レディ・バードのレビュー・感想・評価
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サクラメントの街から抜け落ちた歯
娘と母親=女と女
親も必死に生きている
親の愛の深さを教えてくれる作品
どぉやって自分の感じたことをレビューに書こうか悩んでいたら日数が経ってしまった(^◇^;)
予告や既に観た人のレビューにあるほどのものかな?と言うのが率直な感想。映画そのものは破天荒な女子高生の行動が面白いし興味深かったけど、それだけ。あぁ〜あたしも女子高生のときこんな風に感じてたなーとか、その行動めっちゃ気持ちわかる!とか懐かしい感じはあったけど、その程度。
ラスト15分までは。
そこまできたら急に"レディ・バードの話"として観ていたものが「レディ・バード=自分自身」に置き換えられ、高校の時に似たようなことがあたしと母親との間にもあったな、とかその時の母親もこんな気持ちだったのかな?なんて考えながら観ていたらいつの間にか涙してた。
高校生当時にはきっとわからなかった気持ち。歳をとったからわかる気持ち。"親"になった事はまだ無いけど、"親"になったらまた新しい気持ちが感じられる事を予感させてくれる作品。
観終わった後は無性に母親に電話したくなった。そして電話した。
なんだか照れ臭くて言えなかったけど、心の中では『あたしをこんなに愛してくれてありがとう』の気持ちでいっぱいだった。電話の途中で何度泣きそうになった事か。
その親の愛を知った時に『レディ・バード』が『クリスティン』を名乗るようになったところまで自分と重なるという奇跡✨
さり気ないのに、しっかり響く
What it all comes down to...
レディバードと自分
最初は1人の女の子の物語だと思ってた。
恋をして友情に悩んでハッピーエンド的なもの。
でも実際はお母さんと娘のストーリー。
何気ない会話がすごく共感する。
お父さんがリストラされて、私立に行った子どもの学費を稼ぐことがどれだけ大変か。好きで働いてるんじゃないのよ!!って。
お父さんが「お母さんに秘密だよ」ってスナックを食べるのも、
お母さんに頼めないことをお父さんに頼むことも、
お母さんと喧嘩しても真ん中に立ってるお父さんも
すごく共感できる。
NYに行ってお母さんといる男の子を見てお母さんの存在の大きさに気づく。
「私の気持ちなんで全然分かってない!」って散々おもったりもするんだけどやっぱりどれだけ母親というのが大事なのかって。
そんなストーリーが自分と重なって、観終わった後に鏡に映った自分が「あれ?クリスティンじゃない」って思ってしまうほど自分とクリスティンを重ねて観ていたことにすごく驚いた。
お母さんと娘はみんなこんななんだって、
お父さんとはこんな関係なんだって、
クリスティンと同世代の人も、過ごしてきた人もみんなが自分と重ねて観ることができると思う。
こんなに自分が映画の中にいるような感覚になった映画は初めてだった。
クリスティンはヒロインじゃない、自分なんだって。
17歳
17歳の女子高生の話。
先日観た「恋は雨上がりのように」も同年代の主人公だったが、日米違うので、文化的には全く異なるものの、この年代のストレスや将来への不安は似たり寄ったりなのかな。
どちらも母親との距離感が、微笑ましい。
本作で、主人公クリスティン(レディバード)を演じて、大ベテラン、メリル・ストリープやフランシス・マクドーマンドと肩を並べてアカデミー主演女優賞にノミネートされた、シアーシャ・ローナン。実際は23歳のようですが、無鉄砲さやどことなくあどけない背伸びした感じが、自然過ぎて17歳にしか思えない。名演。
ストーリーは、レディバードを中心とした、他愛ない日々の話なのだけれど、何か目が離せなくて引き込まれる。父親が良い味出してて好きだなぁ。
日曜日の昼下がりに観るのによさげな作品です。
似た者母娘の同族嫌悪
誰もが経験したことがある、思春期のもやもやするようなざわざわするような気持ち。今までにも思春期のもやもやを描いた青春映画ってたくさんある。っていうか青春映画ってよっぽど頭の悪いラブコメ以外は、思春期のもどかしさや心の漣を描いているもののはず。だけど知性派のグレタ・ガーウィグが同じことをするわけがないとは思っていた。まさか、爽やかで瑞々しくてキラキラしただけの青春な筈がない。そして期待通り、グレタ・ガーウィグのユーモアとシニカルさとインテリジェンスがそこかしこに散りばめられて、痛いんだけどウィットに富んだ青春映画が誕生したという感じ。ハイスクールの演劇に参加したり、プロムにドキドキしたり、親に内緒で進路を決めていたり・・・なんて数多の青春映画で見てきたような普遍的な思春期のストーリーラインでありながら、角度を変えてユニークな視点から切り取ると、こんなにオリジナリティを感じる作品になるのだなと思った。爽やかじゃないし瑞々しくもない。むしろ痛いことだらけでダサくって、ズタボロなハイスクール。だけど、痛がって憐れんだりせず、痛みを跳ね飛ばして突き進む個性を持ったレディ・バードがなんとも愛おしく映画の中心に立つ。格好いい。グレタ・ガーウィグの分身として特有のユーモアと知性を纏ったヒロイン”レディ・バード”が実に魅力的で、さらにそれを演じるシアーシャ・ローナンの予想外のコメディ・センスも相まってとても痛快。グレタ・ガーウィグとシアーシャ・ローナンとレディ・バードの3人の出会いはまさしく「痛快」そのものだった!
