ブレードランナー 2049のレビュー・感想・評価
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Denis Villeneuve's Dream of Electric Sheep
The original's screenwriter Hampton Fancher helps the story plug into the first film without doing any damage to it as a standalone film, but 2049 sometimes is like a TV drama pulling stylistic cues from the first one--overly long and slow because the first one was long and slow, not so much because there is a story unfolding on the screen. Still, as a fan of the original, it is hard not to like.
人かモノかの問のその先へ
個人的に最も注目していた点は、前作の問題意識――レプリカントのような人工物は人間であるか――からどのようにさらなる問題意識を発展させているかだったのだが、その点は見事に期待に応えてくれた。
本作はレプリカントたちの物語である、前作の、レプリカントは人間であるか、そしてそれを愛せるかという問題意識は、すでに当然の理ともいえるような状況である。(それを快く思わない「人間」もいるのだが)
2017年現在、前作が提示した問題にすでに我々は現実に直面しつつあるなか、さらにその先の問題としてデジタルデータのプログラムにすぎないバーチャルアイドルへの愛があり、レプリカントへの差別がある。差別、ということはある意味で、この社会は彼らが人間かモノかの問いから、次のステップに進んだことを示唆してもいる。そして現にレプリカントぬきではあの社会はまわっていないようにも見える。
ボストン・ダイナミクスの作る2足歩行ロポットや4足歩行ロボットに生き物としての実感を感じ始めている我々現代人の考えなければいけないテーマがたくさん詰まった作品だ。
163分はあっと言う間の視覚体験!!
ソーラーパネルがガラスの海のように広がる2049年のメトロポリス、L.A.のビジュアルは、先人が視覚化した煙突から時折飛び出す炎が漆黒の闇を照らす画期的なイメージに匹敵するもの。もし、その前作を未見でも、人工知能を開発してしまった人類に与えられた限りある未来を、誰が、どう切り拓き、どう受け継ぐかという物語の経緯と、そして、涙なくしては見られない結論は、観る人全員を興奮させ、感動させるはず。35年の時を超えて再設定された映画は、だから決して世代を選ばない。ライアン・ゴズリングがここまで役にハマった例はそう多くないのでないだろうか?その透明な皮膚感といい、感情を封印した無表情といい。いずれにせよ、163分はあっと言う間に過ぎ去る視覚体験である。
大御所感が出てきたD・ヴィルヌーヴ監督の濃密な映像世界
「複製された男」そして「メッセージ」と、SF映画ファンの期待に応える快作を作ってきたドゥニ・ヴィルヌーヴ。監督作を重ねるごとにスケールを増してきた感のあるヴィルヌーヴが、満を持してSF映画の金字塔「ブレードランナー」の続編に挑んだ。前作でリドリー・スコットが創造した日本テイストあふれる近未来のLAなどさまざまな要素を引き継ぎつつ、P・K・ディックの原作小説の思索的・哲学的命題も新たな解釈で盛り込んだ(ディックの「模造記憶」の要素も意外な形で登場する)。そして何より、あらゆるショットがお金と手間暇をかけてじっくりと作り込んだと思える重厚で濃密な味わい。編集のテンポ感が少々ゆったりしすぎかなという気がするシークエンスもあるが、軽快なストーリー展開よりも作品としての重みと格調を優先したのだろう。BGMも重低音が圧巻なので、音響設備のよい映画館での観賞をおすすめしたい。
多様性?
ブレードランナー2049、トップガンマーベリックが最高に良かったという人に、「白い巨塔」を見たことあるかと聞いたら、「ある!あれもブレードランナー、トップガンの1作目みたいに暗かったから、アクションシーンを盛り込んだ続編に期待したいなぁ」
バーン:その後どうなったのさ?
