「じじい最期の願い。(エンディング動画追加!)」バジュランギおじさんと、小さな迷子 どろぼうじじいさんの映画レビュー(感想・評価)
じじい最期の願い。(エンディング動画追加!)
先に言わせて下さい。
とにかく観て欲しい!
長々とレビューは書きますが、こんなにも他の人にも観て欲しいと思った映画は初めてです!それぐらい良いいいいんです!じじいです!
以下、長文です。m(._.)m
インドとパキスタンは元々、一つの国でした。ただ、イギリスの植民地化支配によって大飢饉や争いが絶えず、何百万人もの人々が亡くなっていました。
そして、独立運動が始まるわけですが、結果的にヒンドゥー教徒とイスラム教徒はそれぞれの国をつくることで決議し、インドとパキスタンに分かれて独立しました。
この独立前に、カンジーはヒンドゥー教徒もイスラム教徒も分かり合える時がくると信じて、ヒンドゥー教徒もイスラム教徒も一緒に独立国家をつくろうと統一した国を目指して運動していました。
しかし、ヒンドゥー教徒であるガンジーが、イスラム教徒に対して譲歩しすぎる姿勢が敵対視され、ヒンドゥー教徒の青年にピストルで撃たれます。
銃弾を受けたガンジーは薄れゆく意識の中で、イスラム教で「あなたを許す」という意味の動作である自らの額に手を当てて亡くなったと言われています。
ガンジーの願いも虚しく、インドとパキスタンという国を持ち独立したにも関わらず、争いは悪化し、アメリカ・中国の大国等も戦争を煽り、両国が核兵器を持つまでになりました。
このように世界は未だに対立や戦争が絶えませんが、この映画から平和への道しるべやヒントとなるものを感じてなりませんでした。
この映画を見ている人と見ていない人の差は出てしまうのでは…と感じるほど、人間力を感化させる作品です。とてつもないエネルギーを感じます…なんという映画の力…だからこそ、これからを生きる若い人達に観て欲しいと願わずにはいられなくなりました。
平和な地球を残したいというじじい最期の願いに一筋の光を与えてくれた映画です。本当に感謝します。カンジーもきっと涙していることでしょう。
にしても、こんなにも泣いて笑った映画は「ライフイズビューティフル」以来でしょうか。いや、それを超えました!これは本当にやられました…ビックリしすぎて私もお父さんと共にあの世へ逝ってしまいそうになりました。
ヒンドゥー教とイスラム教、インドとパキスタンという歴史的な対立の中にあっても、人間という共通点を持ち、同じ人間であることの大切さ知った時、国を超え、宗教を超え、歴史を変える力があることを教えてくれました。
国の文化・宗教・人種に関係なく、親が子を愛するように人間が人間を愛するという人間主義の本質を描いた素晴らしい作品でした。こんな映画を待っていました!本当にブラボーです!ブラボーを言ったのはレミゼラブル以来です。
ヒンドゥーの神もイスラムの神も、「愛」という共通の力を持ち、認め合っている点はこの映画の核になっている思います。パワンとシャヒーダーをはじめ異教徒が互いの宗教を認めた行動が描かれている点がまさにそうで、本当に素晴らしい。本当によくやった(すいません私は何様だ。)…涙が止まらない(;_;)
対立していても、国・文化・宗教・人種が違っても、同じ人間であるのだから、理解し合える時が必ずくるというメッセージが込められていると感じたのと同時にインドの聖人ラーマクリュナの次の言葉を思い浮かべました。
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宇宙の母なる神は子供たちのおなかに合うように料理をつくって下さるのだ。魚が手に入って、家に五人の子供がいれば、皆にピラフや油っこいカレーをつくってくれるわけではない。みんなの胃袋の消化力は同じじゃないからね。子供によっては、汁気の多い魚スープをこしらえて下さる。だが、母さんはどの子も同じように愛していらっしゃるんだよ。
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どの宗教もそれぞれの人に合うように存在する。だからこそ、人間という原点に立ち返って認め合うこと。この大切さを本作によって深く掘り下げてくれました。
それぞれの宗教の持つ力を活かして、相手の幸せを祈り行動すること、縁した人々を励まし続けること、違いがあっても人間主義という視点に立てば支え合えることを実感させてくれた最高の映画でした。
最後にブー・アリ!いっぱい穴掘っててくれてありがとう!!色々チクられていくつか埋められたけど、どうか無事でいてくれ!(>人<;)
※追記です!
youtubeにエンドロールに流しても良かった?カットされた?と思われるダンス映像を見つけましたので、鑑賞を終えた人は、是非、見てみて下さい。
https://youtu.be/x4UjdNUjwoQ
どろぼうじじい さんへ
仰せの内容、全く同感です。何故あの地にムスリムがいるのかと、パキスタンの分離独立の歴史が念頭に無いと、主題が理解し難い映画でしたが、素晴らしかったです。
アリ・ブーは、映画ラスト時点では無事にTVを観てましたよ!