劇場公開日 2016年4月22日

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「体感する重み」レヴェナント 蘇えりし者 0さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5体感する重み

2016年5月3日
iPhoneアプリから投稿

タイトルに記したように、全体を通して重みのある映画だ。観客を楽しませるというよりかは魅せて、感じさせる。それ故に、退屈に感じてしまうときがある。
特に最初の掴みと最後の復讐劇が圧巻だっただけに、中盤がどうしても淡々となってしまう。
イニャリトゥ監督の前作「バードマン」は完全ワンカットだったが、今作も同様にワンカットで撮るシーンが多く目立つ。こだわりなのか知らないが、バードマンのときに思ったように、芸術性に重きを置きすぎるがために、それが結果的にダラダラとしてしまう。タダでさえ長尺なのに。
ここで「バードマン」を批評するつもりはないが、アカデミー賞はセレブ審査員の趣味趣向の偏見によって成立しており、おもしろいか否かは関係ない。
今回の「レヴェナント」に関しては"復讐"という名目がある以上、痛快感を味わうことになる。
つまり、この作品は一種の娯楽作品ともいえるし、芸術作品ともいえる。撮影賞と監督賞は間違いない。
ここまで演技に触れてこなかったが、レオナルド・ディカプリオの演技は言うまでもなく素晴らしかった。「タイタニック」のときのような美少年のイメージも薄れたせいか、良い意味でかっこいいオッサンという雰囲気になり、演技の幅も広がったように思えた。
久しぶりに重く緊迫感のある映画を劇場で観て、たまにはいいものだなと感じた。

@Ryota_yade27