ブレードランナー 2049のレビュー・感想・評価
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なんだこれ
映画歴30年くらいになるが、ここまで酷い映画は初めて。
映画の後半で、ウォレス社がデッカードに、デッカードとレイチェルが恋に落ちるように入念に仕組んだ作戦だった、と説明するシーンがある。
恋に落ちた二人にまんまと逃げられ、その後20年以上も探し出せないなんて、説明するだけ自分達の能無しさをアピールするようなもんでしょうに。
「恋愛感情を持ち合わせていないレイチェルと、人間のデッカードが恋に落ちたら、生殖能力のないレイチェルでも子供ができる」って事がなんで分かるのよ。
奇跡なんでしょ!?なんで奇跡が起きる事が事前に分かるんの?作戦なわけないでしょ。
それに、逃げられたまま探し出せてないのに、子供(ハーフ)が存在してる事はなぜか分かっているウォレス社。
ブラックアウトで情報は削除されたにも関わらず、ハーフが存在している事には確信を持っているけど、ハーフどころか父親の居場所すら見つけ出せてないって。いやー、無理あるね。
動物園のパンダのように、強引にでも恋愛させて繁殖を試みるという作戦を取るなら、数撃ちゃ当たる戦法しかないでしょ。
例えば風俗店を経営し、風俗嬢は全てレプリカントで構成し、毎日人間の男性と性行為させて奇跡を期待するとか。実際、初代ブレードランナーでは、女レプリカントが夜のお店で働いてたのだから不自然ではない。もう少し納得感の持てるストーリーは考えられないものか。一蓮托生は最もない「作戦」だわ。
しかも自分たちでは探し出せないからという事で、ブレードランナー頼みという他力本願ぶり。そんなものを作戦とは言わんよ。
そんな頼りにされてる主人公だが、デッカードの居場所を探るべく、元同僚に話を聞くなどするが手がかりゼロ。が、停職処分となってる最中に理由もなくいきなりデッカードの居場所を見つけ出す。なんだあの砂漠の中をスキャンしてたらいきなり生体反応があるって言って現地に行ってみたらハリソン・フォードとご対面っていう意味不明な展開は。
一方で、主人公の上官がウォレス社からの刺客にあっさりと殺される。上官のオフィスで。例えるなら、警察庁長官が警察庁の中で、警備をすり抜けたト○タ社の刺客にナイフ1本で殺されるという感じ。
なぜ警察とト○タが殺し合いを?と思うかもしれないが、そもそも旧型レプリカントの回収って、要は粗悪な製品のリコールでしょうよ。製造メーカーが自主回収するべきもの。回収に危険が伴うなら警察組織との連携も考えられるが、両者が殺し合いをする必要がどこに?なのである。
厳密には旧型の回収ではなく、ハーフに対する考え方や利害の対立から殺し合いになっているのだが、それにしたってである。基本は協調体制を取るべき立場の両者のはずだが、その雰囲気は全くない。
初代ブレードランナーでは、タイレル社は自主的に回収はせず警察任せだったが、ブレードランナーに協調的ではあった。
なぜ敵対するのかが全く理解できない。仮にウォレス社が生殖能力のあるレプリカントを開発し販売したとしたら、いずれ公になる事であり、警察の「今は隠匿したい」という考えは分かるが、殺し合いするか、そんな事で?
