007 ノー・タイム・トゥ・ダイのレビュー・感想・評価
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007は進化して蘇る
25作目ということで、まあ区切りの1作なんでしょうか?冷徹なスパイの顔よりも、タフガイで不死身な男よりも、家族を思う血の通う人間として、タイム・トウ・ダイ(死する時)なんですね。でも、また新たな007が誕生することでしょう。
監督が日系の人なのか、終盤の舞台が日本近海の島という設定。序盤に出てくる能面の男と最後に対決、前段のシーンでボンドが畳に頭をつけて土下座する日本的なシーンが印象的でした。確かに一つの区切りというか、007プライドの死んだ時と思えました。家族のために命を懸ける、最後のシーンでジワリと泣けるのは、単なるアクション以上の味わいがあったからこそなんでしょう。
ボンドは死んじゃぁいけない
007は全作品見ている。
どんなに過酷なミッションでもサラリとやってのけて、最後は女性とイチャイチャじゃなきゃ夢が無い。
007作品は夢とロマンが無ければいけない。カッコよくなきゃいけない。
期待と不安を胸に観て…
色々なレビューを見て(映画館で)観ようかどうか迷っていたけど、やはり007ファンの血が騒いで観に行きました。
最後のクレイグボンドとして一体どういう仕上がりになっているのか、少し不安な気持ちもあったけど(辛口なレビューもあったので)…
良かった〜!観に来て正解!
クレイグボンドの作品の中では一番人間くさい感じがして、スパイモノのアクション映画という感じがあまりしなかったけど、こういうのもアリかな…いや、全くアリ!
良くも悪くも所々で「え、マジ⁈」って展開があり、ストーリーや各キャストの立ち位置を把握するのに少し手こずりましたが笑、飽きる事なく最後まで観れました。
クレイグ氏も表情やお腹に少し歳を感じ、またそのせいかカーアクションが今までより多い気もしたけど、これで最後というのは英断だと思いお疲れ様でした!と言いたいです。
それと印象深かったのはエンドロールですね。「ほぉ〜コレを待ってくるか」みたいな(本編途中でも布石となるBGMが流れてた)…職業柄なのか天命なのか、ジェームズボンドは愛する伴侶と…という人並みな幸せは叶わぬ想いである事をまざまざと思わせてくれました。
最後まで観てしまうと「次回はどうなるの?」という気持ちでいっぱいになりました。これも期待と不安の両方の意味で。
とりあえず今回の作品は長編ながらもしっかり最初から最後まで楽しめました。
あえて個人的な難点を言えば、敵役のフレディマーキュリーは的役としてどーなのかなぁ、て思いました。
素晴らしい作品でした。
不満に思う点が全く無かったわけではないのですが、それでも最高の出来だったと思います。
ネタバレせずに大画面で観た方がより楽しめると思いますので、ここではシリーズを通しての感想を少しだけ書かせて頂きますね。
当初は批判もかなりあったみたいですが、ダニエル・クレイグという素晴らしい役者さんのお蔭で、今までの007シリーズとはまた違った、肉体的にも精神的にも強靭でありながら、垣間見せる弱さや孤独感が漂う等身大としてのジェームズ・ボンド、その魅力と生き様がシリーズを通してとても丁寧に描かれていましたね。
だからこそ、これだけ多くの方に愛されたのではないかと思います。
ダニエル・クレイグさん、15年もの間、本当にお疲れ様でした。
多分、それは自分たちが想像する以上に過酷な日々だったのではないかと思います。
次はジェームズ・ボンドではなく、また違った役でのご活躍を期待しています。
さて、次にジェームズ・ボンドはいったいどうなるのでしょうね?
