エル ELLE

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劇場公開日:

エル ELLE

解説

「氷の微笑」のポール・バーホーベン監督が「ピアニスト」のイザベル・ユペールを主演に迎え、「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」の原作者フィリップ・ディジャンの小説「oh...」を実写映画化したエロティックサスペンス。ゲーム会社のCEOを務める女性ミシェルは、ある日突然、自宅に侵入してきた覆面男に襲われてしまう。何事もなかったかのように今まで通りの生活を送ろうとするミシェルだったが、襲われた時の記憶がフラッシュバックするようになっていく。犯人が身近にいることに気づいたミシェルはその正体を突き止めようとするが、自分自身に潜んでいた欲望や衝動に突き動かされて思わぬ行動に出る。第74回ゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞と最優秀外国語映画賞を受賞し、第89回アカデミー賞でもイザベル・ユペールが主演女優賞にノミネートされた。

2016年製作/131分/PG12/フランス
原題または英題:Elle
配給:ギャガ
劇場公開日:2017年8月25日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第74回 ゴールデングローブ賞(2017年)

受賞

最優秀主演女優賞(ドラマ) イザベル・ユペール
最優秀外国語映画賞  

第69回 カンヌ国際映画祭(2016年)

出品

コンペティション部門
出品作品 ポール・バーホーベン
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(C)2015 SBS PRODUCTIONS – SBS FILMS– TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION – FRANCE 2 CINEMA – ENTRE CHIEN ET LOUP

映画レビュー

4.0男なんて災厄したもたらさぬ動物。

2017年8月31日
PCから投稿

笑える

怖い

知的

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村山章

4.5バーホーベン大復活!

2017年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

興奮

世の中と同様、映画界も何かと表現の枠が狭まり、昔みたいに何でも描ける時代ではなくなってきた。特にバーホーベンのような才能は生きにくい時代なのだろうと・・・。ところがどうだ。この鬼才が今、重厚さとエキセントリックさの狭間を自在に行き来しながら、こんなにも奇妙でゾワゾワする一作を作り上げてしまうなんて。おそらく彼にとっても生涯最高の賞賛を獲得している本作は、自宅で暴漢に襲われ被害者となったヒロインの内面と記憶を掘り下げ、観客に思いがけない過去を突きつけてくる。このミステリアスな語り口が本当にクセになる。たまらない。何よりもイザベル・ユペールというミューズを獲得することで、このあまりに不可解な闇を持つキャラクターが見事に息づき、そこに仄かなコミカルさを付与するという離れ業が成立している。これは神の仕業が、それとも悪魔の戯れか。バーホーベンが産み落としたキャリア最高の怪作に心から拍手を送りたい。

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牛津厚信

4.5イザベル・ユペール、最高のキャスティング

2017年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

知的

彼女のファンなら、この映画は絶対に見逃せない。過激な描写も若干含まれるので苦手な人は仕方ないが、イザベル・ユペールの美しさ、強さ、知性が存分に発揮されている。 主人公がレイプされると聞き、ポール・バーホーベン監督の過去作「氷の微笑」や「ショーガール」を思い浮かべて、今回もエロティックなシーンがありそうと予想する男性観客には、「過剰な期待は禁物」と釘を刺しておきたい。もちろん、そういうシーンがまったくないわけではないが、男性向けのサービス映像?にはなっていない。あくまでも、社会通念に縛られないヒロインが自分の欲求や目的のために行動し、さまざまな“行為”を愉しむのだ。広義のフェミニズムと呼べるだろうが、従来のフェミニズムの型にもはまらないユニークさに唖然としたあと、喝采を送りたくなるはずだ。

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高森 郁哉

4.5見終わると自分が解放された気分になれるかも。

2017年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

レイプされたことを平気で友達とのディナーテーブルの上に上げ、レイプ犯に目星を付け、自らの方法で単独捜査を始めるばかりか、怪しい相手と恐怖を超えた遊戯を楽しむ女。彼女は全く被害者然としていない。なになに然としていないのは、妻の親友と不倫する夫や、やりたい放題の恋人に付き従うひ弱な息子や、夫の蛮行を相手のせいにする信仰深い妻も同様。みんな表向き与えられたポジジョンを放棄しているかのよう。あちこちで崩壊したモラルと、そもそも、モラルなんてあってないようなものだという監督、ヴァーホーヴェンの企みが、異常を異常と感じさせないユペールのフラットな演技によって具現化された映画の、なんと痛快なことか!?無理する必要などない。でも、見終わると自分が少しだけ解放された気分になれるかも知れないリアル・ファンタジー映画だ。

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清藤秀人