劇場公開日 2017年1月27日

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マグニフィセント・セブン : 映画評論・批評

2017年1月24日更新

2017年1月27日より丸の内ピカデリーほかにてロードショー

「七人の侍」「荒野の七人」そして「宇宙の7人」の衣鉢をも継ぐデンゼル無双ウエスタン!

昨年10月、黒澤明監督の「七人の侍」(54)が4K画質でデジタル修復され、「午前十時の映画祭」枠で上映された。そんな絶好のタイミングで「マグニフィセント・セブン」の公開である。そう、本作は「七人の侍」を西部劇に翻案した米映画「荒野の七人」(60)のリメイクだ。村を無法者に狙われた村民たちが、7人の腕の立つガンマンを雇い、連中との戦いへと突入していく。

ただ今回の「マグニフィセント・セブン」は、7人のメンバーが多様な人種で構成され、そして依頼主は女性という、時代の変化に従った異同が見られる。無法者が村を襲うのにも今日的な動機が与えられ、ガンファイトもド派手な現代アクションの流儀に沿ったものだ。ただ派手になったぶん、7人のキャラや個性も強度を高め「こいつら全員、誰も死なないのでは?」と不安がよぎる。が、そこはキチンと「荒野の七人」が有する殉死の美学へと、収まるところに収まっていくので安心を(何の安心だか)。

しかし本作「荒野の七人」をベースにしているものの、遡って「七人の侍」の良点をも取り込んでおり、宣伝に偽りなしだ。特にデンゼル・ワシントン扮するリーダー、サムのモミアゲとヒゲは、無毛なユル・ブリンナーではなく、志村喬に容姿を似せているのが明白だろう(デンゼルは黒澤映画好きを公言している)。

ただ「七人の侍」にも「荒野の七人」にもない要素を、今回デンゼルは秘めている。志村演じる勘兵衛もブリンナーが演じるクリスも、村民たちからの懇願を受けて村を守る。しかしデンゼルの場合、そこには自分なりの思惑があって戦いに加担するのだ。

その思惑が明らかになるところから、本作は「七人」モノの外殻を蹴破り、デンゼルが何者かのために復讐の鬼となる「マイ・ボディガード」(04)や「イコライザー」(14)属性を放ち始める。そう「マグニフィセント・セブン」は「七人の侍」「荒野の七人」そして「デンゼル無双映画」という、三つの伝統すべてを備えたフル充填バージョンなのだ。

ここまで細かく配慮した作品だけに、もしやB級映画の帝王ロジャー・コーマンが製作した「宇宙の7人」(80・「七人の侍」のSF翻案)のエッセンスも含まれているのでは? と思ったら、音楽が故ジェームズ・ホーナーではないか(氏は「宇宙の7人」の音楽を担当)。エルマー・バーンスタインによる有名なメインテーマを荒々しく編曲したそれは、デビュー時の才気煥発たるホーナーを強く感じさせるものがある。「~侍」「荒野~」どころか「宇宙の7人」の衣鉢をも継ぐデンゼル無双として、フークワ監督は自身初の西部劇を抜かりなくモノしたと断言できるのだ。

尾崎一男

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