バジュランギおじさんと、小さな迷子のレビュー・感想・評価
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親切なおじさんと迷子の女の子のハートフルストーリー…だけではない。
印パ戦争の傷跡が残るインドで、敵国パキスタン人で口もきけないムスリムの女の子を、ヒンドゥー教徒でバカ正直なインド人が、大使館にも警察にも見捨てられ決死の覚悟で隣国に不法入国し親元へ送り届ける話だった。
保護した迷子のムンニー(お嬢さん)がパキスタン人かつムスリムと知ってバジュランギおじさんことパワンは戸惑う。パワンの恋人の父からすれば6歳の女の子でもインド人を大勢殺した敵国の人間でしかない。敬虔なヒンドゥー教徒のパワンはムスリマのムンニーを厄介に思いつつも、神様に恥じない正しい行いは何なのかを考える。
危険を冒して国境を越えムンニーを助けようとするパワンに、パキスタン人の記者も協力してくれるようになる。記者はパワンの行動な理由を「純粋な愛」と語る。国家宗教間を超えた愛が成り立つのは映画のファンタジーかもしれないがこういう映画が作られることに希望を持ちたい。
南北朝鮮と同じく、隣国なのに印パ国境を超えることの困難さは島国の日本人には中々想像し難いが、山間の長い長い国境線を挟んで大勢の両国民が正しいことをした人を救おうと集まる光景に、元々人種も言葉も同じ人々も多かったニ国間がいつか融和することを願ってやまない。
1日一回きりのリバイバル上映にも関わらず館内はほぼ満員で、上映後に拍手が起きていた。音楽も良いし、インド映画お馴染みのパワフルなダンスシーンもある。
DVDは入手困難、配信の予定もないとのことで、是非この再上映の機会に多くの人に見て欲しい作品である。
素敵なお話でした
お話はシンプルでベタベタの展開で。インド映画にありがちなミュージカルダンスもちょこちょこあって。で、それがもう泣けて泣けて。インドとパキスタンの問題は、その両国出身でないとわからないくらい根深い話なんだろうとは思う。そこに絡んでくる宗教の話も、日本人ではわかりにくいだろう深い話なんだろうと思う。
迷子を送っていくだけの話なのだが、国や宗教がその単純な話を大変な事にする。今の世の中、正しい事を普通にやるだけでも大変だ。けれど、その普通のことを真正面から進んでいく主人公に心打たれる。この作品が、インドから出てきただけでも世の中、愛をまだ信じていいのではと思える。
インターネットも、使い方次第では良いツールなんだと改めて思えた。
泣いた
インドとパキスタンには色々な歴史があるのですね。宗教的な違いもあって日本では考えつかないようなストーリーだと思いました。主人公の素直な男性像には日本の古き良き価値観を思い出しますが、終盤には少し変化があったように思いました。それが歌にある強さ(懐の深さや柔軟さ)なのかなとも思います。
他の方のコメントにもある通り、泣けるストーリーです。設定として、最後はわかっているけど泣いてしまいます。自分としてはインド映画での感動系としては『きっと、うまくいく』以来のヒットのような気がしますね。
愛は国境を越える
「愛は国境を越える」を文字通り体現した映画
インド映画を敬遠する理由にインドやパキスタン辺りの政治・宗教・文化がよく分からないということがあると思います。この映画はその辺の複雑さをとても理解しやすく描いてくれていました。
ハヌマーンを篤く信仰する純朴なヒンドゥー教徒バジュランギが口の利けない迷子の身元を推測し親元に送り届ける過程で、インド内の階級、しきたりや宗教、さらに国境と印パ問題へとスムーズに話題を進めていくのが技ありでとても上手い。
パキスタンに行ってからはバジュランギが異文化・異宗教体験をしながら両国が宗教や国境を超えて同じ人間としての普遍的な倫理を共有しているに気付いていく。随行する記者も同じで、やがてそれは皆にも伝わっていく。
迷子を送る。ただそれだけの事でここまで奥行きのある映画を作れるのは凄いです。
インド映画らしく音楽やダンスも盛りだくさんで2時間半の上映時間がダレないのも凄い。ロケーションも素晴らしい!文句なしだと思います。
国家間の対立という非常にシリアスな問題を扱いながら、内容はあくまでエンターテインメント。映画のあるべき姿を示してくれる大傑作!
