母の残像
劇場公開日:2016年11月26日
解説
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ニンフォマニアック」などを手がけたデンマークの鬼才ラース・フォン・トリアー監督を叔父に持つ、ノルウェーの新鋭ヨアキム・トリアー監督の長編第3作。戦争写真家の母イザベルが謎の死を遂げてから3年。母の回顧展の準備のため、長男のジョナが父と弟が暮らす実家に戻ってくる。事故か、自殺か、不可解な部分が多いイザベルの死。久しぶりに顔を合わせた父と息子たちが妻への、そして母へのそれぞれの思いを語り、イザベルの知られざる一面を戸惑いながらも共有していく。3人はそうすることでイザベルの死を受け入れ、家族としての絆を取り戻していくかに見えたが……。第68回カンヌ映画祭でコンペティション部門に出品され、ノルウェーのアカデミー賞と呼ばれるアマンダ賞では監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞を受賞。ジェシー・アイゼンバーグ、ガブリエル・バーン、イザベル・ユペール、デビッド・ストラザーンと、国を越えたキャストが顔を揃えた。
2015年製作/109分/ノルウェー・フランス・デンマーク・アメリカ合作
原題:Louder Than Bombs
配給:ミッドシップ
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2022年4月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
物語が流れる時間軸の変動に何ら違和感もなく母親の死の真相がメインであるように話が進みながらも、家族それぞれの現在地を母親の生前を含めて描かれており、随所に映される監督の遊び心なのかセンスが垣間見れる映像にラース・フォン・トリアーの血筋を感じられたり。
そこまで冷め切ったようにも見えない残された家族が再生しようとする物語か、現実の生活に対応する努力と非現実にも取れる戦場での自分、二つの世界でバランスが保てないような母親と理解しながらの葛藤がある父親、残された三人が母親をどう遺そうとしていたのか、何を期待して何が裏切りのように捉えてしまうのか?
不幸には思えない家族にこれから幸せな道筋も想像はできない、普通に生活しながらも闇が薄らと見え隠れしている父、長男、特に次男!?
2021年4月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
戦争写真家のイザベルが事故か自殺かわからない死を遂げる。
夫、2人の息子、仕事仲間の不倫相手の持つ残像によってイザベルの存在が浮き彫りにされていく。
イザベルが事故にあうシーンの映像が秀逸。
不倫相手がイザベルの仕事への思いや家族への思いを代弁していた。
大きな事件が起こる訳ではない。日常生活は小さなさざ波のような出来事の積み重ねだ。
2019年3月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
みんな母が大好きなのに、母には伝わらなかった。その事すらみんな分からなかった。
ホントに近くの必要な人には、常に本音は伝えなきゃいけない。普段から常にそうしていれば間違いないけど、なかなか難しいですよ。
母の存在、家族の存在、確認作業は大事。
ジョナが母の写真を整理する中で、反射して写る誰かに最初はよく分からないが、後から見ると納得。
それにしても、
トリアー一家はこんな映画ばかり。
2018年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
コンラッド(デヴィン・ドルイド)はゲームもやるが、詩を書くことでクラスの女の子になんとか告白したいという雰囲気。父もコンラッドのことが心配でいつも尾行する。母の死について、残された家族がそれぞれ思い悩むことを静かに描いていた。