メアリと魔女の花のレビュー・感想・評価
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勇気ある宣言作
内容はジブリの二次創作に近いほどのオマージュを感じさせる。
それだけに映画の面白さとしては保証されている。
特にジブリ初期作を伺わせる所が随所にあった。
これが出来るのは米林監督をおいて他にはいないだろう。
ナウシカやラピュタ、トトロに魔女宅、もののけ姫、ハウル、ポニョなどの様々な名作をこの世に生み出したジブリ。そして宮崎駿、高畑勲。
メアリーにはそれらを感じさせる作品であり、先人への感謝が溢れ、また、自身らこそ正当後継者である事の宣誓が感じられた。
これは先人が偉大すぎるだけに恐怖だろう。
同業から向けられる目。世間から向けられる目。そして先人から向けられる目。自嘲するおこがましさ。
わかり切った重圧を前にしてもなお真正面から愚直にジブリ風に作り上げたのは勇気ある事だろう。
作風を変え逃げたくなる所を良く押さえ込んだと思う。
ポノックの第一作はジブリに対するリスペクトに終止し、後継者である事への名乗り。これは素晴らしい宣戦布告だ。
そして、これこそが先人ジブリとの決別であると期待出来る。
頭が痛くなるほど退屈
157分もある大長編「セント・オブ・ウーマン」からのハシゴで鑑賞したが、本作は上映時間107分しかないはずなのに、一体どっちが長いんだろうかと考えてしまう程、上映時間が長く感じられた。あまりにも退屈過ぎて!
アニメ映画ならば序盤のワクワク感は絶対にあるはずなのに、本作にはそれが全くなくて早々に帰りたくなった。それでも魔法大学に入ってからは面白くなるかと思ったが、主人公の成長が描かれる訳でもなく(何の努力も代償も無しに魔法が与えられる話だから当たり前だが)平板な展開のまま終了。退屈に耐えるストレスで、見終わった時には頭が痛くなった。やはり我慢しないで途中退出するべきだったか。
絵は綺麗なだけで全く実在感が無く(ファンタジー世界だからこそ、その実在を観客に信じさせるだけの作り込みが必要なんだが!)感情移入できず退屈な時間を過ごさせる原因の一つとなった。
メッセージとしても、「電気も魔法の一種」→原発事故を思わせる爆発と溶解→「魔法なんて要らない!」という薄っぺらいもので、映画自体が電気の産物なのに電気を否定して何が言いたいのやら。原発事故の直後に作られた「魔法少女まどか☆マギカ」を100回見て反省しろと言いたい。
子供に見せる映画と考えても、嘘をついたことに対するペナルティが描かれる訳でもなく、教育的効果が全く期待できない。
良かったのは杉咲花ちゃんの声が可愛かったことくらいか。若手女優随一の演技派であるから安心して聞いていられたが、現実にはあり得ない動作の演技では棒読みっぽくなっており、そういう点では専業声優に及ばないかと思った。
観客を飽きさせないように徹底的に練り込まれた「君の名は。」や、ヒューマンドラマとして不世出の傑作だった「この世界の片隅に」を見た後の観客からの評価は厳しいものにならざるを得ないだろう。
期待を持って観たら負け
全体的に普通。
薄っぺらい、何を伝えたいか不明、絵に魅力がない
ジブリの切り貼り…
天空の城ラピュタと
千と千尋の神隠しと
魔女の宅急便と
ハウルの動く城と
猫の恩返しと
となりのトトロと
崖の上のポニョを
コラージュして新しい設定を載せた
優等生の夏休みの宿題みたいな作品だなぁと感じました。
我々はジブリ作品を見る時に
実は見たことのない新しいジブリを求めて、期待していて
それは質感だったりアニメーションだったりシナリオだったりするのだけれど
この映画にはその新しいものが何もなかった。
すごく目を凝らして見ていたけど、全てコラージュだった。