迷子になったパキスタン人の少女を、家族の元へ還す為に行動するインド人の青年の奮闘を描くマサラ・ロードムービー。
恥ずかしながら、インドとパキスタンの情勢について全く知らず、この映画の観賞後に勉強させていただきました。
まさかこんなに複雑で深刻な対立構造を成していたとは…。
この映画を観なければ絶対に調べることはなかったと思うので、それだけでもこの映画を観る価値がありました!
さて、この映画の扱っているテーマは宗教と国家の対立。
ヒンドゥー教とイスラム教の対立により二分されてしまったインドとパキスタン。今日に至るまで幾度も戦争を繰り返し、果ては両国の核兵器開発にまで発展してしまいました。
両国間の溝は非常に大きく、その間に横たわる憎悪については想像に難くありません。
恐ろしくナイーブでシリアスな問題を扱っておきながら、映画の内容は涙あり笑いありダンスありバトルありの完全なるエンターテインメント!
このバランス感覚が素晴らしい!
難しい問題をシリアスに撮っている映画は数々あれど、重いテーマを娯楽映画に完全に落とし込んでいる作品は稀有でしょう。
シリアス、なのに楽しい。この作品は矛盾している2つの要素を一つの映画のなかで完全に表現している。
こんなに完成度の高い映画は滅多に存在しないでしょう。まさに映画としての完成形を示していると言えます。
映画の内容は夢想的すぎるかも知れません。特に後半、パキスタンに入国してからの展開はあまりに現実味が無さすぎるとも感じました。
しかし、映画の中でくらい、国境と宗教を超えた人間同士の交流を見てみたいではないですか!
映画のテーマ性だけでなく、ビジュアル面でも非常に優れていると感じました。
国境に広がる砂丘の雄大さや、カシミールに広がる山々の美しさには息を呑みます。
そして何より、この映画の一番大事なポイント!
迷子の女の子シャヒーダーの可愛さがヤバい!これは天使だ…👼
とにかく、欠点らしい欠点のない、エンタメ作品の大傑作。
インド映画ほぼ初体験の自分としては、バジュランギ初登場のど迫力ダンスシーンを観て、完全にシャヒーダーと同じ感覚を味わえました。
これがカルチャーギャップというやつか…。
人は憎しみより、愛や思いやり、優しさであると信じたい
人のいい男が迷子の女の子を家まで送り届ける旅に出る。
ロードムービーの類いとしてはよくある設定かもしれないが、これがインド映画の手に掛かると…
笑いと人情の珍道中、歌や踊りも勿論、トラブル続出でハラハラ、宗教や国家間の問題も込めつつ、ハンカチじゃなくタオル必須のラスト…。
これだけたっぷり詰め込みながら全く破綻しない、大ボリュームの面白さと感動。
やっぱインド映画ってスゲェーわ…。
インド人の男、パワン。周りから“バジュランギ”と呼ばれている。
10回も落第するほど学の方はアレだが、バカが付くほど誠実で正直者で、皆から慕われている。
運命の女性と出会い、彼女の実家で彼女の家族と暮らしているが、彼女の父親から一人前になるまで婚約を認めて貰えない。
そんな時出会ったのが、この一人の女の子。
どうやら迷子らしい。
何処から来たのかどころか名前すら聞けない。
何故ならこの女の子、口が利けず字も書けない。
“ムンニー(お嬢ちゃん)”と呼ぶ事にし、いったん家で預かる事にするが、とある事でとんでもない事を知る。
ムンニーは、パキスタン人だった…!