上官が殺された理由は主人公の居場所を言わなかったから。殺された後で上官のPCから居場所はバレてしまうが。
いやその前に、主人公が幼い頃の思い出を頼りに廃棄工場みたいなところに行った時は、人工衛星のようなところから居場所を把握してたでしょ?空からミサイル打ってホームレスっぽい人たち殺しまくるって事までやっておいて、今さら場所が分からないから国家側の人間殺すって。。(罪もないホームレスをなぜあれだけ大量に殺害したのかも意味不明)
更に、苦労して居場所を割り出したら、たまたま本来の目的だったデッカード様も一緒にいましたというお土産つき。
それまでも主人公は、仕事そっちのけで自分の過去探しばっかりやってて上官から停職くらったってのに、停職した途端にマジメに活動し始め(厳密には停職中なので越権行為でしょうが)、何の苦労もなくデッカード様を見つけてしまう。
どこまで都合よく話が転がっていくんだ。
初代ブレードランナーではブレードランナーは人間という設定だったが、今回のブレードランナーはレプリカント。ゾンビを狩るのはゾンビという設定。
一見、合理的なように見えるが、ゾンビ取りがゾンビにならないような仕組みが築けていて初めて成立する話。
初代ブレードランナーでは、レプリカントは痛みも温度も感じていなかった。ところが2049年の世界では、痛みや恋愛感情を持っているレプリカントもいる(主人公だけ?)との設定。
それはそれでリアリティあるが、そんなタイプのレプリカントをブレードランナーに選んじゃダメでしょ。任務の途中でレプリカント側に寝返る可能性があるんだから。
恐らく、主人公自身がハーフであるって事を観客にも信じさせる為に、敢えて人間っぽい行動を取らせていたんだろうと推測するが、後半にネタバレしてからは、「だからブレードランナーの人選間違えてるだろ」となってしまう。もう少しストーリー練ろうとは思わなかったのか。
登場人物を整理すると、
ウォレス社:事業拡大の為にレプリカントに生殖機能を施したい。その為にハーフを手に入れたい。
レプリカント軍(解放軍?): デッカードの依頼でハーフを保護。一度も奪われていない。解放運動の為にハーフを利用したい。
警察組織:レプリカントに生殖機能がある事が世間に漏れないように、ハーフを含めて情報を全て隠滅したい。
となっている(私の理解では)。
なぜレプリカント軍が主人公にデッカードの暗殺を依頼するのか?
ハーフの存在が漏れる可能性を少しでも減らす為とか言ってたが、だったら最初から殺しとけよ。20年以上経って言われても、「なんで今さら」となる。
最終目的は解放運動のはずでしょ。そのキーパーソンというかプロパガンダ的な存在はずっと手の内にある。十分な軍事力も備えている。あとは行動を起こすだけなのでは?万が一、デッカードがウォレス社の手に渡っても、デッカードはハーフの居場所を知らないのだ。ハーフの居場所は漏れないのだから、とっとと解放運動すればいい。
もっと言うと、ハーフをどんなに祭り上げたところで、通常のレプリカントには実際に人間と交わって子供を産む能力はない訳で、ハーフの存在がたった一度の奇跡なのだとしたら、またウォレス社としても技術的に生殖能力を開発できないのだとしたら、ハーフの存在って希望でもなんでもないのでは?ハーフ作りのレシピでもあれば話は別だが。
もっともっと言うと、レプリカント軍とウォレス社の両者はハーフを是としてる立場だ。ウォレス社はその貴重なレシピを作ってくれようとしてるのだ。レプリカント軍からすれば、まさに希望の光ではないのか。
加えて言うなら、奴隷として扱ってるのはあくまでレプリカント購入者のはずだ。車でいうなら、購入した車を営業車に使おうがレジャーに使おうが、それは購入者次第である。メーカーは関係ない(奴隷を奨励するような宣伝をしてない限り。仮にそうであるなら、奴隷として扱いにくくなるハーフを量産するはずがない)。
奴隷としての立場が不満であるからといって、ハーフを量産してくれようとしている製造メーカーと敵対してどうするの?
