レヴェナント 蘇えりし者のレビュー・感想・評価
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アメリカの古典的な復讐劇をシリアスに描いた
レオナルド・ディカプリオ、アカデミー賞受賞おめでとうございます。
公開を楽しみにしていたが諸々の事情でやっと見ることができた。
舞台はアメリカ開拓時代、ネイティブ・アメリカンとの抗争が激しい時代のアメリカ北部。
白色人種側からの目線で描いているが、決して上陸してきた略奪者擁護ではない。
画面がとにかく綺麗。主題としてではないが、画面そのものに映る自然の美しさや野生の動物との共生みたいなものを描かれてもいるのだけれど、ありきたりの言葉でしか表現できなくて悔しい。
物語の雰囲気は「ダンス・ウィズ・ウルブス」をより一層シリアスにして残酷な世界を描いている。画面の印象はミラ・ジョボビッチ主演の「ジャンヌ・ダルク」に通じる透明感とか太陽光線の強烈な日差しの照らし方を思い起こさせた。
ストーリー展開は地味だけれど過酷で、ダイ・ハード以上にダイ・ハードな圧縮された短い時間をディカプリオが演じた。
きちんと丁寧に描かれていることや過酷さを細かく追っていることなど、とてもまじめに取り組まれている。
サバイバルな部分を忠実に描こうとしているんだろうなという取り組みには脱帽。
仕掛けは単純、ストーリーは分かりやすいですが、端々にある意味有りげ...
体感する重み
タイトルに記したように、全体を通して重みのある映画だ。観客を楽しませるというよりかは魅せて、感じさせる。それ故に、退屈に感じてしまうときがある。
特に最初の掴みと最後の復讐劇が圧巻だっただけに、中盤がどうしても淡々となってしまう。
イニャリトゥ監督の前作「バードマン」は完全ワンカットだったが、今作も同様にワンカットで撮るシーンが多く目立つ。こだわりなのか知らないが、バードマンのときに思ったように、芸術性に重きを置きすぎるがために、それが結果的にダラダラとしてしまう。タダでさえ長尺なのに。
ここで「バードマン」を批評するつもりはないが、アカデミー賞はセレブ審査員の趣味趣向の偏見によって成立しており、おもしろいか否かは関係ない。
今回の「レヴェナント」に関しては"復讐"という名目がある以上、痛快感を味わうことになる。
つまり、この作品は一種の娯楽作品ともいえるし、芸術作品ともいえる。撮影賞と監督賞は間違いない。
ここまで演技に触れてこなかったが、レオナルド・ディカプリオの演技は言うまでもなく素晴らしかった。「タイタニック」のときのような美少年のイメージも薄れたせいか、良い意味でかっこいいオッサンという雰囲気になり、演技の幅も広がったように思えた。
久しぶりに重く緊迫感のある映画を劇場で観て、たまにはいいものだなと感じた。
自然の迫力が凄かった!
すごい迫力でした!
みなさん迫真の演技で観ていてハラハラドキドキしました。
特にレオナルド・ディカプリオが熊に襲われるシーンはリアルでした。
観る人によってはつまらないかもしれませんが僕は楽しめました!
最後になりますがアカデミー賞受賞おめでとうございます!!
抽象度が高い
抽象度が高いなぁという印象。
とにかく物語はシンプルで、自然描写シーンも多いので、いわゆる娯楽映画に慣れきってる人には退屈だと思う。
おれの友達はつまんないって言ってたし、
隣のババアはイビキかいて寝てた。
ケータイいじってメール打ってる馬鹿野郎もいたしね。
ただ自分は、大画面で見る壮大な美しい自然風景を、すげぇ…て感じで楽しめたし、シンプルな物語も良かった。確かに退屈だと感じた所はあったけど、物語をこねくり回した最近の映画は見飽きたしね。
どうやらイニャリトゥ監督はベルイマン監督とタルコフスキー監督に多大な影響を受けているらしく、それを聞いてとても腑に落ちた。それを聞いて、この映画の受け取り方が自分なりにわかった。
死んだ奥さんが空中に浮いてる所や、落ちてくる隕石やなど、タルコフスキーの引用が散りばめられてる。
ディカプリオの大ファンの自分は、そこは不満かな。彼のいい所はあまり出ていない…
ウルフオブウォールストリートは、彼の良い所が全部出てた。
それは監督の色の違いだね。。
よくわからない
そりゃ獲るわなぁ
復讐の先に何があるか
生きるって
アカデミー賞の対象だけが・・
神々の住む世界
本年度のアカデミー監督賞、撮影賞、主演男優賞を獲得した作品だ。
本作でやっとレオナルド・ディカプリオがアカデミー賞を獲得した事でも有名だ。
映画が始まり直ぐにその映像の圧倒的な美しさに魅了された。
まるでタルコフスキーの映画を見ているかのようだ。
そこに人が存在する以前から大気が満ち、水がながれそこには善も悪も存在しない。
ただあるがまま、存在している。
映像からはそれが伝わってくる。
神とは、神は人が想像したものなのだろうか。
人の生き死にだけでなく、あらゆる命の生命の制裁与奪さえも冷徹に見つめる存在があるように感じる。
怒り、悲しみ、妬み、人が抱える永遠の業と言うものが感じられる。
ディカプリオとトムハーディーが演じる二人はともすれば対極にあるように思えるがそれは誰しもが持ってる人間の本質を表している。
本作は言葉をギリギリまで排除している。上映時間156分と長いのだがほとんどセリフがない。
言葉は記号にしか過ぎないのだ。
その記号さえいらないのではないか。
そんな監督の意図さえ感じる。
坂本龍一の音楽も秀逸だ。
この映画の世界観を見事に表現している。
今回の撮影では自然光のみでの撮影法をしている。
この映像の美しさは今までの映画とは一線を画している様に思える。
時間を置いてまた鑑賞したくなる作品だった。
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