アルキメデスの大戦のレビュー・感想・評価
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最後はとっても面白い
最後15分まで滑稽なストーリーでしかありません、
SFだと思えばいいのですが、相手が歴史上存在するものだけに
何を馬鹿な話をしているんだ感が強すぎます。
それが、最後だけおじさんでも面白いと思える終わり方をします。
それも所詮夢物語ですが、これは秀逸な夢。
最後の15分が光る
夏になるとこういう映画が一本は出てくるよな~と思いつつ鑑賞。同じ大和を扱った『男たちの大和』とはずいぶん毛色が違ったものの、最後の纏め方が秀逸で、邦画では珍しい面白さがあった。
●ストーリー
次期大型艦の建造計画を巡り、空母を推す山本一派と巨大戦艦を押す嶋田一派が対立する軍部が部隊。大艦巨砲主義に押され劣勢な山本派だが、巨大戦艦の安すぎる見積もりに疑問を持ち、元帝大数学科学生の主人公を使って秘密を暴こうとするが……?
敵対陣営の妨害をかいくぐり、巨大戦艦の見積もりを算出すべく奮闘する、というのが映画の殆どを占めます。悪くはないけど、少し派手さには欠けるかな……と思いつつ見ていましたが、ラストの展開で一気に引き込まれました。
山本派は「勇壮な巨大戦艦が出来れば、国民は日本の国力を錯覚してしまい、戦争に繋がる」として戦艦建造を止めようとしていました。しかしラストで明かされる真相はまったく正反対。山本五十六は来る日米開戦に向け、開戦劈頭米太平洋艦隊を叩くべく機動隊の充実を図って空母建造を推し進める腹積もりでした。一方嶋田派の平山造船中将は「日本は負け方を知らないから、国民最後の一人まで戦いかねない。その前に日本を象徴する巨大戦艦が沈むことで、国民の目を覚まさせなければいけない」と、必敗の状況になったとき、大和を日本の形代として沈めることを考えて設計を行っていました。
これを知った主人公は、大和完成の鍵となる設計式を彼に伝えるのでした……
このトリックは凄い!あのまま終わったらただの駄作でしたが、最後の回収の見事さで秀作に引き上げられた感があります。なるほど、そういう解釈をつけるのか~
●演出・演技
最初は雑でオーバーなキャラ付けにハイハイいつもの邦画ね。と思っていましたが、慣れるにつれ気にならなくなりましたね。
演出でいうならば、VFXの見事さは特筆もの。この映画は大和が題材になっているものの、実際に大和が映るシーンは殆どありません。しかし、そのわずかなシーンの存在感は格別。大和が横転し、主砲が海面に引きずられていくシーンなど、壮大なスケールを感じさせる重厚な動きは見事の一言。
●総括
最後の展開で全てを持って行った怪作。見事なVFXにも見所アリ。昨今はSNSの普及もあって情報が伝わりやすい世の中になったが、シャットアウトして完全初見で見てこそ価値がある映画。
久しぶりの邦画、とても良かった
作品としての完成度の高さ!
まず須田くんの演技がうますぎです。
ほんとに引き込まれる演技ができていて驚きです。
もちろんどのシーンを切っても、役者全員の熱意が伝わってきて飽きたシーンは一つもなかったです。
また、最初は戦艦大和に対する嫌悪感とかで作った左翼映画なのかと心配したのですが、そんなことはなくて、ぜひ右翼の方も御覧ください、と自信を持って言える作品です。
そもそも、なぜ大和になぜ陰謀があったのかというところを上手に描いているし、またその陰謀を暴いていく須田くんが名演!
陰謀を暴くことが不可能である状況や、陰謀暴きを意図的に潰す強硬手段を取られたりの中で、絶対にあきらめない姿もかっこいいし、日本人の大和魂の良さが出ていますね。
大和を作らねばならなかった理由等の是非はあるとしても、この夏ぜひ観てない人は観てほしいです。
普通に親子でも、友人とでも、デートでも全然シチュエーション選ばない日本人向けの映画になってます。
ただし冒頭5分の戦闘シーンが少しリアルなので、苦手な場合は目をつぶってご鑑賞下さい笑
違った角度からの、反戦映画
数学者に戦艦の建造費の見積もり?
