トゥモロー 僕たちの国が侵略されたら…

映画レビュー

4.0なぜ君たちなのかの問題

2020年7月11日
PCから投稿

パニック映画を見て、よく感じるのが、なぜ君たちの話なのか──というところである。宇宙人が攻めてくる。地震がおこる。津波がおこる。北朝鮮が攻めてくる。核戦争がおこる。隕石が落ちてくる。みんながゾンビになる。そのばあい、地球もしくは国ぜんたいの危機にもかかわらず、映画で描かれるのは、ほんの一家族であったりする。むろん、そうするしかないことは解る。ぜんたいを描いてもドラマにならないし、時間の制約もあり、群像劇にしたら、まとまるとは思えない。それでも、なんで君たちなのか──に多少なりと、釈明がほしい。

難しい命題だが、映らない人々の生活が見えないとき、ドラマが真実味を欠くことがある。かきわりのような世界観では、その一家族に、地球や国の代表を感じることができない──わけである。
このことは、導入の段階で、収束する。すぐに主役らのドラマに入って、なぜ君らなのかが、まったく説明されないばあいも多い。それで問題にならないときもある。そもそも、ドラマとは、誰かの話である。
物語の構成は一枚岩ではないゆえに、映画にギモンをぶつけていると、じょじょにそのギモンそのものが矛盾してくる──ことも知っている、つもりではある。

なぜ君らなのか──の問題をさらりと解決していて感心した映画だった。
若者たちはキャンプに出かけていて、巷のクーデターを回避し、かれらの闘争がはじまる。
たったそれだけのことなのに、かれらが代表であることを飲み込み、すんなりとドラマに入りこむことができた。他愛ないものである。

豪映画だがすごく巧い映画で、ローバジェットも感じず、ヒロインもはつらつとしていた。よくある設定なのに、とても面白かった記憶がある。underratedだと思う。

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津次郎