マグニフィセント・セブンのレビュー・感想・評価
全273件中、121~140件目を表示
ウエスタンとしてのバランスが…
勧善懲悪な正統派なウエスタンよりも、私利私欲が渦巻く人間臭いマカロニ・ウエスタンの方が私は好きだ。では正統派ウエスタンの名作として名高い「荒野の七人」を「マグニフィセント・セブン」はどのように料理したか?
結果は「荒野の七人」にマカロニ・ウエスタンのスパイスをふりかけたといったところ。何て魅力的な設定!と思ってしまいそうだが、これが意外と馴染まない。もちろん、CGに頼らない生身のアクションに血沸き、肉踊るが、7人の主要キャラクターに人間臭さが感じられないのだ。
いや、人間臭さはあるものの7人バランスがイマイチと言うのが正しいだろう。全員が正義感を持って弱き村人を守るのであれば、正統派チームプレー物として楽しめたはずだ。全員が腹黒さを持って用心棒を引き受けるのなら、誰が生き残るのかというマカロニ風のサスペンスに拍車がかかったはずだ。しかし、チームプレー物のようにやっておきながら、ラストにある人物がチラっと腹黒さを見せても、どうも盛り上がらないのだ。
この腹黒さがドス黒いのなら、まだマカロニ風で良いのだが、どちらかと言えば、大義名分があり、わざわざ仲間に隠しておく必要もないレベルのもの。むしろ、その事実が中盤に語られれば、チームの結束が強まるトピックに使えたと思えるが故に、仕上がりが悔やまれる。せめてイーサン・ホークが演じたグッドナイトにもっと腹黒さがあれば、もう少しマカロニ風な雰囲気が生まれたのになぁ…。
大好き
久しぶりの西部劇はええなーw
まっとうすぎるほどの西部劇
今の時代に西部劇・・・ということでCGやワイヤーアクション満載のなんちゃって西部劇かと思っていたら、良い意味で予想を裏切られました。「荒野の七人」をトレースするというより、西部劇の王道をトレースする正当な映画でした。デンゼル・ワシントンがゲーリー・クーパーに見えました。
黒澤へのリスペクトとしては、「七人の侍」もそうですが「用心棒」や「椿三十郎」へのオマージュも垣間見えました。「またカメラアングルが低めからの仰角が多かったのも、あるいは同じ日本の巨匠の小津映画へのオマージュかもしれません。これはうがちすぎか?
七人のキャラクターもしっかり立てられていました。ケビン・ベーコンはおいしいところ持ってくなあ、いつも。
しいて不満を上げるなら(まあ評論家が突っ込むでしょうが)、インディアンへの視点、世界の警察と称して他国の非戦闘員を大量殺戮するアメリカという国家システムへの視点が欠如していることかな。盛り込もうと思えば盛り込めたんですけどね。
いずれにしろ7人のうち生き残ったメンツを見ると、現代のアメリカの状況が垣間見えますね。
そういったへ理屈はおいといて十分楽しめる映画です。今も西部劇という市場が生きていたなら中ヒットくらいはした映画でしょうね。
アクション西部劇
七人の侍は元祖だから超えられない魅力があるから比べ物にならない。
この作品は荒野の七人のオマージュ沢山なアクション西部劇って感じ。
ガン・アクション好きにはたまらない映画だと思う。
ガンマンの死に様も面白い。
カッコよく死ぬ男の美学っていうものは時代劇や西部劇でしか表現できないなってくらい爽やかでスカッとする。
近年、こういう映画が少なくなって現代人にストレスを与えてるとすら思う。
この映画のガンマン達は超人的なスーパーマンと違い、撃たれたら痛いし確実に死ぬんだよな。
自己犠牲の精神ってやつ。
無駄なドラマなんて無用。
水戸黄門と同じ感覚で見るけど、それをより暴力的でより人のために命を張れるかカッコ良く死ねるかの違いだけだと思う。
人間ドラマとして見る映画じゃない。
マイノリティ頑張れ映画!
黒澤明の1954年に公開した時代劇「七人の侍」を、
1960年に西部劇としてリメイクした「荒野の七人」を、
2016年にまたまたリメイクした、最近のハリウッドでは珍しい本格西部劇。
西部劇の名作をリメイクするということで、デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンと、キャストも豪華!
個人的には「七人の侍」は学生時代から何回か観ていましたが、「荒野の七人」は恥ずかしながらいままで観たことがなく、本作が公開するってことで慌ててレンタルして観た次第。
それくらい西部劇には疎い自分がハマれるか不安ではありました。
しかも、肝心な七人が、黒人に白人にメキシカンに韓国人にインディアンなどなど…「こんな七人で、はたして成立するのか?!」と不安でしたが…ノープロブレム!!
それぞれのキャラの立ちっぶりにワクワクが止まらず、マイノリティの彼らが奮闘する姿にワクワクがさらにヒートアップして、
三幕目はアドレナリンマックス!
何度も心の中で「WOW!」の連続で、
血液が沸騰状態のままエンドロールで「あの曲」が流れた時には、「カッコ良すぎだろ!!」と地団駄踏むほどでした。
本作は、メインプロットこそ「荒野の七人」を下敷きにしていますが、新作と言っていいほどの脚色されていて、
「荒野の七人」を観た際に感じた不満部分が解消されていたのも良かったです!
個人的には「七人の侍」のリメイクって言えるくらい、元ネタ寄りだったと思います。
「荒野の七人」よりも、それぞれのキャラは丁寧に描かれていますし、三幕目の戦闘もちゃんとロジックがしっかりとした作りになっています。
とくに秀逸だったのは、先述した「七人のマイノリティたちが悪を成敗する」という脚色部分。
不安要素どころか、移民を排除しようといている今のアメリカの情勢へのアンチテーゼとも取れて、非常に今っぽい作りになっていました。
タイトルの「マグニフィセント」とは、「格調高い」とか「素晴らしい」とか「見事な」とか、そういった意味があるそう。
そんな「マグニフィセント」な人々を排除しようとする動きを止めるために、いまこそアメリカ国民は彼らのように立ち上がる必要があるのではないでしょうか。
立つんだ、村人!
スター性ではオリジナルに及ばないが、かなり忠実にリメイクしたなぁ
と冒頭で思った。時代の流れで今回は復讐がメイン、懇願するのも女性、
ただ村人のため参戦する過去作と比べると、そうはいくかい!といった
現代的なアプローチで畳みかけてくる。七人の侍も荒野の七人も大好き
な自分には今作も悪くはないが、この話ってそもそもメインとなるのは
村人たちであって、彼ら賞金稼ぎのガンマンなどはその助太刀役である。
そう考えると今回は村人との交流や子供とのドラマがバッサリ抜かれた。
本来は弱い立場の者たちが一丸となって立ち上がり闘うことそのものに
(立つんだ、ジョー!みたいな)英雄魂を感じ揺さぶられるのにと思った。
個々のキャラも悪くはないが、そういった同一感というか、多種多様な
存在感はあれど、一人一人を語るだけのドラマがない。唯一C・プラット
の見せ場が多く活躍もあって楽しめたが、あのラストだし…残念な気も。
とはいえ、強烈な撃ち合い・殺し合いに関してはさすがのA・フークワ節
が炸裂して物凄い。ガトリング銃なんてまぁしつこいこと!大量殺人を
食い止めるには知恵が必要なのもよく分かったし、見せ場はかなりある。
(エンドでバーンスタイン再び。J・ホーナーの遺作を聴いてやっと満足)
楽しめるし、感動も出来る作品
ほぼヒーローもの。
全273件中、121~140件目を表示












