フェイ・グリム

劇場公開日:

フェイ・グリム

解説

1990年代ニューヨーク・インディペンデント映画界の名匠ハル・ハートリーによる「ヘンリー・フール3部作」の第2作。前作「ヘンリー・フール」に登場するサイモンの姉フェイ・グリムを主人公に、前作とはジャンルの全く異なるスパイスリラーとして完成させた。ヘンリーが姿を消してから7年。ヘンリーの逃亡を幇助した罪で服役中のサイモンは、かつてヘンリーが執筆した本に重要機密が隠されている可能性を疑いはじめる。ある日、サイモンの妹でヘンリーとの息子ネッドを女手ひとつで育てるフェイの元にCIAエージェントが現われ、ヘンリーの手記をフランス政府が持っていることを告げる。サイモンの釈放と引き換えにヘンリーの手記を引き取りに行くことになった彼女は、各国のスパイ戦に巻き込まれてしまう。日本では長らく劇場未公開のままだったが、2018年4月に大阪シアターセブン、5月に東京・アップリンク渋谷の「ハル・ハートリー復活祭」で初上映。

2006年製作/118分/アメリカ・ドイツ・フランス合作
原題または英題:Fay Grim
劇場公開日:2018年5月26日

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映画レビュー

4.5パーカー・ポージーの代表作としても語られるべき

2018年5月30日
PCから投稿

笑える

楽しい

知的

パーカー・ポージーが1997年の『ヘンリー・フール』では三番手の役どころだったフェイ・グリム役を9年ぶりに再演した、三部作の二作目。国際情勢を肴にした壮大なスパイスリラーに衣替えしていて、三部作で一番観る人を戸惑わせる作品だろう。 しかしブラックコメディとして非常に秀逸であり、特にパーカー・ポージーのコメディエンヌとしての才能がずば抜けていて、キャラクターの魅力を支えている。サイレント映画のような身体を張った動きの面白さは、ハートリー作品の常連で本作にも出演しているエリナ・レーヴェンソンに通じるが、この映画では二人が共演していても、個性がぶつかり合うことなくちょっとシュールなハートリーワールドの住人として息づいている。 劇中でも出会う男性、出会う男性がフェイにゾッコンになる、というネタのような設定があるのだが、実際、本作のポージーの魅力に抗いがたい。才能は広く知られていても主演作が多くないので、この映画は彼女の文句なしの代表作として語り継がれるべきなのでは。

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村山章

3.5ジャンルを飛び越えつつも「家族の物語」を追究するハートリーの創造性に感銘を受ける

2018年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

97年製作のハル・ハートリー作品『ヘンリー・フール』には続編があった。その『フェイ・グリム』は長らく日本で見る術もないまま12年の歳月が流れ、そして今、ようやくスクリーン初上映を迎えることに。 この度、フタを開けてみて驚いた。なんと本作はジャンルを飛び越え、スパイ・スリラーと化しているのだ。それは9.11以降の激変する世相を濃厚に反映した物語。各国の諜報部がヘンリーの著した「告白」をめぐり熾烈な争いを繰り広げる中、妻フェイ・グリムは混沌の真っ只中に身を投じていく。 ハリウッド映画でスパイ物といえば「ジェイソン・ボーン」路線がすっかり定着化したが、一方、ハートリー監督の手にかかればこんなにも変わった映画が出来上がるのだ。そのオリジナリティに酔いしれると共に「芸術の価値、評価」が時代の空気や人の心の揺らめきによってこれほどまでに変化するのだという真理さえ、とことん突きつけられる一作である。

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牛津厚信

3.5続編のようで続編では無いようでやはり続編ではある

2018年5月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

前作「ヘンリー・フール」の続編ではあるが話が膨れ上がり過ぎて盛り過ぎでそこに笑える。 サスペンス?謎解き?前作に引き続きシモネタで笑わせる携帯バイブ描写!? 複雑に絡み合う登場人物の数々にポンポンポンポンと起こる問題など訳が解らなくなるがその都度解決されてチャント納得は出来る。 前作からのキャスト陣が皆変わらずな老けなさ過ぎで寧ろ若々しくてビックリ!? 深刻な物語があるようでコミカルに滑稽に呑気にも映る登場人物たちに和ませられる。

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万年 東一

1.5続編には違いない

2018年5月26日
Androidアプリから投稿

笑える

寝られる

「ヘンリー・フール」の続編で前作から7年後の話。 サイモンの姉にしてヘンリーの嫁『フェイ・グリム』のもとにCIAが現れてヘンリーはテロリストだとか、ヘンリーが前作で書いていたポエム「告白」は機密事項が記されてるとか、後付け感満載なストーリー。 中盤にさしかかる辺りまでは前作に引き続きチョコチョコとギャグが差し込まれつつムチャクチャな設定がぶっ込まれ捲ってなかなか面白かったけど、能書きが多くて一つ一つのシーンが長く、メインのストーリーが遅々として進まず飽きてくる。 結局はスリリングな展開もなくご都合主義漫才で進行して行く為、ふ~んという感じ。

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Bacchus

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