(ムンニーの名前は、シャヒーダー。パキスタンからインドに願掛けにやって来たが、母親とはぐれてしまう…という経緯が序盤で描かれるが、レビューはあくまでパワン目線で、シャヒーダーも“ムンニー”と表記する)
インドとパキスタン。
日本人にはよく分からないが、両国には過去に何度も争いがあり、悲劇が起こり、その対立は今も尚続いている。
彼女の父親は大激怒。追い出せ!…とまで。
パワンもさすがに困り果て、パキスタン大使館に連れて行く。が、ここで…。
この時のパワンの行動に胸熱くさせられる。そして、ある決心をする。
国境を越えてパキスタンに行き、ムンニーを家族の元に送り届ける。
信心深いパワン。全ては、ハヌマーン様の思し召し。(“バジュランギ”とは、ハヌマーン信奉者の意味)
彼女やその家族は猛反対。
バカ誠実でバカ正直で信心深いと言う事は、一度決心した事を投げ出したりはしない。
猛反対を押し切ってまで旅立つ。
…が、ここからが本当に山あり谷あり。
最初の難題である国境越え。
さらにパキスタン警察から、スパイと間違われ追われる身に。
果たして無事、送り届ける事が出来るのか…?
苦労の連続だが、ここからがグッと面白さが増す。
シリアスや深刻になり過ぎず、笑いと涙で。
パワンの宗教感やインドとパキスタンの対立関係も色濃く意味を成してくる。
国境越え。たまたま知り合ったパキスタン人の計らいで密入国しようとするが、パワンはそれを拒否。
国境警備隊に許可を得て、堂々と入国する。
何故なら、ハヌマーン信者はコソコソなどしない。
が、そんな事が通る筈もなく、当然捕まる。
イカれてると思われても、それでもパワンは真っ直ぐに訴え続け…。
立ち塞がる者も居れば、協力者も。
バスの運転手や先生。
そして、同行する事になったTVリポーター。
そもそもはこのリポーターがパワンをスパイとし、特ダネを狙っていたのだが…、
ムンニーの純真無垢な瞳とパワンの真摯な姿に打たれ、自分が間違っていたと知る。
言うのは少々気恥ずかしいが、良心、善意、愛…これらに心を動かされない人は居ない。
…いや、でも居るのだ。
彼女の父親、警察、TV局ら偏見や頭の固い連中が。
勿論、歴史の悲劇は忘れてはいけない。どうしても譲歩出来ないのも分からんではない。
でも、ムンニーや今を生きている我々が何か悪い事でもしたのだろうか…?
ああいう頭の固い連中が居るからこそ、ずっと偏った感情に縛り付けられたままなのではないか…?
結局国家間の対立は、進展しようと努力しない国のお偉方や一部の傲慢な輩のせい。
人と人一対一の関係では…。
そういった面が、本作には描かれている。
サルマン・カーンの人間味たっぷりの好演もいいが、時々ちょっとお転婆なムンニーことハルシャーリー・マルホートラが天使のように愛らしい。
ロケーションも素晴らしい。
少々過剰描写でご都合主義で理想的過ぎでもあるが、非常にドラマチックで、これぞ映画の醍醐味。
と言う事は、言うまでもなくハッピーエンド。
で、ここが特に目頭熱くさせる。
遂に遂に遂に、ムンニーの家がある村を突き止める。その目的地直前、検問。
そこでパワンが取った行動には、日本人なら心揺さぶられる事間違いナシ。所謂“自己犠牲”。
パワンにとってこの旅は、何をもたらしたのか。
自分の身にも危機や危険が降りかかり、ハチャメチャにまで。
見返りすらない。
でも、ただ一つ。
ムンニーが家族と再会出来た。
何と嬉しく幸せな事か。
おじさんと女の子が起こした奇跡。
愛や思いやり、優しさ。
それらを、国家間の対立に疑問や訴えを込めて。
タイムリーに日本では、某国との関係が最悪なまでに悪化している。
あちこちで、お互い誹謗中傷のやり合い。
そういう状況や経緯に陥ってしまった事情は複雑だが、何て哀しく愚か…。
この映画を見せてやりたい。