考え方が古いのかもしれませんが、個人的には自分の中でイメージとして出来上がっている事もあって、白人男性にジェームズ・ボンドを演じて欲しいですね。
誰が演じる事になるのか分かりませんが(個人的にはリチャード・マッデンさんなんか良さそうだと思っています)恰好良いジェームズ・ボンドを再びスクリーンで観たいです。
ここから少しネタバレでの感想を書いておきますね。
素晴らしい作品だと思うのですが、ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの最後の作品だと思うと、レミ・マレックさん演じるサイファは少しインパクトが弱かったような気がしますね。
あの能面の男だったら、もう少し大柄な方に演じて欲しかったかな。
レミ・マレックさん、巧い役者さんだと思いますし、決して悪かったわけでは無いのですが、人柄のせいか、威圧感と言うか人に与える恐怖感が少し足りないように思えました。
それは勿論キャラクターの造詣や今作だけ、しかも登場時間が限られていたせいも当然あると思いますが、カジノ・ロワイヤルのマッツ・ミケルセンさん何かと比べるとそればっかりではないですよね。
では、誰が良かったか訊かれたら、誰とも答えられないのですけどね。
キャスティングとしては、ボンドの後に007を襲名したラシャーナ・リンチさん演じるノーミ。
こちらも決して悪かったわけではないのですが、アナ・デ・アルマスさん演じるパロマに完全に喰われてましたよね。
容姿の問題ではなくキャラクターとして、やはりこちらも弱かったように思います。
もう一点。
あの終わり方はジェームズ・ボンドの一生を描き切ったものですし、ダニエル・クレイグさんが演じるジェームズ・ボンドらしく決して不死身でも超人でもない、あくまでも一人の人間としてのボンドに相応しい潔い終わり方だと思うのですが、それでもやっぱりジェームズ・ボンドには死んで欲しくなかったです。
あと、これだけの作品を作り上げてしまうと、次の作品のハードルが上がってしまうので、それも良し悪しかもしれないですね。
シリーズ全部をぶち壊した最悪の作品
「007」ってだだの数字じゃない。
この台詞にカチンと来ていたところに、今度はボンドの子供が登場して笑っちゃっていたら
最後にボンドが死んで、身内がウィスキーでお葬式!!
原作を全否定から始まって最後には勝手にシリーズを終わらせちゃった。
いくら映画開始からのプロデューサーの娘って言ったって、勝手にボンド殺して良いの?
差別発言はしたくないけど、女性にボンド映画を作るのは無理だと証明してしまった。
ダニエルクレイグも自分が007をフツーのアクション映画にしてしまった共犯者として名を残すことになろうとは。
ありがとうジェームズボンド
ついにダニエル・クレイグのOO7が完結!
シリアスな空気感もありつつ笑える場面もあり。途中飽きることなく最後まで観ることができた。とにかく役者さんがいい!クレイグはもちろんレアセドゥ、アナデアルマスが美しすぎる!そしてフレディを演じたラミマレック!ラミの何をしでかすか分からない空気感が最高だった。正直観る前に推していたアナデアルマスの登場シーンが少なかったのが残念!笑
007を終わらせてしまった007
メタ的、自己言及な作品で度肝を抜かせた「スカイフォール」!
これ以上何をやるんだ??という状況から大胆にもブロフェルドというコテコテの一番美味しい敵をシレッと復活させてしまった「スペクター」!
この二作は本当に大好きで今作への期待も特大に膨れ上がった状態で鑑賞、、
端的に、今作のテーマは“007を終わらせる007”なんだろう。
“子供を持つ”というぐうの音も出ないトドメを持ってきてしまった。参ったな、女遊び出来ないボンドとかもうボンドじゃないじゃん。
最後死んじゃう(死んだように見える)し。
家族を守るために戦うボンド、これは他のアクション映画の主人公がやればいいのでは。
過去のシリーズを改めて観たが、やはり007は毎回のお決まりの型とその変化を楽しむ映画なんだと思う。
今作を観るちょっと前に『私を愛したスパイ』を観て、「これだこれだ!」と1人で夜中に唸っていた。
そんなだから、ボンドに子供がいたり、家族のために戦ったり、最後死んだりするのが許せない。
サフィンみたいに私利私欲が見えない、何考えてるか分からない敵が出てきても違和感しかない。
伝統のエセジャポニズムは現在。
ダニエルクレイグになってからのヒューマンドラマ要素が受けたからだろうが、今回はやり過ぎだ。
(が、今時Sコネリー版みたいなコメディ展開をやってもウケないとは思うので踏襲するだけではダメなんだろうなぁ)
・中盤のCIA新人エージェントとのアクションシーンは最高だった。あの人めっちゃ可愛いな。
色々言ったが、きっと次回作では代替わりして新しいシリーズとして驚かせてくれるんだろう!