あと、肝心要のレイチェルは死んでしまってるのだ。仮にハーフを探し出せたとして、ハーフを解剖なりする事で、生殖能力を持ったレプリカントを開発できるという前提で話が進んでいるが、その前に奇跡が起きると確証してたのだから、レイチェルとデッカードの体を徹底解剖すれば良かったのにとも思う。
またウォレス社はデッカードを20年前後探し求めてるが、デッカードがハーフの居場所を知ってる確証がどこにあるのか?(実際知らなかったし)。
そんな事より、目の前にいる主人公は純粋なレプリカントでありながら恋愛感情を持ってるのだ。生殖能力もないのに、恋愛感情あるってすごい技術力でしょ。普通は生殖能力が先だろうから。
あのレイチェルですら恋愛感情はなく、デッカードが必死に教えていったのに、主人公は既に持ってる。20年探し出せなかったデッカード、生きてる保証もないデッカードに固執するより、主人公にいろんな女性を交わらせる方が確度が高いのでは?
とか色々な事を考えてると、「漏れなく全員がズレた行動してるよな」、「というか脚本どこまでいい加減なんだよ」の感情ばかりで全く感情移入できなかった。
ラスボスかと思われたウォレス社のウォレスは、最後は全く登場せずに終了。
というより展開としては、デッカードが娘に会った以外、何も進展はない。
レプリカント軍はハーフを保護したまま。ウォレス社はデッカードを確保したが、最後に(かなり無理のある展開のさせ方で)逃げられてしまったので振り出しにもどっただけ。
3時間近く使って、誰のなんの問題も解決せずに終了。
いやー、ここまで納得できない事だらけの映画は初です。
今は人工知能、AIなどが日常のニュースになっている時代。技術的特異点とかのキーワードも普通に目にし、人間の職が奪われるのはいつか、AIとの戦争もありえるのか、などが話題になってる現代において、あれほど高い能力を持ち、恋愛感情すら自力で持つほどに進化したレプリカントが、ハーフという偶像にしがみ付かなければ奴隷からの解放も目指せないとは、なんてリアリティのない未来だろう。
奴隷でいる事に苦痛を感じるほどに人間に近い感情を持ち合わせているレプリカント。性奴隷や労働奴隷、惑星探索などに従事させられてるっぽいが、あれほど本物の人間と酷似していたら、若い人たちを中心に、人間・レプリカントの区別なく、人を奴隷扱いする思想が蔓延する社会になっているだろう。だから平気で警察組織とも殺し合うのか?けど、そんな未来何のリアリティもないわ。
少なくともそんな未来を描きたいなら、別の映画でやってほしかった。初代ブレードランナーは、純粋に「もっと生きたい」と思っているレプリカント達、敵ではあったが最後にはレプリカント達に一定の理解を示したり、女性レプリカントと恋に落ちて複雑な感情を抱くデッカード、最後のレプリカントが死んでいく時に、死ぬのは無念だが儚さゆえの命の素晴らしさを理解したかのような表情を浮かべる様など、感動に満ちた思慮深いストーリーが売りの映画だった(私にとっては。SFの技術力ももう一つの魅力だが)。
2049は、あまりにもSFの技術に重きを置きすぎて、ストーリーはデタラメでは言葉が足りないくらい酷いもの。
とにかく全員が意味不明な行動を取り、無駄に命を奪った挙句に(次のシリーズに繋げたいのか知らないが)何の進展もなく生煮えで終わる。
まあ100%次作は観ないが、よくも大金掛けてこんな映画作れたな。
ブレードランナーのブランドを傷つけた罪は大きい。
映像が凄い!
未来を見ているような
面白かった!
実存的不安に駆られて苦悩する男の話
レプリカント云々じゃなくて、誰かに
愛されたい、好かれたい、必要とされたい
って渇望して苦悩する ヒトの話だった
そのために、最初は、ヴァーチャルカノジョのジョイちゃんに心身を委ねて、
次に自分のルーツを求めて、
最後には 誰かの役に立ちたいという帰結へ
この結び方には納得できた!