セリフ回しなんて、まさしくグレタ・ガーウィグのセンスが冴えわたっていて、このリズムとワードのチョイスを見せつけられると、あぁ英語圏で生まれてこの映画を観たかったなと思う。日本語に置き換えちゃうと、セリフの弾みがどうしたって失われてしまうものだから。
そして母親を演じたローリー・メトカーフがまたいい味を出して、「この親にしてこの子あり」というか。レディ・バードがいかにしてレディ・バードになったかが窺い知れるような独特の存在感。似た者同士だからこそ、お互いにどこか嫌悪し合ってしまって(まして同性の親だし)、お互いに心に棘を持つ者だから、近づきすぎるとつい傷つけあってしまうような関係の奥に、母と娘の愛をじんわりと見せるクライマックス。グレタ・ガーウィグがまさかわざとらしく見せつけるようなジメジメした演出をするはずがない。空港の前を車で一周している瞬間に、そして新しい土地で名前を尋ねられた瞬間に、それぞれがお互いへの愛情に気づかされるさりげなさ。いくら嫌悪しあったところで、似た者同士が理解し合えないはずはないのだよ。
最後にレディ・バードは、自分でつけたその名前を捨てて、親がつけた名前をようやく好きだと言った。そのとき、彼女は鳥の翼を落とし、これから地に足をつけて歩き出すのだな、と思った。
ダサくても全てがキラキラした日々
素晴らしかったーーーー
どこにでもいる、なんの取り柄もない女子高生の最後の一年間を、時に痛々しく、笑わせながら、とてもみずみずしくキラキラした青春の日々に描き出した作品
2002年、カリフォルニア州サクラメントにある小さな町で暮らす高校三年生のレディ・バード
彼女には、監督と脚本を担当したサクラメント出身のグレタ・カーウィグ本人の自伝的要素が込められている
女子高生のレディ・バードは、自分の身の回りにあるもの全てが、ダサくて嫌だと思っていた
イケてる彼氏がいて、イケてる友達がいて、大学はニューヨークに行くことが、目指すべき理想の世界だと思っていた
けれど、彼女がそう思っていた理想の一つ一つを手に入れてみてはじめて
「現実は理想とは違う」
ことに気付き、もっと大切にしなければいけないものがあることを知る
恋や友情は、見た目のカッコ良さで得ることはできないし
どれだけ都会に憧れても、自分の育った街にかなうものはない
私は、この映画があまりにもキラキラしているので、
なぜ、どこにでもいる平凡な彼女が、こんなにもキラキラしているのかを考えた
そして、彼女をキラキラ輝かせているものは「現状に満足しない向上心」だと思った
どんなにカッコ悪い失敗をしてしまっても、どんなに理想と現実の違いに落胆しても
「私には、違う世界がある」と信じて前に突き進むからこそ、誰よりもキラキラと輝いているんだと思った
現状に満足し「私は一生サクラメントでいい」と思ったら、
そこで成長が止まってしまう
そして、自分を信じ続け、前に向かって歩み続けた結果、
それから16年後には、アカデミー賞にノミネートされる映画監督にまでなるのだ
その成功は、田舎町でくすぶっている「パッとしない女子高生たち」を励ますに違いない
輝かしい成功を手に入れたかに見えるグレタ・カーウィグでさえ
女子高生の頃は、田舎によくいる平凡な女の子だったのだから
何より自分の内なる声を信じて突き進めばいいのだ
両親は反対しているように見えて、誰よりも応援しているのだから
きっと、グレタ・カーウィグのお母さんは、これを号泣しながら観ただろうと思った
私ですら、後半は涙を流しながら観たのだから
あぁ、本当に素晴らしい映画だった
シアーシャ、ローナンを楽しむ映画。
主演女優の魅力がすごい
不覚にも感動した
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