女神の見えざる手

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劇場公開日:2017年10月20日

女神の見えざる手

解説・あらすじ

「恋におちたシェイクスピア」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」のジョン・マッデン監督が「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャスティンを主演に迎え、天才的な戦略を駆使して政治を影で動かすロビイストの知られざる実態に迫った社会派サスペンス。大手ロビー会社の花形ロビイストとして活躍してきたエリザベス・スローンは、銃の所持を支持する仕事を断り、銃規制派の小さな会社に移籍する。卓越したアイデアと大胆な決断力で難局を乗り越え、勝利を目前にした矢先、彼女の赤裸々なプライベートが露呈してしまう。さらに、予想外の事件によって事態はますます悪化していく。共演に「キングスマン」のマーク・ストロング、「インターステラー」のジョン・リスゴー。

2016年製作/132分/G/フランス・アメリカ合作
原題または英題:Miss Sloane
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2017年10月20日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第41回 日本アカデミー賞(2018年)

ノミネート

最優秀外国作品賞  

第74回 ゴールデングローブ賞(2017年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) ジェシカ・チャステイン
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映画評論

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(C)2016 EUROPACORP - FRANCE 2 CINEMA

映画レビュー

5.0 2つの問い

2017年10月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

素晴らしい脚本。ジョナサン・ペレラは独学で脚本を学び、これがデビュー作というから驚く。
政治の影の舞台で影響力を持つロビイストの実態も興味深いが、非常に深遠な2つの問いが主人公の行動を通じて観客に投げかけられる。

1つは、目的の正しさをいかに掴むか。主人公は銃規制反対派からの打診を断り、銃規制推進派の小さなロビー会社に合流する。キャリアを取るか、信念を取るか。主人公は自らの信念を取る。あるいはこの選択もキャリアアップのためかもしれない。しかし、彼女は銃が社会にとって害悪であると確信している。

2つめは、正しい目的のためなら何をしても許されるのかという問い。資金力のある大会社と政治家を相手にするため、主人公は非合法的な手段も、同僚を犠牲にすることも厭わない。やがて彼女自身に嫌疑が向くが、最後の逆転劇でも主人公は最後まで「らしい」やり方をつらぬく。しかし、最後の一手で彼女が犠牲にしたものは今までとは違う何かだった。
冒頭からラストまで目が離せない一級品の映画だ。

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杉本穂高

3.5 超キャリアウーマンからの頭脳戦

2025年11月9日
PCから投稿

銃規制についての話しと思わせて
ある人間の生き様を描いた作品。
主人公のやり手具合、手強さを楽しむことができる。
それぞれの戦略や作戦、陰謀を駆使。
信念とプライドに全身全霊を捧げ
後ろを振り返らずに前進あるのみ。
自分の身が灰になろうとも。
画面に映っているすべての人間を欺く。
どこまでが計画の内なのか。
話しの展開的にはありえない
ことの連続なんだけど、
それを上回る結末が待っている。
アメリカだからまいっかで納得。
ジェシカ・チャスティンの演技に圧倒されます。
こういう頭の切れる役が似合うね。

サイコパスの人の頭の中って
こんな感じなのかなと。
勝つためなら手段を選ばない代表作でしょう。

ロバートの暴露があったとしても
ジェーンを元の会社にスパイとして
残した時点で勝ち確定だったのが恐ろしい。

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to

4.5 アメリカでは微妙なテーマなのでしょうか?

2025年5月20日
PCから投稿

日本語タイトルは、考え抜かれたセンスのあるものだと思いました。

原題は『MISS SLOANE』何の変哲もない、彼女こそがヒーローだと言わんばかりの直球なタイトルでした。それだと見る気にもなれませんが、ロビイストという、特殊な職業を主人公に、その職業のあるべき姿、活動内容をタイトルに入れ込むという、基本的な構成にしてあり、がぜん興味をかき立てられました。

もう少し、そのことを考えてみます。『女神の━━』とあるから、彼女は絶対的に正義の人。直感でそう信じられるように名付けてあります。ところが、劇中、スローン女史は、必ずしも正義の人ではないのです。「勝つことがすべて」であり、究極の日和見主義者とも受け取れます。

何となく、銃規制法案を通す事は「いいこと」「目指すべき姿」のようにも思えますが、劇中、規制派にとってはその信念を打ち砕かれるような出来事が起きます。そのあたり、実に脚本がよく練り上げられています。

実際、映画の帰りに、「身を守るために武装する」ことと、「無辜の市民に危害を加える」事の違いについて考えさせられました。

しかし、この映画の本質はそんなことではないのです。
主人公、エリザベス・スローンという人物の生き方。ロビイストという職業の戦いを、テンポよく、歯切れのいいセリフの応酬で見せる、人間ドラマ。

見終わったあとで、どこまでが計算ずくで、どこからが偶然なのか、分からなくなるほど。「相手が切り札を出してきたのを見極めてから、最後のカードを切る」ジェシカ・チャスティンの決めセリフに象徴される、この逆転劇は、自分も相当のダメージを負いつつ、敵に致命傷を与える構成で、「もしかしたら、全部作戦なのか?」なんて深読みをしてしまいます。

単館系の映画館で、エンタメ作品のような派手な演出は元から期待してませんが、オープニングから専門用語の会話の応酬で、字幕を追っかけるのに忙しく、それを退屈だと感じる人にはおすすめできません。
しかし私にとってはど真ん中、大当たりの面白い映画でした。

ロビイストに、銃規制という、難しい問題を取り上げて、ここまで楽しめるドラマに仕上げた脚本のジョナサン・ペレラの腕前は大したものです。この映画が、アメリカでさほど評価されなかったのは、根強い憲法修正第2条の支持者の反発があったのでしょうか。ジェシカ・チャスティンは、とかく物議をかもす題材にあえて自分からぶつかっている印象を受けます。今後、彼女のキャリアをつぶしにかかる人も現れるのではと、心配になるほどです。しばらくは、彼女の関わる作品から目が離せませんね。

あらためて、日本語タイトルを考えた人と、日本語字幕担当の松浦美奈さんの堅実な仕事ぶりには敬服します。そして、発売されれば、DVDの英語字幕で、セリフの細部の言い回しや、下ネタまじりのスラングを堪能したいと思います。

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うそつきかもめ

2.0 この映画はフィクションである。 結末は『だと思った』

2024年9月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