劇場公開日 2019年3月1日

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グリーンブックのレビュー・感想・評価

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4.5それでも、僕たちは手紙を出さなければいけない。

2020年4月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 初めて鑑賞したとき、あまりの“良さ”にやられ、その日のうちに2度目の鑑賞をキメた。それくらい好きな作品だ。

 改めて再鑑賞したので、僕の心のうちをうまく説明できるかどうかわからないが、とにかく感想をつらつらと書いてみる。

 おじさん2人の珍道中ともいうべき物語は、どこかハートフルで、どこかコミカルで、どこかデカダンス。個人的に心に残るのは、「手紙」というモチーフを通じて描かれる“コミュニケーションの郵便的不安”だった。

 “郵便的”とは何か。フランスの哲学者ジャック・デリダによる概念だ。ここでは「意図したものが届くかどうかわからない」という意味で使用していく(概念として間違ってるかもしれないけど…細かいことは置いておく)。

 郵便は差出人が郵便局を預ければ、それは局を通じて受取人に届けられる。しかし、郵便は確実に届くのだろうか? 誤配の可能性は確かに存在し、郵便が届くかどうかはわからない。そして何かの行き違いでどこかに行ってしまえば、永久に失われるのである。

 それは手紙などの郵便物だけでなく、コミュニケーションも同様である。僕すなわち主体が発する言葉を、受け手である客体は、主体が意図した正しい意味で受け取るだろうか。

 言葉という媒介を通している以上、主体の意図した意味から大きく外れ、誤解が生じることは珍しくない。というか宿命とすら言える。コミュニケーションは非常に脆いシステムの上に成り立っている、極めて紛失されやすい郵便なのだ。

 本作ではトニーが妻に、旅の無事を知らせる手紙を出す。それは単なる手紙ではなく、物語のテーマを内包する“装置”でもある。つまり本作の手紙は、コミュニケーションの郵便的不安、すなわち“届くかどうか、伝わるかどうか”という主題を象徴している。

 トニーがドクターにフライドチキンを勧め、「黒人のソウルフードだろ?」と語りかける。ドクターは苦虫を噛み潰したように顔をしかめる。トニーに悪気があったわけではない。無自覚に、本当に単純に、美味いからチキンを食えと言っている。しかし、差別に敏感なドクターには、その意図は届かない。

 こうして、トニーとドクターはいささか、コミュニケーションの郵便的不安に翻弄され、すれ違いを見せつつ、誤解と理解を繰り返しながら旅を続けていく。ところが、その誤解と理解を繰り返す、という点に、僕たちがこの修羅のような世界で健やかに生きるためのヒントが現れているように思える。

 トニーとドクターが対話するうちにお互いを知り、友情を芽生えさせていく。コミュニケーションは届くかどうかわからない不安定な手紙だ。でも、差し出してみなければ絶対に届かない。痛みが伴うかもしれない。溝ができるかもしれない。それでも、僕たちは手紙を出さなければいけないのだ。郵便に投企するべきなのだ。スクリーンに映る2人は、観客にそんなことを語りかけてくれる。

 「寂しいときは自分から手を打たなきゃ」「才能だけでは不十分だ。勇気が人を変える」「黒人でも白人でも人間でもない。教えてくれトニー。私はなんなんだ」

 監督のピーター・ファレリーやキャストたちが差し出した手紙は、僕にしっかりと届いた、と思う。このレビューという手紙も、誰かに届くだろうか。

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文化的雪かき

3.5複雑に入り組む人種差別

2019年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

粗野なイタリア系白人と知的な黒人のロードムービー。あえて黒人差別の激しい南部へコンサートツアーに行くシャーリーの決断は、それもまた偏見をなくす一歩であるからだが、そのコンサートに来るのは、「先進的」だと思っている白人ばかり。黒人の音楽に理解を示す自分は差別主義者などではないと彼らは思っている。しかし、地元の黒人にはめもくれず、この構造自体が差別を温存してもいる。(スパイク・リーが過激な発言をよくするのは、そういう構造に利用されたくないという思惑もあるのだろう)
白人であっても貧困で被差別的な扱いのイタリア系のトニーは黒人に仕えるということに複雑な感情を抱き、黒人であっても知的で裕福に暮らすシャーリーは黒人コミュニティでも馴染めない。人種差別がとても複雑に入り組んでいるのである。
その複雑に対して、やや安直すぎる結末ではないかとも思うが、気持ちよく観られる作品だ。ただ、気持ちよくなっただけでは、「先進的」だと思いこんでいる南部の白人と変わらない。差別の複雑な背景を理解するよう努めなければならない。

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杉本穂高

5.0祝作品賞。旅が育む友情、笑い、音楽すべて最高!

