グリーンブックのレビュー・感想・評価
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真逆のふたり
黒人ピアニストと、その運転手。様々な壁を越えた友情を実話ベースで描く。
腕っぷしの強いトニーはある日、黒人ピアニスト、シャーリーの運転手として雇われ、演奏ツアーへと出発する。目的地は黒人差別の色濃く残るアメリカ南部。行く先々での理不尽な対応。そりの合わない二人。彼らはどのように距離を縮め、困難を乗り越えてゆくのか?
人種差別という重い背景がありますが、違いすぎる性格の二人のやりとりが笑えたり、反発し合いながらも、互いの良さや苦労を認め合い、固い絆で結ばれていく様子に心温まりました。
性格的にも経済的にも何もかもが真逆の二人。
野蛮で、すぐに暴力で解決するトニー。忍耐強く、気品溢れるシャーリー。
愛する家族のために、金になるなら何でもするトニー。高収入を得られる北部でのツアーを蹴って、敢えて風当たりの冷たい南部でのツアーに臨む誇り高きシャーリー。
土台は違えど、それぞれの信念を貫く姿は格好いいし、互いに尊重し合う二人の関係が素敵だと思いました。
貧しいけれど大勢の家族に囲まれて暮らすトニーに対し、豪華な調度品に囲まれ一人佇むシャーリーの寂しげな表情も印象的でした。白人でも黒人でも男でもないと語るシャーリーの孤独。敢えて南部でのツアーを行う勇気と信念。シャーリーを歓迎しながらも当然のように差別する白人。
コンサートでの美しい演奏、穏やかな表情の下にあるシャーリーの怒り・悲しみ・孤独は計り知れません。
良い時も悪い時も観賞できる素晴らしい映画
観てる人の感情を選ばない万人に向けた素晴らしい映画です。
何度も繰り返し観ても苦痛に感じない貴重な出来だと感じました。
子供達にも親にもお勧めしています。
歴史を学べる良作
1962年人種差別が色濃く残るアメリカ。差別に苦しむ黒人天才ピアニストと、それを支える白人用心棒の友情のお話。博識な黒人と粗野な白人のアンバランスなやりとりや、旅を通じて成長していく姿がいい。そしてマハーシャラ・アリのスタイリッシュさも見所。さっそく服装を真似してみよ
ただ、ただ、ただ素晴らしい!
2018年アカデミー賞作品賞受賞。監督は「メリーに首ったけ」のピーターファレリー。
とにかく会話にテンポとユーモアが混じり、見ていて楽しい。
黒人差別をテーマに現実を描きつつ、音楽も相まって重くなく軽やかに。それはコメディ出身監督の脚本の妙だろうか。
最後の「手紙ありがとう」で思わず拍手!
久しぶりにステキな作品に出会えたし、誰かに言いたくなる、また見たいなと思わせる作品でした。
ハートフルだけど、いろんな問題など考えさせれる映画
男2人で一緒にコンサートを回る旅路を描いた作品。
演奏は讃えられるけど、黒人差別は受ける。
不思議な感覚。
今の時代は薄れてきたけど、差別はしちゃダメだと思うことができる。
ケンタッキーを2人で食うシーンめっちゃ好き。
あとは、カティサークが飲みたくなる
感動のストーリーと人種差別問題の扱いの「軽さ」
黒人と白人のバディ物、差別を乗り越えた友情の感動のストーリー。でもそれでいいの?というモヤモヤを感じてしまう。
見終わったあとで史実との違いなどを調べていくと段々それが具体化していく。映画公開後、シャーリーの遺族側からはかなり批判的な意見がでている模様。いわく、事実と異なる描写が多い(シャーリーはフライドチキンも流行りの音楽も知ってたし、王様みたいな椅子なんて持ってなかったなど)、黒人差別の問題が軽く扱われてしまっていると。実際、他の人のレビューをざっと見た感じ言及の多さは、友情・感動のストーリー>>>KFC(笑)>>>人種差別問題、といった感じで差別問題というより普遍的な友情物語として受け止めた人が多かったようだ。日本人には黒人差別問題はあまり身近でないというのもあるだろうが、(大阪なおみ関連とか考えるに普段意識しないだけだろうけど)、普遍的な友情物語ととらえるには暗い差別問題が端々に出てくるしやっぱり差別問題ももう一つのテーマであることは間違いない。
しかしその扱いはあまりに軽い。日本人により身近な人権問題としていじめ問題を例に挙げるなら、「いじめっ子といじめられっ子が殴り合いのすえお互いを認め合って肩抱き合い夕日を見つめる」くらいの陳腐なストーリー。いじめられっ子目線で見れば「こんなの現実じゃない」「いじめっ子側の都合のいい解釈」「こんな映画でいじめ問題を真面目に扱った作品といわれるのは変」って反応がでてくるのは当然な気が…。それこそ二人が警察に捕まるシーン、2020年のアメリカだったらジョージ・フロイドのように殺されて物語終了だ。舞台になった公民権運動の時代でも黒人に対するリンチ、放火、不当判決などは数多く発生してたようで、そう考えるとシャーリーが受けた差別は同時代的にも「軽い」ほうだったといえる。
