前作「傷物語I 鉄血篇」を観た理由は、まあ、「チャレンジ」という言葉以外見当たらないのだが、そこに繰り広げられる世界は、これまでに観てきた映画とも、オレの知っているアニメ映画とも違う、全く「未知なる」ものだった。
もちろん、その人たちだけが楽しめればそれでいい、ということも十分分かる。だが、それ以上にあまりに「老若男女」な客構成にもっと驚いた。このシリーズが人気があることも知っていたし、そういう文化が多岐化し、大衆化してきたということは理解した。
だが、その中身は
「ねえ、みんな、これでよいの?」
と心配するほど、表現としても、映画としても、あまりに独特だった。
その続編が公開とのこと。乗りかかった船、と言うわけではないが、前作の劇場のムードとその後の落差からの、本作への周りの人の反応がみてみたい、という映画以外の関心のみが、劇場へ足を向かわせた。
もちろん、面白ければそれでいい。
「傷物語II 熱血篇」
本作も、実写と見紛うほどの背景に、様々な線で描かれたキャラクターが動き回るのだが、本作は高校の委員長の女の子と主人公の会話劇と、ヴァンパイアの手足を奪った敵との戦いの2本柱で進行する。
本シリーズのキモはその2本柱と知ってはいたが、一見さんにはどれだけ深い会話劇か皆目分からず。
ただ、登場する女の子のふるまいに、こちらはただただ困ってしまうのである。
PG12
PG12ですか、コレ。いや、そもそも親同伴の映画ですかね。
そもそも親同伴は、興行的には普通のアニメ映画で、PG12にほとんど意味はなさないわけで、これ、親同伴で観れる映画なんですかね。
むしろ、親同伴は、親がかわいそうだ。いっそ「親同伴禁止」。
前作を観た観客が反省したのかのように、観客の女子率は下がって、青年率、おっさん率は上がっているようだったが、まあ、そういう意味ではこの女の子の、「さらなる扱い」は正解なのかもしれないが、オレは前作以上に違和感だらけ。
なぜそこでそれを見せる?なぜそこでそれを脱ぐ?なぜその方法でことを進める?
ちょいちょい、ギャグ顔?も健在で、それがなければ、こっちは楽しいのに、というすべて「オレにとって」悪い方、悪い方に進んでいく。
また国旗を想起させるタイトルや、ちょいちょい日本国旗が風に吹かれて、まあ、困ったもんである。
今回はバトルもあるよ、ということだったが、オレの勉強不足で申し訳ないが、声優A VS 声優B みたいな文字が出て、まあ、そのやり取りに萌える、ということなんだろうが、そうなると完全にオレは「門外」。
その見方があってのバトルなので、相手との力関係や絵の動きにどれだけ意味があるのか、に頭が持っていかれる人間には、この映画のバトルも楽しめないことになる。
いやあ、難しいなあ。
追記
ラストまで観ると、案の定のおまけがあるのだが、それを最後まで見ると、いや聞くと、さっさと帰ればよかった、と思うほど、衝撃的だった。
こんな衝撃を残した退場は久々で、逆に貴重な思いをしたわ。