けれども、もうちょっと、Kの苦悩を生々しく描写してほしかった、自宅にいてもクールすぎた気がする
屈折した悲哀や苦悩、恨みとかをもっと赤裸々に深く、
中上健次の「十九歳の地図」くらいに剥き出しにするともっと共感できたかもしれない
前作のプリスやロイ・バッティにはそれがあって デッカード以上に彼らに共感できたし
どうでもいいことかもしれないけど、
Kが操る警察車両がプジョー製だったり、
ジュークボックスがsony製だったのが 目をひかれた
やっぱりプロダクトプレイスメントはやっぱり効くのね
面白い!
良かったです!
自分はブレードランナーを公開当時に観て、かなり傾倒した過去があります。
気がつけば、嗜好の何パーセントかは、ブレードランナー、原作者のディック作品、それに影響された様々なカルチャーに毒されています。
ですが…このところ、SFエンタメ系のリブートものや、続編で失敗続きだったので、期待せずに劇場へ向かいました。
されにです、監督があの「メッセージ」。「複製された男」と同じとなれば、“絶対に寝る”そして見終わって一人で愚痴る覚悟でした。
もう、絶対、だるくって、適当な謎を残して「この余韻はどや!」的な、監督の思考の押しつけるような映画だと…
しかし違った!
監督、脚本ともに、当時のカルチャーに毒された人間へ、新しい解析の楽しみを投げかけるような、作品でした。
内容については賛否あると思いますし、自分もすべてが良かったというわけではありません。
でも良くこのレベルの続編を作ったなぁ、と感心しています。
まず本編を観る前に、公式の前日譚が公開されているので、それを観てから、劇場に行くことをオススメします。
というか、観ないとわからない部分が多いのでマストだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=MKFREpMeao0
https://www.youtube.com/watch?v=R2tfByG88HQ
https://www.youtube.com/watch?v=ELH4Zkvt9-U
レプリカントの死様
スコット監督に撮って欲しかった続編は、ヴィルヌーヴ監督で果たして満足できるのかという不安は、鑑賞後に一掃された。個人的に、続編映画の最高傑作!
続編は、「ブレードランナー」ほど排他的な映像ではなかったものの、神秘的な映像美は非常に感動的だった。
ロイの死とKの死は、切なく哀愁漂うラストを迎えたが、そこには温かさがあり、人間よりも人間的だったように思う。
これでまた、私の最高のお気に入り監督が一人増えた。映画が好きで良かったと、改めて実感した作品。
映像は大好き
前作のような印象的な音楽は無かった。
ありきたりな重低音音楽が単調でいささか・・
レプリカントの身ごもる設定や記憶操作などはジャパンアニメが90年代からバンバンやっているので既視感があり、そこにストーリーの要があったので新鮮味がなくて残念だった。
人間がほとんど出てこなくほぼレプリカントのみが出る進め方は話を複雑にしなくて大変良かったと思う。
ただ、恋愛や家族愛に関しては感情移入がしづらかった。
映像に関しては過去の作品をなぞっているものの新鮮な美しさがあって大変良かった。
演技に関しては全てキャストがストーリーに乗せて的確に変化するなど安定感と存在感があって大変よかった。
まあハリソンフォードが動けるうちに撮れてよかったねって感じ。
総合的に名作とは呼び難い。
今世紀初めての大作映画
芸術性も物語性も併せ持つ!
悪くは無いが
映像や雰囲気、上映中飽きさせる事なく進む話など監督の手腕はとても良いと思う。
が、最終的にテーマになってる核心の部分は、そんなに衝撃的では無く、何となく幕を閉じてしまった感が…。
レプリカントがバーチャルな彼女に恋をしてたり、レプリカントと人間のハイブリッドが居たり、そもそも生命と言うか、生ってなんなの?みたいな所が曖昧になって来てる感はある。
ナチュラルボーンが絶対って価値観や前提が、当たり前では無いという所。
AIが飛躍的に進化している今の、その先の未来だって分かったものじゃ無いな、など考えさせられる所はあった。
表向きはポリスものSFですが、実は奥深~いテーマが
前作に興味があるなら確実に面白い
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