黒人差別というテーマ抜きで見ると、ストーリーはハリウッドの教科書に載ってそうなオーソドックスなものだし、個人的には終盤にかけての盛り上がりに欠けた印象。シャーリー役の俳優のピアノの演奏がすごかったとか細かい部分はあるにせよ、全体的には平均点という感じ。それが、黒人差別が話題になってる時期にそれをテーマにしつつ、大衆受けするように差別は軽めのタッチで感動部分を濃いめに味付けすることでアカデミー賞を狙うべくして作られたことにより、みごと狙い通り「白人」審査員たちに評価され受賞した…とするなら当事者たちのモヤモヤ感たるや同情を禁じ得ない。
まあこの問題は黒人と白人のバディ物全般に感じてしまうものだし、そんなことグチグチ言って映画見てるなんてひねくれたやつだと言われそうなので、これくらいにしとこう…。
コメディタッチで差別の本質を描く
黒人差別、同性愛者差別など、現代問題として扱われている課題を、お題目としてではなく、人々の生活にどのようにそれが内在していて、どのように人を傷つけるのかをコメディタッチで描いている。誰でも見やすいコメディタッチの映画にそう言った要素を盛り込むことは、多くの人に気づきを与えるし、映画のラストでも和解があるように、現実社会でも和解できるのではないかという希望を持たせてくれるので、とても良い映画だと思う。
貧困と黒人は必ずしもイコールではないし、白人と教養もイコールではない。人それぞれが本来であるのに、ジャンル分けすることで人を判断するようになる愚かさを糾弾しており、身の回りの男女差別など、目に見えない形で自然と織り込まれている差別的構造を気付くきっかけになった。
差別心はどこからやってくる
面白かった。役者も魅力があるし、ファッションもお洒落だ。
こういう作品を見る度、差別心は一体どこからやってくるのかと考えてしまう。だって、トニーという人物、荒っぽくてズルいところもあるが、最初から「良い奴」なのだ。
イタリア系のトニーだって、差別される側だ。その理不尽さは身に沁みているはず。だけど自らも黒人を差別してしまう。
アメリカという国が、社会が、公然と特定の人種を差別し、国民に無意識の差別を植え付けた罪は大きい。
4.5
孤独なドクターシャーリーの前に現れた白人のトニー。
人種も性格も真逆な2人が旅を通してお互いを知っていく。そんな2人の友情が愛しい美しい。
大切にしたい作品の一つになりました。
難しいテーマですが、1人が変わることで
少しずつ良い未来に。
アイデンティティを考えさせられる一本。 途中、車が故障して修理して...
アイデンティティを考えさせられる一本。
途中、車が故障して修理している間、たまたま立ち止まったところが黒人だけが畑仕事をさせられている場所。
一人また一人と気づき、手を止めてじっとこちらをにらむように見てくるシーンは色々考えさせられるものがあった、
服装や身なりも違う、白人を運転手につけ、高そうなスーツで後部座席に乗っている、
柵1つ隔てただけで世界が全く違って見えるこのシーンは印象的だった
映画なんてこれでいい
ヤンキーとオタクのカリスマが一緒に行動する友情モノですね。
日本人も好きな王道です。
黒人差別のテーマなんてやり尽くされてるんですが、ぶつかって、悲しんで、悩んで、繋がって…。
映画なんてこれでいい。これでいいんです。
車内の前後の位置関係が、まったく異なる二人を優しく近づける。
〇作品全体
生まれも育ちも人種も性的趣向もなにもかも異なるトニーとシャーリー。二人の旅の序盤から、すでにトニーはシャーリーとウマが合うことをドロレスへの手紙で綴っているけれど、それでも黒人に対して差別意識のあるトニーがシャーリーと長い時間同じ場所で過ごすということは難しいことだと思う。
この状況でワンアクセント、特徴的なものがあった。それは車内での前後の位置関係だ。
トニーとシャーリーの二人は旅の多くの時間を車内で過ごす。会話は必然と前後の位置関係になるわけだが、この位置関係であれば外見からくる二人の齟齬は薄れる。外見というのは肌の色や、所作から感じる育ちの要素もそうだろう。ひざ掛けをするシャーリーと、人の分までサンドイッチを食べてしまうトニーの育ち方はカメラを通せば一目瞭然だが、二人からすればそれがそれぞれの視界に入ることはほとんどない。前後の位置関係であれば、シャーリーからすれば「不衛生」で行儀の悪いフライドチキンを食べる姿も直接見られることはない。