というわけで次回作も期待。
ジェームズ・ボンドの活躍を描く「007」シリーズ25作目。現役を退...
ジェームズ・ボンドの活躍を描く「007」シリーズ25作目。現役を退きジャマイカで穏やかな生活を送っていたボンドのもとに、,,,
さよなら、ブルーの瞳の007
ダニエル、クレイグがラストだという事でやっと鑑賞。
イタリア、マテーラは世界遺産とかで、007にピッタリ!(でもよく撮影許可が降りたものだ)
スクリーンで観てると、その場にいるような旅行気分♫
突然の別れを言い渡され列車越しに、マドレーヌがお腹に手を当てたので、もしや?と思ってたら、、、。
新たな007、ノミが、そのナンバーを返上すると言い出したタイミングは、ドンピシャリでした。彼女の瞳の黒目より、白い部分がなんとも迫力ありで惹きつけられる◎
大胆なセクシードレスで敵と戦うパロマは、あんなに過激に動いたら、オッ◯イがこぼれて出ちゃうっと、お母さん的にハラハラ。
サフイン、ラミーマレックの作務衣姿、なかなか似合ってました。もう少し出番が欲しい所。
Qの自宅も新鮮だったし、基地のデスクの引き出しには武器の他にティーセットの用意があり、さすがお茶タイムを大事にするイギリス。
ダニエルのボンド役もおしまいで寂しいけど、なんだか「ドラゴンタトゥーの女」を復讐したくなりました。
ダニエルはカッコいいにだけれど。
ダニエルの007最終作ということで、とても期待して見にいきました。映画自体は面白かったのですが、007が悪者をやっつけて、もう一回見に行こうと思う爽快感にあると思っています。今回はそれがないために、2回目を見たいという気持ちになりませんでした。ダニエルが最高のボンド像を作り上げただけに、少し残念でした。
ダニエルクレイグが素敵。
ダニエルクレイグになってからの007シリーズはずっと観ています。
やはりMがいなくなってからはお話がなんか、ちょっと…って感じでしたので。
ダニエルクレイグの最後の主演、張り切って観に行きました。
もうオープニングだけでもお釣りが来るなぁ。
これこそエンターテイメント!!
やはり007は劇場で観てこその価値がありますよね。
最後という事で、綺麗に終わった感はありますが。
最初から最後まで一貫して思ってたこと。
言います。
レアセドゥ、もう少し痩せてて欲しかった!!
前作での妖艶さがなくなっていたのがとても残念でした。
有終の美。
待ちに待った
007の新作です。
ようやく、このダニエルクレイグ版の007もクライマックスのフィナーレ。
ネタバレはしませんが
ホントにスタッフの皆さんの血と汗がヒシヒシと伝わってくる最高傑作であります。
果たして、これを越えるボンド俳優が現れるのでしょうか。
さて…
007といえば、1作で完結してるものですが…
今作は、カジノロワイヤルから続く連作です。
ホントにいろいろツッコミどころもありますが…
それ以上に作品のパワーが凄く高いので、是非ともどっぷり浸かって堪能してください。
そしてひとりの人間へ
なぜこんなにもスパイ映画でこころを動かされるのか
二度見ても陳腐な言葉でしか説明できないことを歯痒く思いつつ、言葉にするなら
ボンドの戦う姿が今までと違うからだと
ある瞬間から、表情がガラリと変わり
ジェームズ・ボンドというアイコンからひとりの人間になるさまが
心を打ちます
同時にマドレーヌの変容もあり
大切なものを見つけ築いていくってこういうことなんだと
人生の大事な部分を見せられた気持ちです
私はスパイ映画を見て何を言ってるんだ?