2019年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

楽しい

よく指摘されるように、仏映画「最強のふたり」を観た人なら多くの共通項をこの「グリーンブック」に見出せるだろう。白人と黒人、教養も資産もかけ離れた2人が、カルチャーショックを経て確かな友情を築いていく。どちらも実話ベースだが、創作したかのように好対照な凸凹コンビだし、だからこそ奇跡的に生まれた絆が一層輝く。

ロードムービー、バディもの、喜劇、音楽といった王道のジャンルと素材に、人種問題やLGBTという社会派の味も加わり、しかもそれぞれの要素が邪魔しあうことなく、絶妙なハーモニーで口当たりの良い逸品料理に仕上がった。アカデミー賞の作品賞も納得だし、ピーター・ファレリー監督の手腕も見事と言うしかない。

車中でトニーがドクにフライドチキンを強引に薦める場面。ラスト近くでトニーの妻ドロレスがドクに伝える言葉。思い出すだけで頬が緩み、同時に胸がじんわりと温かくなる。

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高森 郁哉

4.5この映画は観客を選ばない。分かりやすく楽しく、魂のうねりに触れられる傑作

2019年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

楽しい

この映画は観客を選ばない。誰もがハードルなく楽しめて、10人中9人が「本当にいい映画だったね」と胸を熱くさせて映画館を後にすることができる。そんなわかりやすさと可笑しさ、そして観客の心をグッと引き寄せる魂のうねりを併せ持った作品なのだ。

冒頭ではちょっと強面なオヤジに見えた太鼓っぱらのヴィゴ・モーテンセンと、それとは正反対の気高さを持つ黒人ピアニスト役のマハーシャラ・アリ。肌の色も性格も育ちも正反対の彼らが、旅の過程で徐々に互いへの敬意と友情を結んでいく。そこに折り重なるエピソード一つ一つがまた、なんとも言えない輝きを放ち、胸いっぱいに余韻を広げていく。

このロードムービーは二人の目線の高さを同じくして、互いの立場に立って物事を見つめることの尊さを我々に教えてくれる。60年代を舞台にしながら、分断の顕著な現代世界に、普遍的であり微塵のブレもない力強いメッセージをもたらしてくれる傑作だ。

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牛津厚信

3.5居場所を見つける

赤垣さん
2021年5月5日
Androidアプリから投稿

黒人差別が色濃い1960年代アメリカ南部が舞台。横暴で無教養だけど熱いイタリア男トニーと、教養と品性に溢れる黒人ピアニスト ドクの対象的な2人が友情を深めるお話。

黒人は召使いで白人はお客様、黒人は入店拒否なんて明確に差別的で嫌な絵面が史実なんて悲しすぎる…

とはいえ、話自体はわりかしコミカルに進むので人種差別テーマの映画だからといって重々しく見にくいことはない。

肌の色でも差別されて、同じ人種の中でも富と才能を得ているドクは白い目で見られ、居場所がないけど、トニーとの友情を深めていく中で自分の居場所を見つけられていく姿は良いものでした。

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赤垣

4.02人の友情に感動

さん
2021年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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稔

4.0ストレスフリー

bigsukeさん
2021年5月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

笑える

知的

面白かったぁ。こういうわかりやすい映画はやっぱ良い。
今も続く?黒人への人種差別だけど、60年前はもっとあからさまだったことがわかる。日本人としては今ひとつわからない文化だけど、現在起こってる事象に結びついているのではないかと考えさせられた。
あと、この手の映画でやはり文化の違いを感じるのはクリスマスという日の重要性。これは中々わからない。
でも時に笑え、最後のオチも良く、血をみない映画もたまには良いと満足出来た映画だった。

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bigsuke

5.0南部でピアノの演奏をする旅。 2人の車での旅、その道中の揉め事や会...

ティムさん
2021年4月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

笑える

知的

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ティム

5.0表に立つ勇気

こたつさん
2021年4月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

悲しい

楽しい

単純に「黒人」だけでなくて、貧富(トニーの名前に関して)や、イタリア系アメリカ人としての差別といった、多方面からの差別にもクローズアップされているように見受けられた。

『それでも夜は明ける』などといった当時のアメリカ南部の深刻な差別問題をピックアップした作品はいくつかあるが、グリーンブックは問題を提起しながらも、面白おかしく明るい気持ちで見ることが出来た。これで実話なのだから驚き。

知的で高貴な白人×学がないが人懐こい黒人コンビのパターンがデフォルトの中、真逆の掛け合わせでなんとも新鮮でユニークだった。

「白人の救世主」としての賛否両論はあるみたいだが、個人的には、先駆的に自らが表に出る事を決めたのはドンであり、結果的に差別という敵に2人で挑み、旅の中でお互いを理解し、周囲の仲間に受け入れられたのだから、最強の2人だったから成し遂げられたのだと思う。

