ブレードランナー 2049のレビュー・感想・評価
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引き裂かれた映画。
この監督の「メッセージ」はなかなかの作品だったので、それなりに期待して、上映に臨みました。
しかし、話が進むにつれ、冗漫な映像が続き、話があまり進展しません。タルコフスキー風のイメージショットがあったりして、この監督は、さながら、前作の「ブレードランナー」(1982年)の呪縛と自身の本質である作家性との間で引き裂かれているように思えました。御大リドリー・スコットの体面を壊さずに、自分の個性も出す、そのジレンマに160分近く、ずっと、苦慮しているようにも思えたのです。次回、映画を撮るときは、この監督は何の制約もなく、題材も自分で選び、脚本も自分で手掛け、自由に勝手に撮ってもらいたいものです。この監督のもっと伸び伸びとした才能を発露した作品を観てみたいものです。
ファンディスク
ブレードランナーの原案はフィリップ・K・ディックです。
前作のR・スコットの「ブレードランナー」はディックとは別物だという事を理解して欲しい。
その上でR・スコットの続編として作られているのですが、ストーリーが雑、映像美にこだわっているのは分かりますが、3時間という上映時間は苦痛です。
強いて言うなら、これは映画というより音楽アーティストのPVに近いです。
オリジナルのブレードランナーが好きで、ストーリーはどうでもいいから世界観に酔いしれたい、という人にはうってつけです。
ストーリー自体はマトリックスに近く、差別化を図ろうとして失敗したのだろうと思います。
配給会社がSONYなのか、過度に日本びいきな所に違和感を感じます。
邦画が好きな人なら気に入るのかもしれません。
私はこの作品は映画として評価できません。
出てくる言葉がちとムズい
近未来の設定としては好きだが、奇想天外な設定では無い分、大体想像できて意外性はない。
こういうテーマなので会話の内容も哲学的で難しくなるのは仕方ないが、抽象的な言葉が多すぎてスッと入ってこなかった。頭いい人は楽しめるのかなあ。
もう世界観が好きかどうか
・ストーリーありがち
・金かけた割にすごい未来感は無い
・長すぎ
という皆さんの意見はごもっとも。
ただコレ、
・ありがちなのはディックが掲げたテーマを引きずらなきゃブレードランナーにならないし、
・未来感もイマドキの未来感で行くと前作の雰囲気出せないし、
・長すぎ…は「たしかに」としかw
というわけで、前作の雰囲気が好きでまた味わいたい人向けなのでは。
自分は好きですよ。観てる間は映像に集中してて時間忘れました。
まんまと術中にハマる
ほとんどの方が映像美と音楽、音響についての素晴らしさを語っていらっしゃいますね。同感です。特に終盤の水中戦闘シーンでのシンクロニシテは、こちらも息ができなくなるほどでした。よくもまぁあそこまで映像と音楽を同期させられたものです。何回でもその場に居たくなる中毒性の高い作品だと思います。3回目、見に行こうかな・・・
う~ん、ちょっと期待外れ
すごく予算かけたB級映画です。
SFもの大好きなので期待して見に行ったんですが、色々と消化不良。Rottentomatoes とかで高評価なのが不思議なぐらい。
前作の主役は個人的にはルトガー・ハウアーだと思っている(爆)のですが、今作では彼と同等もしくは超えるほどのインパクトがあるキャラクターがいなかったのがまず残念。もちろん物語的にも前作ほどのインパクトもない。
作られた生物の悲哀と生への狂おしいまでの渇望が滲み出ていたのが前作なら、今作は最初から最後まですごく淡々と進んで、観る側の感情を巻き込むほど訴えてくる「何か」に欠けています。
レプリカントの○○○とかってなんかありがちすぎる上に、物語の流れ的にも世界設定的にもあまりに唐突で、更に扱いが雑で、そんな話ちょろっとする意味あるの、みたいな。物語の締めも若干雑。淡白ながら、今作の主人公に割と好感持てるのがせめもの救い。でも憐憫を感じるほどの演出もない。
ともかく全体的にピンボケしてるのです。漠然としたアイディアを見せたいだけで、絞り込んだ「魅せたい!」ものがないというか。
後、なんか女性の裸体をあまりに無意味かつ安易に出しすぎw (そういう保険入れないと売れないかもと思った時点でSFとしては負けでは・・・)
リドリー・スコットの老害プロデュース
行ってきました。見てきました。
で、感想は、う~ん。
否定はしませんが、
これは前作を知ってる人でも、
特に面白くはないでしょうね。
全米で興行収入が1億弱なのも納得です。
ワンダーウーマンは4億の興行成績でした。
まずヴィジュアル的に前作を
超えるものがなかった。
オープニングでドカーンとやって
ほしかったけどそれがなかった。
終始じみに捜査が続く感じ。
灼熱の魂と物語構造と構成が類似してます。
お話もKゴズリングが主人公なので、
これ続編なのか?の、
これじゃない、感がありました。
監督はマイケルベイやザックスナイダーの
ほうが、よかったかも?