世界を救うのは何か
ムンニーの純真爛漫な言動と
パワンの一途さがいいです。
あやしい流れになってきたとき、
こうなって欲しいという観客の思いを
全部叶えるハッピーエンドな
ストーリー構成が安心。
紆余曲折あっても、
正直な行動をして苦労した人は
ハッピーになるべきなんだー。
現実は、
そうならない事が多いのだから
せめて、
スクリーンでは理想に浸りたい。
インド映画はドップリ浸れるです。
良心と、こうありたい心の姿に。
人と人とを繋ぐものは
なんだろう。
ある人は宗教
ある人は教育水準
ある人は歌、
私も漠然とそう思ってた。
本作は、
違う切り口で、
人類の最大課題の解決を示してました。
「バカみたいに信じること。」
ヒンドゥー教とイスラム教の宗教や
インドとパキスタンの国家などの
避けがたい対立の現状のなかでも
必ず良心をもつ人はいる。
良心が繋ぐパワーのスゴさが
体感できます。
良心が生み出す奇跡を
159分にちりばめた良作です。
おすすめ。
真に尊重するということ
イスラムの神の加護を求めて訪れたインドで、ひとり母親とはぐれてしまう、声の出せないパキスタンの少女、シャヒーダ。偶然出会った彼女を親元へ返すため、命懸けで国境を渡ることに決めた、「バジュランギ」おじさん。国も国境も、年齢も性別も違う2人の、故郷へ帰るためのロードムービー。個人的には「グリーンブック」より心動かされました。目頭を押さえても、ぽろんぽろんと涙が止まらない、ボリウッドの傑作。
愚かしいくらいに素直で優しいバジュランギ、何にも興味を持たず、何にも秀でない、「0 ゼロ」と呼ばれた彼が、シャヒーダーを必ず送り届ける、と誓ったとき、その目にハヌマーンの力を宿します。このあたりは「ライフイズビューティフル」を彷彿とさせる、優しい覚悟の描き方。また、とはいえ、見ず知らずの子にどうしてそこまで?という疑問を打ち消す、天使のようなシャヒーダー。大きな目でニコニコ首を振る仕草が可愛すぎて…… この子を見捨てられようか!という説得力。台詞なしであの表現力も素晴らしい。
恥ずかしながら印パ関係には決して明るくない私ですが、熱心なハヌマーン信者で、肉食を嫌厭し、モスクに入ることもためらっていたバジュランギが、シャヒーダーのためにイスラムの聖堂で祈り、祈祷の歌に涙する、それがどれだけ美しいことかということはわかります。
歌が長い、とか、歌が長い、とか、ここまできて、最後のカットのボリウッド感!とか、人により驚くかと思いますが、それもご愛嬌。とにかく素晴らしい作品、泣きすぎて次の日は目が腫れてしまうので-0.5
泣けるロードムービーで終わらない素晴らしさ!
インドらしい緻密で泣かす映画だと期待はしていたけど、過去最大級の嗚咽作だとは思わなんだ。これ以上は無い愛くるしさの女の子をダシにしたロードムービーは、インドらしい楽しさに溢れる、本当に素晴らしい映画でした。オチには感銘した!
印パの分離独立が間違いだとは思わない。やり方が杜撰で性急だったけど。結局は「宗教」で色を塗り分けた分離政策は「それしか無かったから」。今思う。本当に、異教だけを理由に誰かを憎めますか?殺さなければならない理由になりますか?
物語りの途中、あちこちに異教に対する拒否反応、逆に、拘りの無い姿が描かれています。国境開放に集まって来たパキスタン人に、パシュランギはアラーを称える返礼をします。シャヒーダーはインドに向かってハマヌーン神に礼をする。
宗教を認め合うこと。愛すること。皆んな出来るでしょ?って言う映画は、無論、印パの間だけの話ではなく。
シャヒーダーが声を出すタイミングも言葉も、予想は出来るんです。分かっちゃいたけど、怒涛の落涙。前日見たアリータは、流れ落ちた涙を文字通り断ち切りました。俺は戦士じゃ無いので、遠慮無くボロ泣きさせて頂きました!