数学=計算という世の中の認識なのだろうか?100年に一人と言われた数学の天才に戦艦の建造費の見積もりをやらせるという滑稽な設定だが、映画としては楽しめた。特に冒頭の戦闘シーンの迫力は素晴らしい。CGぽさよりもリアル感が優っていた。田中泯さんの演技も良かった。日本が滅ぶ代わりに大和に身代わりになってもらうのだというセリフにグッときた。橋爪、國村の軽さは田中の引き立て役としての演出なんだろう。
よく出来た映画でした。
面白い
あの船は、この国の象徴なのだ
なぜ泣いているのですか?と問われた櫂直がそう答えた。
戦艦大和は、美しく、世界最大で、国民の誇りである。
だから、なのだ。
この先に辿るであろう運命を知るからこそ。
国民の命運を担った「依り代」としての。
ああ、そこに田中泯を配役した理由があったのか、と唸った。
まあ、この筋書きはフィクションであろうが、ちょっと胸を打った。
山本五十六をはじめとして、軍人全てが暴走したわけではあるまいという願いと共に。
ただ、あまりにタイトルがキャッチ―過ぎて似つかわしくないと思えた。タイトルにつられ娯楽ものを期待した客には受けまい。それにVFXで見せつけることなく、戦艦大和の最期の悲劇を描いて欲しかったとは思う。まあ監督の得意技だから見せたいんだろうけど。結局、客の想像力を信用していないんだなと感じた。
哲学を持つ人間の凄み
オープニングの大和撃沈の映像も迫力あったはあったのですが、そんなCG以上に、田中泯が演じる平山の迫力が忘れられない映画となりました。
主人公の櫂少佐には哲学があります。それは、数字は嘘をつかないという信念と、日本を戦争に向かわせてはならないという正義でした。この哲学に沿って奮闘する櫂に、田中も大里も協力するようになっていき、観ている私も自然に心を乗せて応援していました。
ですから、偽装を見破られて開き直る平山造船中将には憎たらしさを感じていました。ですが、最後に平山の見据える未来を知った時、、、この重さに何も言えなくなってしまいました。哲学を持って行動する人間の凄みですね。
予期せぬクライマックスがあった
昭和8年、帝国海軍では巨大戦艦建造派と航空母艦建造派の二つの派閥が争っていた。軍隊を否定する天才数学者の櫂直(菅田将暉)であったが、偶然知り合った空母派の山本五十六(舘ひろし)に加担することとなった。巨大戦艦を造ることが戦争の引き金になる、阻止せねばならないと……
菅田の天才数学者ぶりが板に付いていて、彼をサポートする柄本佑との掛け合いも実に楽しい。エンターテイメントとして成立しており、数学に疎い私でも十分楽しめた。
そしてクライマックスは思わぬところに。戦艦大和を設計した造船中将平山忠道(田中泯)の言葉の説得力が凄い、凄過ぎる。反戦派でありながら何故に日本のシンボルとなる大和を造るのか、造らなくてはならないのか……
それは強烈なインパクトだった。
何の呪いか
色々ツッコミどころは有るにしても、エンターテイメントとして楽しめた。戦争を題材にした映画でこんな切り口が!とドキドキした。
櫂のキャラクターが菅田将暉に合ってて違和感無く物語に入り込めた。
冒頭のシーンが恐ろしくリアルで涙。乗組員は哀し過ぎる。皆死にたくなかっただろうに。最後と繋がってまた涙。でも待て、櫂に泣く資格あるんかい?平山中将と同じ学者気質で共感するのは理解できるが。
その中将が発すると「依り代」という言葉も、まるで滅びの呪いが効いてるような気がしてくる。また彼のセリフ「国民が許さない」は、煽動されると疑いもせず乗っかってしまう空気読み過ぎ今も変わらない気質の日本人が許さなかったんだよな、とゾッとした。もう呪いは沢山だ。
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