも同じか。資源をめぐる戦い
映画「アド・アストラ」(ジェームズ・グレイ監督)から。
あまりにもスケールが大きすぎるのか、
はたまた、父子愛がテーマなら、舞台は宇宙でなくても、と
消化不良のまま、観終わった。
主人公が、火星に行くまでのトランジットで、月へ。
その月で遭遇したのが、各国の資源争いに伴う襲撃。
彼は「ここでも同じか。資源をめぐる戦い」と呟く。
これがいちばん印象に残るシーンとは、申し訳ないが、
このシーンがあることで、監督は何を伝えたかったのか、
海王星までの道のり、一番の危険なシーンがこの場面なのだが、
さっぱり、わからなかった。(汗)
人間にとって一番身近な「月」の、どんな資源を争っているのか、
それさえもあまり理解できない設定で、ますます困惑した。
月を中継して、他の惑星へ行く設定は、何度も観てきたが、
月面着陸は、アポロ11号により何十年も前に実現したのに、
未だ、月面基地は未完成のままが、現実の世界だから、
いくらSFと言えども、リアル感が感じられなかったなぁ。
壮大な映像と心の中への旅
スペース カウボーイの続編にしてほしかったわ。
盛り上がりに欠けた今更なSF宇宙映画。
大げさなセットに内容がまったく付いていっていない。
トミー・リーやドナルド・サザーランドが出てくるくらいなら
スペース カウボーイの続編でも作ってほしかったよ!
トミー・リー(ホーク・ホーキンズ)が月で生きてた! ってことにしてさ。
イーストウッドさん、頼みます (人-)。
2022 12本目
宇宙と父と我が心の旅路の果てに
日テレ(日)夜の人気バラエティー番組の不定期企画“中岡宇宙の旅”。
なんだか『SW』みたいな展開になってきたけど、寧ろ本作がベースだと思う。
…と、まあ、そんな事はどーでもいいとして、
地球外生命体の探求に人生を懸け、16年前に海王星付近で消息を絶った父。
偉大な宇宙飛行士だった父と同じ道を進み、父を捜す為、大宇宙へ旅立つ息子。
何ともドラマチックで、壮大な宇宙への冒険を期待させる内容。
…が、公開したら、圧倒的に厳しい声が。
個人的には言われるほど悪くなかった。
まず、これが監督ジェームズ・グレイの作風。
インディ・ジョーンズのモデルになった実在の冒険家を描いた『ロスト・シティZ』が、エンタメ・アドベンチャーかと思いきやシリアスな人間ドラマタッチだった事もあり、本作もそうなんだろうと。
また、以前『インターステラー』のレビューでも書いたが、藤子・F・不二雄のSF短編で、未知の宇宙への旅立ち、大宇宙の神秘、個人の内面を掘り下げる作品があり、こういう知的SFが好き。
『2001年宇宙の旅』『インターステラー』と並ぶ知的SFの新たな傑作誕生!…とまではいかなかったが、好きなタイプのSF映画。
まあ、厳しい声も分からんではない。
作風は淡々と静か、主に主人公の語りで展開していく。
ド派手ド迫力の見せ場やスペクタクル・シーンはあまりナシ。
『インターステラー』ほどの壮大さ、『2001年宇宙の旅』ほどの圧倒的な哲学性にも欠ける。
が、しかし、
名手ホイテ・ヴァン・ホイテマによる幻想的な宇宙の映像、
リアリティーを追求したセットやロケ撮影、視覚効果や音響など第一級の映画技術、
主人公のドラマチックな旅立ちに始まり、
月面でのチェイス、軍の陰謀、父の衝撃の真実…スリリング性もある。
そして、根底にある主人公の苦悩・葛藤、父子のドラマが深みをもたらす。
これがハラハラドキドキワクワクの娯楽SFだったら期待外れも無理ないが、このシリアスで静かな作風は本作に合っていると思う。
同性でも惚れ惚れするほどのカッコよさ、魅力、スターのオーラを消し、抑えたブラッド・ピットの演技が絶品。アップが多く、細かな表情の変化のみで主人公の複雑な心情を体現している。
父役トミー・リー・ジョーンズも出番は少ないが存在感と印象を残す。
この人気スターと名優の共演も見ものであり、兼ねてから見たかった。
知らされた父の衝撃の真実。
実は父は生きており、太陽系を滅ぼしかねない危険な計画を実行しようとしている…。
課せられた極秘ミッション。計画の阻止と、必要あらば父の暗殺…。
家庭を顧みなかった父。
記録映像に残された、目的達成の為ならばクルーの命さえ犠牲に。
父は狂人なのか…?