顔を合わせていなからこそ真っ向から対面する緊張感がなくなる。相手の許容できる部分は許容できるし、許容できない部分については許容できないと本心を出し、意見を交わすことができる。行く先々で肌が黒いことを気にしなければならない世界で許容を強いられ、一方で黒人コミュニティに馴染めず孤独でいるシャーリーにとって、肌の色が関係ないうえ一人ではないこの空間が、心を開くきっかけになったのではないだろうか。
トニーからしても、視界は前の景色とバックミラーだけで、人種を意識して話す機会はほとんどない。頭に血が上りやすい性格だが自分勝手な性格ではないことは用心棒の働きっぷりからも、そして家族との関係性からも見ていればわかる。
これは完全な私的な印象だけれど、映画作品において嫌々仕事を請け負うときの理由付けは、得てしてネガティブな義務感からが多い。家庭で問題があるから、なにかしらの過ちから…等々。本作でもトニーが用心棒でやりすぎてしまったから、というのはあるけれど、最終的に仕事を請け負う決め手はドロレスの承諾があったからだ。元々順調な夫婦の仲をより強固にする、というポジティブなストーリーラインが好きだし、トニーがただの無法者ではなく、家庭に責任を持つ夫であるというキャラクター付けも好感が持てる。
話が少し逸れたが、トニーの「2時と10時でハンドルを握る」責任感をきちんと持ち合わせ、時にそれをハズすユーモアが存分に発揮される運転席というポジションだったと思う。
二人が視線を合わせて対面で話す機会は車外でもほとんどない。レストランではシャーリーが新聞に視線に落としているし、手紙の書き方を教えるときにもシャーリーが横を向いていたり、トニーのまわりを歩いていたりする。同室に泊まった時も、二人はベッドに横たわりながら会話をする。
そういったワンクッション置くような位置関係での会話があるからこそ、対面で、目線を合わせて会話するシーンは重要な場面で使われる。石を盗んだトニーを咎めるシーンや、浴場で警察官を買収した後の駐車場のシーンだ。距離を詰める空間では目線を外してソフトな空気感に、距離間を確かめる空間では目線を合わせハードに。この映像的緩急が二人の関係性を築いていく上で非常に大事な役割を担っていたと思う。
本作のwikipediaを覗いてみたら、本作は「白人の救世主」の典型例だという。確かにそうかもしれない。だが、「救世主」然としていないとも感じる。その根拠として、二人が帰属する人種や生まれ、育ち…そういった「白人の救世主」要素が薄まるこの前後の関係性があったからだと、そう納得することもできた。だからこそ自分は二人の友情に魅入られたのだと、そう感じる。
〇その他
・終盤、黒人が集まるレストランでシャーリーがピアノを弾くシーンがすごく良かった。孤独から脱却する一歩、みたいに映るし、今までシャーリーがやってきたことは間違いじゃなかった、といような肯定感もある。
きっと誰しもがこうありたいと感じる
優しさに溢れる素敵な作品だった。
しかも実話ということで、お伽話ではなく、現実にこのような差別があり、その現実を乗り越えた人物たちがいたという部分にグッと引き込まれた。
自分も人としてこうありたいと思わせてくれる作品だった。
映画ってほんとにいいですね
面白かったです。
車が走り出してすぐ
ミラー越しに見た後部座席に座っている彼をみて
ちっとも楽しそうじゃない
と電話で奥さんに言う。
そうだな 何事も楽しみながら生きていきたいなって
映画を見ながら思いました。
今年出会えた最高傑作‼️
設定、脚本、配役、ロードムービースタイル、テーマ全てが完璧で落ち度が見られない。クドクド僕の感想読むくらいならツベコベ言わずにマズ見ろと老若男女全ての人に無条件で薦めることの出来る作品。
今日は次男の誕生日で、朝一番にlineにおめでとうのメッセージを入...
今日は次男の誕生日で、朝一番にlineにおめでとうのメッセージを入れた。
単身赴任での東京生活、この映画を見て離れて暮らしていたも、大事なものがあると感じた。
コロナ過の今、ますますその思いを深いものと感じている。
ドライバーの家族や親せき、友達に囲まれた暑苦しいとも言えるほどのうらやましい人生。
一方、主人公の一見皆が羨むような成功と名誉に囲まれた絢爛な生活。
しかし、人生において、何がもっとも重要なのか、何を大事に生きていくのか、どうすれば幸せなのか、そんな事を考えさせてくれる映画だった。
くどくなくさらっと幸福を感じさせてくれるラストが、ホロリと涙を溢しながら、心地よい余韻を堪能させてくれる、グッドな映画という感想。
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