グリーンブックのレビュー・感想・評価
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『グリーンブック』この映画は、アカデミー賞作品賞・脚本賞他も受賞し...
『グリーンブック』この映画は、アカデミー賞作品賞・脚本賞他も受賞した、是非観るべき一本だと思う。実話であるということも、たいへん興味深く、大きな意味を持っている。タイトルの『グリーンブック』とは、実に爽やかなイメージの響きがあるが、現実は「黒人旅行者を受け入れるホテルやレストランの一覧が記載された本」だった。という事実もショックだ。
映画の舞台は、1962年のアメリカ。人種差別が常態化していた時代に、高名な黒人ピアニストが白人運転手を雇い、アメリカ南部の演奏ツアーを敢行し、そこで様々な差別や暴力に遭いながらも、2か月の演奏ツアーを終えて、無事にニューヨークまで戻って来る。その間、ピアニストと運転手との間には、人種を越えて堅い友情が芽生え、生涯の親友になったという感動の実話だ。
黒人ピアニストのドクター・ドン・シャーリーは、カーネギーホールの上階に住み、裕福な生活をしている。天才ピアニストであり、礼儀正しく、知識も教養もある物静かな文化人だ。
ドンは、白人のチェロ奏者とベース奏者と共にトリオを組み、敢えて、人種差別が著しいアメリカ南部に演奏ツアーを行うのだが、(これにも深い意味がある)そのツアーの為の運転手を募集するところから、物語は始まる。
ナイトクラブの警備(用心棒)の仕事をしていたトニーは、店が2~3か月改修工事に入る為、その間の仕事を探していた。黒人への偏見もあり、口がうまくて、言葉遣いも悪く、すぐ暴力を振るってしまう粗野なトニーが、ドンの運転手の面接を受けることになった。一旦はトニーから断ったのだが、ドンから電話があり、結局2か月の演奏ツアーの運転手の仕事を引き受けることに…
正反対の性格の二人の為、衝突することも度々あったが、ドンが黒人であるということで、差別を受けていることを目の当たりにし、次第にドンに対する考え方や接し方が変わってくる。何度もボディーガードのようにドンを助け、守った。
そして、ドンの演奏を聴いて「凄い、素晴らしい、天才だ」と気づかされる。ホテルで二人が話している時、トニーはドンに「あんたの弾くピアノはスゲエんだよ!」と言う。
トニーが妻のドロレスに手紙を書いているのを見て、ドンは色々アドバイスをし、その手紙を受け取ったドロレスは感激していた。
ある時、ドンが演奏をした会場で、トイレに入ろうとした時、主催者の人に「あなたのトイレは、あの外のトイレです」と言われ、ドンはそのトイレを使うことを拒否し、モーテルまでトニーの運転する車で戻ったことがある。だが、ドンは演奏が終わると、愛想良くお客さん一人ひとりと握手を交わしていた。
その姿を見ているトニーにトリオのメンバーが「これからも、こういうことは何回もあるだろう。でも、我慢するんだ。ドクター(ドン)は、この2か月北部にいれば、パーティーに引っ張りだこで3倍の金を稼げた。彼は自らここに来た」と言う。
トニーは「じゃあ、何で南部に来たんだ?それに何であんなに、にこやかに握手出来るんだ?」と疑問を口にしたが、トリオのメンバーはそのことについて何も言わなかった。後にその答えは、その彼から聞くことになるが。
ある会場に向かう途中、エンジントラブルでトニーは車の修理をしていた。そこには草原が広がり、畑では黒人の人たちが農作業をしていた。ドンは車の外に出て修理が終わるのを待っていると、畑で作業をしていた人たちが全員、ドンの方をじっと見つめていた。その光景を見て、不安そうな顔で車に乗り込むドン…「何でお前は、白人に車の修理をさせて、そんないい服を着ているんだ?」と言いたげな、みんなの目に圧倒されたのだろうと思うが、ちょっと考えさせられるシーンだった。
