タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
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すごいこと描きつつ、ソン・ガンホを筆頭したキャラクターの存在がうま...
すごいこと描きつつ、ソン・ガンホを筆頭したキャラクターの存在がうまく機能しているせいか深刻ではないようでいて、それが事の重大さを逆に浮かび上がらせという、何重にもよくできたエンターテインメント。
笑えて泣ける
意外にも笑えるシーンがあって楽しめる映画でした!
途中から光州の衝撃的な状況が出てきますけど、偶然にも巻き込まれたタクシー運転手の心境の変化に感動しました^ ^
最後の実際のインタビューでもう一度あの運転手に会いたい、会ってもう一度タクシーに乗りたいって言うのが印象的でした!
コミカルさと残虐さの対比
冒頭、軽快な音楽で始まる主人公のタクシー運転手のコミカルな日常描写で、憎めない共感できる人物像が的確に描かれ、そんな主人公の視点で段々と光州事件の惨状を知ってゆく、秀逸な語り口に引き込まれました。
やはり、主人公のソン・ガンホの演技が素晴らしく、その辺にいそうな普通のオッサン感が絶妙です。
残虐な事件に直面しうろたえ苦悩するその姿に感情移入せずにはいられません。
事件を知らないよそ者という主人公の立場も観客と共通しているので、入り込み易くなっていると思います。
事件に直面した庶民の人間ドラマ、戒厳令下の街で軍の監視を逃れ取材してゆくサスペンスと、適度に娯楽性もあり、物語として上手く構成されていると思います。
コミカルでささやかな庶民の日常描写との対比により、弾圧の残虐さも強く伝わります。
軍人に追われるサスペンスフルな場面など娯楽性を意識しているかなと思いますが、主人公達を助けてくれる青年、タクシー運転手仲間の姿には、やはり目頭が熱くなってしまいます。
光州事件については全く知らなかったので一応概要を調べてから観ましたが、知らずとも差し支えはなかったかと思います。
事件についての記事で、タクシー運転手の素性が謎となっており工作員説もあると知りましたが、映画ではそういう繋げ方か、と。
娯楽性を交えながら、深刻な歴史的事件について伝える、優れた社会派作品だと思います。
忠誠!
ひょうきんで単純な主人公に序盤はかなり笑わせられる。
記者をタクシーに乗せるきっかけも要は横取りだし割と自己中的な性格なんだけどなんだか憎めないキャラである。
平和な前置きから光州に入ってからは一気に雰囲気が変わる。
理不尽なんて言葉では温いほどの暴力が飛び交う凄惨な光景の尋常じゃない緊張感と、何も出来ないもどかしさ。
ついさっきまで歌って笑っていたのに突然日常が崩壊し、優しい人間がどんどん傷付けられ死んでいく恐怖。
世界に事実を伝える、というただ一つの希望にかける全員の思いの強さに胸が熱くなり、本気で応援してしまう。
デモなんて、と楽観的だった主人公の「知ってしまった」という表情が印象的。引き戻るシーンは本当に熱かった。
途中急に湧いて出てきたタクシー隊には驚きだったけど、一台一台とフェードアウトしていく毎に涙が止まらなかった。
ハッとさせられたのが、検問の軍人の一人がわざと此方を見逃したこと。
軍隊イコール敵、という目で観ていたけれど、政府の思想・方針に必ずしも全員賛成ではないということをふと思い出した。
事実に基づいた話、ということだったけど、いくつものドラマを組み入れて映画的に作られていたのが良かった。
それでも最後は結局会えないままだったのね…と非常に複雑な気持ちになるけれど。
なかなか
なかなか心地よくて面白かったです。何か映画の見せ方として基本がしっかりしてるから 眠くなってもおかしくない前半も退屈させない。多分編集がよくて小気味よい感じ。もちろん毒蝮三太夫のキャラもあるけど。普通のことを事実として、そんなに劇的に物語っていなくて心地よい。なのにどう考えても理解できないのが、終盤のカーチェイスに突然現れる タクシーと公安のボス。最後の空港のところなどアッサリしていていい感じで、こちらはこのリズムで楽しんでいたので、どうしても ここだけ別の映画見ている感じでした。
目で見る事が事実なんだなあ!
1980年って言えば、この作品の学生さんと僕同い年だ!
海の向こうでこんな事件になってるなんて!
軍隊って自国民を守ることが仕事なんじゃないの?
観ていて、背中が恐ろしくなってきた!
言葉が解らない2人と通訳に乗った学生さんのやり取りが笑えたのは前半。
後半になるとこの作品のテーマが出てきて
恐ろしい!