ゴーディ:その後?その後なんてないさ。そこで終わり。
(スタンドバイミー)
絶望と少しの希望
埃っぽい一面灰色の廃墟。さびしく一本立っている木。土。人工的でスタイリッシュな空間。「ブレードランナー」と言えば、の降り続く雨の中の極彩色で混沌としたアジアの都会。大洪水を経て、静かな雪の世界が驚きと共に胸に迫った。
映像の美しさと迫力と荒涼感に圧倒された。悲しくさびしく絶望に押しつぶされそうになった。哲学は希望と力を与えてくれると信じたいので最後に小さくても希望を置いてくれたのだと思いたい。が、今の自分には辛い映画だった。
映像美と世界観を楽しむ映画
初めて今作を鑑賞したときは退屈なストーリーで、ただ映像美と世界観を楽しむだけの映画だと思っていた。しかし再鑑賞してみると、ストーリーに対する理解が深まったからか、それなりに面白いと評価が変わる。
レプリカントに子供がいるという衝撃。そして主人公Kの出生の謎が明らかにされていくと同時に、自分という存在について悩むストーリーは中々面白い。実体の無いKの彼女の葛藤も、ストーリーに深みをもたらしている。
初鑑賞したときと同様に思うのが、説明不足で分かりづらい部分が多い。ウォレス社に殺されかけたKの居場所を、レプリカント達による反体制派グループはなぜ探知できたのか。研究所の女が、Kの記憶が自分の移植された記憶であることを知るシーンは、解説を調べてやっと理解した。
アクションシーンは全体的に間延びしている印象。ここはもっと時間を短縮してメリハリをつけた方が良かった。
しかし今作最大の見どころは、なんといっても映像美と荒廃した近未来の世界観だ。雨が降りしきる夜の街。変な日本語の看板があり、歌舞伎町のようにネオンが輝く。放射能汚染で人が住まないエリアは全体がオレンジ色に染まり、謎の銅像が不思議な世界観を感じさせる。
リドリー・スコット監督による前作の方が評価が高めだが、個人的には今作の方が総合的に優れていると思う。
よく練られたストーリー
次々展開していくストーリーにいつの間にか引き込まれる
Kは自分こそが「うまれきたもの」なんだと気がついて嬉しかっただろう。でもそれは植え付けられた記憶だとわかってさぞがっかりしただろう。
それなのに命懸けで行方不明のブレードランナーを救い出した。
スッゲーいい奴だ
ラストもいい終わり方だった
ブレードランナーの世界
Amazonプライムで見ました 長い作品ですが区切りながらでもやはり最後までしっかり見ちゃいますよね 長いといってもラスト10分くらいはテロップが流れるので 実質2時間半くらいです まあ良いデキですね ドゥニヴィルヌーブの作品はプリズナーがすごい面白かったですし 最近見たデューン砂の惑星ですよね これがすごい良かった そしてこの2049ですけどデューンと同じというかSFですね 映像美も綺麗ですけどハンスジマーの音楽特に音響がすごいドゥーーーンーという感じできますね ブレードランナーの世界観が好きな人々にとっては面白い作品といえるかな このストーリーでポイントなのはレプリカントの存在ですね"人造人間"ということでただの人間より遥かに頑丈で強いんだけど死があります この点がなんか儚さみたいのを生み出しているのかなと 前作もそうでしたよね 主人公のジョーはどちらなのかわからなかったです
住みたくない世界
…近未来SF
アンドロイドの世界
人との温もりとかなく
冷えきった世界
荒れ果てた街
生きる望みも持てないの様な世界
何を伝えたいのか分からない
…記憶の中の木で作られた犬
足裏に番号が記されていた
追跡していくうちに自分は…
・・と思った。思い違いだった
記録の中の記憶だった
母親との接点を探していた
愛すること
誰にも愛されない気持ちが
…とても切なくなる
常に無機質な空間ばかりを目にして
木々の鮮やかな緑にホッとする
でもそれはバーチャルに
映し出された建物の中
植物さえも生きられない
人の感情を
もっても意味のないアンドロイド
どんな未来になるのだろう
明るい未来ではない
…行く先の未来は。
先の読めない
プロセスがおもしろい
この監督の独特な
音楽と映像。砂の惑星と同等のレベル
少し音楽が過剰すきる場面もあったかな
続編皆勤賞俳優と呼ぼう
ハリソン・フォードって自分の主演作の続編によく出てくるよねー、とふと思ってタイトル付けてみた。
SFカルト映画の金字塔、ブレードランナーの40年後の世界を描いた続編、だけどオリジナルを知らなくてもさほど取っ付きにくさは無いかも。
