スティーブ・ジョブズのレビュー・感想・評価
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人間としては最低。アーティストとしては天才
第73回ゴールデン・グローブ賞助演女優賞(ケイト・ウィンスレット)、脚本賞受賞。第88回アカデミー賞主演男優賞(マイケル・ファスベンダー)、助演女優賞(ケイト・ウィンスレット)ノミネート。
2013年にも、アシュトン・カッチャーがスティーブ・ジョブズを演じた作品『スティーブ・ジョブズ(原題:Jobs)』が公開されていますが、今回のスティーブ・ジョブズはマイケル・ファスベンダーが演じています。残念ながら、2013年のアシュトン・カッチャー版の評判は微妙で、スティーブ・ジョブズ映画としてはこちらの作品の方が本命視されているみたいですね。それもそのはずで、ベースとなったのは、ジョブズ本人に密着取材して記されたウォルター・アイザックソンの伝記『スティーブ・ジョブズ』。ジョブズ本人が認めたのは、このウォルター・アイザックソンの作品だけなので、そうなるのも仕方ないのかな。でも、ジョブズの見た目は、アシュトン・カッチャー版の方が似ていたと思います。
2013年のアシュトン・カッチャー版が、全般的に薄く広くスティーブ・ジョブズと言う人物とそれにまつわる話を描いていたのに対して、2016年のこの作品では、1984年のMacintosh、1988年のNeXT Cube、1998年のiMacの3つの新製品発表会の場に焦点を絞って描いています。いやぁ、発表会その場を描くとは思いませんでした。ウォルター・アイザックソンの原作でも、そう言う描き方はしていませんでしたからね。
そして、そう言う舞台設定と、側近以外では、ジョブズの(最終的には認知したものの、中々認知しなかった)リサという娘、そして、因縁浅からぬジョン・スカリーと言う人物にジョブズの相手を限ることで、より詳しくスティーブ・ジョブズと言う人物が描かれていたと思います。これは、アシュトン・カッチャー版では見られなかった演出でしたし、今回の演出は非常に効果的でもあったと思います。
って言うか、ジョアンナ・ホフマンはケイト・ウィンスレットが演じていたんでしたね。Macintosh、NeXT Cubeの頃は、仕事はできるけど野暮ったい風貌の女性でしたが、iMacの時には、イキナリ(本来の)美女になっていてビックリしました。って言うか、ケイト・ウィンスレットなんだから、あれが本来の姿ですよね(笑)
物語終盤、いまのiPod、iPhone、iPadに繋がるようなアイディアをジョブズが語っています。ジョブズが嫌っていた、スタイラス(Apple Pencil)を採用したiPad Proの事を、空の上でジョブズはどう思っているんでしょうかね?
知ってはいましたが、改めて、スティーブ・ジョブズが“人間として”最悪の人物であるのかを思い知らされました。あんな人物が近くにいたら、絶対近づきたくないですね。製品を作る“アーティスト”としては最高なんですけどね。
タイトルなし(ネタバレ)
リサが9歳時にMac paintで描いた線がiMacの発表会で使われたところで泣けた。 私は、これに人生を捧げてきたんだと。 許せちゃうかなぁ、ジョブズ。
人格破綻ツンデレジョブズ
構成がとても凝っていて、ジョブズの転機となる3つの発表会(Mac, NeXT, iMac)の発表前の舞台裏が順に出てくる。
発表会そのもののシーンは出ないところ、スクリーンの裏側の映像を印象的に示すところから、この映画はスティーブジョブズの「裏側」をテーマにしている、という意図が明確に分かるようになっている。
それだけに、ジョブズの「表の面」について、知っていることが前提になる映画。ジョブズの人生や、彼と関わる人物、アップルの歴史、コンピューターの歴史などを知らない人にとっては、ストーリーやセリフの意味が理解できないだろう。
ジョブズは、思い込みが激しい、自分の思い通りにならないと気がすまない、現実を自分の都合の良いように解釈してしまう(現実歪曲)、人を思いやることができない、人に感謝を伝えることができない、人をうまく愛することができない、そんな、人格破綻者として描かれる。
そんな、ジョブズの負の面をメインにしつつ、そんな人格破綻者である彼に、なぜ多くの才能ある人達が協力することができたのか、というところが徐々に明かされていく。
ジョブズは、素晴らしいものや人物に掛け値なしに惹かれ、熱くなれる。その、自分の「素晴らしい」と思う感性を微塵も疑わない。多くの人間は、そんなに完全に素晴らしいと思う、自分だけしか分からない感覚を信じ続けることができない。
また、ダメなものは絶対に妥協なくダメだと言って、意見を曲げないことも、彼の魅力の1つだろう。なぜなら、彼に認められた人は、彼が決してお世辞を言わないことを分かっているから。
この映画は、人格に問題のある彼が、人間的に成長していく物語でもある。そのきっかけは、常に娘から与えられている。娘との関係が、ジョブズの他人との関係に象徴されている。
最後に、ジョブズは彼の人生の中でずっと出来なかったことである、自分の不完全さや過ちを認められるようになる。
ジョブズに対しては、経営や先見性などの面で英雄像だけが一人歩きしがちなので、こういうダメで人間臭いジョブズは面白い。
なんか感動
人柄を垣間見たような
ゲイツ
2016年劇場10本目。
開発秘話的なものはほとんど、というかまったく無く、ジョブズがどんな人物だったかという点に焦点が当てられている。
家族と社内でのジョブズを取り巻く環境という狭いシチュエーションでのストーリーなので、ジョブズの功績というよりは徹底したこだわりっぷりで周囲を振り回す描写が多く、もうある意味ネガキャンにすら思える(笑)
なのでジョブズの功績を充分に知った上でその時系列と照らし合わせて観る事のできる予備知識がある人ほどこの映画を存分に楽しめると思う。
まあ、私のようなそうじゃない人でもテンポ良くて楽しめるのは楽しめたけど。
それにしても中年期に入ってからのジョブズを演じるファスベンダーは本人が乗り移ったかのようにソックリだった。
ジョブズファンなら
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