ハード・コアのレビュー・感想・評価
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山下監督の怪作。パンフレットの佐藤健のコメントが秀逸
ぶれない
これぞ山田孝之
ファンタジー
ハード・意味不明
原作は伝説的コミックらしいが、いつもながら未読どころか全く知らず。
好きな監督とキャストが気になって見てみたのだけれど、う~ん、これは何と言うか…。
最初は話がよく分からなかった。
不器用故に何をやっても上手くいかない右近は、身元不明の牛山と親しくなり、怪しい活動家の埋蔵金探しの仕事をしている。
ある日、廃工場でオンボロロボットを発見。
エリート会社員の右近の弟・左近によると、それは超高性能ロボットである事が判明し…!
ロ、ロボット…?
え、これ、SFなの…? コメディなの…?
シュールな作品である事は確かだけど…。
最初は全然ってくらい話が面白くなかったが、ロボットが登場してから、やっとちょっと面白くなってきた。
ポンコツ男たちとロボットのシュールでユル~い笑い。
ロボットに“ロボオ”と名付け、ロボットのコスプレをしているとして、夜の店に遊びに行ったり…って、オイオイ!
シリアスからコメディまで手腕を発揮する山下敦弘監督。本作はその両ジャンルがミックスしたような作風。
山田孝之の大真面目とおバカの絶妙な熱演。
荒川良々も愛すべきキャラ。
佐藤健はそれほど出演多くなかったが、それより驚きなのは、冒頭たったあれだけの出演の松たか子!
水沼役の康すおんが印象的。この人は同じ山下監督の『もらとりあむタマ子』でも好助演だった。
だけどやっぱり、ロボオのユニークさが突出している。
でも中盤から、良く言えば予想も付かない、悪く言えばまたまた訳の分からない話に。
ロボオの性能を使って埋蔵金を発見。
活動家が思わぬ事件を起こしたかと思えば、左近の身にも思わぬ事件が…(と、右近は思っている)
恩人の娘と関係持ったり、ヤバい事態に巻き込まれたり…。
「正しい事は正しい」で突き進むも、それが通らない不条理だらけのこの世の中。
そんな中で、疎外感や孤独や社会に馴染めない苦悩を抱える者たち。
「俺たちは仲間なんだ!」
ポンコツでダメダメであっても、ロボットであっても。
シュールなコメディと思って見たら、実はヘビーな内容で、強烈パンチの訴えや叫びは込められてはいるのだけれど…
面白味あったような、無かったような…。
何か凄い作品だったような、何を描きたかったのか…。
呆然必至のラストまで、結局やっぱり、よく分からなかった。
過去山田孝之作品で笑えた人向け
不器用なハードボイルド男・右近と身元不明男・牛山が一体のロボットと共に不思議な友情を築いて行くお話。
いやはや、また変わりもの作品を観てしまった。
あまり観たことない内容だと思う。極右だったり、埋蔵金掘りバイトだったり、超高性能ブリキロボだったり。
内容が意味不明で「だから?」とストーリーにツッコミを入れてしまう人もいるだろう。
しかし、個々俳優の魅力を活かしシュールで馬鹿馬鹿しく、楽しませようとする気持ちが作品からは伝わる。
主人公の山田孝之は、マジ顔で色々変な事をやらせれば今の所、彼の右に出る俳優はいないだろう。面白かった。
脇を固める荒川良々も一風変わった役ではあるが純粋無垢、彼らしい良い役を演じていた。
山田孝之の弟役の佐藤健も演技が上手い役者さんになったものだ。
水沼の娘さんにも笑わせて頂いた。
「あまり社会に関わらなくてもいい」と言わざる得ない終わり方。
観る人は誰もそんな終わり方望んでないと思うけどw。
この映画は家族や友人など大勢で観る映画では無い。
万人受けしません。
過去山田孝之作品で笑えた人向けです。
ホント変わった映画です。
大人に慣れないもがき様が息苦しい
優秀な兄弟を持ったが故の落ちこぼれ二人と量子コンピュータを搭載する割には廃工場に取り残された妙にレトロ感満載のロボットが主人公の奇妙な物語。社会への疎外感、性への衝動、好きなSF漫画や一攫千金夢物語を頭のミキサーにかけて作ってみたのだろう。意外なようでこれがよく合っている。ただ描くもの全てが朽ちていたり病んでいる必要性があるのだろうか、本編は完のあとに出てきた南国の島、理想を求めたゴーギャンに通じる序奏だったのだろうか、深いのか浅いのか・・。
ロボ雄!
腐っているのは世の中なのか、俺たちなのか!
おれは いったい なにをみたのか
実に昭和劇画的
原作未読だが、政治思想色あるちょっとヤバめな感じが設定かと思ったら、実にエログロナンセンス(しかも実に安っぽい)で程良い感じのくだらなさに、ちょっとハマった。
コミック的というより、昭和劇画的な映画だった。こういうのは、本当後から来るタイプの作品。
山田や佐藤という安定スター俳優を使い、多少汚れな演技もさせる事を含めこの映画のプラス魅力だが、ロボオの存在(そのマヌケなフォルム含め)がこの映画をぶっ飛びクレイジー作品にしてる。
細かい設定や説明力はこの映画には期待してはいけない。深く考えず、ただ身を任せて観るべし。
後半、怒涛の展開が待ってるかと思ったが残念ながらさほど起こらず、ラストで多少の哀愁が残る、まさに昭和劇画調な作品。
後半に一気に話が動く
久しぶりに優しくされたような感覚が
これは世間から見放されたアウトサイダーたちに送るファンタジー。しみじみと感動した。
兄の右近(山田孝之)は怪しい活動家に雇われビラ配りやら埋蔵金の発掘やらで日銭を稼ぐ。弟の左近(佐藤健)はエリート商社マンだが満たされてはいないようで、兄のことを否定しながらも何かというと顔を出し面倒を見る。深いところで繋がっているのだろう。
右近と行動を共にする牛山(荒川良々)は学生時代は進学校に通う優等生だったようだが、ドロップアウトして壊れてしまったようだ。右近にとっては唯一の仲間であり守るべき存在である。
そんな彼らの人生がロボットの発見により大きく動き始める。
映画の中で何とか生き長らえている私のようなダメ人間には優しい、優しすぎる作品。しかし世間からはみ出していない人たちの目にはどう映るのだろう?
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