移動中、買物があると言ってトニーが店に立ち寄った時、店先に売り物の翡翠の石が落ちていて、その翡翠をトニーはポケットに入れた。その様子をトリオのメンバーに見られていて、ドンから「お金を払って来なさい」「翡翠を返して来なさい」と注意され、渋々翡翠を売場に戻しに行った…筈だった。が、後に真相が明かされ、意味を持ってくる。
どしゃ降りの雨の中、パトカーに停められ、トニーは「降りろ、黒人の夜の外出は禁止されている」と言われ車の外に出たが、警官にバカにされ、トニーは警官を殴ってしまう。そして、二人とも留置場に入れられる。ドンは「暴力では勝てない。品位を保つことが勝利をもたらす」とトニーを諭す。ドンは弁護士に電話を掛けさせてくれるよう、権利を主張し、何とか電話を掛けることが出来た。暫くすると電話が掛かってきて、電話の相手は知事だった。ドンが電話を掛けたのはロバート・ケネディだった!二人はすぐ釈放された。これは凄い人脈と言うか、ドンの偉大さがよく判るシーンだ。
その日、車の中で言い争いになり、どしゃ降りの雨の中、ドンは車を降りてしまうが、そこでドンは本音を吐く。「白人相手のステージでは喝采を浴びるが、ステージを降りると、ただのクロとして扱われる。侮辱を受けても、痛みを分かち合える仲間もいない…」それを聞いたトニーは、その夜ドンと同じ黒人専用ホテルの同じ部屋に泊まることにした。トニーはドンにしっかり寄り添っている。もう充分親友の二人だ。
いよいよ最後の演奏の日。ドンが案内されたのは、物置同然の部屋だった。トニーとトリオの二人のメンバーが同じテーブルで食事をしているところで、トニーはメンバーの一人から、以前聞かれたことへの答えを話す。「6年前の1956年にナット・キング・コールはバーミングハムに招かれ、初めて白人施設でショーを行った勇気ある黒人だ。だが、彼が白人の歌を歌い始めると、ステージから引きずり下ろされ、袋叩きにされた」「ドンがわざわざ南部に演奏に来たのは″信念″だ。先人が示した勇気が人の心を変える」…と。
そして、ドンが食事をしようとレストランに行くと、黒人はここでは食事が出来ないと言われる。トニーが間に入って何とか、ドンが食事が出来るように交渉するが、どうにもならなかった。ドンは「演奏しよう。君が望むなら」とトニーに言う。するとトニーは「とっとと、こんなとこ、ずらかろうぜ」と二人は出て行く。何だかこのシーンは、気持ちがスカッとした。
その後、レストランに入って食事をしていたが、ピアノを弾いてくれと言われ、いつも弾いている「スタインウェイ」ではない、ごく普通のピアノだったが、ピアノを弾くと大喝采で、その店のバンドメンバーとのセッションで大盛り上がり。店を出たドンは「ギャラなしでも、もう一度やりたい」と言っていた。
その後、今出発すればクリスマスイブに家に戻れるということで、ニューヨークに向かって車を走らせるが、天候が悪くなってきて、ドンは「君のあのお守りの石(翡翠)を前に置いたら安心だ」と言うと、トニーはポケットから本当は返した筈の「翡翠」の石を出して車の前に置いた。ドンは全てお見通しだったわけだ。
途中、パトカーにまた停められる。「またかよ」と思うトニーだったが、実は「パンクしているんじゃないか?」と教えてくれたのだった。トニーが外に出てパンク修理をする間、警官は交通整理をしてくれていた。いい警官で良かった。心温まる話だ。
運転を再開したが、天候が更に悪化し、トニーも「眠くてたまらない。今日はモーテルに泊まろう」と言い出したが、場面が変わると、トニーを後ろの席に寝かせ、ドンが運転をしていた。
