彼女がその名を知らない鳥たち

劇場公開日:

彼女がその名を知らない鳥たち

解説

沼田まほかるの人気ミステリー小説を蒼井優、阿部サダヲ主演、「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌監督で映画化。下品で貧相、金も地位もない15歳上の男・陣治と暮らす十和子は、8年前に別れた黒崎のことを忘れられずにいた。陣治に激しい嫌悪の念を抱きながらも、陣治の稼ぎのみで働きもせずに毎日を送っていた十和子は、黒崎に似た面影を持つ妻子ある水島と関係を持つ。ある日、十和子は家に訪ねてきた刑事から、黒崎が行方不明であることを告げられる。「十和子が幸せならそれでいい」と、日に何度も十和子に電話をかけ、さらには彼女を尾行するなど、異様なまでの執着を見せる陣治。黒崎の失踪に陣治が関係しているのではないかとの疑いを持った十和子は、その危険が水島にまでおよぶのではとないかと戦慄する。

2017年製作/123分/R15+/日本
配給:クロックワークス
劇場公開日:2017年10月28日

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(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

映画レビュー

4.5闇を抱えての愛

2024年9月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

友達から勧められて見た映画。
きちんとあらすじを話してくれるからこれは見ないとと思い。

愛という意味を教えられた。
自分が思ってた結末とは違う方向へと向かう愛。
結構、描写がリアルだなーとか、不倫はほんと誰も幸せにならないなーとか思ったけど、最後きっちり終わるところがすごい。

久しぶりに集中して見れた作品。

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あすまる

4.0あまりにも純粋でまっすぐな愛

2024年7月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

こんなに純粋な愛のかたちってあるんだな

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西田

新感覚の後味悪い系邦画

2024年5月18日
スマートフォンから投稿
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ゆう

4.5最後の大どんでん返し

2024年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

このタイトルの象徴が最後に飛び立つ鳥たちなのだろうか?
象徴であって意味はないのだろうか?
このタイトルに最大の疑問が残った。
彼女とは十和子。これは間違いないだろう。
鳥もまた象徴で、飛び立った3羽の鳥が無数の数になって行く。
ジンジが十和子に与えた数えきれない愛なのだろう。
「その名を知らない鳥たち」という言葉も象徴で、彼女が思い出せなくなった記憶であり、その中には飛び降りてしまったジンジがしてくれた数々の「こと」が鳥のように空に舞って消えたということなのかもしれない。
ジンジの考え方と行動はモテない男にはよくわかるかもしれない。
特に傷心した彼女をずっと見てきたような男にはわかるだろう。
その最上級に君臨するのがジンジという人物だ。
自分のすべてを一人の女性に捧げた男だ。
十和子の記憶に一瞬で蘇った二人の出会い。黒崎にDVを受けた直後の出会い。人を好きになるのに理由はないだろうが、ジンジにはモテない男が瞬間的に感じる美人(見るも無惨に怪我をした)に対する優越感のようなものは微塵も見られず、その証拠にジンジはあのように振舞うことができたと考える。
美人だが男に都合のいいように扱われる十和子。
「叔父と寝ろ」「それで僕が助かる」
大金持ちの叔父は姪のカヨ、つまり黒崎の妻とも関係しているのだろう。彼女の家の豪華さがそれを物語っている。
十和子が訪ねてくることをカヨは叔父に教えているほどだ。
ある日ジンジは十和子からの無言の電話に彼女の危機を感知し、そのすべてを受け止め、工作し、十和子が何も覚えてないことを神に感謝した。
「できるだけ長く彼女との時間が続きますように」
ジンジは彼女の消えた記憶と、もしかしたら思い出すことも視野に入れ、自分の人生を今の彼女と一緒に過ごすことだけに決めたのだろう。
種なしという設定は、選択肢がないことを意味するのだろう。
「お前を幸せにできるのはオレしかいない」 最後になってこの意味が分かる。
このころはまだモテる男とモテない男とか、都合のいい女と具合のいい女とか、そんな言葉があったような気がする。
記憶をなくした十和子は「素の自分」になる。その自分はジンジの容姿やしぐさが嫌いだ。そのフラストレーションが黒崎との思い出を甘くし、水島との関係を作り、消した記憶がよみがえるきっかけを作っていく。
ジンジはそれを必死になって止めようとする。
十和子は自分を傷つけるものが何かを理解している。実際にそれを行動にしたことは、体が覚えている。
ジンジには彼女のそうした変化がよくわかってしまう。彼女の変化に気づく。
「ねえジンジ、今日の晩御飯、一緒に食べない?」
この幸せに満ちた一言に、ジンジの心のセンサーが激しく反応した。だからこの日は会社へ行ったふりをして行かず、ずっと十和子を尾行した。
「今日がその日 彼女との最後の日」
黒崎の死体を埋めた日からずっと覚悟してきた時がついにやって来たのだ。
すべては大好きな十和子のため。
このモテない男「阿部サダヲ」の前には、竹野内豊も松坂桃李も遠く及ばない。
実に見事なプロットだった。
最後にジンジが彼女へ依頼した約束 「思い出したことを全部抱えて生きて、そして幸せになれ。生まれてくる子供は「オレ」だ」
個人的に、モテない男が言う最後のセリフには、「乗り越えるべき記憶の中に、一緒にいた人物がいればそれらが思い出され、乗り越えられない。だから俺も忘れてくれ」というニュアンスが含まれると思う。それは実際そうだったんだと妙に実感してしまった。
本人に仕掛ける大どんでん返しは難しいが、この作品はとてもよくできていてとても面白い作品だった。

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R41

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