ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書のレビュー・感想・評価
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A社の記者は入れるな!と言われてこそ
ベトナム戦争がいかにアメリカ合衆国の社会を引き裂いて、市民を苦しめていたのか、同時代を生きてきた者には、ベンやケイの気持ちがよくわかるのですが、若い観客には、その辺はぴんとこないかもしれなかったです。
単純化すると報道の自由の話ですが、国家は国民を騙して戦争に連れて行くということを、あの時代の米国で多くの市民が実感として気づいたことが重要だったと気づきました。この映画は、普遍的な戦争の問題を突きつけています。
今の日本でこそ見られるべき映画。
ラストで「ワシントン・ポストの記者は絶対ホワイトハウスに入れるな!」と電話に叫ぶニクソンの後ろ姿は、トランプ大統領を意識しての演出でしょうが、我が国の首相の姿でもあります。
報道は国民の為にあるのであって、統治者に奉仕するものではない。という言葉が重い。
日本の新聞も、出入り御免になるくらいの報道姿勢をみせて欲しい。
決断の難しさ、信念の強さ
メリル・ストリープは、本当に品良く自立した女性をやらせると上手いなと思います。今回のケイも、優雅で知性がある上流階級の女性として完璧だったし、新聞社の経営は自信無さげだけれど、新聞の、報道の本質は掴んで、譲らない所が素晴らしい。でも強いだけで無く、迷ったり後悔して泣いたりする。等身大の人間味があって、他の役者を圧倒してました。面白かった。
女性活躍🌀
今だから観るべき映画。
微妙…。
焉んぞ、権力に与す報道をするや
1971年の米国。
ベトナム戦争は泥沼化の一途をたどっていたが、米国政府はその正当性・優位性を国民に報じていた。
しかし、政府高官に替わって現地視察をした関係者が、ベトナム戦争の政府機密文書を持ち出し、ニューヨークタイムズ紙にリークしてしまった・・・
といったところから始まる物語で、折しも、ワシントンポスト紙は経営立て直しに向けての株式公開に目前だった。
政府はNYタイムズ紙への差し止め訴訟を起こし、短期のうちに勝訴してしまう。
同じニュースソースから機密文書を得たワシントンポスト紙としては、経営立て直しを優先して件の文書を報道するのを止して日和ってしまうか、それとも義を通して報道するかの決断を迫られる・・・と物語は展開する。
前半、かなり地味で、本当にスティーヴン・スピルバーグ監督かと思うくらいの地味さ加減。
音楽も控え、地道にワシントンポスト紙の窮状を淡々と描いていきます。
この前半で、ダメだぁ、ツマラナイと思う観客もいるかもしれませんが、この抑えた前半があったからこそ、文書を入手してからの後半のスリリングさが活きているともいえます。
報道の自由をどう守るのか、というテーマもさることながら、政府(権力を有した側)の嘘には騙されないぞ、嘘だとわかったからには真実を暴くぞ、という心意気が伝わってきます。
メリル・ストリープもトム・ハンクスも好演ですが、特にトム・ハンクスはアクが抜けた感じで、まさに好演でした。
この映画のラストシーンに続くのは、同じくジャーナリストを主演にした『大統領の陰謀』の物語。
お時間のある方は、続けてご覧いただくのがよいでしょう。
これぞジャーナリズム。報道の自由を守った稀代の決意。
【賛否両論チェック】
賛:「機密文書の公表」という大スクープにあって、国家権力からの圧力に決して屈しなかった新聞記者達の熱意を通して、社会で生きていく中での自由の尊さを考えさせられる。また、その裏にあった女性経営者の苦悩や葛藤も描かれ、その成長過程にも感動させられる。
否:ストーリー自体はかなり淡々と史実をなぞるように進むので、気をつけないと眠くなってしまうかも。