そして、ニューヨークのトニーの家に到着した。「家族に紹介する」というトニーに「メリークリスマス」と言って車を運転して帰ってしまう。自分がどう思われるか心配だったのだろう。
トニーの家では、クリスマスパーティーが始まっていた。トニーは家族みんなに大歓迎された。
ドンは自宅に戻り、翡翠を手に取って考えていた。
そして…ドンはシャンパン(ワイン?)を持って、トニーの家を訪ねる。トニーとドンはしっかり抱き合う。ドンの「トニーを貸してくれてありがとう」トニーの妻ドロレスの「ステキな手紙をありがとう」…がいい。最高のラストだった。
黒人への偏見があったトニーの気持ちが、段々と変わっていく様子や、孤高のピアニストだったドンが、トニーとの触れ合いをきっかけに心を開いていく様がよく描かれている作品だと思う。
人種差別の実態もよく分かり、勉強にもなる。黒人の人たちにとって、本当に辛い時代だったと思う。今でも、アメリカでは黒人差別は残っているが…
音楽も良かった。リトル・リチャード、アレサ・フランクリン…黒人音楽も大好きな私には、音楽も楽しめた映画だった。
テーマは『近視眼的偏見』アイデンティティに翻弄されるBROTHER達
ボストン・ポップスの「アーサー・フィドラー」を知ってりゃ「アレサ・フランクリン」を知ってるだろ。『近視眼的偏見』だけどね。
『近視眼的偏見』だけと、イタリア人はピザを食べる時に手では食べないよ。
『近視眼的偏見』で言えば、彼はイタリア系アメリカ人なんだと思う。勿論、アフリカ系アメリカ人もいて、彼らは最終的にBROTHERになる事だと思う。
性的なマイノリティーに付いては近視眼的眉唾だと思うけどね。南部の宗教は、カトリック教会よりもプロテスタントが多くて、寧ろ性的なマイノリティーには寛容だったと記憶するが。
近視眼的偏見かもしれないが、黒人のクラシックピアニストがいない。
黒人と言えば『JAZZ』
ツアーの最後をアラバマ州にしたのは、偉大なる『アラバマ物語』に対する近視眼的アンチテーゼなのかなぁ?
進行する映画のストーリーは『アラバマ物語』が上映時の出来事。
まぁ、最後の演奏はアレサ・フランクリンを知らない理由にならない。寧ろ、嫌みさ。
二度目の鑑賞だが、最後だけ言い訳の偽善にせざるを得ないかなぁ近視眼的に思えた。そんなお話。
僕のレビューが888番目。やったー。
追記 アーサー・フィドラーってジョン・ウィリアムズの先輩の様な人でボストン・ポップスはスクリーンミュージックの宝庫。
黒人音楽家とブロンクス育ちのイタリア人の友情の旅
素晴らしい映画だ。一気に二回目を見終えた。
この映画は脚本がよくできていて、テンポもとてもよく、ストーリーに起伏がついている。笑いあり、涙もさそう、音楽がとても素晴らしい。黒人音楽がもともと好きな私にとってはとくにそうである。
大まかなストーリーは覚えていたがラストシーン
Christmasに間に合わようにボスが運転して雪の中無事到着する。イタリア人はChristmas家族や仲間たちで暖かい。黒人のボスはいつものように執事がいる広い部屋にかえってくる。執事を帰し静かなChristmasイブを。ここでエンディングでもよかった。いや、むしろ、そのほうが余韻を持って終われるような気がする。
映画では黒人差別があるイタリアンファミリーが最初は驚くが、暖かくむかえる。
このあとChristmasパーティーは黒人クラッシックピアニストとイタリアン人雇われ運転手の話題に花がさくだろう。
東京物語、それのオマージュ作品の東京家族は旅を終えて静かな日常で終わっている。
どちかを好むかは人それぞれかもしれないが。
前から観たい観たいと思いつつ先延ばしにしてたのをやっと観た ほぼ最...