レプリカントのKD6-3.7は旧型レプリカントの掃討を行うプレードランナー。彼の管轄のロス郊外で一人の旧型レプリカントであるザッパーを解任、つまり抹殺したところで、ザッパーの家の庭に不自然に置かれた一輪の花を見つけ、その周囲を探索すると地中に箱が埋められているのを発見する。
その箱を回収し中身を確認すると、中には女性のものと思われる人骨が入っていた。
その人骨はレプリカントのものであることが特定されたが、骨の一部にレプリカントではまず起こり得ない傷が発見される。その傷の持つ意味とは。
いつも言うけど続編映画って難しいよねぇ。前作の世界観を維持しつつ新しい物語を作り出していかなきゃいけないし、前作で起こったことを無かったことにはできない。そういう意味で、うまく前作から30年後という設定を生かしたメインストーリーにしていると思う。
これ、例えば10年後とか、60年後だとあまりピンとこないし、何より実際に前作から35年後と近いところも意味が出てくる。ハリソン・フォードの老け方とかね。
ただ、ロスの街並みなんかは前作を強く意識しすぎているので、そんなに日本がアメリカ文化を席捲するようなことになってんのかなぁとかちょっと違和感も。ただ監督曰く前作の世界観を意識したって事なので、やっぱりこうなっちゃうよね。
俳優陣でいうともうアナ・デ・アルマス嬢の可憐さ、健気さがダントツ心に響く。でも、彼女メイドAIなのよね。なのでとっても献身的、いやそれ以上のものを感じさせてくれる。
レプリカントや人間なんかより、よっぽどエモーショナルなところが本末転倒なような、でもAIだと実際そうなっちゃうのかなぁ、もう沼にハマったら戻れなさそうだなぁとか。
あるシーンはAIを愛した人がぶつかる問題のある種の解決策…になるかな。
物語は…ちょっと長い。ダレる。淡々としているので寝そうになる。
一つ一つのイベントがちょっと冗長かなぁと感じた。もっとスピーディーにしたらもっと評価は上がりそうだし、小難しい話を端折ればできそうなんだけど。リドリー・スコット御大が絡むとどうにも講釈が長くなりがち。
あー、このサイバーパンクな世界観懐かしいわーと思えれば星四つかも、でも単品映画としては尺長すぎで-0.5。
35年経って作る続編の謎が未だに解けず
中学生の時に劇場で観て衝撃を受けた1982年公開の大傑作カルトSF映画「ブレードランナー」
その続編をなぜ35年も経った2017年にやるのか?という疑問を持って初公開を鑑賞したけど答えは全く得られず無駄に作ってしまった続編ものという感想
そしてドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作「デューン砂の惑星 part two」公開に向けて監督作の復習で2024年の今、2度めの鑑賞するも、やっぱりその理由は今だ全然わからず・・・
ダイナミックでスペクタクルな映像は素晴しいですが、広大な映像が多く風景画の様で動きをあまり感じないのと全体的に映像そのものが暗すぎる
そしてそれらセリフのない無言の映像のバックに終始流れる重低音の効いた不穏な音楽、と観ていて非常に疲れる作品です
という所で、抑揚を感じず冗長、一番気になる35年間というギャップを埋めるだけの必然的なストーリー展開も感じず、今回もまた全然ノレませんでした
本作の唯一の見どころはやはりジョイを演じるアナ・デ・アルマスさん
メチャクチャ可愛くて綺麗でスタイル抜群、特にチャイナドレスも似合って最高に魅力的、彼女を観るためだけに鑑賞する価値のある1本
何がイマイチなんだろうとずっと考えてましたが、たぶんストーリーなんだろうな、と思ってます
俺は本当に映画を見たのか?
同じ監督の「メッセージ」すごくよかった。
この映画も雰囲気が似ていて、効果音とも、音楽とも言えるような、電子的で、重荘な、圧倒的な重みのあるものが近くに「ある」ような錯覚におちいる音。
それと
静かに、フィックスした画面からゆっくりと動いていく画角に、とてつもない情報量のいろんなモノが混ざり合っている。
パパっとフラッシュしたかと思うと、誰かが銃で撃たれていたりする。すごく緻密な、計算されたアクションを綿密に準備して撮ったんだろうな。
あ、あと「記憶」がテーマになっているのも『メッセージ』と同じ。この監督、そういうお話が好きなんだね。きっと。
で、快適な眠りから目覚めてみると、映画がいつの間にか終わっているのも『メッセージ』と同じ。「はっ!寝てた」「あー、気分良かった」「なんか眠くなるんだよね」「退屈じゃないんだけど。むしろ、好きな部類の映画」
「いや、覚えてるぞ。あんな事。こんな事」詳しくは書けません。ネタバレなので。。。「果たして、俺はこの映画、見たと言えるのか」?