肯定は出来ないが、多少たりとも分からんでもない。
まるで観光地のように侵食された月面基地。
宇宙に進出しても変わらない資源争い、陰謀…。
そんな人間たちの愚かさに失望。
だからより一層、宇宙の深遠へ入り込んで行く。
救いと答えを求めてーーー。
命令に背いてまで、父を捜す事に執着。
父と同じ道を歩んだが、父と同じ過ちを。
あるトラブルからクルーを死なす。自分もまた、宇宙の深遠へ入り込んで行く。
宇宙は人の心を惑わし、狂気に取り憑かれ、脆く弱い人間如きが足を踏み入れてはならない聖域なのか…?
主人公ロイは、終始苦渋の表情。見るからに生き方に悩み、苦しんでいる。
離婚を経験しており、他人とも親密な関係を築けない。
ミッション中、大宇宙で一人に。
孤独には慣れている筈なのに…、何だこの、表しきれぬ寂しさ、悲しさは…?
自分は本当はこんなにも、人の温もり、人との関係を欲していたのか…?
クライマックスの父との再会は、決して感動的なものではないが、胸に迫るものがある。
可愛い子には旅をさせろ、と言う。
父捜しの旅を通して描かれる、我が心の旅路。
宇宙の果てで見付けたものは…
父が我が身を犠牲にし、自分は与える事の出来なかった、息子への人生の示しと尊さ。
無論これは自分なりの解釈で、Wikipediaなんか見ると違っている。
でも、自分はそう感じた。
それが知的SFの魅力であり、醍醐味だと思う。
宇宙と人の心が無限に拡がるのと等しいように。
喪失感と宇宙の寒々しさと
切なすぎて、悲しすぎ、もどかしいこの気持ち。
シンプルは美しい。
SF映画でこんなにもシンプルで、美しい映画に出会ってしまうとは…。
これは、宇宙を舞台にしているけれど、話の内容はもっと別の人と人とのつながりの物語。
余計なものを全て削ぎ落とし、シンプルな映像だけを見つめたら、宇宙の壮大さの中に小ささな自分が投影されてくる…。
余計な音は一切ない。
あるのは、究極の静寂のみ。
シンプルさの中に浮かび上がるのは、ブラッドピットの切なげな青い瞳。
宇宙飛行士の父親を追い求めて、宇宙飛行士になった彼。
父は宇宙の生命体を見つけ出すために、30年以上家に帰ってくることはない。
家庭を捨て、地球を捨て、ひたすら宇宙の生命体を追い求めるために、宇宙に身を捧げた父の姿がすごく遠くに感じました。
そして、仕事に没頭する父親の姿が、私にはどうしても理解できませんでした。
でも世の中には、そんな仕事人間に共感する男の人がいることも事実。
周りのことを一切拒絶し、自分の信念を貫き生きる。
それが結果として、仕事人間と言われてしまうのでしょうね。
せっかく父親のことを助けにやって来たのに、拒絶され嫌悪される息子の姿が辛すぎる…。
結果的に2人は別れることになるのですが…。
広大な宇宙の中に浮かび上がる、父と息子の悲しい別れが切なすぎました。
BOSSのCMで宇宙人を演じているトミーリージョーンズさん。
今回彼が、宇宙に魅了され、宇宙で生きることを選択した姿が、なんだか運命的に感じる。
彼は宇宙に愛されているのかもしれないですね(笑)
SF映画だというから、てっきりアクションありの爆音ありのスペクタクルだと思っていたら、な、なんと!親子の絆をみることになるとは…。
予想を裏切られる展開ではあったものの、こういう人と人とのつながりや別れの話は嫌いじゃないので、最後まで楽しめました
(*´∀`*)
自分にとって大切なものは何か?
今の自分の大切な存在と一緒に映画を観れたら、そのものの存在の重要性に気がつけると思います。
今、地球で生きてることの幸せを感じさせられる意味深な映画でした
(*´꒳`*)
ありがとうございました!
想像以上に淡々。宇宙の深淵への壮大な旅の行方。
【賛否両論チェック】
賛:主人公の壮大な宇宙への旅の果てに待つ、家族や人生に対する哲学的な問いかけに、観ていて思わず考えさせられる。
否:展開は思った以上に淡々と進み、かつ哲学的なので、見方によっては非常に退屈してしまいそう。ラストも呆気ない感が否めない。
なんというか、良くも悪くも非常に哲学的な作品といえるかも知れません。かつて宇宙の彼方へと消えた父を探し、途方もない旅へと出た主人公・ロイ。そんな彼が壮大な旅の果てに知る父の行方と真実に、家族や人生の目的といった深いテーマを考えさせられます。
ただ「宇宙の果てへの旅」と聞いて想像するようなハラハラ要素はほとんどなく、ただただ淡々と旅が進んでいくので、冒険モノを期待して観てしまうと、メチャメチャ退屈してしまうと思います。
どちらかというと人間ドラマというか、難しいテーマが好きな方向けの作品といえそうです。
静寂に耳を傾ける
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