プラネタリウム

雰囲気が良い作品という評判と、ナタリー・ポートマン主演作品ということで鑑賞。
観始めてすぐにオープニング・クレジットのお洒落さで期待は一気に高まるのだが…結局それだけ!? その後もところどころできれいな映像が流れるものの…やはりそれだけ!?
雰囲気は評判通りとても良いのだが、ストーリーがわかりにくいというか、共感できる箇所がないというか、あまりにも突拍子がなさ過ぎるというか、とにかく本編始まって以降は結構退屈に感じてしまう。好みはかなり分かれるだろう。色々な意味で期待できるジャケット写真も明らかに肩透かし。
それにしてもリリー＝ローズ・デップちゃん、ママそっくり。バネッサ・パラディ主演のパトリス・ルコント監督作品を思い出し、ちょっとノスタルジックな気持ちに浸たれたのは少しだけプラスと言えるか。

　あれは高齢術のしすぎで毛が抜けていったのだろうか？霊感が強すぎるために剃ったのだろうか・・・などと思いつつも、お目当てはナタリー・ポートマン。普段は清楚で可愛いのですが、下品な笑い方が気になってしょうがない。この笑い声は地なのだろうか・・・気になることばかり。

　どことなく冒頭のシーン（ローラとエヴァ）からして、この二人の関係の行方がさっぱりわからない。そしてコルベンも。生粋のフランス人でないことはわかるが、ポーランド生まれのユダヤ人だったということで、彼の見る交霊や夢がそのまま無言の父親であるということが重要な意味を持っていたかのような。

　映画そのものもハリウッド的ではないし、全体的も淡々としている。フランス語を勉強して、女優業として歩みだすローラ。イギリスに憧れを抱いていたようだが、妹が白血病で亡くなってからはアメリカに帰りたかっただけなのか？悲しい出来事ではあったけど、コルベンとの関係も不明のまま。結局2人の女優を愛でる作品だったのか・・・

　オードリー・ヘップバーンにどことなく似ているナタリー・ポートマンと、ジョニー・デップに似ている娘のリリー=ローズ・デップが姉妹役で、戦前のフランスが舞台という興味深い設定。

　夜空に似ている装置プラネタリウム。タイトルの意味も鑑みて考察。

　騙すと言うと人聞きが悪いが、人をその氣にさせてコントロールするというシチュエーションがある。
　誰かが誰かをコントロールするから戦争というクレイジーなことも成り立つ。遠回しにメッセージが込められているのかもしれない。