逆にそういうアンチテーゼなのだろうか。
シナリオはあと1年くらい深く考えて作ってもらえれば
ジブリ並の深さになったのかもしれないけど
声優の表現力じゃカバーできないキャラの薄さ
安直な色使い
新世代がこんなんじゃそりゃ駿監督も引退できませんわな。。
学ぶことは真似ることと言いますので
次回はぜひ真似から一歩でも進化した映画ができることを願います。
もし製作委員会の中に急かして締切を作って
お行儀よく作品をつくろうとした人がいたのなら、きっとその人が戦犯でしょうね。。
同人アニメ
シブリという魔法を失っても、ひとりじゃなかったんだ
スタジオジブリの制作部門解体後に創設された、スタジオポノックの長編第1作。「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」の米林宏昌監督らジブリ出身者が数多く集い、宣伝コピーも「魔女、ふたたび。」と堂々掲げています。
当然宮崎駿監督「魔女の宅急便」をはじめ、ジブリ作品と比較されるのはほとんど宿命。予告編が公開されるや「ジブリっぽさ」を揶揄やゆする声も見受けられますが、ジブリファンが米林監督に期待していることは、シブリの正統な継承であること。その期待に100%答えてくれて、劇中でも「魔女の宅急便」のような導入部と「天空の城ラピュタ」のような舞台。「千と千尋の神隠し」のカオナシ、「ラピュタ」のロボット兵など、随所にジブリとよく似たキャラや設定を散りばめて、ファンの期待に応えてくれていることが嬉しいです。
初号試写に先立ちもシブリで真っ先に行われた試写を見た高畑監督と鈴木プロデューサー(宮崎監督は試写を拒否)は、「ジブリの呪縛」から解けていて良かったと感想を述べたそうです。「ジブリの呪縛」とは、説教臭さだと鈴木プロデューサーは言います。そういえば、米林監督作品の好きなところ、宮崎監督が作品のなかで色濃く主張してきた、環境原理主義や自身の懐古趣味的な話がなくて、とってもピュアにファンタジーを語るところです。
特に小さなお子さんでも、すぐに主人公に共感できて夢中にさせる本作は、夏休みに家族で見に行く映画にぴったりの作品でしょう。
物語の主人公のメアリ(声・杉咲花)は、11歳のとっても元気な女の子。赤毛、青い瞳、そばかすが特徴。好奇心旺盛で天真爛漫だが、何をしても上手くいかず不満と不安を抱えている。田舎の赤い館村にある大叔母の屋敷で暮らすことになった彼女は、知り合いもなく、何だか空回りして身の置き所がなかったのでした。
そんなある日、黒猫に導かれるように入っていった森で、光を放つ青い花をみつけます。たまたま庭にあったほうきにその花の花粉がかかったとき、ほうきはメアリと黒猫を乗せてふわりと舞い上がり、メアリをどこかに連れて行こうするのでしした。
あとから分かったことは、森で見つけたこの花の名前は、7年に1度しか咲かない魔女の花「夜間飛行」というもので、普通の人間でも一夜限りで、魔法が使えるようになるのでした。
ほうきで雲海を突き抜けた先には、天空に浮かぶ魔法世界の最高学府「エンドア大学」がありました。奇妙な住人たちが織りなす、カラフルで奇想天外な情景は、米林監督ならではの世界です。
校長に新入生と間違われたメアリは、魔女の花の力で魔法世界の大学で有望な魔女ともてはやされるようになります。実は魔女の花はかつて魔法世界の大学で魔女に盗まれたものでした。
物語が大きく動くのは、メアリが魔法大学の校長(同・天海祐希)と魔法科学者(同・小日向文世)の野望に気づくことから。2人は魔女の花の強大な力を利用してかつて犯した過ちを繰り返そうとしていたのです。同時にメアリが、魔女の花を持っていたことも校長にばれてしまい、メアリはおびただしい魔法世界の住人の追っ手から逃げる、一大逃走劇となります。
