ヘレディタリー 継承のレビュー・感想・評価
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新しいホラーの可能性
この映画は明らかに最初から不穏な空気が横溢しているが、色々な仕込みでむしろホラー映画とは思わせないで物語が進行していく。家長であるお婆ちゃんの死から物語が進行していくのだか、元々上手くいってなさそうな家族のギスギスした感じが観ていて気分が悪い。主人公はドールハウスを作るアーティストで、要所要所でそれが生きている。タイトルの継承は単純なそれではなかった。予告を見て注意深いひとが想像してしまう展開にはならない。ラストは一神教の西洋映画のそれに落ち着くのでヤッパリとかガッカリなんだけど観る価値は大いにあり。現在公開中の日本映画「来る」も色々とテーマが重なっているので観比べると面白い。日本とアメリカの家族への考え方接し方とか神や悪魔の概念がまるで違うことに気付く。
愛されないことは不運であり、愛さないことは不幸だ。
母になる不安と恐怖を抱えたローズマリーであり。
閉ざされた空間でタイプライターに向かうジャックと
恐怖に歪んだ顔のウエンディの娘であり。
抑圧され怒りを爆発させたキャリーであり。
蠢く蟻のダリの死の匂いに、監督の過去が透ける。
早くに亡くなった兄の名前を受け継いで生まれたダリ。
兄の代わりに育てられたダリ。
生きているのに同時に死んでいたダリ。
自分は兄とは違う人間であると奇行を繰り返すダリ。
遺伝的に不運を背負った母。
その不運が子供にいくことの不安、恐怖。
それが母を子供から遠ざける。
そんな母の自己嫌悪が、母自身を追い詰め狂わせる、ダミアンの母となる。
その姿は、亡くなった母と同じ。
母から娘へ、そして孫へ続く負の連鎖。
愛されないことは不運であり、愛さないことは不幸だ。
「きみはいいこ」と同じテーマがある。
これはホラーの皮を被った、児童虐待の連鎖の話だ。
煙に巻かれた気分
まず、恐怖演出の味そのものは超絶品だった。最初は物凄く怖い。キャストも良いし、ユタのど田舎感の嫌さも出ているし、何より舞台となる家のセット撮影がもの凄いことになっている。
ところが、そうしたホラー濃度がラストまで最高レベルで維持されているにも関わらず、途中から全く心に響いてこないのだった。原因はストーリー展開に追いついていけなかった、ということに尽きる。前半に起きる事件に余りにも気持ちが引きずられ過ぎた、というか。
テレビシリーズとかにして、もっと間を置きながら語られれば良かったのかもしれない。2時間でスパッと見せ切って欲しかったが、これでは一旦見終わってからの後付け指差し確認、という楽しみ方しかできない。
ジワジワ
笑うしかない
ホラー映画は舞台や設定、登場人物は違っていても、プロットが大体同じである。即ち、最初は得体の知れない何かが迫ってきたり追いかけてきたり、脇役の誰かが殺されたりしながら、徐々に種明かしがされて正体が明らかになるというパターンだ。そして大抵の場合、原因となるのが主要な登場人物の過剰な思い込みであったり、極度の怒りであったりする。怒りが憎悪を生み、憎悪が怪奇現象となって襲いかかるパターンである。
本作品も前半は例外ではなく、得体の知れない何かが家族を襲うのであるが、原因は主要登場人物の精神異常ではなかった。母親の精神がやや普通でない部分はあったが、異常というほどでもなく、不幸の真の原因はタイトルの通りであった。
祖先が恐るべき力を持っていたという描写も何もなく、継承が超常現象の原因でしたというのがあまりにも唐突で、ラストシーンではもはや笑うしかなかった。これほど不出来なホラーは初めてである。
ワンパターンでもいいから、登場人物の誰かの怒りや憎悪、隠された過去などの描写があって、その結果としての超常現象でしたというふうに落ちをつけてくれたほうがまだマシだったと思う。
こえーよ
もう一度観たいけど…
じわじわと精神にくる怖さでした…
ホラーと言うか、オカルトでした
娘がナッツアレルギーだとか大事な設定など、さら〜っと説明なしに進んでいくので危うくスルーしてしまいそうになったり…
ラストに繋がる伏線などがたくさんあるのですが、オカルトの知識が少なかったため、これはなんだろう???と思うことが多かったです
でも映画を観た後にネタバレや詳しい解説を読んだところ、とても興味が出てしまい、もう一度観たくなりました。
伏線が回収しきれてなかったのでもう一度観て確認したい!いやいや、でももうしばらくは観たくないかも…
グロいもの、痛そうなものは耐性が付いてるはずなのに、怖かったです
気味が悪い、後味が悪い
考えれば考えるほど意味がわからない
でも個人的には好きです!