今年前半に観るべき傑作のひとつ
個人的に今年1月~4月に映画館で観た作品は約100本あるが、本作はナンバーワン級である。
封切りの"新宿シネマート"は、マイナーアニメや韓国映画を主に上映している、新宿三丁目のジミな箱だが、その"シネマート"が超満員になっている。なんとも不思議な感覚であり、あまりの集客に、5月12日からは松竹系メジャー館である、"新宿ピカデリー"でも拡大公開が決まった。
シネマートらしく、もちろん韓国映画である。1980年5月に韓国南部の光州市で実際に起きた"光州事件"を描いているのだが、その描き方が変わっている。当時、事件を現場取材して世界に伝えたドイツ人記者と、その記者を乗客としてソウルから光州の現場まで送り届けたタクシー運転手の実話を基に、熱いヒューマンドラマに仕上げている。
いまから40年前の"光州事件"のきっかけは、全斗煥らのクーデターと金大中らの逮捕で、抗議活動を起こした学生デモから、約20万人の市民デモに発展した。それを政府軍が武力制圧し、多数の死傷者が出た事件である。
戒厳令下の政府軍は、通信規制や道路封鎖のみならず、テレビ局の封鎖や報道管制などで、光州事件自体をわい曲して伝えていた。
主人公のタクシー運転手マンソプは、ソウル市民であるため、光州事件の真実などそんな知るよしもない。ソウル市と光州市を往復するだけで、法外な謝礼金(10万ウォン)をもらえる送迎ドライブにのぞむ。
不純な動機で、危険な仕事を請け負うことになったタクシー運転手を韓国を代表するベテラン俳優、ソン・ガンホ。また外国人記者を「戦場のピアニスト」(2002)のトーマス・クレッチマンが演じている。
意外にも前半までは明るいコメディタッチで進み、やがて事態が明らかになるにつれ、深刻なシチュエーションが緊張感を高めて、サスペンス度合を高めていく。歴史的事件を扱った史実映画でありながら、再構成と創作されたコメディとサスペンス、アクションとヒューマンドラマを盛り込んだバランスのよい傑作だ。
シネマートのおかげで、ふだんから多くの韓国映画と触れ合うことができるが、多くの作品が描く韓国社会は、先輩絶対主義のデメリットばかりの儒教感覚、腐った政治家や財閥一家、金にまみれた一部のセレブ、他人事ながら病んだ環境に同情するばかり。
(2018/5/5/シネマート新宿/シネスコ/字幕翻訳:神田外語大学字幕制作チーム/字幕監修:本田恵子)
もっと公開館増やせよ。クソが!
タクシー運転手
韓国の光州事件を描いたもの。ホテルルワンダみたいな感じ?だと思う。恥ずかしながら僕はこの事件を初めて知りました。
自国の軍隊からある日突然銃撃されたらトラウマになるわ。映画の前半がギャグ交じりの日常風景を描いているから、その恐怖が良く伝わってくる。
あと、日本の記者には是非観てもらいたい映画だ。
最近の実写映画は、日本のものよりも韓国の方が好きだな。上映前の予告で、ノミ取り侍、とか言う日本映画が紹介されていた。いやいや、ノミ取っとる場合ちゃうやろwwwタクシー運転手の公開館数増やして欲しいもんだぜ。
ソンガンホ兄貴ぃ!
事前情報を全く入れず観たのでビックリした。カーチェイスの部分とか相変わらず、やりすぎな韓国映画なんだけど。軍隊が自国民に向かって発砲するのは吐き気がしたわ。ソン兄貴には一生、ついてきます!
