人魚の眠る家のレビュー・感想・評価
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「死ぬ」の定義を問う!
人魚の眠る家
鑑賞日 2018 1/3
元々見に行く予定はなかったのだが、アプリ 映画.comでの評価がとても高かったことと今日(1/3)が上映最終日だったことで見に行くことに。東野圭吾の原作小説は未読で、予備知識無しで鑑賞。まず、キャストの演技が本当に素晴らしかった。主演の篠原涼子や、子役の稲垣来泉、斎藤汰鷹、荒川梨杏の演技が全く違和感を感じさせず、映画とは思えなかった。特に印象的だったのは、篠原涼子演じた主人公の播麿薫子が狂って娘の瑞穂に包丁を向けているときに斎藤汰鷹、荒川梨杏が「ごめんなさい」と言い続けて泣くシーンだった。また、最初は単純に目を覚まさない脳死状態の娘に希望を抱いていたが、少しづつおかしくなっていく薫子役の篠原涼子の演技もまた素晴らしかった。「脳死は『死』なのか?」ということについても考えさせられたし、もし自分の子供や自分の周り人が脳死状態になったら自分はそれを「死」として認めることができるのか不安になった。
観て良かった
原作は既に読んでいました。
東野圭吾作品は映像化すると、折角の面白い話が描き切れていない物があるのですが逸脱することなく、非常に原作に忠実に描かれています。
脳死の子供を死んでいるとは受け入れられず、科学の力を借りて生きている時と同じ様に扱う事と自分の子供の命を繋ぐ為にドナーを待つ家族は同じ思いなんだと感じました。
どちらも子供に生き続けて欲しいという願いは同じだから。
この話は下手したら、脳死→ドナーになるべき、と受け取られかねません。でも、この話はそういう事を言ってるのではないですね。今一度、命の重さ、尊厳について考えてみるべきですね。
計らずも今日この映画を観に電車で向かっている時、下車予定の駅のホームで飛び込みがあったので…尚更です。
主題歌の絢香が歌う「あいことば」がこの映画にとてもよく合っていてとても良かったです。心に沁みます
医療倫理を扱った意欲作
東野圭吾の作品は最近外れが多いなぁと思っていたが、この作品は久しぶりの当たり作品でした。さまよう刃しかり、天空の蜂しかり、東野圭吾が社会問題を扱ったときは本当に鋭い。
キャストも子役も含め芸達者ばかりで素晴らしい。川栄李奈、この中で見劣りしない演技ができるなんて本当に女優として大成したなぁ。
苦悩と葛藤の親心に涙。正解のない究極の選択。
【賛否両論チェック】
賛:愛する娘のために究極の選択をせざるを得なかった両親の苦悩が、感動の涙を誘う。答えのない選択の是非を問いかける内容には、考えさせられる部分も多い。
否:前半と後半でかなり雰囲気が変わるので、観ていて戸惑ってしまいそう。ややホラーチックな描写もあり。
最愛の娘が脳死とおぼしき状態に陥ってしまった時、その悲しみを受け入れて、他の命に望みを繋ぐ臓器提供をするのか、それとも取りうる全ての方法をもってして、1日でも生かそうとするのか。決して正解のない問いに直面した夫婦の苦悩と葛藤に、観ていて胸にこみ上げるものがあります。
そんな物語の前半は、最新技術に希望を託した薫子達に応えるように、出来ることが増えていく瑞穂の姿が、観る者の感動を誘います。しかし後半は一転、娘の身体に対する薫子の行き過ぎた干渉に対し、和昌や真緒といった周囲の人間達が問いかける是非について、緊迫した雰囲気の中で描かれていくのが印象的です。
ラストも
「そう来ましたか!」
といった感じで、思わずグッと来ます。涙溢れる人間ドラマとしても、命の終わり方を考えさせられるサスペンスとしても観ることが出来る、そんな作品ですので、是非ご覧になってみて下さい。
暗さはあるが侮れない秀作