今年の一番候補です。
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2/25追記
宗教問題の根本的な解決など出来ない。一つの宗教に統一することも、全てを消し去ることも不可能だから。しかし、それを理由にいがみ合い、殺し合う必要もない。「悪いヤツ」は自らの欲を「別の何か」で隠蔽する。石油利権を維持したい人達は、経済的欲望を宗教問題に粉飾している。政治的な陰謀を、別の誰かに対する憎悪で隠蔽している国もある。印パの分離時、「宗教問題」で覆い隠されたのは、「国力を削いだ上で対立させれば宗主国への憎悪が薄らぐ」と言う、大英帝国の卑劣さ(個人的な解釈です)。
宗教を理由に憎しみ合うことを止めれば、本当に悪いのは誰か、解決しなければならない政治・経済の問題は何なのかが、表に出てくるのに。
インド側が作った映画でしたが、劇中ではムスリムへの尊敬を描くエピソードがあります。アラーは誰も拒まない。だから鍵は掛けない。師とあがめたくなってしまう。「印度人、ウソつかなーい」もパシュランギが徹底して見せてくれる。最後には、仲間にウソをつかせたけど。
正直になること。相手に対する敬意。そんでもって「愛」。このメッセージの見せ方が、とてつもなく素晴らしい映画だった。何度でも言いたい。絶対見るべきです。って、もう遅いか。
朝からパシュランギ、午後一本目がバグダッド・スキャンダルと言うハシゴは偶々だったんですが、続けて観たら、そんな事を思ってしまいました。
じじい最期の願い。(エンディング動画追加!)
先に言わせて下さい。
とにかく観て欲しい!
長々とレビューは書きますが、こんなにも他の人にも観て欲しいと思った映画は初めてです!それぐらい良いいいいんです!じじいです!
以下、長文です。m(._.)m
インドとパキスタンは元々、一つの国でした。ただ、イギリスの植民地化支配によって大飢饉や争いが絶えず、何百万人もの人々が亡くなっていました。
そして、独立運動が始まるわけですが、結果的にヒンドゥー教徒とイスラム教徒はそれぞれの国をつくることで決議し、インドとパキスタンに分かれて独立しました。
この独立前に、カンジーはヒンドゥー教徒もイスラム教徒も分かり合える時がくると信じて、ヒンドゥー教徒もイスラム教徒も一緒に独立国家をつくろうと統一した国を目指して運動していました。
しかし、ヒンドゥー教徒であるガンジーが、イスラム教徒に対して譲歩しすぎる姿勢が敵対視され、ヒンドゥー教徒の青年にピストルで撃たれます。
銃弾を受けたガンジーは薄れゆく意識の中で、イスラム教で「あなたを許す」という意味の動作である自らの額に手を当てて亡くなったと言われています。
ガンジーの願いも虚しく、インドとパキスタンという国を持ち独立したにも関わらず、争いは悪化し、アメリカ・中国の大国等も戦争を煽り、両国が核兵器を持つまでになりました。
このように世界は未だに対立や戦争が絶えませんが、この映画から平和への道しるべやヒントとなるものを感じてなりませんでした。
この映画を見ている人と見ていない人の差は出てしまうのでは…と感じるほど、人間力を感化させる作品です。とてつもないエネルギーを感じます…なんという映画の力…だからこそ、これからを生きる若い人達に観て欲しいと願わずにはいられなくなりました。
平和な地球を残したいというじじい最期の願いに一筋の光を与えてくれた映画です。本当に感謝します。カンジーもきっと涙していることでしょう。
にしても、こんなにも泣いて笑った映画は「ライフイズビューティフル」以来でしょうか。いや、それを超えました!これは本当にやられました…ビックリしすぎて私もお父さんと共にあの世へ逝ってしまいそうになりました。
ヒンドゥー教とイスラム教、インドとパキスタンという歴史的な対立の中にあっても、人間という共通点を持ち、同じ人間であることの大切さ知った時、国を超え、宗教を超え、歴史を変える力があることを教えてくれました。
国の文化・宗教・人種に関係なく、親が子を愛するように人間が人間を愛するという人間主義の本質を描いた素晴らしい作品でした。こんな映画を待っていました!本当にブラボーです!ブラボーを言ったのはレミゼラブル以来です。
ヒンドゥーの神もイスラムの神も、「愛」という共通の力を持ち、認め合っている点はこの映画の核になっている思います。パワンとシャヒーダーをはじめ異教徒が互いの宗教を認めた行動が描かれている点がまさにそうで、本当に素晴らしい。本当によくやった(すいません私は何様だ。)…涙が止まらない(;_;)
対立していても、国・文化・宗教・人種が違っても、同じ人間であるのだから、理解し合える時が必ずくるというメッセージが込められていると感じたのと同時にインドの聖人ラーマクリュナの次の言葉を思い浮かべました。
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宇宙の母なる神は子供たちのおなかに合うように料理をつくって下さるのだ。魚が手に入って、家に五人の子供がいれば、皆にピラフや油っこいカレーをつくってくれるわけではない。みんなの胃袋の消化力は同じじゃないからね。子供によっては、汁気の多い魚スープをこしらえて下さる。だが、母さんはどの子も同じように愛していらっしゃるんだよ。
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どの宗教もそれぞれの人に合うように存在する。だからこそ、人間という原点に立ち返って認め合うこと。この大切さを本作によって深く掘り下げてくれました。
それぞれの宗教の持つ力を活かして、相手の幸せを祈り行動すること、縁した人々を励まし続けること、違いがあっても人間主義という視点に立てば支え合えることを実感させてくれた最高の映画でした。
最後にブー・アリ!いっぱい穴掘っててくれてありがとう!!色々チクられていくつか埋められたけど、どうか無事でいてくれ!(>人<;)
※追記です!