前から観たい観たいと思いつつ先延ばしにしてたのをやっと観た
ほぼ最後まで普通に良い映画って事で「★4だな」って思ってたけど、最後の期待通りの「ニガーはよせ」とドロレスの「手紙ありがと」で★0.5追加🤣
ロードムービー
旅をするロードムービーが昔から好きでそんな理由で見ようかなと思った一本
ちょっと曲者だけれど家族思いのイタリア系白人トニーと天才ピアニストだけれど目的のために危険な橋を渡ろうとしてしまう黒人のドクが、アメリカ南部をめぐる演奏ツアーの旅路を描いた作品
レトロで美しいデザインの車に昔のアメリカの風景や当時の小道具に音楽は素晴らしいけれどそれとは真逆に人種や同性愛の差別、これが当人に悪意が無くても「昔からなんで・・・」と言ってくる様子がやるせないなと感じた。
でも見ていて感じたのがこの映画は単に差別に対する悲劇だけでなく、それを超えた最初はぶつかり合っていたトニーとドクが分かり合えて親友になったように(盗んだ宝石を車に飾る演出)人間は困難を乗り越えたり理解しあえるそんなメッセージがあるのでないかと思った。
メッセージ性もですが演奏する場面も力が入っているなと思った。
終盤に演奏した木枯らしのエチュードは聞いてて鳥肌が立つほど素晴らしい曲だった
不思議と心にしみる
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クラブの用心棒だったトニーが失業し、運転手として雇われる。
雇い主は黒人のドク。天才ピアニストで2人の白人とトリオを組んでた。
クリスマスまでの3ヵ月間、アメリカ南部のツアーに行った。
古い時代であり、南部は特に黒人差別がひどかった。
ドクは天才奏者なので金持ちの白人客からもてはやされる。
でも彼らは自らの教養のために来るだけで、差別は普通にあった。
例えば楽屋が物置だったり、トイレが白人専用で使えなかったり。
洋服の試着を断られたり、バーで絡まれたり、不当逮捕されたり。
ドクはマジメで神経質で口うるさい所があった。
トニーは元々は黒人を見下す品の無い男なので、それが煩わしかった。
でも音楽センスは認めてたし、差別に立ち向かう姿勢に次第に敬意を抱く。
ドクは天才ならではの孤独というか、いつもあまり楽しそうではなかった。
でもケンチキを食ったことがないというのでトニーが無理に勧めたら、
うまそうに食ったりして純粋な男だった。
そして最後の公演の前、会場のレストランで入場を断られる。
この頃には完全に差別を憎むようになってたトニーはキレる。
でもドクが制し、そこでの公演を断った。
こうして2人で街に繰り出し、黒人しかいない店で飲む。
そこにはピアノがあり、トニーの勧めでドクは演奏した。
あまりの質の高さに誰もが聞き入った。
やがて常連が別の楽器を持って乱入、共に演奏する。
この時のドクは、普段見せない本当に楽しそうな顔だった。
こうしてNYに帰る。トニーの家ではクリスマスパーティをしてた。
間に合わすために交代で運転を手伝ってくれたドク。
トニーは寄ってけよと言うが、ドクは断って帰る。
白人のパーティだから、微妙な空気になると知ってたから。
そう思うとトニーはあまりパーティを楽しめなかった。
そしてふと表を見ると、帰宅後寂しくなったドクがまた来てた。
喜んで迎え入れるトニー。そして嫁にも紹介。
嫁はトニーからの手紙が美文過ぎて、ドクの言葉だと分かってた。
なので耳元で手紙ありがとうと言った。
こうしてトニーとドクの交流は死ぬまで友人として続いた。
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劇場で見た。事実をベースとした話らしい。
何でやろ?いい映画って、時間が経つのを忘れるよな。
テンポのいい作品ではないけど、それでも不思議とそうなる。
正直言ってトニーはあんまり好きではなかったけどな。
でも最後は黒人に対しても敬意を持てる男に変貌できた。
決して仲良しって感じではなかったが、心が通じてる感じがした。
最後の方のバーでの演奏は涙が止まらんかったわ。
音楽を愛してるのは間違いないだろう、でも楽しいが一番。
天才であっても、根本の部分ではそれは変わらない。
最後に再会するところも相当泣いたわ。
トニーの嫁は元々黒人に差別意識を全く持ってなかったし、
事実上の代筆ながら、そこにドクの人柄を感じ取ってたのだろう。