いわゆるベストセラー原作の泣かせるエンタメ大作かと思ってそこまで期待せずに観たのですが、誰もが「正しい」選択などできないであろう状況に追い込まれた家族の葛藤と、現行の日本国内の法制度へのはっきりとした問題提起が著者によって表現されているため、自問自答しながらも引き込まれる内容となっています。個人的に子役の演技が苦手なのでそこは好き嫌いが分かれるとは思うのですが、後半に突如訪れる見せ場の作品としての引力にはグッと掴まれてしまいさすがの役者&はまり役揃いでした。ヴィジュアルイメージを見ての通り明るい作品ではないので正しいターゲットに正しく届きそうな作品ともいえると思います。ぱっと見の印象で抵抗のない人は見て損はないと思います。
とても考えさせられる作品
題材がすごく重いが、誰しも考えることです 人の死をどこで判断するか、誰が決めるのか、彼女は生きているのか、どう納得するのか。
どうやって最後しめるのかと思って見ていました
良いエンディングだったと思います
「死」とは
授業内でも取り扱ったテーマというのもあって、ずっと気になってた。私は脳死は死んでいることと同じだと考えていたけれど、でもどこかその考えに違和感を感じていた。体温が感じられるのに、心音が聞こえるのに「死んでいる」なんてやはりどこか納得できない。科学の進歩は素晴らしくて毎日恩恵を受けているけれど、どんどん本来人間があるべき自然な姿からはかけ離れていくように感じる。
科学技術によって瑞穂が笑みを浮かべるシーンの違和感。脳死のまま成長していく瑞穂への違和感。どこか納得できなくても脳死は「死」だと考えていた私だが、途中から瑞穂が生きているのか、死んでいるのか分からなかった。瑞穂は生きているが死んでいて、死んでいるが生きている。数十年前では考えられない矛盾が科学技術の発達の影響で起きていて、ついに中国では双子のクローンベイビーが産まれた。人間はどうなっていくのか少し恐怖を感じた。
私にとって今まで感じてきた脳死を「死」とする違和感への答えのヒントをキャラクター一人ひとりが教えてくれた映画だった。
重い、けど観て良かった
原作を読んでいて、重いテーマだと知っていて観たけど、やっぱり重い。脳死って。脳死判定って。自分ならどうするか。子供の為に何を選択するのが最善なのか。親が出来ることって何だろう。すごく考えさせられる。
昔、ドナーやら脳死判定やらの言葉が世の中に出てきた頃、子供の脳死判定をさせることを親が決められると知って、母親に『その時は私の呼吸器外してね』と言ったら『自分の娘の身体が温かいのに、そんなこと出来ない』と言われて2人で泣いたのを思い出した。
子供を守る母親として狂ってしまうけど、狂ったのを止めたのも子供。母親を狂わせるのも止める力を持つのも、夫でもなく親でもなく、子供なんだなぁ。
篠原涼子、好き。
フランケンシュタインの母
割り切れない大人たちの話しだった。
でも、その割り切れなさを成立させてしまえる技術にこそ焦点を当てるべきかもしれない。
「死」というものの境界線を描いているようにも思えるのだが、それを曖昧にしてしまえる機械が今の世にはある。
それを肯定するような世論もある。
何より道徳心が揺さぶられる。
息をしてるようにみえ、体温も暖かいのならば、どうやって「死」を信じれはよいのだろうか…。
その幻覚を作り出すのは人のエゴだ。
そのエゴの塊が、瑞穂だ。
俺は少女を見て可哀想としか思えなかった。
今作は母のエゴを存分に描いていたようにも思う。同情はしてしまう。
あの時、腕が動かなければ。
比較的裕福な家庭環境でなければ。
延命できる装置がなければ。
人を傀儡のように動かせる科学が進歩していなければ。
あなたは、受け入れるしかなかったであろう。
篠原さんは、そんな母の狂気を日常を過ごすかのように、呼吸をするかのように、緩やかに平凡に纏っていて見事だった。
献身的な母の姿が、中盤以降ホラーに思えるような演出も見事。
優しい眼差しを娘に向けながら、電気信号で娘の四肢を傀儡の如く操る姿には戦慄を覚える。フランケンシュタインというモンスターが、現代に生誕する一歩手前のようだった。
終盤に差し掛かり、娘の目が開いているカットには鳥肌がたった。
まさか、ここまでホラーのようだった話しを母性の勝利として完結させるのか、と。
いやいや、夢落ちなんだろう?