主人公のKは、自分の記憶が植え付けられたものなのか、本当に経験したものなのか、それが揺らぐことによって、大切な記憶が失われていく喪失感にさいなまれる。その恐怖感は、本当に共感できる。だって、今自分が感じている記憶の錯乱も、Kの焦りと同じものに違いないから。
『ブレードランナー』何回も見たはずなのに、実は一回もちゃんと見たことのない映画。今回はドゥニ・ヴィルヌーブという、映像職人によって見事に味付けされた彼の空間を体感できました。
包み込まれるような、映像体験に興味がある方はどうぞ。おすすめです。この映画に関しては、眠くなっても駄作じゃありませんので。
コンセプトを反映した意匠
何が凄いって意匠が凄い。
『メッセージ』に引き続きコンセプトからブレイクダウンされたディテールは、前作と地続きな事を示しつつ現代から見ても未来を感じさせてくれる。
画面の情報量が多いが、それを味わえる尺をたっぷりとってくれているので満足度高い。
ウォレス社のインテリアからゴズリン自宅のキッチンまで構成もディテールも腑に落ちる。
要所でシンメトリーと重低音を多用してベタに重厚感を出してて好きです。
実写で現実に虚構がオーバーレイする表現は物哀しい味わい含めて現時点でこれ以上の物はないと思えるくらい。
ゴズリンの顔面力も良過ぎ。
単品の作品として円環構造を持ちつつ前作の解釈にも影響するような要素を入れてるのも好き。
詳細を書くとネタバレになるけど、虚構の意義・ワンノブゼムと自覚した上での実存・第三世界からの搾取など現代的なテーマを物語上の必然として描いていてストーリーテリングもクレバー。
史上最高の続編の一本‼️
まさかあのSF映画の金字塔「ブレードランナー」の続編が35年ぶりに製作されるなんて‼️しかもこんな名作になるなんて‼️ 2049年のロサンジェルスの街並みやゴーストタウンと化したラスベガスを描く美術、スピナーやブラスターをはじめとするガジェットの数々、前作の酸性雨から雪が降るロサンゼルスという差別化された世界観‼️出演者ではK役ライアン・ゴズリング、デッカード役ハリソン・フォードはもちろん、Kに献身的な愛を捧げるホログラムの恋人ジョイ役アナ・デ・アルマス、圧倒的な強さを見せるエリートレプリカント・ラブ役シルヴィア・フークスの女優二人が特に素晴らしいですね‼️CG技術で登場するショーン・ヤングのレイチェルも感慨深い‼️前作では記憶と過去、そして寿命がテーマだったと思いますが、今作ではKとジョイを通して人とは何か、レプリカントとは何か、実態と模造の違いを問いかける前作以上に奥深い物語になっていると思います‼️それだけにKとジョイの情交するシーンの切なさは特筆モノです‼️Kの安否は分かりませんが、デッカードと娘にはどんな物語が待っているのでしょう❓2049年まであと約四半世紀です‼️
やはり難解だがそこが本シリーズの良いところ
予想通り、やはりわかりにくい。前作もリドリー・スコット監督に魅せられた鑑賞したものの「これってどうなの…」が正直な感想だったが、今回も同様。前回の難解さは若さゆえの歳のせいだけではなかったのね…。でもこれで良いと思う。放映時間が長い割には何だかんだ最後まで飽きずに観られるし、ビジュアルも見逃せない。ハリソン・フォードの老年とは思えぬ頑張りも、当然見逃してはいけないでしょ。
何度も観ると本作をもっと楽しめるのだろうが、様々な観点から今回もこの1回にのみにしておこう。
素晴らしい世界観
ストーリーは、儚い近未来の世界を描いた平均的なものであるが、トーンをおさえた映像表現による世界観をつくりだす街や人工物の造形が素晴らしい。それを楽しむだけでも観る価値があると思う。
少しだけ気になったのは・・・ハリソン・フォードの大ファンであるけれど、登場する必要は無かったかも。ここは新しいブレードランナーとして、過去の偉業に頼る必要はないと感じた。
サイバーパンク斯くあるべし
近未来的だけど退廃感も漂う街並み、巨大企業の陰謀、救われない登場人物等サイバーパンクのお手本のような作品でした。サイバーパンクな世界設定を元にそれを楽しめるように作られたストーリーといった感じで感動したりや考えさせられるような事はないですが、この雰囲気はハマる人にはとことんハマると思います。
映像に関していえば、退廃的な雰囲気は伝わって来つつも悪天候や夜の場面が多く街の全貌がいまいち掴めなくて(意図的にそうしたのだと思いますが)どこか窮屈な感じがしました。
音楽について、街中で流れるBGMが最高でした。あまり詳しくないのですがPCゲームの「サイバーパンク2077」でも似たようなBGMがあったので、もしかしたらサイバーパンク作品のお作法的なものなのかもしれません。何はともあれ最高です。
サイバーパンク好きにはもちろんのこと、SFやアクション好きな方にもおススメな映画です。
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