世の中みんな何かを抱えてる
ゲイで黒人のピアニストとその運転手のイギリスの移民が友情で繋がる話。
堅物であるピアニストが、段々と打ち解けてゆく。
人種は違っていても、同じ人間で、お腹も減るし怒ったり泣いたりする。
フライドチキンを食べたくなる映画、かなぁ。
すごくいい話だった。
グリーンブック
【ピロシの映画レビュー
①②】
こんばんは、水野晴郎です。
邦題 グリーンブック
原題 Green Book
⚫︎監督
ピーター・ファレリー
⚫︎脚本
ニック・ヴァレロンガ
ブライアン・ヘインズ・カリー
ピーター・ファレリ
⚫︎製作
ジム・バーク
ニック・ヴァレロンガ
ブライアン・ヘインズ・カリー
⚫︎出演者
ヴィゴ・モーテンセン
マハーシャラ・アリ
リンダ・カーデリー
⚫︎公開
2018年
⚫︎上映時間
130分
⚫︎製作国
アメリカ合衆国
⚫︎ジャンル
ヒューマンドラマ系
⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️⚠️
黒人&白人のコンビ、バディムービーといえば、『最強のふたり』(2011)が思い浮かびますが、役柄として逆転しているのが興味深い本作。
黒人差別が激しい1962年のアメリカ南部が舞台。
粗雑、粗野、粗暴、な元ナイトクラブ支配人と黒人売れっ子ピアノマンが主人公。
一度視聴したのですが、前半そうでもなさそう(ってどう言う意味?)なので中途ストップ。しかしながら各種レビューサイトを見るとなかなか面白いとされていたため、再開(会)しますた。
時代背景としては仕方ないんですかね。終盤まで言われのない差別(法的&人的両面)を受け続けるピアニスト。
徹頭徹尾ここまで馬鹿にされて、人間としての尊厳などありはしません。ただ本作がそれほどグロくならないのはどれだけdisrespectされても決してキレたりしないドクの性格と荒くれ者だけれど優しさに溢れたリップのおかげですよね。
終盤のセッションは展開的に泣ける名場面。
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『映画って本当に素晴らしいですね!』
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二人
南北戦争からもだいぶ経つというのにまだまだ黒人差別が残っていた時代の南部へ黒人の有名ピアニストドクター•シャーリーが敢えてコンサートにまわる。そこにクラブの臨時休業の間だけ運転手として口達者な頼り甲斐のある白人トニー•リップが雇われ3ケ月少し一緒に旅をする。
あれだけVIP扱いし丁重に対応した会場の支配人であっても、黒人だから、この地域の決まりで前例が無いから、とテーブルで食事をするのを断る。泊まれない白人専用ホテル。警官でさえ乗っているのが黒人というだけで職務質問。運転手が白人で後ろの席に座るのが黒人という図に驚くカップル。差別、差別、差別‥‥。
わかりきっていた事なのでどんな目に合っても、ドクター•シャーリーは動揺せずにあるがままを受け入れる。当然トニーは抗議し、二人は何度も討論し合う。そのうちドクター•シャーリーが南部に来た訳を話す。それを聞いたトムは仕事上だけではなくドクターの心意気に打たれ気持ちを尊重するようになる。
日程をこなし、クリスマスに間に合うように疲れ切ったトムの代わりに運転するドクター•シャーリー。
豪華な邸宅に戻ったドクター•シャーリーを待っていた執事を帰すと広い家に一人。
トムとの友情を信じてトムの家を訪問すると、旅に出る前は黒人差別に満ち満ちでいたトムの親族が、帰って来たトムの様子からいろいろ察したのか、ドクター•シャーリーの訪問を歓待する。
是非もう一度観たい作品である。
キャラが良いコメディ
黒人差別の映画だが、コメディで楽しく最後はほっこり幸せな気持ちになれる作品なので万人にオススメ。
何が良いって2人ともキャラが良い。
車の運転中にイタリア系白人のトニーがフライドチキンを食べ、食べかすを道に捨てる
お前も真似しろよ!と黒人のシャーリーに言って、紳士なシャーリーも押されて捨てて、二人で笑い合う
いやこういう関係がいいのよ
そしてその後に紙コップを道に捨てたトニーのシーン
→ 車がバックして取りに行かせるシーンの流れが面白い!