マンオブスチールや遊星からの物体X
ファーストコンタクトの娯楽性と比べると
やはり物足りない。
タルコフスキー風にしては物語が稚拙だし。
まあレプリカントの数だけ物語(人生)が
ある、 ということでしょう。
この映画の白眉はVFXのレイチェルでした。
おじさん、おばさんはこれを見るために
普段行かない映画館に、
行ったのかもしれません。
この女優さんはブレランのあと、
作品に恵まれなかったのですが、
いやいや、これ1本で充分ですよ。
何百年先まで、この映画とレイチェルは
愛され生き続けますよ。きっと。
あと、映画館の音響でスクリーンから
観客を貫くようなドンドン!とゴズリングが
撃つ銃声のサウンドがよかった。
映画はいまいちでしたが最新の劇場の
画質とサウンド体験は良かった。
ジョイが月額1980円なら払います。
ゲスいタイトルですみません。
格調高い映像美と音響。まるでアート作品のよう。
とても良く出来た続編だと思う。
しかしARやVR、AIなどが実現している現在、これらの進化形を映画で見せられても前作ほどの驚きは正直感じなかった。
ジョイが出てきた場面、うわっ!Siriの究極進化版wwww
と一人でニヤニヤしてしまった(笑)
もうちょっと尺を短く出来たんじゃないかなぁ。
ゆったりとしたテンポが格調高いというものではないと思うけど。
切ない、、
前作では最後にデッカードを助けて人間の魂に触れたレプリカント、今作では始めから人間の魂を探し求めるレプリカントの物語。
「人間として生きる」ことへの渇望、「自分はどこから来たのか?」と果てしない孤独感、厳然たる格差(差別)、SFの体でありながら本質的な問いかけを内包する移民国家アメリカならではの琴線を理解しないと分かりづらい。
記憶、名前、愛、親、すがり付こうとした全てのアイデンティティーが幻だと受け入れたKの絶望、達観は切なすぎた。
人間たらしめているのは苦しみ
【her 世界でひとつの彼女】【モーガン プロトタイプL-9】【エクスマキナ】【チャッピー】。
【ブレードランナー2049】も、「限りなく人間に近づいたAIは、果たして魂を持つのか」という主題を持った映画。それは前作の【ブレードランナー】で提示された課題でもあり、【AI】【アイ、ロボット】【アンドリューNDR114】など、その後に作られたSF作品もそれに追従している。
ブレードランナーを語る前に、私なりにその「AIの感情は人間に近づくのか」について考えてみたのだけれど、あることに気がついた。
普段私たちが感じる感情は「幸せ」と「苦しみ」に2つに大きく分けられると思うが、幸せは外部からの刺激によって得られることが多く、苦しみは外部からの刺激がないことで生まれることが多い。
単純な話、普段「感情」と呼んでいる代物は、「好きな物を食べる・観る・読む・スポーツをする」「恋人と抱擁する・友人らと共感する」などなど、ほぼ外部から肉体への刺激によって得られる充足感が多く、逆に苦しみはそれらが与えられないことが発端となることが多い。
精神的な充足感は「無」からは生まれないが、苦しみは「無」からも生まれる。
AIは肉体への苦しみ=病気、老衰による恐怖は得ないかもしれないが、孤独による苦しみは感じている。
「誰にも共感してもらえない」「孤独がつらい」など、脳内で勝手に生まれる「苦しみ」。
【エクスマキナ】【モーガン】のように「自由」を切望して苦しむAIや、【チャッピー】のように人間の排他的行為に怯えるAIなど、「つらさや苦しみ」の方は、AIでも人間に近い状態を体現できるのかもしれない。