となりつつも
光に包まれたマドレーヌたちを見送る、ボンドの姿が頭から離れないのです
私にとっては、1番のジェームズ・ボンド
私が今まで観た007シリーズは、ダニエルクレイグが主演の作品のみです。
正直今作品のジェームズ・ボンドは、スマートさには欠けるけど、過去作の伏線を回収していました。私が心に残ったのは女性だからかもしれませんが、
「出会った女性は、みんな不幸になる。」といったような台詞が過去作であったのですが、マドレーヌは最後幸せに暮らしていましたし、また過去に愛した女性をずっと引きずっていたけど、最後にはしっかりマドレーヌを愛していたことなどが、ジェームズ・ボンドの人間味を感じることができ、最後に相応しいストーリーだったように思います。
これで最後かと思うと寂しいですが、自分の命を犠牲にして世界を救ってくれたダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドは、ずっと心に残り続けるし、新しいジェームズ・ボンドへの期待が向けられた素敵な映画に仕上がっていたように思います。
伝統のシリーズの新たな伝統を築いた完全決着編
『カジノ・ロワイヤル』で新装開店したダニエル・クレイグ版「ジェームズ・ボンド」シリーズの完結編。
ユニバーサルが初めて配給する本作。同社のトレードマーク映像の地球の円形が、007のトレードマーク映像の銃口に遷移するというオープニングが心憎い。
キャリー・ジョージ・フクナガ監督の作品は初観賞だが、前2作のサム・メンデス監督による映画美を凌ぐ、007の映画全25作を通して最も芸術性の高い作品ではないかと思う。
細菌研究施設に何者かが侵入する場面では、ビルのガラス壁の反射を利用したシンメトリーや、廊下やエレべーターホールのパースペクティブを用いた絶妙の構図。
ブルー基調の画面に赤や黄色の光が時おり強く映り込む美しい色使い。
孤島の敵基地では一転してモノトーンで寒々しさを強調したりもしている。
終盤のボンドが単身敵基地で戦うシークェンスで、階段での戦闘場面が秀逸だ。投げ込まれた手榴弾を拾って投げ返すと、今度は何個もの手榴弾が一斉に投げ込まれて来るユーモアの後、狭い階段を横や上から襲ってくる敵を迎撃しながら上っていくボンドを見せる長回し。階上から迫る敵を影だけで見せるところもスタイリッシュだ。
本作は前作『スペクター』から直結する続編だが、細菌兵器(ウィルステロ)となると思い出されるのは『女王陛下の007』だ。スペクターの幹部の娘とボンドが恋に落ちるところ、Mの指令に反して単独行動をとるところなど『スペクター』で既に『女王陛下…』を意識していたとも思える。
となると、『カジノ・ロワイヤル』からダニエル=ボンドが始まったことにも意味が見えてくる。
『カジノ…』は、ボンドが結婚した(しようとした)女の死という悲劇で物語が終わる点で『女王陛下…』と共通している。『カジノ…』の原作を尊重した映画化を実現したことで、今度は原作と大きくは乖離していない映画版『女王陛下…』を別バージョンに焼き直すことに挑戦したのだ。
ニール・パーヴィスとロバート・ウェイドを中心とした脚本家チームは、最初からこのシリーズが5部作と決まっていたワケではないのだから、回を重ねることでこれに辿り着いたのだと思うと感心する。
本作がダニエル=ボンドの最終作だと決まっていたから、青い目の少女マチルド(リサ=ドラ・ソネット)を登場させるという禁じ手を遂に投入した。
『慰めの報酬』でボンドに愛した女のことを引きずらせたがために、ボンドと彼が愛した女との関係を物語の横軸に織り込むことが宿命づけられた。そして、『カジノ…』でも『女王陛下…』でも愛した女の命を救えなかったボンドに、その存在を賭けて救うことを成し遂げさせる、究極の掟破りに帰着したのだ。
この結末を許した製作陣も天晴れだ。
