レヴェナント 蘇えりし者のレビュー・感想・評価
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23年前、純粋無垢だった青い目が、自信に満ちていた。
怒涛の復讐劇だし、
大自然の冷たく過酷な世界だし、
150分の長尺だし、グロなR15だし、
観なきゃいけないけど、
何とも重いなぁと躊躇してました。
体調やメンタル整えて、覚悟をきめなきゃと、
かなり後回しにしてた作品(笑)
バベル、バードマンがとてもよかった
イニャリトゥ監督に、
ディカプリオのやっとつかんだ悲願のオスカー。
もちろん期待大ですね!
幼い頃アメリカの友人とキャンプした時、
テントの中でこのお話になったのを憶えています。
熊に襲われ負傷した男が、
息子を殺し自分を置き去りにした男に復讐するという、
本国では誰もが知ってる有名な実話。
映画ではずいぶん脚色してるけど
話はいたってシンプルだから、
誤魔化しはきかない。
演出や役者の力量が問われるでしょう。
この素材はかなりのプレッシャー
だったんじゃないかな。
作品は、見事な秀作です!
大自然と対峙する壮絶なサバイバルの中で、
生きようとする男の魂の息遣いを感じ続ける。
ネイティブ・アメリカンと白人の
血を血で洗った歴史が描かれていくのだけど、
今までのインチキ西部劇を
嘲笑うかのようなリアリティ。
ただ復讐をするために
サバイバルを続ける主人公が、
凄まじすぎる。
ディカプリオが自らを極限においた
嘘のない演技は、
スクリーンを通して響いてきますね。
こんなにもホンモノの映像の力を
見せつけられた作品は、
いつ以来だろう。
監督のストイックな絵作りに、
オスカー常連カメラマンが答えて、
二人でアカデミー受賞は頷けますね。
全てのカットが濃厚で、アートのようで、
息をのむほどに美しい。
グリーンバックなどを一切使わない絵は、
語るものが多くて強いなぁ。
そして自然光がもたらす命の息吹は、
身震いがするほど怖い。
やはり映画はビジュアルの強さなんですね。
テーマは魂。
revenantは死者の魂という意味なのかな。
死んだ妻と息子と自分の魂が共存するまでの、
男の生き様が描かれている。
終焉では目標を失ったディカプリオの、
全てを悟った表情が素晴らしかった。
そして黒味のエンドロールになり、
主人公の呼吸がしばらく続くことで、
イニャリトゥ監督のメッセージが
観客に問いかける。
見事に主人公の魂が昇華していった瞬間でした。
描ききったイニャリトゥ監督と、
それに答えたディカプリオ。
23年前、ギルバート・グレイプで出会った
純粋無垢だった青い目が、
印象的なラストシーンでは自信に満ちていた。
集大成でアカデミー男優賞が取れて、
本当に良かったね。
一生忘れない映画リストに、
また1本名作が加わりました。
シアター選びがとても重要
生かされている命の存在…。
今の時代に生きていると、自分が他の命を奪って生かされていることを忘れてしまいます。
命は奪い奪われて共存しているのですね。
人間同士も昔は、奪い奪われながらそれぞれの人種がその土地を統治していました。
相手を倒さなければ、こちらの命が危ないという生命の危機感に、命の営みのリアルを感じます。
実際の撮影の中で、デカプリオさんが魚や獣の肉を生で食べているシーンがありましたが、すべて本当に行っていたとのこと。
この時代の人間は、動物から命を分けてもらい、自らのエネルギーの糧にしていたことが伺えます。
今回、インディアンと白人の戦いが激化する中で、息子の命を白人仲間に奪われてしまった、父の役をデカプリオさんが演じています…。
父は仲間に復讐を誓い、どこまでもどこまでも歩き続けますが、その執念が並大抵のものではありません。
生きることに必死だからこそ、奪われてしまった命の悲しさも人一倍強いと感じます。
彼の心の悲しみを埋めるには、復讐とかなかったのでしょう…。
この映画は、復讐を誓い行動する彼の執念と、命の尊さを感じる、『生命』の映画のように思えました。
極寒サバイバル復讐劇
正統派の映画作るじゃん!と思いきや奇妙なイニャリトゥ節
日本でいうとこの浦島太郎とか桃太郎、落語だと芝浜レベルのアメリカで有名なお話を映画化。
しかもバードマンでおなじみのイニャリトゥ監督とディカプリオがタッグを組んで、見事ディカプリオがアカデミー主演男優賞を受賞ということで観たかったが、タイミングが合わず、ようやく飛行機で観た。
そしたらこれ、ディカプリオがたけし軍団みたいな扱い受けてる…
熊に襲われるわ、生き埋めにされるは、極寒の川に流されたり、崖から落ちたり…
もうみんなでディカプリオをいじめて楽しんでるとしか思えないくらい。
でもそんなズタボロになりながら不屈の精神で生き抜く彼の姿は男優賞受賞への執念がだだ漏れたせいか、半端ないリアリティーと気魄だった。
そんな彼の気魄と極寒の大自然により緊密な作品の絵面だったのだが、所々イニャリトゥ節の『このシーンいる?』『何?このアングル』『不穏なドラムス』があり、バードマン好きとしてはたまりませんでした。
映像だけで楽しめる映画
文句ない受賞作品
大自然の映像が
デカプリオにはもっといい作品はいっぱいあるよ!
デカプリオ、オスカー受賞作品ですが…
確かにメチャクチャ体を張って過酷な撮影だけど、作品としては… 単純なスーパーヒーローの復讐劇。
大自然や原住民をスピリチャルな演出で意味ありげに見せてるだけでアカデミー賞と言うほどの物は感じられませでした。
こんなんなら… デカプリオにはもっといい作品はいっぱいあるよ、『ギルバート・グレイプ』に始まり『ロミオ&ジュリエット』『ブラッドダイアモンド』『レボリューショナリーロード』『華麗なるギャッツビー』!
改めてアカデミー賞の無意味さと理不尽さを感じました。
あとカメラ演出! ドキュメント的な臨場感を出すため⁉︎ 雨粒、血しぶき、人の息などが撮影のカメラのレンズに付いてもそのまま… 大自然の中でその演出は逆に人為的な作為を感じてしまい、覚めました。
面白かった‼️
血が〰
この作品ゆえの体験
今作は自然描写や開拓時代の考証など映像そのものに重点を置いた作りではあるが、そこに血を通わせたのはやはりレオをはじめとする俳優陣の頑張りだろう。撮影自体が過酷だということでどこからが演技なのかと疑いもするけれども、こうやって仕上がってみると制作サイドのアイデアのほとんどはまったくもって成功していると言える。
冒頭のカメラワークで早くも唸らされ、全編を通じて隙の無い絵作りがなされているからシンプルすぎるストーリーと少ないセリフで進行していくことが心地よい。そういう体験は『グラビティ』や『マッドマックスFR』でも出来たし、そうした映画の原点回帰のようなことを極めて緻密な手法でもってなすというのは今後も続いて欲しい傾向だと思う。
今作のように劇場で体験、体感することの意味を掘り下げてくれるこの作家は本当に面白い。
そしてレオ。イニャリトゥが言ったように彼こそが「レヴェナント」だった。メタの意味も含めて。これまでの経緯が無ければこの作品をあのハードさで演じきろうとは思わなかっただろう。『ギルバート・グレイプ』で知ってから23年‥若くして助演でノミネートされてから紆余曲折あってこうやってオスカー主演部門を受賞したのだから、やはり稀有な存在だと言える。いやあ目出度い。
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