セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!

劇場公開日:

セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!

解説

実在した旧ソビエトの宇宙飛行士で「最後のソビエト連邦国民」とも言われたセルゲイ・クリカレフをモデルに、冷戦終結に振り回された2人の男たちを描いた異色コメディ。東西冷戦時代が終焉を迎えようとしていた1991年。キューバ在住の大学教授セルジオは、宇宙ステーションに滞在中のソ連宇宙飛行士セルゲイからの無線を受信。2人は交信を続ける中で、国境や身分を越えて親友となる。しかし、ソ連の崩壊によってセルゲイは帰還無期限延長を言い渡されてしまう。セルジオは親友セルゲイを救うため、とんでもないアイデアを思いつく。監督は「ビヘイビア」などを手がけたキューバ人監督エルネスト・ダラナス・セラーノ。

2017年製作/93分/G/アメリカ・キューバ・スペイン合作
原題または英題:Sergio and Sergei
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2018年12月1日

スタッフ・キャスト

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映画評論

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映画レビュー

4.0「無線の先からハッピー!」

2024年1月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ある日、自分の国が無くなる。そんな事、誰が考えるだろう。 少なくとも、大多数の日本人が、日本は明日も明後日も、もっと何年も先も、日本として存在することを疑っていないように思う。 「セルジオ&セルゲイ」の一方の主人公、セルゲイだって、多分同じだ。 人間を宇宙に送り込む、そんな最先端の科学力を有する自分の国が、崩壊するなんて考えたことがあるだろうか? ソビエト連邦の崩壊は、世界地図を大きく塗り替える大事件だった。当事者であるロシアや、近隣である東欧の混乱と変化は何度も目にしたし、想像も出来たが、キューバに与えた影響までは考えたことがなかった。 そんな混乱期のキューバに暮らす「旧価値観のエリート」セルジオがこの作品のもう一方の主人公である。 国家の崩壊、という思いがけない出来事が、セルゲイとセルジオの人生に大きな混乱をもたらしていることは明白で、「こんなこと、度々あるとは思えない」という思いと、「アメリカが急速に力を失えば、日本だって同じことが起こるかもしれない」という思いが交錯する。 激動の波に晒されるとき、それでも個人と個人の繋がりは自由だ。アマチュア無線を通して繋がっているセルジオ・セルゲイ・そしてアメリカのピーターは、立場や過去は重ならなくても、「無線」という趣味を通して「我々は仲間だ」という同一視の視点を持っている。 いろんな事が違うけど、オレたち好きなことは一緒だよね、という連帯感は私たちが思っているより重要だ。 ソ連崩壊の過程、キューバ独立の歴史、アメリカへの移民という過去は、彼らの存在を構築する大事な要素だ。人は過去によって創られる。 しかし、未来は自分の意志によって創られていく。自分を創ってきたもの、その祝福と呪いをどう選択するかは、すべて自分次第だ。 その時自分を導くものが、「好きなこと」であるというのがこの映画が最高にハッピーな理由。 「宇宙からハロー!」、なんていうのんきな副題がつけられているが、そんな副題をつけたくなるほどこの映画はハッピーに見える。 先も見えない毎日で、苦しいことも多いけど、でも「好きなこと」が人と人とを繋げて、励まし合い、歩み寄り、誰かが誰かの助けになる。 ポジティブな未来を創ろう、という意志がポジティブな未来へと繋がっていくハッピーな映画に、ハッピーな気持ちを貰える素敵な映画。

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つとみ

4.5こういう映画を、いつも見ていたい

2020年5月19日
iPhoneアプリから投稿

一言「心に優しい」 ◎よかった点◎ ・設定が面白い。「ロシア語が話せるキューバ人」と、「キューバ語がちょい話せるソ連人(@宇宙ステーション)」。 は?と思いながらも、アマチュア無線で偶然知り合った二人+同じく無線仲間のアメリカ人。 そこに社会主義崩壊の国々の、引きこもごも。いい感じで組み合わせっていくストーリー。 ・「3国が無線って、良からぬことを企んでいるのでは?」と、無線傍受して探りを入れる組織。 ちょっとだけヒール役でもあり、時々クスリくる役目っていうのも愉快。 ・ポスターの印象とはちょっと違うな思ったけど。 ちゃんと意味があったんだな。うふふ。 ・アクションも大号泣もなく、淡々とはしているけど。 93分と短く気軽に見れる「ポップコーン映画」に認定したい。 映画は楽しく見なくちゃ。 冒頭で「実際の出来事をもとにした、架空の話」とあって。 ま、ググればどこまでがリアルなのかわかると思うけど。 この「心の爽やかな風」を大切にしたいから、やめとこっと。 ⭐️今日のマーカーワード⭐️ 「無線愛好家に出身は関係ないな」byアメリカ人

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ゆき@おうちの中の人

4.0宇宙ステーション「ミール」

2020年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1991年、社会主義崩壊によりソビエト連邦が解体、ソ連の宇宙船ミールに飛行士が一人取り残される。 キューバはソ連からの援助が途絶え極貧状態になる。 そんな状況で宇宙飛行士とキューバの無線愛好家がつながり・・・。 当時のことは覚えているが、深刻な状況を面白おかしく描いており、笑いながら名懐かしむことに。

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いやよセブン

3.5奇想天外なワンダフル・”宇宙”コメディの小品

2019年9月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

 最初に記載するが、出てくる宇宙ステーション及び宇宙服は普通の作品であればブーイングが出るほど、笑っちゃうくらいチープである。  でも、実話ベースである。  スペイン・キューバ作品である。寛容な気持ちでご鑑賞を。  無線好きなキューバの大学教授セルジオがある日、傍受した無線とは、ソ連の宇宙飛行士が発したモノ。  が、そのソ連も崩壊し、(国家及び予算の関係上、帰りたいのに帰れない宇宙飛行士) セルゲイとの間に無線を通して徐々に築かれる友情。  何度も記載するが、チープな部分は気にせず、当時の両国の関係を頭のやや片隅におきつつ、気軽に観たい作品。  <2019年1月3日 旅先のミニシアターでたった二人で鑑賞した作品。正月三が日から何やってんだ俺 と思いながら、そのまま祇園に呑みに行った。>

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NOBU