メアリは魔女の国から逃れるため、呪文の神髄を手に入れてすべての魔法を終わらせようとしますが、その時メアリは魔法の力を失ってしまうのです。メアリが魔法ではなく己の力で立ち向かわねばならないと悟るところに勇気づけられました。
でもメアリは決してひとりではなかったのです。相棒のほうきや黒猫、それに村の少年ピーター(同・神木隆之介)をはじめとする村の人々、さらには最初に登場する魔女の花を盗んだ魔女との意外な繋がりが、魔法を失ったメアリを助けて、強力な魔力を有する校長の陰謀と対峙していくのでした。ストーリーには、科学で魔法をコントロールする驕りというテーマも。
この作品の魅力としては、校長たちが身を置く不思議な世界もいいけれど、それ以上に、メアリのひたむきな姿をいとおしく描くところが素敵です。
また生身で実感できるダイナミックな表現をブレーキをかけず思い切り貫くところもいいです。もっとほうきで空を飛ぶ場面に浮遊感を求める意見もありますが、演出過剰だと嘘くさくなる危険も。だからこそ、この作品は絵空事で終わらぬ実感覚があると思うのです。それは、現実世界の鏡ともなりえます。魔法に頼らずに前へ進もうとするメアリは、ジブリを離れて歩み出した米林監督にも重なります。前途したメアリ1人の力だけで戦うのではないというストーリーは、米林監督と西村プロデューサーのシブリからの独立の決意が込められていると思います。でも、二人のなかには、師である宮崎監督が培ってきたものがぎっしりと支え手になっていることはありません。ノボックというスタジオ名にはゼロからの出発という意味が込められているそうですが、独立後の3年間、宮崎監督がこだわっていたように手書きにこだわって、書きためた100万枚の原画を描ききった情熱には、きっと宮崎監督が精神的なバックボーンとなったいたことでしょう。決してメアリのようにシブリというアニメの魔法を失っても、ひとりではなかったのです。
さらに、躍動的なヒロイン、そしてメアリに寄り添う黒猫や動物たちの確かな存在感に、思わず共感してしまうことでしょう。ただ生真面目な米林演出は、安定感があるけれど、気の利いたユーモアやギャグを入れればもっと映画が弾んだことでしょう。また、両親不在の少女が成長していくという展開はジブリお得意のパターンですが、容姿に自信がなくて不器用なメアリに、もう少し葛藤と対峙していくところがあれば良かったです。
それにしても遠藤憲一はアフレコがヘタでしたね(^^ゞ
何を美しいと思うか。何を伝えていきたいか。米林監督の作り手の思い、そして宮崎監督への感謝の思いがあふれんばかり伝わってくる作品でした。新たな始まりの一本としてぜひ多くのファミリーに見て欲しいと願います。
この作品のためにSEKAI NO OWARIが書き下ろされた、主題曲「RAIN」も素敵です。
♫虹が架かる 空には 雨が降ってたんだ
虹は いずれ消えるけど 雨は
草木を育てていたんだ♫
次の雨の日のために、傘を探しに行こう!と前向きな気分になれますね(^^)
最高
ジブリの作品は
片手で数えられる位しか
観たことがない者です。
ジブリ大好きの連れと一緒に観てきました。
連れは、観たことがあるシーンを
寄せ集めたんだなーっと
言っていましたが、
なんせジブリにうとい私は
そこは分からず、
この作品だけの評価をします。
最初にあれ?何でいきなり
こうなったんだといった伏線が
複数出てきましたが、
最後に上手くまとめられてたと思います。
伏線って、個人的には割と重要で
忘れぼうけにされたままの
作品も多々あり、
どんなに良くても
あの意味はどうだったんだろう?
とモヤモヤした感情が残ります。
映像もとても綺麗で
あまりにも綺麗なので、
このシーンはイラスト?映像?