映画のあるべき姿
韓国の名優ソン・ガンホ主演ということで、期待して見に行ったのですが、期待を大きく越える素晴らしい映画でした!映画って、本来こうあるべきだよなあと感じさせる、メッセージ性と娯楽性を兼ね備えた出来栄えだと思います。
1980年5月、私は高校生だったはずなのに、光州事件のことは殆ど知りませんでした。後年になって、韓流映画・ドラマに興味を持つようになり、多くの映画やドラマで取り上げられるほどの大事件を、なぜ隣国の高校生だった自分がよく知らないのだろう?と不思議に思っていたのですが、この映画を観て、その理由を理解することができました。
ソン・ガンホ演じる、子煩悩なタクシー運転手が、娘に会うためにドイツ人記者を光州に置いて、1人でソウルに戻ろうとする帰路で、光州で起きている惨状が嘘のように、平穏な町を通り過ぎながら、徐々に「ドイツ人記者が命がけで伝えようとしていることを見捨てて、自分だけソウルに戻ってしまって良いのか?」という葛藤に苛まれながら、町の食堂でうどんを食べるシーン、そしてタクシーを運転するシーンのソン・ガンホの演技に泣かされました。
期待以上
歴史的事実をしっかり楽しめる映画として送り届けられる韓国映画会の力量に感服。
コメディ映画と思いきや後半にかけての軍によるデモの弾圧の映像は迫力があり、鬼気迫るものがありました。
そしてタクシードライバーと外国人記者の絆を見事な演技で表現してくれました。 いい映画だと思います。
過去の事実を忘れないために観る
1980年代の韓国。いかに戒厳令下では、出版や言論が圧殺され、市民、学生、活動家たちが虫のように殺され、人権が封殺されていたか。それは、隣の国のことだけでなく、まさに自分達のことでもあった。裁判なしの長期拘留で小菅の東京拘置所は不法逮捕された学生で一杯だった。
1980年5月広州で大変なことが起こっている、軍に包囲された市民が無差別に一斉射撃で殺されている、そんな巨大な暗雲が立ち込めるような情報が広がっていき嘘であって欲しいと、すがる思いでTK生の通信な載る、岩波書店の月刊誌「世界」を待った時のことが昨日のように思い出される。
1979年12月、クーデターで軍の実権を握った全斗換は、翌年全国を戒厳令下に置き執権の可能性のある金泳三と金大中を逮捕、監禁した。(金大中に死刑判決が下りたのが、1980年9月。)金大中は全羅南道出身で、全羅南道の道庁が広州だった。広州の人々の怒りは大きく、反軍民主化運動のデモが学生、知識人のみでなく10万人の市民が立ち上がり、軍部に反旗を翻した。
1980年5月20日。広州市の全南大学と朝鮮大学を封鎖した陸軍空挺部隊は、抗議に集まった人々と衝突。市民は郷土予備隊から奪った武器や角材、火炎瓶などで対抗した。翌21日には戒厳令軍が広州市を包囲、外部の鉄道、道路、通信回線を遮断した。そのため 広州市で何が起きているのか、全国の人々は知ることができなかった。
一方、軍による市民への無差別一斉射撃に怒り、立ち上がった怒れる市民の数は、日に日に膨れ上がり、金大中の釈放、戒厳令撤廃を要求した。5月26日には、陸軍部隊が戦車で市内を制圧。市民に対して無差別の逮捕、拘留 暴力がふるわれ軍の一斉射撃により多数の死傷者を出した。実際に亡くなった市民の数はわかっていない。公式発表では、死者行方不明者は、649人、負傷者5019人。戒厳司令部発表によると死亡者は170人、負傷者380人と食い違っている。
まことしやかに政府は広州暴動は北朝鮮によって工作され、金大中が内乱を起こした、と宣伝したが一笑に付された。いまは広州事件ではなく「5.18民主化運動」と規定されている。
唯一外国人による報道では、ドイツ公共放送(ARD)東京在住特派員だったドイツ人ユルゲンヒンツ ピーター記者が、広州に潜入して軍による民主化を求める市民虐殺の現場を撮影するのに成功した。彼は韓国から日本に帰ってから、事実を世界に向けて発信した。
映画「タクシー運転手」は、このドイツ人記者の話だ。
原題:「A TAXI DRIVER」
監督: JANG HOON
キャスト SONG KANG -HO ドライバー
THOMASKRETSHMANN ドイツ公共放送特派員ピーター
YOO HAE-JIN 広州のタクシードライバー
RYUJUN-YEOL 広州の大学生
ストーリーは
タクシー運転手、ソン カンホーは妻に先立たれ、11歳の娘と二人で暮らしている。妻の病気を治療するために蓄えをすべて使い果たしてしまい、今は日々の暮らしに汲々としている。個人タクシーで使っている車も、もう60万キロ走っていて、かなりガタがきている。娘の履き古した運動靴も、小さくなって履けなくなっているが、新しい靴を買ってやることもできない。
