劇場版 幼女戦記

劇場公開日:

解説

カルロ・ゼンによる戦記ファンタジー小説を原作とするテレビアニメ「幼女戦記」の劇場版。統一暦1926年。金髪碧眼の少女ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる帝国軍第203航空魔導大隊は、南方大陸での共和国軍残党との戦いに勝利する。凱旋休暇を期待していた彼らだったが、連邦国境付近における大規模動員の兆候が確認され、参謀本部から新たな特命が下る。その頃、連合王国主導の多国籍義勇軍が連邦内部に足を踏み入れる。その中には、父を殺した帝国に対する正義を求めて銃を取った少女メアリー・スー准尉の姿もあった。テレビ版の上村泰が引き続き監督を務めた。

2019年製作/101分/PG12/日本
配給:角川ANIMATION
劇場公開日:2019年2月8日

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(C)カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会

映画レビュー

4.0見応え充分の軍記もの

2019年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

幼女が戦場に出るという奇抜なアイデアに、緻密な軍略を巧みに織り込んだ本格的な軍記ものとして見応えがある。
テレビアニメ版からの続きものなので、映画から入ると事情がわかるづらいだろうが、第一次、第二次大戦をミックスした架空の欧州に、幼女となって転生してしまった主人公が、自分を転生させて神に復讐を誓うという話なのだが、神の存在と血みどろの戦に現実世界の不条理を重ねている作品なのだろう。後方支援で安全に暮らしたい主人公は、いつまで立っても前線から退かせてもらえない。戦果は拡大する一方で、人の争いの歴史は途絶えることはない。
ソ連をモデルにした共和国の酷さがすごい。忖度の連鎖の伝言ゲームで上層部に情報が届いたと時には、崩壊寸前の前線の状況は前向きなものへと変わっている。ロリヤもヒドいキャラだが実際にモデルがいる。現実の戦争もこれぐらいナンセンスなことがまかり通っているのだろう。

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杉本穂高

4.0二人のメアリー・スー

2024年8月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

スター・トレックに登場したメアリー・スーというキャラクターは、魅力的で能力も高くドラマティックなバックボーンを有する。それは都合の良すぎる完璧なキャラクターとしてミーム化した。
日本では「ぼくのかんがえたさいきょうのキャラ」といったところだろうか。
神に愛されすぎて物語のバランスをぶち壊すほどのキャラクターだ。
そんなキャラクターと同一の名を持つ人物との激闘が本作のメインである。

「幼女戦記」の中で神といえば、いやでも思い浮かぶ存在がある。そう、存在Xだ。
つまり、この作品の中に登場したメアリー・スーは、存在Xに愛されたキャラクターとみることができる。
一方で、漫画やアニメでは特に顕著であるが、物語の主人公というのは往々にして「メアリー・スー」なのである。わかりやすく言い換えるならば「幼女戦記」という作品の神(原作者)に愛された「メアリー・スー」こそがターニャ・フォン・デグレチャフなのである。

つまり、存在Xに愛されたメアリー・スーと、「幼女戦記」の原作者に愛されたメアリー・スーであるターニャの激突なのである。
これが面白くないわけない。
とはいっても、存在Xですら作品の神の手のひらの上なのだからゴニョゴニョなってしまうが。

テレビシリーズを観ていなくても楽しめるという意見をどこかで目にした。確かにアクションシーンだけを考えたらそうかもしれない。
しかし物語の点からみると、思いっきりテレビシリーズの続きであるし、何より存在Xのことをよくわからないまま本作を観るのは少々勿体ない気がする。
肝心のメアリー・スーの背景も曖昧なまま観ることになってしまうからね。もちろんどちらの「メアリー・スー」もだよ。

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つとみ

2.5急な転回

2024年2月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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ゆかした

4.0ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐の出世街道

2023年7月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

カルロ・ゼン原作の同名ウェブ小説をテレビアニメ化したものの続編。
現在、番組二期制作中と公式サイトにあります。

【ストーリー】
深大なる戦線構築に、かつて攻略は難物だと予言したフランソワ共和国(フランス)残党が独立宣言した南方大陸(アフリカ)戦線で、敵軍首脳部撃破の大戦果を上げたターニャひきいる第二〇三航空魔道大隊——通称デグレチャフ大隊は、ついにライヒ帝国本土(ドイツ)への復帰を果たす。
欧州戦線ではレガドニア協商連合(北欧)を巻き込んだルーシー連邦国(ソビエト)との戦端がひらかれようとしていた。
休む間もなく駆り出された彼らだが、古臭い戦術に拘泥する腹立たしきコミュニストどもの準備していた巨大列車砲を先制して撃破し、デグレチャフ率いる精鋭部隊はそのまま首都モスコーを単独で蹂躙、国歌を歌った上にそれを映像として撮影する。
がら空きのモスコー防衛の際、現地で訓練中だった協商連合義勇軍のメアリー・スーは、上官の命令を無視して単独で迎撃に上がる。
練度と装備のちがいからドンドンと仲間が落とされてゆく中、近接戦闘に持ち込んだメアリー・スーは、ターニャが使っている銃が、自分が前線へとおもむく父、アンソン・スーに送ったものであることに気づく。
ターニャは、メアリー・スーの父の仇であった。
占領各地で帝国へのヘイトが高まり、未熟な隊員たちの足並みを乱す。
そこに襲いかかるのは、面目を潰されたルーシー連邦国の名誉回復に燃えるロリコンコミュニストのロリヤと、復讐に燃えるメアリー・スー。
ターニャを超える恐るべき打撃力で町ごと叩き潰さんとするメアリー・スーの攻撃を、はたしてターニャは防ぎ切れるのか。

さあ、ターニャ少尉(中尉(少佐))の大活躍の時間ですよ。
中身はサイコパスのオッサン、でもガワは幼女の幼女戦記。
お連れの側女(失敬!)ヴィーシャを引き連れ、激烈なる対空砲火をあいまを縫って敵性脅威を叩き落としまくる我らがターニャ。
ですが今回は無敵のターニャを超える莫大なる魔力をもつ暴走娘メアリー・スーが、あわやというところまで彼女を追い詰めます。
アニメながら空戦時のカメラぶん回しの演出は、気持ちいいの一言。
近代〜現代戦の戦後処理への問題も提起しながら、なぜかどんどんと激戦区を転戦させられる幼女(サイコパス中年)の活躍を、どうぞご覧ください。

ちなみに「メアリー・スー」とは、スタートレックのファンダム(同人界隈)で生まれた、二次創作のミーム。
名前の元は、たった15しゃいと半年で大人をもしのぐ能力をもつ女の子軍人ちゃんだそうです。
かわいい。

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かせさん