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こたつ

3.5布袋が黒く塗ってるのかと思った。

2021年3月27日
PCから投稿

人種差別はネタとして扱っていますがテーマはそうじゃないですね。
自分との対面・・・でしょうか?
二人のキャラのコントラストが効いていて長い映画でしたが どこも退屈することなく最後まで集中して見れました。固定カメラが上品な雰囲気を醸し出していて主人公の下品なキャラを抑えて映画の雰囲気が監督のイメージどおりにまとめられていたと感じました。
そして主人公はトニーのように見えて実はシャリーだと思いました。
みんな彼の気持ちがよく分かって感動したのでしょう。
・・・まあよくある感じのストーリーだし優等生が書いたような優等生的な映画ですが・・・雨の日なんかに彼女とまったり見るには無難でベストなチョイスでしょう。

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KIDOLOHKEN

5.0卵と砂糖だけなのに泣けるほどおいしいプリンのような作品

2021年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

黒人差別・友情、ストーリーは見えているのに泣ける

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4.0視聴後に心が温まる作品

ともさん
2021年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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とも

4.0慣習的な黒人差別

2021年2月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

知的

幸せ

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んどららら

2.0面白くない。だからアカデミー賞。

2021年2月8日
iPhoneアプリから投稿

快作「48時間」「ミッドナイトラン」の系譜でいて、神妙で面白くは無いからアカデミー賞の作品賞なのだな。
丁寧だが新味無し。
ここ数年黒人差別ものばかり受賞してないか。
同年作品賞を逃したゲテモノ「女王陛下のお気に入り」の方を10倍推す。

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きねまっきい

4.5フライドチキンとウイスキー

marさん
2021年2月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

すごく爽やかなタッチの作品なんだけど、
後味にけっこうな苦さのあるようなメッセージ性。

今までこうやってきたから、とか 皆こうやってるからとか
思考停止した人間の醜さをくっきりと浮彫りにしたと思うし
さらに自分は先進的だと思ってる奴の浅はかさというか、
「おまえ本当に分かってんのか?」と。

見たい見たいと思いつつ後回しになっちゃってたけど、
これはずっと心に残るタイプの名作だと思った。

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mar

4.089点

2021年1月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

幸せ

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コウセイ

5.0何か観ようかと思ったら是非観て欲しいです。

2020年12月22日
iPhoneアプリから投稿
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しじみの短い感想文

4.5映画『最強の2人』が好きなら絶対好きだと思うな

こなさん
2020年12月14日
iPhoneアプリから投稿

めちゃくちゃいい
最後には嬉しい気持ちで泣ける
人の孤独が癒える瞬間、孤独を纏う瞬間、
独特なキャラのドクを演じるマハーシャラの表情が
繊細で素晴らしい
トニーがドクの音楽を聞いて笑みが溢れる時や
オレンジバードで他の黒人と共に演奏し、
楽しそうに笑うドクに嬉しそうなトニー
もちろんラストシーンも
他の映画であまりこんな事思わないけど、
何かが報われる、受け入れられる場面に
とても幸せを感じた
不思議
俳優の演技なのか監督の撮り方なのか
私のこれを見た時のコンディションなのか不明だけど
この映画が万人受けすると言われてるのはそういう不思議なほっこり?暖かくなる瞬間があるからなのかな?

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こな

4.0グリーンブック

2020年12月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

黒人差別をここまで言語化したのはすごい。
たとえ金持ちでも、黒人であるご故にいつも独り。

お互いの欠点を補いあっている。
最後のトニーの家族とドクの対比が印象的。その中でトニーの家族の中に入っていくラスト。そこでのトニーの家族のなんとも言えない戸惑いがリアル。素晴らしいラスト。

『勇気があれび人の心は変えられる』
差別されて自分が傷つくことを恐れていては何も変わらない。傷つく勇気を持てば周囲の人の気持ちは変わるかも。パンクを注意したのみだった警官が、良い方向に向かっているようで印象的だった。

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ABCD

4.0人種差別の闇を描きながらもホッコリさせてくれる作品。

トラ吉さん
2020年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

余り期待せず観たせいかとっても良かった!
最初はアラゴルンの変わり果てた姿に目を疑ったけど…(笑)

じゃけど、観ていくうちにアラゴルン(モーテンセン)が愛くるしいし、何よりマハーシャラ・アリの気高く知的な姿とのバランスが最高!!
二人のやり取りも面白いし、関係性が変わって行くのも良かった。
作品を通じてアメリカの暗部を見せられて嫌な気分になるけど最後はとても清々しい気分になりホッコリさせてくれた。

ちょっと残念なのは意味の解らないジョークが所々あったことかな。

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トラ吉
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