と間違えてしまうことも多々ありました。
私はこの作品大好きです。
うん、期待外れのジブリコピー作品
正直がっかりしました。何処かで見たシーンをソックリに作っているのオンパレード、正直よくこんなコピー作品を世にだしたと、あきれる、私が一番腹を立てたのはメアリー役のは杉吹が猫がカエルに変身したのを見て笑ったと、コメントしている、このシーンはカエルにされ助けを求め涙を浮かべて泣く雌猫、つまり悲しいシーンのはずが、笑える?やはり杉吹もただの嫌なガキ、の印象しかない、米林監督はやはり才能無い方です。
既視感…
色々と勿体無いと思った
初めに、私はこの作品の世界観がかなり気に入りました。
その上で気になるのはストーリーのざっくり感でしょうか。
正直作中で主人公はあんまり大したことはしてなくて、偶然手に入れた力で辿り着いた学校を見学をして、とばっちりで捕まった2~3度顔を合わせただけの知り合いを助けに行って、結果オーライで悪者の企みを潰して終わりという感じです。
色んなマジカル要素溢れる魔女の学校という舞台はサラっと紹介して終わりにするには勿体無いですね。
一晩だけ凄い魔法の力が使えるようになる魔女の花、まだ10回近くは使える状態でしたから2~3日魔女の学校に通ってマジカル学園生活のシーンを挟んでから悪者と敵対する流れでも良かったんじゃないでしょうか(ハリーポッターみたいな感じで)。
神木君演じる男主人公ももう少し掘り下げが欲しかったですね。
お互い好意は全く無い状態で、「自分のせいで捕まってしまったようなものなので助けないと申し訳ない」以上の助けに行く理由が主人公に無かったですから。
例えば、比較されることは避けられない「魔女の宅急便」では最初こそキキはトンボを煙たがっていましたが、彼の夢や人柄に触れて親密度が上がっていたからこそ、終盤でキキが危険を犯してまで助けに行くのに説得力とロマンスがありました。
本作の男主人公にも身体の弱い母の代わりに仕事をして、母に楽をさせてあげたいという男気溢れる面があるので、作中で彼の家庭をちょっとだけでも主人公と視聴者に見せて欲しかったです。
折角主人公が彼の家へお使いに行くイベントがあったのに途中で偶然会ってしまってそこで用事を済ませてしまったのは勿体なかったですね。あそこで彼の家を見てから猫探しに以降しても尺は十分確保出来たのではないかと。
とにかく、見終わってから思い返すと圧倒的にイベントが少ないのが勿体無いです。千と千尋、もののけ姫、トトロetc、人気の高いジブリ作品(勿論ジブリだけに限りませんが)なんかは上映時間に対して「本当にこれだけのイベントを消化したのか?」と疑いたくなる程色んな事が起きて、それが登場人物への感情移入やストーリーの掘り下げに繋がっていますが、本作の主なイベントは冒頭で書いた通りです。
それでも私がこの作品を長々と「ボクのかんがえたすとーりー」を書く程気に入ったのは世界観にとても魅力を感じたからです。
主人公メアリの愛くるしい仕草や言動への拘り、アナログ風の美麗な背景美術、美味しそうなご飯等にはジブリへの深いリスペクトが感じられ、視聴者を引き付けます。
神秘的で、緊張感のあるBGMは場を盛り上げてどんどん引き込む力があります(BGMマジすげえです)。
見終わったあとメアリという女の子がとても好きになっていて、だからこそもっと色々な事をさせてあげて欲しかった、もっと色んな事をしている彼女を見たかったと思うのかもしれません。
終わったあとの満足感と、もうちょっとこうだったらなぁという勿体無さ感。監督及びスタジオポノックの次回作にも期待してます。
時間が長く感じた
ネタバレあり。予想通り。借りぐらしを見た時に、消化不良になり以降、ジブリ系は映画館で見なくなりました。主題歌に興味があり、見る事にしました。同行者は冒頭付近からうつらうつらと寝てしまい、寝てしまう気持ちもわかるかな。借りぐらしからすると、言いたい事はなんとなくわかりましたが、あくまでもなんとなく。最後、魔法なんていらないという事を主人公が言います。魔法なんていらない、自分で強く生きていくんだという事がいいたかったのなら、最初に「魔法があれば、今の自分を簡単に変えれる」という具体的な言葉で表現があるストーリがあった方が、主人公が様々な事を経て成長してい事がみてとれたのかも。このシーンは余談だと思うけれど長い。なぜこの様に話が飛ぶのか説明のシーンがないなど、バランスが悪く、混乱というか、何が主軸なのという感じでした。映像では、この風景、表現の仕方等が既出の他映画と似ているなと思う部分も多々ありました。構成部分がどうしても、何かとダブってしまい、新鮮味がないというか。。。「今までとは違う映画になっている」と聞いた記憶があります。間違っていたら申し訳ありません。