007映画をスクラップ&ビルドする目的の一つにボンドの女性観があった。時に女性蔑視と揶揄されたボンドの行動については、ピアース・ブロスナンが時代錯誤にあえて徹する姿勢を見せて闘った。
対して、ダニエル=ボンドがフェミニストになったというワケでは決してない。女性を見ると下半身がうずき、むしろ初代ショーン・コネリーよりも女にドライだと思う。ただ、歴代どのボンドよりも惚れた女に卑屈なのがダニエル=ボンドだ。
タイトル明けのシークェンスで、敵の言葉に踊らされてマドレーヌ(レア・セドゥ)に疑いを持ったボンドが、集中砲火を浴びるアストンマーティンの車中で見せる冷徹な表情。
駅のホームでマドレーヌに別れを告げる場面でも、イジケて彼女の言い分など聴きもしない。
5年後にMI6に戻った時、未だにマドレーヌのことをひどい女だと言っていて、自分は女に傷つけられたと言わんばかりの卑屈さなのだ。
ブロフェルドを拘束している施設でマドレーヌと再会したボンドは、彼女の目線に萎縮したような情けなさを見せる。
そんなボンドも、結局彼女の家を訪ねると我慢しきれずラブシーンに至るのだから、やれやれだ。
マドレーヌがボンドの急接近に抗えなかったのは、彼を恨みつつも一途に想い続けていたからだろう。
さて、女性登場人物…
マドレーヌは前作から引き続きの登板だが、ボンドガールというよりヒロインというべき存在で、これは007シリーズでは革命的だ。
レア・セドゥを美人だとは思わない。だが、か弱そうでもないのに憂いがあって助けてやらねばと思わせる、その佇まいが魅力的だ。
ボンドに別れを告げられ一人で列車に乗せられた時、動き出した列車の中からホームのボンドの姿を追うレア・セドゥの切ない表情が胸に刺さる。(ボンドか捨てるなら俺が面倒みたいと心底思った)
キューバのCIA現地工作員パロマを演じたアナ・デ・アルマスは、本作最大の収穫だ。初めてのミッションに緊張と興奮を隠せない新人エージェントをキュートに演じている。
マドレーヌに悲愴感があるだけに、パロマが明るい面を引き受けていて、出番が短いのが残念だ。
とにかく、バーのカウンターでボンドを待っている登場シーンから目が奪われる。あのドレスが、ヤバイ!
ボンドの方はまんざらでもないのに、ラブシーンはない。パロマの側にボンドを男として見ている余裕がないのだ。
銃撃アクションに突入すると、ドレスの裾を翻して目覚ましい活躍を見せる。戦いの最中に酒で乾杯するシャレた演出が活きている。
「私はここまでよ」と別れ際もアッサリしていて、新しいタイプのボンドガールだ。
新007に就いたノーミ(ラシャーナ・リンチ)もボンドとのラブシーンがない。ボンドの方は、やはりヤル気満々だったのだが。
黒人女性のダブルオーという存在自体が意表を突いていて、ボンドと対等な戦闘能力を見せる。
キューバの戦いでは、ボンドがCIA側だったため相棒のポジションをパロマに譲った孤独な立ち位置で、『カリオストロの城』の峰不二子のようだった。
ボンドに対抗心を持ったコミカルな役回りでもある。
孤島の敵基地に侵入した時は、晴れてボンドの相棒となって頼りになる働きを見せる。ボンドを独り島に残しても、マドレーヌとマチルドを助け出す責任を負い、海岸の岩場でボンドの無事を願うマドレーヌの横にいて言葉は発しないが、ボンドの決死の覚悟を誰よりも理解する存在だった。
本作のヴィランは…
スペクターの首領ブロフェルド(クリストフ・ヴァルツ)は前作でボンドによって逮捕されている。
ボンドとマドレーヌのイタリアでのハネムーンのシークェンスで、獄中にいてもボンドを脅かす存在感を示し、キューバのシークェンスで更なる恐ろしさを発揮するのかと思いきや、ここでは本作のキーアイテムである細菌兵器を強調する当て馬にされてしまった。
ボンドの究極の敵はスペクターとブロフェルドであって欲しかったが…。
本作の真のヴィランはラミ・マレック演じるサフィンだが、これが単純な悪党ではない。
