億男のレビュー・感想・評価
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お金について真正面から考える
お金は大事である。でもお金について語ることはなんだか汚らわしいことのように感じることもある。世の中、お金が全てではないが、資本主義社会はお金の循環で回っていく。なので、お金について考えることは社会について考えることであり、ひいては自分の人生について考えることでもある。
3億円あたった主人公を見て、自分ならどうするだろうと考える。金持ちになりたいと漠然と考えることはあっても、具体的なイメージを持っていないことに気がついてしまう。そうなるとお金に振り回される人生に転落するかもしれない。映画には、お金に人生を狂わされた人がたくさん出てくる。お金について僕はどれだけ真剣に向き合ってきただろうかと不安になる。
メインの二人が落語研究会出身であることがすごく効いている。「芝浜」の夢のように、お金という実態のない存在も霧のような存在なのかもしれない。
お金の正体99を全部教えてくれよ!
「こういうのやっとけばええんやろ」界の英雄、川村元気は自作になると毎回壮大に外す。プロデュースに専念したほうがよさげ。台詞で全部説明したり、すべてわかった風キャラ、超絶リアリティ欠如と邦画の悪いところを濃縮還元したような作品でもはやホラー味を増してくる。
沢尻エリカが家に大金を隠すあたりから、制作サイドも投げやりになったのか、バイトから投資で1億、大金をかついでジャストタイミングで相席してくる親友、結局お金で自転車買う等、開いた口は最後まで塞がらない。あといい加減、海外に行く=異文化交流している人カッケーの思想も恥ずかしいからやめてほしい。
とはいっても、藤原竜也が藤原竜也を演じていたのが面白すぎたので+1点。ここだけは一見の価値ありですよ。
パーティでベロンベロンになった一男は翌朝、 3億円と九十九が忽然と消えたことに気付く。 大金持ちのはずの九十九が何のために? 一男は九十九の関係者を訪ね歩く。
動画配信で映画「億男 」を見た。
2018年製作/116分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2018年10月19日
佐藤健29才
高橋一生38才
黒木華28才
池田エライザ22才
沢尻エリカ32才
北村一輝49才
藤原竜也36才
川村元気原作
大友啓史監督
川村元気という人を知らなかった。
映画プロデューサー、小説家、脚本家、映画監督、絵本作家。
恐ろしく多彩な人だ。
しかも関わった作品がどれもこれも大ヒット作である。
大倉一男(佐藤健)は失踪した兄の
3000万円の借金の保証人になったせいで苦労していた。
一男は妻・万左子(黒木華)とひとり娘とは別居。
昼は図書館で働き、夜はパン工場でも働いた。
その一男は3億円の宝くじが当たった。
3億円をどう使おうか。
自信が無かった一男は大学時代の親友で
今は起業して億万長者になった
古河九十九(高橋一生)に相談し金を預けた。
パーティでベロンベロンになった一男は翌朝、
3億円と九十九が忽然と消えたことに気付く。
大金持ちのはずの九十九が何のために?
一男は九十九の関係者を訪ね歩く。
千住清人(藤原竜也)
百瀬栄一(北村一輝)
安田十和子(沢尻エリカ)
3人とも癖が強い。
皆、九十九と起業し後に億万長者になった者たちだ。
九十九の関係者に話を聞いてみたが、手掛かりは何もない。
九十九の行方は?
一男の運命は?
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
タイトルなし(ネタバレ)
原作を読んでいないので、原作準拠のストリーなのかもしれないが…
モロッコで撮影がしたかっただけの映画としか思えなかった。
俳優陣は豪華だが、その分もったいなさも感じてしまう。
お金の価値は人が勝手に重くしている、だけど、3000万の借金を返済して、この後何するの?