ただそこを期待し見にいきましたが、内容が薄いのは、相変わらずでした。映像も、ジブリの後継にしては、雑、特に食事部分が美味しそうには見えず、エンドロールの最後に、駿監督と二人の方のお名前に感謝と題しでていました。駿監督の解釈の仕方をお聞きしたくなりました。帰宅時、同行者が「面白くなかったが、ここは音響がとてもいい。しかも綺麗だった」と言い、同じと答え、映画の感想でなく映画館の感想になってしまいました。必要のない部分ではと思う所をカットし、伝えたい事をしっかりと表現をしていただければと思いました。初日でしたが、驚くくらい人数が少なく、予約段階から、嫌な予感はしていました。一消費者ですが、その一消費者すら、興行収入がマイナスにならなければいいけれどもと心配になりました。想像力のない一個人の感想で辛口で申し訳ありません。ご理解のほどお願いいたします。追記。やはり同じ事を思われている方が、おられますね。キャラも、このキャラはあのジブリ作品の〇〇と似ている、あの光景は、あのジブリ作品のあのあたりという具合です。シンプルで飽きさせない映画を作る事はとても大変な事だと思いますが、興行収入を目的としていないにしても、消費者を楽しませるアニメーション映画を作って頂きたいですね。
米林監督の英米文学ファンタジーアニメ作品
事前に公開前お勧めDVDや映画アプリのレビューを見て期待と不安を抱えて観覧。
始まりがいきなり戦闘シーン、この場面は後々に解るが重要な序章。
メアリの登場から、緩やかに進んで行く。あまり場面転換はなくメアリ中心。原作を知らないので脚色されているのか分からないが、割と一本調子な展開。
ただし物語は不思議な国のアリス並に進行して行く、次第に魔法使い?になるメアリ。
普通の赤髪の少女が、箒で空を飛ぶ仕組みが魔法でないのが面白い。
メアリを助けてくれる人や生物がいるのだが、意外なので観て驚いてほしい。
クライマックスは魔法使いでない普通の少女が解決に持って行くには無理がある。たった1つの方法で解決するが荒療治なのが少し不満。
エンディングは王道な流れ、ラピュタを思い出す。そういえばメアリ登場は魔女の宅急便のシーンにそっくり。
この手のレビューは既出作品の比較になりがちでアホ丸出しなんだが、メアリは宮崎駿や高畑勲作品と比べられる宿命なのは避けられない。だが考えてみれば事実上この先ジブリ作品が作られる可能性は極めて少ないのも明らか、米林監督の真価はこれからだ。
良くも悪しくもジブリ出身の監督アニメ作品で最高傑作の出来ではないが、及第点は間違いなく取れている。
ビックリするくらいつまらなかった。
なかなか面白い展開にならず序盤から不安だったが、そのまま終わってしまった。せっかくのアニメーションなのだから絵で説明(表現)して欲しかった。いらないセリフ回しが多い。劇番をあまり使わない分、余計にセリフや演技のぎこちなさが目立つ。また、ピーターの顔がデカくなったり小さくなったりしていて気持ち悪い。不思議な魔法にかかっているんでしょうか。
知らない世界に迷い込むという意味では「千と千尋の神隠し」があるが、あれは絵の力が圧倒的で「こんな世界はいやだ!早く帰りたい!」と本気で思わされたが、本作はなんだか知らないが簡単に帰れてしまったり、建物のデザインが奇抜なだけでめちゃくちゃダサくて絵に何も魅力を感じなかった。アニメーションにとってこれは致命的だと思う。
ただ、冒頭のシーンはよかった。ちゃんと絵で説明仕切っているシーンだったからだと思う。満島ひかりさんの声がよかった。
物語ラストの「魔法なんていらない!」というセリフがこの作品のテーマであり、人として誰か助けたいと思う気持ちが魔法をも超える。みたいなことを言わせたかったのだろう。(最後まで都合よく魔法を使って帰っているので中々ピンとこないのが残念だが。)
例の魔法の実験は原発事故のオマージュでもあり、イギリスの児童文学である原作と日本の現代的なテーマを織り交ぜた脚本には納得できる。
問題は演出である。
客を楽しませる気がないのか同じ場所を行ったり来たり、箒で飛ぶシーンも同じような背景ばかり(基本的に雲の上)で退屈だ。「魔女の宅急便」ではちゃんと様々な街を飛び美しい風景を見せて、時には街中を飛ぶなど”箒で飛ぶと街がこんな風に見えるのか!”とちゃんと観てる人を感動させるつくりになっている。最後の動物大行進の絵も盛り上がれない。もっと派手に壊せばいいのにさらっと通りすぎてしまった。本作は演出が本当に薄味で物足りない。
ジブリだったこうだったなぁ〜、宮崎駿だったらこんなセリフは言わせないなぁ〜、とどうしても比べられてしまうのはかわいそうだが、本作はジブリ作品の凄さを改めて知ることになってしまった。
美しい絵と音楽 大人が観ても楽しめる映画 キャラクターと声優もぴっ...
