「女の子が可愛い…が曲が長いのどうにかして。」バジュランギおじさんと、小さな迷子 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
女の子が可愛い…が曲が長いのどうにかして。
クリケット選手の名前をつけられた女の子が、
迷子の女の子シャーヒダーが!!
可愛いです。可愛すぎます。
ほっぺたチューチューしたくなります(変態め)。
パワンの誠実さを若干うとましく思うわたしは、多分間違ってると思います。
パキスタンへ入国できたのに、ちゃんと許可を取らないと、と言って国境付近にとどまるところです。
そんな許可とかいらんやん?さっさと先へ進みなよ!って思いました。
でも「ちゃんと認めてもらって進むこと」を是とするパワンだから、シャーヒダーちゃんをインドからパキスタンまで送りとどけようと決めて実現したんだろうなと思います。
なので我が身にない美徳に嫉妬したのだと思います。
パキスタンのシャーヒダーちゃんのお家あたりは、本当にアルプスっぽいというか、ハイジやんと思いました。
なので、カレンダーのスイスの風景を見てシャーヒダーちゃんが、ここがおうち!と思ったのもわかります。
山の斜面、きらきらひかる太陽光にヤギかひつじ(見分けがつかないの…)の群れ、地面の緑と杉系の木。ああいう世界に生きるムスリムがいるんだなーっていう実感を得ました。ええ、美しかったです。雪山を含め。
カースト制の名残の階層意識と、食事の習慣の決まりがわからなくって途中で混乱しました。
あとで軽く調べたところによると、バラモン(司祭)や、クシャトリヤ(王族、貴族とか)の身分高めの人たちは、菜食主義の人が多いみたいです。多分。
パヤンや彼女の一家は、わたしには一般市民層に見えましたが、カースト的には違うのでしょう。
なので異教徒であるイスラム教徒の肉食に眉をひそめるのだと思います。
ヒンズー教徒の肉食者にもああいう差別意識を持つのかな?わかりませんがそうかもしれません。
パッドマンでも主人公は敬虔なヒンズー教徒で菜食主義だったですね。
そしてパキスタンはもともとインドの一部だったのが、イスラム教徒とヒンズー教徒(その他も含むのかな)が仲良くできなくて、イスラム教徒が分離独立した国なので、仲悪いんです。なのでビザが取りにくかったのです。
インドとパキスタンやバングラデシュのいざこざ
トルコとアルメニア人やクルド人のいざこざ
イギリスとアイルランドのいざこざ
ユダヤ人のことなどに触れる時、
わたしは日本と韓国・北朝鮮のことを連想します。
なんで距離が近い隣人とは仲良くできないのかなって。
人間って結局、他者を愛せないのかもしれません。
コーランも聖書も隣人愛は説くけれども、その隣人には異教徒を含まない。
区切られた同族の中での仲良しは推奨するけど、その外には警戒しろってゆうのが、歴史と文化と宗教が選んできた人付き合いなんですね。
世界平和は大いなる理想で建前で、目指せばいいと思うけれど、多分現実はしないんだろうな。
誰にとっても良い世界って、やっぱりつくれないのかな。
映画を見ながらぼんやりと絶望していました。
映画には関係がないことですが、こういう関係のない思考にふけってしまった原因は、楽しいけど長すぎるシンギング&ダンシングのせいです。机を叩いておもむろに立ち上がって断言したい。
インド映画楽しいし、興味惹かれる題材がいろいろあって、時々見てますけど、もうちょっとだけシンギング&ダンシングの一曲ずつを短くできませんかね?一曲の中でそんなに衣装変えるとかしなくてよくないですかね?って思います。
ラストシーンでシャーヒダーがバジュランギおじさーんって叫んで、パワンとハグからのたかいたかーい投げ!!で終わるのが、えっ?シャーヒダー、投げられたまま固定で終わり?ってゆうことに目が点になりました。
パワンのお父上、厳しいわねとか、
10年落第ってあんた、いくつよ?とか、
インターネットで支援が広がるって21世紀的とか
ごっついパワンの女装最高とか
パワンの登場シーンのダンシング&シンギングはめちゃかっこいい!とか
色々盛りだくさんです。
インドとパキスタンの歴史的背景と、ヒンズー教徒の食事戒律?をかるーく予習して、ご家族でどぞーってゆう映画です。