生ゴミは良いけど紙のゴミはダメ!みたいなね
痛々しい場面ももちろんあるけれど、2人のおかげでそこまで重くはなかった
実話ベースなので見ごたえもあって良いと思います
KFCが食べたくなった
上品な黒人、野蛮な白人のチグハグコンビのロードムービー。
ドクターのピアノが上手くて、ピアニストを俳優に起用したのかと思ったけど調べたら特訓の成果だそうでびっくりした。何回も出てくる演奏シーンにとっても満足な気分にさせてくれるレベルだった。
ドクターが堰を切ったように叫んだ「黒人でもなくて家族がいなくて男でもない私は誰なんだよ」のところに心揺さぶられた。自分をアイデンティファイするものを迫害されることの苦しさを、私は知らないし、もういまの時代ではめったに味わうこともないだろう。でもこの映画を見たことで、あの感情の発露を目の当たりにしたことで、少しは理解できただろうか。
名前、言語、言葉遣い、盗み癖、聞く音楽、食べ物、運転の仕方、服装、手紙で綴る文章等、アイデンティティを象徴する要素として多数盛り込まれていた。でも最後らへんの「自分がどれほどすごいやつなのか誰なのかいってやれよ」「言わないで、聴かせてよ」とジャズの即興演奏へもちこむシーンすごい良かった。彼を彼たらしめるの一番の要素はピアノの演奏なんだと、楽しくイキイキする様子が語っていた。
難しかったところ 考察しなきゃ
・なぜ差別の激しい南部へのツアーをすることにしたのか
・なぜトリオの3人車一台でいかないのか
・トリオはなぜロシア語で話すのか
・ツアー最終日、9回裏まで来ていたところをなぜ今までのように我慢しなかったのか
ピアノを弾くこと以外は、何も許されない残酷。
ドクター・シャーリーは黒人でありながらピアノの才を認められ豪華な家に住みお金にも困っていない。一見、人生の成功者にさへ見える。一方のトニーはと言えば不安定な暮らしであり家賃の支払いにホットドッグの早食い競争で得た金を充てるほどである。
でも映画を見ていて気付くのは、グリーンブックに出ている宿、レストランにしか出入りできず、服の試着も許されず、掘っ立て小屋のようなトイレで用を足すことを強要されるドクター・シャーリーに比べれば、トニーはドロレスをはじめとして周りから愛され、どこにでも行けて、シャーリーが持っていないものすべてを持っているという点である。
現在でも根強く残る人種差別がむき出しで横行する1960年代の残酷さに驚く。でも、だからこそシャーリーとトニーが少しづつお互いを理解していく描写に心が温まる。
皆さんが書かれているように数々の名シーンが出てくるが、クラシックを極めたのに黒人であるために白人が弾くクラシックとは違うジャンルを弾かされることを嘆くシャーリーにトニーが「誰でも弾けるクラシックより、あんたが引くピアノはあんたにしか弾けない。」というような趣旨のことを言うと、シャーリーが我が意を得たりと感じながらもトニーに「僕の弾くショパンは、僕だけのモノ」と返すシーンが秀逸である。
グリーンブックと言うアカデミー作品賞を含む3部門に輝く映画である。...
