コーヒー通では全くないが、これを観て、コーヒー生産からバリスタまでこれだけの人の手を使って、念入りに心を込めて扱ってくれるのでいっぱいのコーヒーに感謝の気持ちが生まれた。
特に、ホンジュラスの生産者、デビット(Mancia Coffee Farmer, Lake Yojoa 地方)などがアメリカのコーヒーショップを訪れ、自分の生産したコーヒーをバリスタに入れてもらって飲むシーンには目頭が熱くなった。自分の生産したコーヒーを初めて飲むらしい。生産者ケビンの微笑みが良かったし、彼はエスプレッソが好きなようで、自分の生産して出来上がったコーヒーに誇りを持っているようだった。それに、バイヤーはデビットやケビンたちのコーヒー豆を一生買ってくれると。生産者と販売、消費者が結びついてよりいいコーヒーを作るようになれるわけで、生産者は感慨深いだろうね。ーこれが一番好きなシーンだった。
このドキュメンタリーは生産者(ホンジュラス。ルワンダ)、コヒーの歴史、豆からコーヒーになるまでの過程、グリーン・コーヒーバイヤー、コーヒー豆を煎る専門(喫茶店)、ポートランドのスタンプタウンコーヒー、サンフランシスコのブルー・ボトム・コーヒーなど、バリスタ・チャンピオンシップ、エスプレッソ、ホットコーヒーなど、盛りだくさん。
個人的によく飲むコーヒーはグアテマラで、グアテマラ・シティーに行った時、初めてその土地のグアテマラを飲んで、あまりにも美味しいのでびっくりした。どこにでもありそうな喫茶店だったけど、本場だからね。その後美味しいコーヒーを味わったことがなかったが、あるレストランでの、アンティグア(グアテマラ)のコーヒーが美味しかった。それ以来、コスタリカ、グアテマラを中心にして朝、コーヒーを一杯入れるが、ホンジュラスのも試してみたい。(Las Flores, Las Manos)の名前を控えたので試したいと思う。
私の口に合うコーヒーは中米のアラビカ種である。
ここで、スタンプタウンはルワンダ(Lake Kivu)原産地のコヒーを使っていることがわかった。これについてちょっと書く。グリーン・コーヒー・バイヤーのダーリン・ダニエルさんの話が一番好感が持てたから。
実はオレゴン州のポートランドのダウンタウンにあるこのスタンプタウンの喫茶店でコーヒーを飲んだことがある。粋な喫茶店で数ある喫茶店の中でも一番プロフェッショナルな喫茶店だと思ったがコーヒーが私の口に合わなかった。その後親戚がケニヤに行ってコーヒーと紅茶を土産にくれた。紅茶はこれが本物と思えるぐらい一級品だと思ったがコーヒーは「醤油の味だね」と娘と呟いた。なあるほどこれでスタンプタウンのコーヒも私の口の合わないとわかった。
でも、他の人の口には合うと思うよ。これは京都にあるね。
一軒の農家から野菜を買って、レストランを経営するように、このコーヒーもフェアートレードからではなく、一つのコーヒー園から豆を仕入れるという形(direct trade)をとる。スタンプタウンのグリーンコーヒーバイヤーのダニエルさんは流通形態の複雑さより、シンプルに生産者とパートナーシップを組んで、人間的な関係を結んで商売をしている。この間に、Huye Mountain Coffeeがディレクターのデヴィッド?さんが入るが、流通過程をシンプルにするのは経費も減るね。水不足で水を引いた時も、スタンプタウンに交渉してコーヒー園のみでなく、地域の人々にも役立ったわけだ。それに、コーヒーをカッピングするのを初めてみたが、ワインと同じようだね。コーヒーって少し冷めた時に、味・香りがよくわかるんだね。
日本の大坊コーヒーの店主は38年もやっていたんだね。ブルーボトムコーヒーのオーナージェイムス・フリーマンが大坊さんのコーヒーを入れる時の細かさを褒めていたね。コーヒーの淹れ方など、『形』を大切にする日本文化の特徴がよく出ていたねえ。でも、フリーマンは大坊コーヒーがうまいとは言わなかったね。残念、こんなに時間をかけてフリーマンを待たせていれたコーヒーなのに。実は『ノース・フェース』という洋服の会社のCEOが日本でコーヒーを飲んだ時も、『コーヒーの表面に桜の花が浮かび上がるのを待って飲んでください』と言われたそうだが、待って美しい桜を見て飲んだが、コーヒーは不味かったと。私は彼から聞いた。
パンデミックの中,皆さんどうしているのだろう?