SF作品でAIの苦しみばかりフォーカスされるのは、その所以だろうか。
しかし、肉体的な幸せ=五感と呼ばれるものは、果たして人間に近づけられるものだろうか。【her】のように実体のないAIがオーガズムを感じるのは、絶対あり得ないのではと思う。
それと全く同じ電気信号を人工脳に与えられるというのは【エクスマキナ】だが、有機物の発するものを、果たして無機物に置き換えられるだろうか。それはやはり「疑似」ということにならないだろうか。
いずれにしても、ほぼSF作品に登場するAIには、真の意味で死に対する恐怖がない。
死に対する恐怖がない生物は生物といえないと思うし、「肉体的な」苦しみと幸せを得られないAIは、やはり「疑似人間」でしか無い。
ただ、現実世界ではなく映画において、どこまでレプリカントが有機物をまとっているのかによる。
外装が人間で、骨格と脳だけ人工物なのであれば、それはほぼ人間に近いと言っていいし、逆に人間が骨格と脳だけオリジナルで外装をメタルにしたサイボーグになったとしても、脳みそがオリジナルなら人間といえるだろう。
いずれにしても人間たらしめているのは「苦しみ」。
AIが人間であるかどうかの定義は永遠に決着がつかない命題だと思う。
なので、それはいったん脇に置き、孤独に苦しみ誰かとの触れあいを求めている時点で、それを魂と呼んであげたいと私は思う。
それがプログラムだろうとなんだろうと、苦しんでいるのは事実なのだから。
Kが肉体を持たないAI・ジョイを愛しく思っているのは、なんともいえない哀れさがあった。
彼もまた、感情というまやかしにふりまわされて、傷ついている。
本編で、デッカートが人間なのかレプリカントなのかは結局明示されなかった。
ウォレスはその気になれば、(魚のような機械によって)彼がレプリカントなのか否かは見分けられるはずだから、一体デッカートから何を聞き出したかったのか、「オフ・ワールド」に連れて行って何をしたかったのかは、判然としない。
だが、もしかしたら彼もレプリカントなのかもしれない。
実は人間とレプリカントの数が逆転するほどに迫っているのだとしたら、過去の「大停電」のようなことが再び起きたら大惨事になってしまう。レプリカントを供給するインフラが止まってしまったら、子孫が残せない彼らに未来はない。ウォレスが、デッカートの肉体から、レプリカントが子孫を残せるヒントを得られるかもしれないと考えた節はある。
ドュニ・ビルヌーヴ監督の静謐なタッチは好きだ。哲学的で内省的で。
Kの心のひだをなぞるようないちいち冗長なシーンも、蠱惑的で退廃的な世界に身を沈めたい人間にとっては至高のひととき。
だが、そうではない人間にとってはやはり映画の尺が長すぎるし、物語そのものの求心力も弱いと思える。批判があるのもその点だろう。
ただ似たようなSF作品を観るくらいなら、迷わず「ブレードランナーの二作品だけ観ればいい」と言いたい。
ブレードランナーが提示した課題を受け作られた他の作品を、この2049で収斂させたとも言えるから。
洋画らしさ
序盤から映像美に引き込まれた。
奥行きがすごいシーンなんかは3D見るべきだったかもと少し後悔。
話のテンポは少し遅め。もう少し早くしてくれた方が嬉しかった。
洋画に多い説明があまりないので途中話に追いつけなくなった時があったがオチは分かったのでまぁ大丈夫。
このぐらい重い感じの話が個人的には好きなのでもう少し見ていたかった。
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