youtubeにエンドロールに流しても良かった?カットされた?と思われるダンス映像を見つけましたので、鑑賞を終えた人は、是非、見てみて下さい。
https://youtu.be/x4UjdNUjwoQ
おじさんもムンニーもかわいい
ツイッターで評判を見かけて観に行きました。
冒頭ムンニーがひとり取り残されるシーンでもう号泣。あんな暗くて何もないところに子供が一人立っているだけで、あまりの悲壮感に泣けてくるし、お母さんは見ていて可哀想になるくらい取り乱して、もう泣くしかなかった。
観る前は一体どんな事情があったら隣国にひとりで迷子になってしまうんだと思っていましたが、子供の好奇心の強さと言ったら…親の考えなど凌駕してしまうものなのだなと。
一方、バジュランギおじさんは登場の歌と踊りのシーンがめちゃくちゃ楽しくてテンションが上がる。
もうこりゃおじさん(…という年齢でもなさそうだけど)は、どんな傑物なのかと思いきやめちゃくちゃな落ちこぼれで、だけど正義感と優しさだけは飛び抜けてて、そんな彼の恋人もまた良い人で、パキスタンで出会った記者もまた良い人で、優しさの連鎖にもうドバドバ涙が出まくりました。
宗教や文化の違い、かつての戦争、いろんな確執がある両国だけど、それを変えて行ける、手を取り合えると思える作品でした。
世界がおかしな方向に進みつつある昨今にこの作品がたくさんの人に届けばいいのになと思いました。上映館少なすぎるよ。
インド映画最高!
最初の、インドかパキスタンの冬山の景色から魅せられました。バジュランギおじさんの生い立ちから始まり…インド映画お決まりのダンスありスローモーションありで楽しませてくれました。パキスタンへの道中は、ハラハラドキドキ、早くお母さんの元へ行けますようにと祈りながら観ていました。ラストは号泣…
今年一番の作品です!たくさんの人に観て欲しいです。
女の子が可愛い…が曲が長いのどうにかして。
クリケット選手の名前をつけられた女の子が、
迷子の女の子シャーヒダーが!!
