偉大なるマルグリット
劇場公開日:2016年2月27日
解説
音痴にも関わらず多くの人々から愛された伝説のソプラノ歌手フローレンス・フォスター・ジェンキンスをモデルに、音痴の歌姫マルグリットの数奇な運命を、「大統領の料理人」のカトリーヌ・フロ主演で描いた人間ドラマ。1920年、フランス。新聞記者のボーモンは、パリ郊外にある貴族の邸宅で開かれたサロン音楽会に参加する。しかし主役であるマルグリット夫人は、救いようのない音痴だった。しかも周囲の貴族たちは礼儀から彼女に拍手喝采を送り、本人だけが事実に気づいていない。野心家のボーモンはマルグリットに近づくために翌日の新聞で彼女を絶賛し、パリの音楽会に出演者として招待する。音楽を心から愛するマルグリットは、本当のことを言い出せずにいる夫ジョルジュの制止も聞かず、有名歌手からレッスンを受けはじめるが……。共演に「不機嫌なママにメルシィ!」のアンドレ・マルコン、「ルノワール 陽だまりの裸婦」のクリスタ・テレ。「情痴 アヴァンチュール」のグザビエ・ジャノリが監督・脚本を手がけた。
2015年製作/129分/PG12/フランス
原題:Marguerite
配給:キノフィルムズ
スタッフ・キャスト
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2018年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
見終わった時に優しい気持ちになる。
コメディ要素もある素敵な人間ドラマ。
2018年1月16日
Androidアプリから投稿
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夫の疑問、「なぜ彼女は歌うんだ?」のシンプルな答え。
上手いから歌うのではなく、好きだから歌うんですよね。
ありのままをさらけ出す天真爛漫で純粋なマルグリット。
好きなものは好き!と歌う喜びに溢れた彼女の目の輝きを前にしたら、好きにならずにいられなくなる。
一度は騙された若き芸術家たちへの寛容な振るまいも素敵。自分が好きな人や物に惜しみ無く投資する姿も清々しい。
自分が一番大事にしているものを、なぜ夫は認めてくれないのか。
自身の音痴に気づかない彼女はずっと心を痛めている。毎度歌う前に夫を探す姿が切ない。
終盤、劇場でリサイタルを敢行したマルグリット。
序盤では音痴を盛大に披露し失笑を買うが、特訓の成果もあってか徐々に音程があってくる。…まさか?もしや?
期待に胸を膨らませたところで、まさかの展開。
すっきりとハッピーエンドにせず、髭女の台詞「物事には光と影」のように、悲劇と幸福の二重構造で畳み掛ける。
マルグリットの軽い精神崩壊とともに、それまでの世界が暗転。
黒人執事はずっと味方とばかり思っていたのに、彼女を面白い被写体として利用していただけだった。
しかしマルグリットが切に望んでいたもの、夫の献身や情愛は彼女を包み込んだ。真実を受けとめて、もう一度彼女が目覚めることを切に願うばかり。
ともあれマルグリットからは、評判や周囲の声にとらわれない、心の自由と解放のあるべき姿を教えられた気がしました。
2017年11月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
自称オペラ歌手のマルグリットは、講演会を開き、自分の歌声を披露するのですが…。
彼女は音痴だったのです。
失笑する会場の雰囲気を物ともせず、大満足で歌い切る姿に唖然…。
誰も本当のことを彼女に伝えられないのは、彼女が莫大な資産を持っているお金持ちだからなのでしょうか?
資金目当ての、嘘で塗り固めるリサイタル。
そこにあるのは、優しさなのか、厳しさなのか。
彼女の可愛らしい性格と、何事にもポジティブに捉える思考能力が、この狂った世界を創り出しているのかもしれません。
意気揚々と歌い上げる大胆さに、誰も突っ込まず、微笑ましい笑顔を見せる人々。
彼らの優しさは、時に残酷です。
最後の最後で、執事見せた勇気ある行動は、愛の鞭だと思いたいです。
現実を受け入れた彼女が、その後どう生きたのか気になるところです。
フランス映画だから…
こんな感じなのかな。
ハッピーエンドを願って
いたけど…。
マルグリットは、悪意の全く
ない天真爛漫なお金持ち。
疑うこともない善人だけに、
それが余計に悲劇だな…。