2018-114
ドス黒い塊みたいなものを心に落とされて、それが服についた習字の墨みたいになかなか消えない。
何を見たんだ。
ここ最近、かっこいいピーターとしか思えなかったトニコレ、今回はメンヘラ母ちゃん役で久々ピーターぽくない。
チャーリー役の女の子の雰囲気がはんぱじゃなく、この期待感は『エスター』並でしたが……。
なんだこれ。
とりあえず怖くはない。
こんな感じのテイスト、『聖なる鹿殺し』を見たあとと同じ感情です。あっちのほうが心に落ちてきた塊、でかいけど。
『オーメン』とか、似た感じので好きな(というか、楽しめた)のもあるのですが。
怖さを推すなら、見せ方によっては『着信アリ』と似たようなシーンもあるし、もっと怖く演出できると思うのですが、どこに重点を持っていきたいのか最後までよくわからず…。
トニコレの表情を楽しむものなのかな🤔
(余談)
隣のお兄さん、トイレ我慢しとったのは充分わかるけど、限界達したときに突然立ってガンダッシュすんのやめてください。一応ホラー見てるんですから。
ラスト10分まで我慢してください。
怖さの次元が違う。
何か見てはいけないものを見てしまった感覚・・・。
夜トイレに行くのが怖くなったり、寝返りをうつのが怖くなったり、部屋の隅の暗がりを見つめるとうっかり何か見えてしまいそうな感覚になる映画です。
特にトラウマ的な映像のこびりつき方はエクソシストのそれと同様で、あれも得体の知れない恐怖とそれに立ち向かう家族の姿だったが、本作の家族は果たして立ち向かうことができるのか?という作品です。
しかし、この映画が面白いのは怖い演出だけでは決してなく、細かな伏線の張り方とその回収方法がこれ以上はないくらい効果的に演出され、最後まで緊張感を持続させていること。
予告編で流れているのでネタバレにはならないと思うが、ドールハウスを使った演出、音を使った演出がとても効果的。上手い。
近年稀に見るオリジナリティに溢れた作品で、とても貴重な映画体験だった。
アホな家族を鑑賞させられる辛さ
祖母の死んだ後、家族に災難が降り注ぐホラー映画。
劇場での予告編にて面白そうだったから鑑賞したのだが、完全に的外れで残念だった。
原因は描かれている家族。
色々とこの家族、まともな様に見えて部分部分が抜けている。簡単に言えばツッコミ所が多いのだ。
(最初の災難を例に例えると、災難までのシーンが災難直後の行動不可解さで台無し、災難の理由や追求も災難が起きてかなり経過して話し合うなんて、、、普通子供の帰り待つなり、最悪でも起きた朝一やり合うだろ?的でありえないやこの家族って感じ。)
「家族みんながアホなんだろう」と思えば済む話なんだが、その後もアホ過ぎて感情移入も出来ず、真面に観る気は失せてしまっていた。
その後シナリオも一体どの方向へ持って行きたいのかが分からず。いや、ドラマ性もだんだん無くなり、「ただ怖がらせたいだけだろ?この映画。」と化していた。
最後の王様もう〜ん。悪魔のオカルト設定が裏にあるとしてもつまらん。
人間ドラマ部分に計画性が無いホラーってこんなに面白く無いんですね。
こんなんだったら、ドラマ殆ど無しのアホな事してる最中にどんどん人が殺されて行く様なB級ホラー映画を観ていた方がまだマシである。
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