可愛いです。可愛すぎます。
ほっぺたチューチューしたくなります(変態め)。
パワンの誠実さを若干うとましく思うわたしは、多分間違ってると思います。
パキスタンへ入国できたのに、ちゃんと許可を取らないと、と言って国境付近にとどまるところです。
そんな許可とかいらんやん?さっさと先へ進みなよ!って思いました。
でも「ちゃんと認めてもらって進むこと」を是とするパワンだから、シャーヒダーちゃんをインドからパキスタンまで送りとどけようと決めて実現したんだろうなと思います。
なので我が身にない美徳に嫉妬したのだと思います。
パキスタンのシャーヒダーちゃんのお家あたりは、本当にアルプスっぽいというか、ハイジやんと思いました。
なので、カレンダーのスイスの風景を見てシャーヒダーちゃんが、ここがおうち!と思ったのもわかります。
山の斜面、きらきらひかる太陽光にヤギかひつじ(見分けがつかないの…)の群れ、地面の緑と杉系の木。ああいう世界に生きるムスリムがいるんだなーっていう実感を得ました。ええ、美しかったです。雪山を含め。
カースト制の名残の階層意識と、食事の習慣の決まりがわからなくって途中で混乱しました。
あとで軽く調べたところによると、バラモン(司祭)や、クシャトリヤ(王族、貴族とか)の身分高めの人たちは、菜食主義の人が多いみたいです。多分。
パヤンや彼女の一家は、わたしには一般市民層に見えましたが、カースト的には違うのでしょう。
なので異教徒であるイスラム教徒の肉食に眉をひそめるのだと思います。
ヒンズー教徒の肉食者にもああいう差別意識を持つのかな?わかりませんがそうかもしれません。
パッドマンでも主人公は敬虔なヒンズー教徒で菜食主義だったですね。
そしてパキスタンはもともとインドの一部だったのが、イスラム教徒とヒンズー教徒(その他も含むのかな)が仲良くできなくて、イスラム教徒が分離独立した国なので、仲悪いんです。なのでビザが取りにくかったのです。
インドとパキスタンやバングラデシュのいざこざ
トルコとアルメニア人やクルド人のいざこざ
イギリスとアイルランドのいざこざ
ユダヤ人のことなどに触れる時、
わたしは日本と韓国・北朝鮮のことを連想します。
なんで距離が近い隣人とは仲良くできないのかなって。
人間って結局、他者を愛せないのかもしれません。
コーランも聖書も隣人愛は説くけれども、その隣人には異教徒を含まない。
区切られた同族の中での仲良しは推奨するけど、その外には警戒しろってゆうのが、歴史と文化と宗教が選んできた人付き合いなんですね。
世界平和は大いなる理想で建前で、目指せばいいと思うけれど、多分現実はしないんだろうな。
誰にとっても良い世界って、やっぱりつくれないのかな。
映画を見ながらぼんやりと絶望していました。
映画には関係がないことですが、こういう関係のない思考にふけってしまった原因は、楽しいけど長すぎるシンギング&ダンシングのせいです。机を叩いておもむろに立ち上がって断言したい。
インド映画楽しいし、興味惹かれる題材がいろいろあって、時々見てますけど、もうちょっとだけシンギング&ダンシングの一曲ずつを短くできませんかね?一曲の中でそんなに衣装変えるとかしなくてよくないですかね?って思います。
ラストシーンでシャーヒダーがバジュランギおじさーんって叫んで、パワンとハグからのたかいたかーい投げ!!で終わるのが、えっ?シャーヒダー、投げられたまま固定で終わり?ってゆうことに目が点になりました。
パワンのお父上、厳しいわねとか、
10年落第ってあんた、いくつよ?とか、
インターネットで支援が広がるって21世紀的とか
ごっついパワンの女装最高とか
パワンの登場シーンのダンシング&シンギングはめちゃかっこいい!とか
色々盛りだくさんです。
インドとパキスタンの歴史的背景と、ヒンズー教徒の食事戒律?をかるーく予習して、ご家族でどぞーってゆう映画です。
わかっちゃいるけど、
踊って歌ってもわざとらしさはない。
気にならない。
主役の魅力かもしれないが。
主役2人の魅力にいつしか、物語に引き込まれて、笑ってたら泣いての繰り返し。
安心してみていられるとはいえ、
ハラハラドキドキしたり、
涙は絶えず。
笑顔になるのも絶えず。
温かい気持ちにしてもらった。
何だかとっても癒されて、
そして信じる正直な気持ちも貰った。
御礼をいいたくなった。
そんな珍しい気持ち。
インド流の社会派+エンタテインメント映画