見るべき作品
作品名から勝手な妄想をして今まで見ないでいた。
出会いはいつもあるが、それを出会いとみなさなければいつまで経っても出会ってないのと同じだ。
つまり私にもようやくこの作品を見ていいタイミングが来たと感じた。
映画の感想は面白いもので、作中九十九が話していた「お金の価値は人によって違う」のと同様、人によって大きく違う。特にこの作品はそう感じた。
一男は視聴者だ。誰もが思うごく一般的な人だ。視聴者は彼と一緒になってお金を持ち逃げした九十九を追いかける。
親友だと思っていた九十九がなぜ私のお金を持ち逃げしたのか探し始める。一男と一緒に考え始めるのだ。
あのお金があれば借金を返し、家族とまた一緒に暮らせる。人生を変えられる。誰もがそう思うし、そう思わない人を知らないほどだ。
パーティで出会ったあきらは、偶発的にLINEを繋げたのではなく、金づるを探している女だ。または、彼女にそう仕向けたのは九十九だったのかもしれない。エライザちゃんはいい俳優になっている。
彼女を頼り、九十九を知る連中から彼の行方を探し始める。
それは当時のバイセルの役員たちだ。彼らは株主で、そしてバイセルを200億で売却することを決定した。
九十九は言う「彼らは変わってしまった」
エリカ様は女友達に言われた。「10億手にしたのはズルい」
そしていう。「男は市場でものを買うように女に値段をつける。女も男がつけた条件をイメージして、そして落ちてゆく」
一男に尋ねる。「3億戻ってきたら何に使うの?」 「その使い方を考えています」
「バイカルで追いかけていた夢は、お金では買えない」一男が垣間見た真実だ。口先では幸せを話すエリカ様のバイタリティーに差を感じたのだ。
九十九は一男と一緒に行ったモロッコ旅行で、バイセルの基本概念を思いつく。
起業を決める。お金の価値が人によって違うというということを発見した。
それを一男に話したものの、当時の一男にはチンプンカンプンだった。
「この世に絶対的なものなどない」「お金の正体を知りたい」「でも僕は僕だ。僕は変わらない」
一男の妻は言う「あなたはお金が体に染みついて、生きる欲を失ってしまった」
娘のバレエ発表会 その前に妻に渡した離婚届 自分らしさを全面的に表現する娘の演技に涙がこぼれてきた。
欲しいものはすべてお金では買えないものばかりだということに気づいたのだ。
そこに値段はつかない。自分だけの大きな価値だ。そこにお金の概念は存在しない。
九十九は、お金が人を変えてしまうことを知っていた。あのパーティで集まった人々は、お金によって変わってしまった人々だ。
酔いつぶれた一男もその仲間入りになった気分だった。
一男が九十九に話した「借金を返し残ったお金の使い方を知りたい。もうお金で失敗したくない」 この言葉が九十九を動かした。本気で一男にお金の正体を教えることに決めたのだ。
競馬場にいた百瀬も面白いことをした。100万で万馬券を買って1億当てた。それをつぎ込んで0円になった。実は馬券は一枚も買ってない。
「お金とは頭の中で行ったり来たりしているだけ。お金で家族が戻るなんて幻想だ」
さて、
電車の中で九十九は一男に3億返して言った。「このお金、今の君にはどう見える?」
これは視聴者に質問している。
一男は「まったく別物に見える」と話した。
「あの時すべて解決すると思っていた。でも本当に欲しいものは取り戻せなかった」
「お金の正体は見つかったのか?」
「バイカルのメンバーはすっかり変わってしまった。お金は人を変えてしまう。お金の正体に近づくほど大切なものを失ってゆく」
「変わらないんだお金は。使う人が重くもするし軽くもする」
私は、
自分にとって今あるものがいかに大切なものかを理解したうえで、必要なものに必要な分だけお金を使うことが、今の私自身が私らしく居られることなのかなと思った。
それがこの作品が伝えたかったことだろう。
それがわかった一男は、今娘が欲しいと思っている自転車を買ったのだ。
妻は彼らしさを取り戻してきた彼の手紙を読んで、それを快く受け取ったのだろう。
現実はお金では変えられない。現実を変えるのは、そう思い込んでいる自分自身の思考をかえることなのだ。
これは最高の作品だった。
信用を失くし、信用を得る男の物語