1980年5月20日早朝、彼は金浦空港で外人客を拾う。東京から来たドイツ人記者ピーターだ。彼は東京で、ソウルから到着したばかりの記者仲間が、反政府民主化運動が高まりを見せている、広州でひどいことが起こっているようだ、というのを聞いて、飛んできたのだった。
ソン カンホーはピーターを乗せて広州に向かう。
政治に関心の全くないソンは、昔、彼が兵役についていた時、軍人はみな規律正しい良い人達ばかりだった、と言い、反軍反政府の民主化運動を標ぼうするのはコミュニストだけだと確信している。ピーターはのんきで人の良い運転手との会話にイラつきながら乗車している。広州に向かう主要道路はみな封鎖されていた。それでは仕方がないから、とソウルに帰ろうとするソンに向かって、ピーターは「ノー広州、ノーペイ」と言い、広州に連れて行かないと代金は払わないと言い張る。慌てたのはソンだ。どうしても代金をもらわないと困るソンは、農家から聞き出した山道の迂回路を通って広州に入る。
街は騒然としていた。軍は市民に家に留まるよう、ビラをヘリコプターで撒いている。しかし人々は街に出て集会に参加していた。街のどこにも反軍反政府のプラカードが立っている。病院は軍との衝突で怪我をした人々で溢れかえっている。ピーターはヴィデオを回す。運転手ソンは、こんなに危険な所には居られないと、ピーターを置いてソウルに帰ろうとするが、怪我をした老婆に呼び止められ、彼女を病院に運んたところで人々の惨状を目にする。夜になって軍の攻撃も激しくなった。ピーターが撮影しているところを、戒厳軍にキャッチされた。ピーターとソンは、軍人に追われる中、学生のひとりリュ― ジーヨルの手引きで逃げ切ることができた。一刻も早く撮影したヴィデオをもってソウルに帰りたい。しかしタクシーはエンコして動かない。学生の兄、広州のタクシー運転手のヨー ハエジンの家の泊めてもらい、車の修理をしなければならない。
翌日から軍とデモ隊との対立は激しさを増す。街は陸軍が戦車で街を走り回る戦場だった。運転手ソンは車の修理を終えると、ピーターを置いて一人でソウルに向かう。11歳の娘が心配で仕方がないのだ。広州を脱出し、近くの街で娘のために靴を買う。昼食を食べるうち、街の人々のうわさ話が耳に入る。広州では学生たちが戦車に包囲されて殺されているらしい。しかし人々は、かつてのソンのように、「それはコミュニストが殺されただけだろう」、と人々は取り合わない。「そうではない。」年を取った老婆が、女子学生が、市民が無差別に射撃されているのに。
ソンは広州からひとり逃げようとしている自分を恥じ、ピーターのところに戻る。ピーターは、自分を追手から逃がしてくれた学生リュ― ジーヨルが捕えられ拷問の末、殺された遺体の横に居た。ピーターは死体で溢れる病院を撮影し、治安軍に追われ何度も危険な目に会いながら撮影を続けたすえ、ソンのタクシーでソウルに戻る。無事ピーターを金浦空港に送り東京行きの飛行機を見送った後、ソンは家に戻る。11歳の娘が待っている。
というお話。
深刻な歴史を扱っているが、笑いもあり、涙もあるヒューマンドラマに仕上がっている。
運転手役を演じた、SONG KANG-HOの演技力が冴えている。彼は妻を亡くしたシングルファーザーだが、飲んべいで人が良く、あまり物事を深く考えないごくごく普通の市井の人だ。だからこそ彼が、軍の横暴を目撃して、民主化運動は軍がいう北朝鮮コミュニストのスパイによって起こされたようなものではなくて、「人が人であるために当たり前のことを要求しているに過ぎない、」ということが分かった。思い込みが間違っていたら、人は考えを改める。人は変わることができる。
悲惨な、昔あったことを忘れないために私達は、こうした映画を観ることは価値のあることだ。日曜日の午後、歩いて行ける近くの映画館でこれを観た。若いカップルで映画館は一杯だった。多国籍国家オーストラリアで、若い人達がこうした映画を観て、自分たちや自分達の親が生まれ育った様々な国が、それぞれ持っている歴史的なできごとを映画を通して知る。民主化運動とは何だったのか。そして反芻して理解する。それはとても意味のあることだ。
韓国映画デビュー♬
韓国映画デビュー作品。
朝9:30からの回を観に行ったのに会場はお客さんでごった返すほどの人気作品。
なんでも韓国国内で1200万人以上の観客動員数を誇る韓国映画2017年一番のヒット作だとか。
それもそのはず。
なにこの映画。凄い…
韓国事情に明るくないあたしは光州事件の事は知らず。そんなあたしにでも事件について取っ付き易く、かつ分かりやすく伝えてくれた本作品。しかしその描き方がリアルで壮絶。
コメディタッチの導入部分は史実物が苦手な人にでも入り込みやすい作りになっていて、ストーリーが進むに連れて「あれ?なんか雰囲気がおかしいぞ?」と徐々に核心に近付いて行く過程はサスペンスのよう。