パキスタンの山岳部の小さな村に暮らす女の子シャヒーダー(ハルシャーリー・マルホートラ)。
5歳ぐらいなのだが、まだ口がきけない。
村の長老の勧めで母親に連れられ、国境近くのインドのイスラム寺院にお参りに行くが、帰りの列車が途中停まっているときに降りてしまい、そのまま取り残されてしまう。
次に来た列車に乗り込んだが、その列車の行き先は全く別。
シャヒーダーは異国の地インドで迷子になってしまう・・・
というところから始まる物語で、迷子になった先では、いままさに猿神ハヌマーンのお祭りの真っ最中で、そこで陽気に歌い踊るインドの青年でパワン(サルマーン・カーン)だった・・・と展開する。
巻頭すぐのハマヌーンのお祭りのミュージカルシーンでいっぺんに惹き込まれます。
というか、ここで惹き込まれないひとは、インド映画との相性はすこぶる悪いでしょう。
とにかく、群舞群舞群舞のゴージャス感。
敬虔なヒンドゥー教信者で純朴真面目なパワンは、シャヒーダーを放っておくことが出来ず、最終的に居候先まで連れて帰ることになります。
で、口が利けないものだからシャヒーダーをバラモン階級の女の子と誤解しての、いわゆる、思い込み&勘違いのお笑いが前半。
シャヒーダーがパキスタン人だとわかって、送り返そうとするが、悪人によって人身売買されそうになったので、それならば自分が送り届ける、と決意したパワンとシャヒーダーの旅が後半です。
全体的に、インド流のエンタテインメント手法でみせるのですが、前半が少々くどい感じがします。
後半は、パキスタン側にインド人スパイと誤解されたふたりを追うパキスタン人カメラマンが加わっての道中となり、バディムービー風となります。
このカメラマンがなかなかいい味を出しています。
シャヒーダーは、無事、母親のもとへ戻ることが出来るのですが、その後も1エピソードあり、最後までハラハラさせられました(とはいえ、エンタテインメントなので、結果はわかっているのだけれど)。
社会派の内容をエンタテインメントで魅せる映画としては上出来。
インドとパキスタンの国家の対立の根っこには、ヒンドゥーとイスラムの宗教対立があるわけですが、敬虔なヒンドゥー教信者のパワンが最後の最後にパキスタンの人々にイスラム教のお礼の仕草をして感謝の気持ちを表すシーン、ジーンと来ました。
ラーマ万歳!
ミッションインポッシブルのフォールアウトと違って本物のカシミールの景色。
また行きたくなった。
絶景の真ん中に引かれる印パの国境の描写。
言葉を無くした。
3カーンの中ではそれほど好きではないサルマンの良さが少しだけ分かった。
それとムンニーが可愛すぎた。
2019.3 追記)
何故この映画に感動したはずのインド人が、そして感動を与えた側の主役サルマンが、インド軍がカシミールのパキスタンへの報復の空爆をしたことを祝福し支持するのか。映画で伝えたかったことはなんなのか、虚しい。映画は現実とは違う絶望。
これが見たかった
確かにyoutubeで大群の人々とか、昨今ありがちだし、大味な部分や力業もある。でも、そんなのぶっ飛んだ。映像も演技も、圧倒的に気持ちよさと面白さがあって、しかもマサラテイストのダンスや暴力シーンも遠慮なしで、極めつけは女の子の笑顔と名演技、ラストはリン(北斗の拳)っすか! 号泣。・・・いや、実は、国境警備隊長、バスの車掌、そして悪役のおっさんたちが、主人公の献身にほだされたり、改心したりるとこで、ね。
95点!感動したわぁ!
前の(パッドマン)より良かった。
(嫁さんの感想です)
行く前…
「インド映画観に行こ」
『えぇー またぁー!? どんなん?』
「感動するやつ」
『あんた インド行ったら ええやん!』
こんなやり取りして観て来ました。
二人とも満足して帰りました。
最後は そーやろな!
思っても泣いてしまいました。
あの女の子めちゃくちゃかわいい!
「アチャー」てポーズするの!
国境越えのシーン 笑ったわぁ!
笑って泣いて感動して
最高の映画です。おすすめします。
タイトルなし
まず少女がかわいすぎます、笑うと最高に可愛らしい!
最近「家(うち)へ帰ろう」も見ましたが、この系統が立て続いてますが、裏切られることなく感動。
昨年あたりに見た「LION」も思いだしちゃいました。
ラストの心からの叫びが声になったのもよかった。
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