GAO!にて鑑賞。
2016.8.31までは、購入代金300円がくまもん募金箱に寄付されて、熊本支援に繋がると知って鑑賞。
震災がなかったら、購入しては鑑賞しようと思わなかった作品。
遥か昔の修学旅行を思い出しつつ、ネット等で知る震災の爪痕を思い出したり、報道されていない地域の被害を想像したりして感慨にふける(震災前に撮ったので皆全て美しい)。
でもそれだけではなく、39分39秒(サンキュー・サンキューのダジャレ?)の小品としては思わぬ拾いものだった。
主人公の母の着物の袖がひっくり返っているのは、
活花師範という設定からするとどうよ、
否、日常性を表現するためにわざとか?
というような細かい突っ込みどころは多々ありつつ、
青春時代の甘酸っぱさ、
中年になってからの落とし前のつけかた
が、胸に残る。
そして姜氏の佇まい、声、抑揚。
東大の名誉教授で、政治学者ではなかったか?
『悩む力』というご著書で注目していたけど、
この役ははまり役。この方しかいない。
特にクライマックスのアップは、相手役の石田さんの表情と合わせて、いつまでも心に残る。
ミステリーっぽく始まる小品。
くまモン絡みは御愛嬌。
本筋はすぐに察しがつき、その後の人間ドラマを期待するけど、2時間ドラマのようには盛り上がるわけではない。
その、39分39秒の中で、大人の恋愛をさらりとまとめた作品。
だからか、余韻が残る。
冒頭に出てくるホイットマンの一節と共に、
年をとるのも悪くない、
そんな風に満ち足りた気分になった。