バスでバリケードが張られた軍政府vs市民の緊迫した場面で、怪我人を見殺しにできないと立ち上がるタクシー運転手のおっちゃん達。華麗な匍匐前進で人を救うその姿は韓国に兵役制があるから成せる技だな、と実感。日本で同じことが起きても、同じ気持ちでいたとしても、あの行動にはなかなか出られないはず。納得。
光州からソウルにピーターが無事に帰れるように軍からの追撃に対して防御壁となる運転手ドリームチーム。あの場面で「任せろ!」と笑顔で言えるユ・ヘジン演じるテスルさん。その強さに涙こみ上げる。
友情・倫理・家族愛・人間愛。
盛りだくさん過ぎる。
気持ちよ過ぎる。
是非多くの人に観てもらいたい作品♬
これまで戦争映画とか暴動・虐殺とかそういったテーマは観るのを避けがちだったけど、避けてる場合ぢゃない。世界をもっと知らなければ!という気にさせられた。
ソン・ガンホのほんわかロードムービーかと思いきや
本年度ベストです。圧倒的。
今年に入って「デトロイト」、「ペンタゴン・ペーパーズ」と観て来た私にとってはホップ☆ステップ☆ジャンプのまさにジャンプに当たる作品。
この三作には共通して「真実を伝えようとする信念」を感じました。このような作品が同じ時期に公開され、ヒットしている背景には、やはり現実での報道に関する不満を感じずにはいられないし、映画もやはり人に何かを伝えるメディアであるということを改めて感じました。こういう映画が日本でメジャー作品として観れる日は来るのだろうか。
フィクションではなく現実、この世界と地続きに"今"という現実があって、主人公たちがちゃんと映画の中で生きていると思わせるリアリティはもちろんすごかったのですが(「この世界の片隅に」のように、細かな日常描写にさりげない笑いを挟み込んだり)、クライマックスへと向かって主人公が成長していく王道の展開に落とし込むことによって単なる実話の実写化映画ではなく、誰が観ても楽しめる普遍的な作品をつくることに成功しているように思う。
ただ真実を伝える映画を作るだけでなく、多くの人に見てもらおうという工夫を感じる。そして多くの人に見てもらうことこそが作品中のテーマともバッチリあっている。
ホロコーストを描いた2015年公開の映画「サウルの息子」では、ユダヤ系の人々が真実を伝えようと命がけで色んな手段で情報を伝えていったことにも通じますが、我々が今こうして映画として観るまでの道のりを考えてしまいます。
私に出来るのはこの映画を人に勧める程度。
とにかく、この映画を観れてよかった。
クライマックスのカーチェイスは少しやり過ぎかな?(笑)と思いましたが全然問題なし!
残酷描写に容赦がない韓国映画ですが、やはりあの子のあの顔のアップはつらい。リドリー・スコット作品を思わせる路地裏の煙モクモクシーンなど、画も綺麗でした。
また、娘の靴は伏線として回収して欲しかったです。あれだけ写したんだから最後までやってよ!(笑)
まあそんなことは全く問題にならないくらいの名作です。
シネマート新宿にて観賞。満席、立ち見の大盛況。エンドロール中は誰も席を立たず、終わった後には拍手喝采。最高の映画体験でした。
劇団ひとりに似ている人が何人か出てきます(笑)*最初に光州に向かう予定だったタクシー運転手など
80年代の韓国をそのまま再現
映画としての評価は他の人がされてるので別の視点から
のっけからタクシーの運転手がKpopならぬ가요を歌ってる
曲はチョーヨンピル いかにも80年代のあの当時の韓国が再現されている。
タクシー車種は現代PONY一択、ナンバープレートは日本に似たタイプだけど自家用が緑で営業用が白 軍隊の制服も迷彩になる前の綿の緑一色 階級章も下士官兵は左胸ポケットフラップにつけるタイプで軍装関係も当時そのまま
あれら80年代の文物からソウルや田舎の埃っぽさが再現された街の様子から人の服装から家庭内の調度や様子やら本当に自分が学生時代に旅行した韓国が綻びなく再現されているのにまず感激でした。
時代考証というほど昔では無いにせよ、韓国映画ってその辺りいい加減な作品も多いのにきっちり再現されてます。
だからこそリアルなんです。
政治的内容なのに、なぜか涙が出た!
国民がゆでガエルのように、真実を知らずに平和ボケのような状態が続くと、民主主義がなくなるという良い例だ!
日本でも沖縄や原発施設地で同様の事が起きている!
民主主義を守るには、多くの犠牲と固い決意が必要だと知らせる感動作!
さすがのソン・ガンホ
1980年に韓国で発生した光州事件が元になった話。
外国人記者を金目当てで乗せたはずなのに現地で起っていることを知るにつれ…
主演のソン・ガンホはコミカル感じからシリアスな演技まで幅が広いね。
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