スペクターの犠牲者であることから、偏執的に世界転覆を目論むに至っている。
MR.ホワイトとその背後のスペクターを憎む点でサフィンとボンドは一致していて、マドレーヌの命を救った男という共通点がある。ボンドはマドレーヌを愛していて、サフィンは殺人鬼に親を殺された者同士の共感を抱いているという違いはあるが、ボンドとサフィンは合わせ鏡の関係と言えるのだ。
サフィンのマドレーヌへの共感が、マチルドへの接し方に表れているような気がした。
サフィンは決してマチルドを脅したりせず、優しく抱きかかえる。だが、哀しいかなマチルドはそれを受け入れないし、サフィンははその拒絶をも受け入れる。
ダニエル=ボンドシリーズ5作を総括すると、シリーズを重ねて過去作との因果を埋め込んでいく「マニア囲い込み」的な商売を007でやって欲しくはなかったのが正直なとことろ。
007映画は「一見様お断り」ではなく、1話完結であるべきだと思う。そこに、様式美を織り込んで他のポップコーンムービーと一線を画すことができるのが、伝統のシリーズの強みだったのだが…。
とは言え、伝統を無視しているわけではない。過去作へのリスペクトを示しつつ、新たな伝統へ昇華させたのだ。
製作側の果敢な挑戦には敬意を表するし、5本のシリーズとして完全決着させた作劇力にも敬服する。
007と言えるかどうかは、紛れもなく“今の”007なのだ。
さて、来年7代目ボンドのオーディションが行われるらしい。シリーズ60周年記念の年だが、新作の公開はない。
今後はボンド役の俳優ごとにリボーンとファイナルを繰り返すことになるのだろう。
時代が終わりました
他の方のレビューでは、ダニエル・クレイグありがとう(泣)の好意的な派と、期待はずれの辛口派に、わかれていましたので、正直なところ、あまり期待しないで見に行きました。
カジノロワイヤルを観た時、マッチョなボンドが新しい時代を切り開いてくれるのか、とワクワクしたのですが、スカイフォール、スペクターは、なんだかスカッとしなくて…。
007シリーズって、世界征服を目論む悪のアジトに、超人的な活躍で潜入し、一見オモチャのような秘密兵器を駆使し、絶体絶命の危機を乗り越えて、男のお楽しみも忘れず、ロンドンに帰ってからは紳士のフリをするエージェントの話しでしたよね。
長い間、何代かのボンドが、60年代を引きずるスパイ映画を、いつのまにか、ダニエル・クレイグが骨太な何かにしちゃったのかもしれません。でも、彼の最後のボンドは見たい、ボンドとしてのダニエル・クレイグを見納めておきたい、その一心で、2時間45分、観て参りました。
いや、ほんとは、それだけじゃないです。ラミ・マレックがとても好きです。悪役のラミも見たい。もっと出番多いかと思ってた。お面でなくて、演技が見たかった。
冒頭、車のシーンは、父と娘かと思わせるし、怒りっぽいし、人のこと信用しないし、走るの重たいし、やっぱり歳はとるよね、人間だものと、思ったけど、全体的には良かったです。ボンドとして、素敵、存在感たっぷりです。
最後に一言、007の副題は、『非情のライセンス』情事はあっても、それは愛とは違う、だってスパイだもの。
それが、007のスタンスだったはず。
でも、しっかりと、愛の人として、人生を全うしたダニエル・ボンドは、新しい時代のスパイだったんですね。ここを受け入れられるか、どうかで、評価分かれるのではないか、と思いました。
私は、観て良かったです。
かっこいい
スーツの人に銃、それにロケーションがとにかく絵になる。アクションがすごく良い。
ポスターの胸元開いてる女性が意外と早く出なくなるから驚いた。ジェームズボンドと常に行動するんじゃないのか!?
かなり長い時間なので腰にくる。
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