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どうも、マイティーズですぅ~。
僕らね、“残留思念”ってのをやらせて貰ってます~。
ざんりゅうしねんって何…? お客さん、食い付きいいわ~。
残留思念って、物や場所に残った人の記憶や感情を読み取れる特殊能力の事なんですわ。
そんなのインチキだ、ミステリーじゃなくSFだろ!…って、お客さん、キッツイわ~。
でも僕らね、これで事件を解決したんですよ、ホンマ。
ピアニストの卵の女子高生で亜美って娘がおって、師で音大生の雪絵が失踪したっちゅうんですわ。
で、僕らに雪絵を探して欲しいと。その雪絵って娘、マイティーズの大ファンらしく。
僕ら一時期人気はあったんですけど、まあ色々ありまして、事実上の解散状態で暫く会ってもなかったんですわ。
丸山はクビ寸前のピンでやってまして、能力を持ってる千石ちゅーのが…。マンションの管理人しながらペットの熱帯魚に話し掛けてる人嫌いで根暗ネガティブの変わりモンでして…。
頑なに拒否してたんですけど、亜美の忘れ物から雪絵の思念を見て、半ば強引に捜索始める事になったんです。
それはいいンすけど、暫く能力を使ってなかったみたいで、ヘンなもんばっかり見て。頼むで、ホンマ!
でも調子取り戻してきて、少しずつ事件に繋がるもんが見えてきたんです。
雪絵の他にも二人、失踪したモンがおったんですわ。
共通点は…?
あったんですわ。幼い頃、3人ともう一人ちっちゃい女の子が、どっかの別荘で遊んでて。
そん時、長い髪の白い服を着た女の子と遊ぶ約束をして…。
失踪した二人の思念を読み取ったら、どこぞの倉庫で…。
殺される間際の記憶から、犯人はあの長い髪の白い服の女の子とそっくり。名前を“エリカ”ちゅー女まで突き止めたんですわ。
一応警察にも報せたんですが、倉庫とか現場に勝手に行った事で大目玉食らいまして…。
おっさん刑事、怖いわ…。まだ『X-ファイル』気分で捜査しとんのか。若い刑事の佐々部はお目付け役だろうけど協力的で。
以上の事から雪絵も…? いやいや、死んどらん!
どうしても諦めきれなくて捜索続けてたら、びっくり仰天の真相と犯人が明らかになったんです…。
野村萬斎さん、これが現代劇初めてらしいんですわ。
風変わりなキャラを独特の演技で、さっすがこの人にしか出来まへん。
手をかざして能力する様がアレと被ってますやん。陰陽…いや、こちら、思念師ですぅ~!
宮迫は…あ、今これ、名前出していいんやろか?
杉咲花ちゃんはまだあどけない健気さを、木村文乃ちゃんはこの頃から変わらぬ美しさを、目の保養になりますわ~。
ホント皆さん、芸達者!
“エリカ”ちゅー女は雪絵と同じ音大生かと思ったら違いまして。
その“エリカ”は10年前に死んでるらしくて。
じゃあ、真犯人は…?
3人といたもう一人の女の子が亜美なのが分かりまして。
亜美は最後の標的。アカン!
さらに残留思念で見えてたもんが間違ってて、長い髪の白い服の女の子の正体は実は…
刑事の佐々部だったんです!
お客さん、そのリアクション、ナイスやわ~。
佐々部とエリカは兄妹。病弱の妹の為に別荘で療養していた時、4人と会って。
妹と遊ぶ約束したのに約束を破り、妹は悲しみの内に死去。
その復讐を…って、佐々部、お前勘違いしとるぞ。
残留思念で分かった事があって、妹が本当に遊びたかったんは、兄貴のお前や!
残留思念で見たけど、お前の過去には同情する。
両親は妹だけを可愛がって、お前が死ねば良かった。虐待も受けて…。
警察の親戚に引き取られたんけど、どっかで壊れてしもうたんやな…。
同情はするけど、何で妹の思いに気付いてやれなかったんや!
お前のした事、絶対許されへん! 雪絵まで…。
金子監督も手堅くエンタメに徹してるけど、やっぱ古沢サンのホン!
コメディ、謎解きミステリー、サイコ・サスペンス、悲しきドラマ、超能力、元コンビの絆、師弟愛、感動要素…巧く纏めてるわ~。
雪絵がマイティーズファンの理由。
雪絵の言葉。才能は自分の為じゃなく、人の為にある。
この言葉、良かったわ~。雪絵のこの言葉にも繋がるし、確かに世の中の才能持ってる人って、多くの人を楽しませ、ワクワクさせ、感動させてる。
強いて言えば、事件の真相や真犯人がちと予想付いちゃった事。どんでん返しや伏線回収も古沢サンの後の『キサラギ』や『コンフィデンスマンJP』ほど鮮やかじゃなかったかな…。堪忍!
人の思念で嫌なものを見たりする。そら、人間不信にもなるわ。
でも、決してそうばかりやない。人の美点、本当の思いを知れる。
それを知る為に、伝える為に、このけったいな…いや、特別な才能があるんや。
どうです、お客さん?
最初はサスペンスかミステリーかコメディかSFか分からんかったけど、終わってみればなかなかいい話でしたやろ?
ところで、一人称で喋ってる僕、誰…?
残留思念…?
もうええわ。
どうもありがとうございました~。