頑張ってる感が強すぎた
ラスト手前までは楽しめた。特に、伏線が回収されたところはすっきりしたし、動物たちが助けに来てくれたところはドキドキした。
だが、ところどころに見えるジブリ感が作品を純粋に楽しむのを邪魔した。ラピュタ、魔女の宅急便、ポニョ、ハウル、千と千尋の神隠しetc…。やっぱり、ジブリという作品に大きな影響を受けてしまっていて、それから脱却するために頑張っているのだろうなというのが感じとれてしまった。
それから多くの俳優陣がこの作品には出演している。中には本当にうまく演じられている方もいたが、やはり"俳優が演じているキャラクター"であり演じている側がそのキャラクターの個性を消してしまっている方もいたように思う。
何から何まで詰め込みすぎていて、設定が甘い。夜間飛行という花がもとでメアリは魔法が使えるようになるが、最初に使ったのは昼から夜の時間帯でありながら、物語の後半では一夜限りは魔法が使えると発言してる。
一番最初の場面からメアリがあの森へ行くまで、おそらく半世紀以上は経っていると思うが、どのくらいの時間が経っているのかがわかりづらかった。
そして矛盾だらけのラスト。
魔力を失ったはずなのに、ほうきに乗って帰る不思議。魔力がなくなったからラストでほうきに乗らずに動物に助けられて、一番おいしい全ての魔法を解除するところをピーターがやったんじゃないのか?魔力失ってるのになんで箒に乗れるの?ピーターの魔力使ってるならピーターが箒に触ってないのはおかしいだろう。
そして、ラストまで大切にとっておいた一粒の夜間飛行をラストで投げ捨てるという衝撃。それを使って帰るはずだろうに。それないと帰れなくなるって言われてなかったか。帰るのを諦めてまでピーターを助けようとしたのはわかる。だが、結局助ける時も使わず、帰るときにも使わないって。マジでどうやって飛んでるんだよ、お前ら。
その夜間飛行を投げ捨てた結果、また地上に夜間飛行が咲いたらどうするつもりだったのだろうか。破裂して消え去ったから良かったものの、別の魔女がその花を求め、同じことが繰り返されたかもしれないのに。
"全ての魔法が解除される"という魔法の対象は今までかけられていた魔法だけであって、その本人が持っている魔力までが失われるわけではないというのはメアリ本人が実証してしまっている。
どうせ映画にするのなら、そういう部分も含めてきっちりと作り込んでほしかった。途中まで期待が高かっただけに、ラストは残念で仕方ない。
細かな設定が気にならない方は、この映画は楽しめるだろう。
内容に全然深みがない。見る価値がない。
とにかく何の感情移入もできなかった。
内容は幼稚で偽善的で、色使いはただ優等生的な観客受けするもので、魔法大学のシーンでもあっと驚くアイデアも描かれていなかった。絵が綺麗なのはいいが、目新しさもない。
この映画を作った人は、古い人なのだろうか?
作者側の哲学も全く感じられなかった。薄い…とにかく内容が薄くて、途中退室したくても観客が多くて移動もできず、ただ終わりを待つしかなかった。
また、これは昔から感じていることだが、やはり声優を使ってほしかった。今回、私の好きな俳優が声を担当していたが、感情表現の幅が足りなかった。振り切れていない。これはジブリ系作品を見るたびに思うことだが。
千と千尋の神隠しは2度、映画館で見た私でしたが、あれから歳をとった自分の感じ方に変化があったからこの映画がつまらないのかと鑑賞中に自問自答した。しかし、どう考えても退屈な作品だったと思う。
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