お金の話は信用の話と見ます。お金なんてものは、所詮は「単位」。こいつの価値はいくらです、あれの価値はいくらです、あなたの行動はいくらです…という「単位」に過ぎない代物ですよ。
その「単位」を支えているのが「信用」で、多様な価値観をざっくりまとめて「こいつは○○円にしましょう」なんて事を決めている奴がいるんですな。
偉いさんだったり、世間様なんていうあやふやなもんだったりしますわな。
この「お金」ってのが便利なもんだから、あたしらは皆こぞって「信用」してしまう。お金が沢山あれば、何でも買えて、好きなように生きて、幸せになれるんだって、そう信じてしまうんだね。
本当は「信用」の「単位」だったはずの「お金」が、いつの間にか「お金」を「信用」してしまうってんだから滑稽だよ。
そんな「お金」だから、持ってる奴には持ってる奴の苦労っていうのかねぇ。沢山あるからこそ、どうして良いのか訳がわからなくなっちまって、後生大事にしまいこんだり、もっと沢山持ちたいと欲をかいたり、何とか「お金」を御してやろうと躍起になったりするんですな。
それがこの映画の面白味ってもんです。
アクの濃いスタートアップ長者の面々が、実に演技巧者だらけで、特に藤原竜也演じる千住の啓蒙セミナーは「マグノリア」のトム・クルーズを超えたと言っても良いんじゃないかな。
北村一輝の百瀬も最高だったねぇ。最初は北村一輝だって気づかなかったもの。
「お金」を「価値観」と考えている、最も真実に近かった九十九ですら、「お金」の魔力に傷つき挫けそうだった。
そんな彼と作中最も「お金」に翻弄された一男が親友なのも面白いし、「お金」に支配される前の「芝浜」のシーンはとても美しい。
最後に。「銀行口座」とかけまして、「小テスト」と解きます。どちらも「○(マル・ゼロ)」が多いと安心します。
お後がよろしいようで。
お金に振り回される人生。
お金と人の本質を巡るロード?ムービー
なんか、良かった。
お金の魔力、
取り憑かれるほど持った事も借金を抱えた事も無いので、分からない。
けど、きっとお金で何でも解決出来る、幸せになれる、全て上手く行く、という思考回路になると思う。
同時に周りに対しての疑心暗鬼も生まれるんだと思う。
とは言え、
千住の台詞、
「人類は皆、お金を崇める宗教に入ってしまう
、生まれながらにね」
そうなんだよね、意識せずとも崇めて囚われるんだよね。
深いわ。
色気を封印して、うらぶれて目が死んだ演技をする佐藤健は、
三四郎の小宮に似てるんだな、
普段は吃っているけど、落語や好きな事を話すときはちゃんと喋れる演じ分けが、髙橋一生やっぱりお見事だな、
エネルギッシュで胡散臭い人物を演じたさせたら、藤原竜也はやっぱりサイコーだな、
西麻布のいい女と団地妻を演じ分ける沢尻エリカ、いい女優じゃないか。色々勿体ない‥
ポッチャリ風体にするなら北村一輝じゃなくてもよかったんじゃない?
演者陣もそれぞれ良くて、原作は知らんけど脚本も映画の尺に巧くハマってて、良かった。
若干ラストはキレイゴトな感もあったけど、
とにかく、なんか良かった。
好きです。
お金はただの記号みたいなもので そこに価値を見出すのは自分自身であ...
お金は大事だけど幸福度には比例しない
「幸せ、お金、家族」についての壮大な物語
高橋一生さんが出演しているとのことで鑑賞しました。
あらすじは借金を残して失踪した兄の代わりに3000万円の返済に明け暮れる主人公・大倉一男「佐藤健」に訪れた幸運とそれを機に様々な人と関わり「幸せ、お金、家族」とは何かを求める物語です。
題名が「億男」ということでフォーカスがすべてお金のほうに向いているのかと思っていましたが、「お金を前にした人間」が中心に話が展開されており興味深く見れました。
アマゾンのレビューでは結構辛辣なレビューが多いようですがそこまで非難するような映画ではないと思います。なによりキャストが豪華で見ごたえもありました。藤原竜也さんの演技は最高でした笑 藤原竜也さんにぴったしの役で「叶います!!」を連呼するところはねずみ講としか思えず、笑っちゃいました。
おもしろいような、イマイチなような。浅い内容だったり、深い内容だったり…
3億円持ち逃げされて友情が芽生えるか?