でもでも、夢落ちであったとしても娘が恨み辛みを吐露する事もあるんじゃないのか?
…息をのんだ。
彼女への審判が娘によって下される瞬間に釘付けになった。
でも、娘の口から出たのは感謝の言葉だった。
感動するところなのだろうけれど、俺の人間性が歪んでるのか、結局は自己満足だろと凡庸な結末に息を吐いた。
初めから受け入れておれば、誰も必要以上に悲しまずに済んだ。
葛藤といえば聞こえは良いのだろうが、自己中心的な妄想に全員を巻き込んだ。
誰も彼女を止めはしなかった。
そこにも現代人が持つ歪みを感じてしまう。
フラットには考えられない。
何が正しいのか、誰も判断しない。
誰もその責任を負いたがらない。
声を荒げ、突き進む他人を止められない。
色々、辛辣な作品だった。
最近のマイクは性能がいいのか、はたまた録音部の好みなのか、吸気音まで明瞭に捉えてしまう。西島氏が台詞の前にいちいちする呼吸が耳障りで仕方がなかった。
人魚の肉には不老不死の効能があるとの言い伝えがある。人魚自体が空想の域を出ないので、その効能を唱えられてもピンともこないのだが、だからこそ、このタイトルには得心がいった。
子役が素晴らしい
前半から中盤にかけては、正直説明台詞と単調なシーンでかなり眠くなった。
がしかし、みずほの弟役の子が感情をぶつけるシーンからひきこまれ、家族全員がそろう子役達の演技は本当に素晴らしかった。
この子役達が持ってる天性の才能ももちろんあると思うが、子役の役作りの段階でtoriというアクティングコーチが一緒に準備してるらしい。
アクティングコーチシステムは日本では全く広まっていないが、ハリウッドや海外では当たり前。
ディカプリオやブラッドピット、ジャックニコルソンもみんなアクティングコーチと共に脚本分析する。
プロ野球選手だって、ピッチングコーチやバッティングコーチがいて一緒にフォームや打ち方を研究して選手がより良くなってくもの。
映画もまたしかりで、アクティングコーチがいる事によってその俳優の個性がより光り輝き、作品のクオリティが上がる。
この映画は子役の演技によって、確実に作品のクオリティが引き上げられたと思う。
アクティングコーチというものが、もっと日本に広まれば良いなぁ
篠原涼子のキャストが・・
小説のイメージだと、木村多江みたいなザ・お嬢様!!みたいな印象だったので、割と篠原涼子さんの様な、強気!みたいな女性は、ちょっとイメージが違くて、違和感があった。
あとのキャストは、問題無かったけど、重い内容だなーと、つくづく考えさせられた、何かを訴える映画としては、とても良いと思う。
東野圭吾は、素晴らしい作家だ。
どうか誤解を招きませんように。
「ほら、だからさっさと臓器提供しとけばよかったんだよ。」というような風潮が起きませんように。
延命措置を施しているご家庭の方の立場が、この映画が広まることによって悪くなりませんように。
そう願いながら鑑賞したところで、駿河太郎さんの台詞。
この映画のテーマだったと思いたい。
今年見たどの映画の、どの台詞よりも心に強く響きました。
「命」の定義をはっきり述べていたと思います。
見ようか見まいか迷っていました。
見てすごくよかったと思える映画でした。
子役の子たち、みんな頑張ったね。
もう一度観たいと思った映画でした。
狂っている、気持ち悪い、おかしい、異常だと言う意見と…
狂っている。それは認めるけど、母親の大きな愛情に感動したっていう意見と分かれると思います。
私は、感動しました。
自分だったら、どうだろう?
もし、自分の大切な人達が同じようになったらどうだろう?
私の母だったら、どうするだろう?
いろいろと考えさせられました。
たしかに薫子の行動は異常です。
それは認めます。
でも、気持ちはわかります。
難しく深く、大きな愛情を感じた物語でした。
圧倒的。
映画が始まってから終わるまで、派手な描写も、大どんでん返しもないけれどなぜだかスクリーンから一切目を離せない展開で、圧倒的な面白さ!
映画が終わった後、肩にズシリと重い荷物を背負わされたような気がします。
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