勿論メインは、世論をも変える国家機密の暴露を決行した新聞記者達が、国家権力からいかにして報道の自由を守り抜いたかという部分ですが、もう1つ注目すべきは、ポスト社の社主であるキャサリンの、リーダーとしての成長過程ではないでしょうか。夫から受け継いだ会社で、最初はおどおどした様子で立つ瀬もなかった彼女が、「株式の公開」と「国家機密の公表」という2大局面に瀕し、次第に誰からも押しも押されもしないリーダーとしての器に成長していく姿は、非常に凛々しく映ります。
また、そんなキャサリンの傍にあって、時には対立しながらも、やがてその志を共にしていくベンの勇姿も、また魅力的です。
史実を淡々と描き出すような調子で進むので、興味を惹かれないと思わず眠くなってしまいそうですが、リーアム・ニーソン主演の「ザ・シークレットマン」にも通じるところがある骨太なストーリーですので、是非チェックしてみて下さい。
民主主義と戦争
ジャーナリズムとは何か?国とは何か?戦争は正義か?頭の中でいろんな疑問や思いが駆け巡る、社会主義や共産圏の国は自国民に対し酷い扱いをしていることもある、ましてや報道の自由などあり得ない、民主主義の国でさえ自己の利益、選挙の為に国民を騙していた、ワシントンポスト紙は自国の政府を敵に回してまで国民に真実を伝えた、私利私欲も少なからずあっただろうが素晴らしい決断を下した事に感動した。
今もワシントンポスト紙はこれを貫いているだろうか、経営陣やスタッフが替われば変わって行くのだろう。
メリル・ストリープの演技は本当に素晴らしい、スピルバーグ作品をレディプレイヤーに続けて観たがどんな感じジャンルでも素晴らしい作品を生み出す天才ですね。
正義とは
ジャーナリストの矜持
日本のマスコミではこうはならないだろうなというのが、ため息と共に出る最初の感想である。勿論アメリカも日本と同じく大多数の人々は権力に屈してささやかな日常を守ろうとしているのは間違いない。しかしアメリカには民衆自身の手で自由と権利を勝ち取ってきた歴史がある。アメリカ人にとってアメリカは自分たちが作り上げた自分たちの国なのである。「天皇を中心とした神の国」(by森喜朗)を有り難く戴いているのとは訳が違うのだ。
だから国民の主権や自由が奪われそうになると敏感に反応する。そして声を挙げる人々が少なからず出現する。抵抗する保守勢力は大変に強力だ。彼らは持てる権力のすべてを稼働させて反体制の芽を叩き潰そうと画策する。そんな強大な権力に民衆が立ち向かう武器はひとつしかない。
メリル・ストリープ演じるワシントン・ポスト紙の社主は、女性であるということだけで知見に乏しく判断力がないと役員たちから軽んじられている。あがり症気味な面もあって上手く意見を表明できずに鬱々とその立場に甘んじているが、会社が迎えた危機がアメリカの自由と人権の危機そのものであることを看破し、社を守るだけに汲々とする役員たちに対して敢然と決定を下す。人々はその勇気に感動しその行動に高揚する。
会社第一の会社の役員たちや保身だけの元政治家、熱血編集者たちと丁々発止に渡り合う中で、彼女は夫の言葉を蘇らせ、本来の自分の考え方を取り戻していく。短い期間で彼女が変わっていく様子を大女優は見事に演じ切る。
民主主義を守っていくのは民衆の意志と勇気なのだという当たり前のことに我々がこれほど感動するのは、今の世の中が当たり前でなくなっていることの証左でもある。日本の民主主義に希望はあるだろうか。
今のタイミングだからなおリアル
日本でもアメリカでもマスコミと政治の関係は難しくなってるのかな?と。
最後の最高裁の判決文は明解。
お互いに誰のためにやってるのか?を忘れなければこんな事態にはならなかったのに。
今の時代だからまた映画になったのか?警鐘的な感じではあるが、政治と報道のそれぞれの基本に顧みるいいタイミングだと思った。
マイナス一点は、なんか展開が早かった。
メリル・ストリープの苦悩は伝わってきたんだけどなー。
なんかさらっと描かれてる感じがした。
社会派サスペンス
もう少し
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