可もなく不可もなく
60点
映画評価:60点
まさに映画版『芝浜』でしたね。
元々失敗続きで『心』を失くした主人公
が、突然宝くじで当選して大金持ちになってしまう。
そのお金を使えば幸せになれると思い込んでいた矢先にお金を盗まれた所からストーリーは始まります。
この主人公を通して、
九十九だけでなく、私自身も《お金》について考えさせられました。
お金って、
身に余る量を手に入れた時に人は変わってしまうものだと思っていました。
それだけではなかったんです
身に覚えのない程、失う時も人は変わってしまうものだったんですね。
この主人公でいえば、
借金を減らす事に一生懸命になり
いつの間にか《お金》に囚われてしまう。
お金を返す事ばかりに執着する。
その結果、大切なモノを失い、家族を失った。
他の方のレビューで
奥さんの言っている意味がわからないという人がいますが、
主人公の頭は、
幸せになるために人並みの暮らしをさせてあげたい、自分の失敗で作った借金で苦労をかけたくない、そのためにも頑張って働いて一刻でも早く借金を減らしたい。
そう思っていたんでしょうね。
だから、奥さんと決別した時に
金さえあれば、借金さえなければ別れずにすんだと考えたし、逆に手に入れば寄りが戻せると思っていた。
そこが違います。
決別した理由は《お金》ではないんです。
お金に囚われて、家族を向き合わなかったからです。そんな人がお金を返せた所で改めて家族と向き合う事なんて出来ません。
お金を使うのは《人》なんです。
お金は変わりません。
使う人が違うから、お金が変わって見えるんです。
お金なんてなくたって、多額の借金を作ってしまっても、家族と向き合える人は向き合えるんです。
ダメな人はお金があったとしても、なかったとしてもダメなんです。
ちゃんと身の丈に合ったモノを手にしておくべきなんです。
その事を、
主人公目線から映画を通して学びました。
別にお金だけではありません。
お酒だって、ギャンブルだってそう、
その行為やモノのせいではなく、
扱う人に問題があるんですよ。
自分を制御できない人が
人様の迷惑をかけて使って良いものではないです。
良いですよね、
例えモノや生き方が変わっても
いつの時代も変わらず、同じ失敗を繰り返しているんですよね。
それが知れる
歴史や落語は昔から大好きです!
そして、
映画だからこそ視聴してもらえる
現代版『芝浜』
とても勉強になりました。
是非、観て下さい。
オススメです!
【2021.10.13観賞】
作中にも出てくる落語シーン
元バイカムを訪ねて三億円。想い出の九十九
映画館では2018年12月3日MOVIX仙台にて鑑賞
それ以来3度目の鑑賞
原作未読
お金にまつわるエトセトラ
お金について講義を受けたような映画作品
人によってはかなりためになるかもしれない
図書館の司書として働く大倉一男(佐藤健)は失踪した兄の保証人になったせいで借金3000万円を返すハメになった冴えない男
商店街の抽選で宝くじをゲットしそれが一等3億円
人生一発逆転を夢見たが逆に不安になった一男は旧友・古河九十九(高橋一生)に3億円を預けた
しかしゴージャスなパーティーの一夜を明けると旧友とともに3億円は無くなっていた
古河九十九はフリマアプリで大儲けしたIT企業「バイカム」の元経営陣
一男は九十九を探すためバイカムの上層部だった百瀬栄一(北村一輝)千住清人(藤原竜也)安田十和子(沢尻エリカ)を訪ねる
一男の別居中の妻万左子役に黒木華
パーティーに居合わせたあきら役に池田エライザ
キャスト陣の役作りが見事
面白い
佐藤健も高橋一生も北村一輝も藤原竜也も素晴らしい
変な関西弁の北村が特に良かった
九十九の吃音と芝浜のエピソードはやっぱり必要だったのかもしれない
九十九が開いたバブリーなパーティーを観ているとテレビ朝日の打ち上げ一次会はこんな感じだったのかと想像してしまう
主人公は百男ぐらい
掘り下げたり掘り下げなかったり
九十九の行動の謎解き
色々な登場人物がお金について、色々と教えてくれるけど、やっぱり九十九の行動が一番心に響く。
最後、お金を渡して、ささっと何処かに行ってしまった行動はどういう風に考えれば良いんだろうか。
中東で皿の弁償代を支払ったらよくしてくれた。お金って人を結びつける手段なんだ。一方で会社を大きくして、会社を売却して大金は得たけど、仲間は金に目がくれんでハングリー精神を無くしてしまった。自分から離れて行ってしまった。何だろうなぁ。金に踊らされるな。俺と同じ失敗をするなかな。
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