グリーンブックと言うアカデミー作品賞を含む3部門に輝く映画である。
DVDは持っているが、最近、TVでも放映したし、AmazonPrimeでもタダで見れるから、何回も見ている。
お気に入りの作品である。見てないのなら是非ともな作品である。
この映画の肝だけど、みんなは気付いているのか?(かなり失礼と言えば失礼な話だが)と思って書いてみる。
ドクター・ドン・シャーリー(黒人のクラシック系天才ピアニスト)は後部座席でいくら疲れていても、決して、だらけた姿さえ見せない人である。
でもトニー・リップ(イタリア系男性 運転手兼用心棒)と雨の中、口論した後、後部座席でうたた寝してしまう。本来 冷静沈着なドンが、誰にも明かさない 心の深部の思いの丈を 叫んだ後なら、興奮して、普通なら逆に眠れないはずである。
でもドンは、今までの心の 巨大な付き物が 取れたのである。
最後の公演時 トニーに「君が演奏しろと言うなら僕はする」に繋がっているのである。2人は全幅の信頼を寄せる瞬間なのである。
ホテルの廊下で トニーが「僕は辞めない。今から断って来る」と言った時は、ビジネスとして 人としての信用に過ぎない。
監督が、この何気ないうたた寝のシーンを入れた意味は大きい。
普通の監督なら(人とは、と言う事を強く考えていない人)絶対に思いつかないどころか、意味が分からないシーンだと思う。日本の監督では全く無理である。黒澤明・宮崎駿レベルである。
この映画から見たら「ドライブマイカー」如きペラッペラである。
このシーンで僕は この監督に 全幅の信頼を置いた。
カテゴリではなくその人を見るべき
鑑賞後の気持ち
満足感
鑑賞後の心の変化
固定概念などのフィルターを通さずその人を理解することが大切
鑑賞後の行動の変化
絶対に差別はしない
好きなシーン
ドクターがフライドチキンを初めて食べるシーン
ドクターを歓迎するシーン
嫌いなシーン
差別シーン
私へ:明るい映画、暗すぎる映画を見る元気がないときにゆるりと見るといいよ
しみじみとすかっとすっきりする、でも考えさせるところもある良映画
テンポが良い、音楽が良い、シリアスになりすぎない、でもちゃんと考えさせる箇所はたくさんある、あとはアメリカの風景が綺麗!見ていて飽きない映画でした
見ていて思ったのはマイルドヤンキーはやはり最強だなと。嫌なことはその場で発散して引きずらない、自己肯定がしっかりしてるのでメンタルが安定している。生物として強い。
トニーはそれに加えて軽口がたたける機転の良さと腹を括れる度胸が備わっていてまさに男の中の男と言う雰囲気でした。1世代前の価値観かもしれないけれど、やっぱりこのタイプの男性に惹かれる。
ドクがトニーの家族に受け入れられるシーン本当によかったなあ。沁みる
いやほんとに読了感が良い映画でした。ありがとうございます
コントラストが面白い
「最強のふたり」みたいに黒人と白人が徐々に友情をはぐくむお話し。
ただ、黒人だけどお金持ちで品性・知性のあるドクターと白人だけど粗暴なトニー、という珍しい関係性が面白かった。
飲み屋でのライブシーンは最高。
ロマンチスト
ドクターとトニーの共通点は、ロマンチストなところだろうか。。。
いろんな差別とか、お互いの境遇とか一通り共有して仲良くなるのは想像できたけど…このロードトリップはトニーにとっても、ドクにとっても満ち足りていたと思う。
トニーは尊敬する友達が増えて、手紙の書き方を覚えた。
ドクはトニーから、寂しい時は自分から先に働きかけることを学ぶ。
トニーの妻はドクから手紙を教わってることをお見通しという!笑
色々と考えさせられる
とにかく色々と考えさせられる一本。
黒人の中で一流のピアニストとしていること、その上更にマイノリティであることの生きづらさ。
クラシックピアニストとして活躍したいと思いつつ、違うエンターテイナーとしての道が提示されていること。クラシックの世界はその後どれだけ変われているのか。
南部でツアーをやると決めたドクの思い。
そしてどこまで我慢して、どこまで自分の信念を貫くか。
レストランで食事を許されず、最後の演奏の演奏を蹴った後、木枯らしのエチュードを弾く姿が印象的だった。
何よりも良かったと思ったのが演奏を見守るトニーの表情。その表情がドクの才能の全てを伝えていたように思う。
トニーの妻のドロレスも素敵な女性だった。
何度見ても良い!
変化していくトニーが柔軟でいいよね。
1960年代ってこんな差別があったんだ!ってびっくりしたし、今はいい時代になったんだなぁって見てて思う。
最後の演奏の日、バーで楽しそうにドクがピアノ弾くの見てジーンってなる。いい友人ができて良かったね😭
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