蜜のあわれのレビュー・感想・評価
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あたいには分からなかった
室生犀星の小説の映画化。明治~大正から活躍し、芥川龍之介らと交友あった文豪だが、恥ずかしながら存じ上げず。
鈴木清順が晩年映画化を構想していたとか。幻想×文芸×エロス…あ~、なるほど。
叶わず、代わりに映画化したのは、石井岳龍。あ~、この人選も。
語れるほど作品を見てはいないが、異色作が多い印象。見た中でも『五条霊戦記』『パンク侍、斬られて候』は何とかついていけたけど、『シャニダールの花』はちんぷんかんぷん。
本作も後者。
室生犀星が自身を反映したという老作家。
一緒に暮らす不思議な少女。
実は彼女は、金魚だった。
老作家と金魚少女と、老作家に想いを寄せる幽霊の女。
そんな3人が織り成す、愛とエロスの幻想譚。
…マジ、意味が分からん。
幻想作品なので金魚少女とか幽霊の女とか設定するのはいいにしても、話の意図が全く見えてこない。
登場人物たちの言動もさっぱり。
私の理解力が無いのか、分かる人には分かるのか…?
私に言わせて貰えば、今何かと話題の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』以上に訳分からん!
それでも採点1や0・5にしなかったのは、演者のお陰。
二階堂ふみのキュートでコケティッシュな魅力は特筆もの。
真っ赤な衣装、“あたい”、まんまるお尻にダンスまで、本当にふわふわした“金魚少女”に見えてくるから不思議。
大杉漣も初老の哀愁と可笑しさとちょい変態チックの妙演。
真木よう子と高良健吾は…。
後は…
あたいには分からなかった。
金魚は体外受精で交尾はしないんだけれど
原作が1959年に刊行された室生犀星の幻想小説
会話だけのという斬新な手法の小説なんだそうです
3年後に72歳で亡くなっている
原作は読んでいませんが
70近い死がまじかに迫っている老人の心情に共感を覚えます
歳をとるほど若い女性にひかれる気持ちも少しはわかるけど
若くて可愛いだけではだめになってきていて、色気とかフェロモンがないと気持ちがいかないとかね
まだまだ性への欲求はあるけれど、身体がついていかない焦り
知り合いはどんどん死んでいき、話し相手が死者だったり、人間以外になったりが日常になる
金魚は体外受精で交尾はしないんだけれど・・・
夢の無い話は置いといて
他の男に彼女を抱かせる老人の気持ちは若いうちはわからないだろうな
それが少しはわかる年齢になってしまったのがさびしい
映画としては、幻想感に欠ける
これは監督のせいですね
減点です
2016年公開だから二階堂ふみは当時、22歳
彼女のために題材を選んだんだろうけれど、ちょっと違う
彼女は脱ぎっぷりもいいし、演技も上手いんだけれど、ヒロインは彼女じゃない
もっと現実離れしたかわいさと色気がいる
監督のイメージにずれがありますね
だから、映画としての評価は中途半端としかいいようがない
大杉漣も若すぎる
当時、64歳
原作当時とは寿命がのびているからね
80近い人でないと
なんて思うけど、2年たたずに突然死されました
歳は関係無い?
いやいや、歳をとるということは
明日死ぬ確率が、高くなるって事ですよ
なにもかもほっぽり出して逝くのが死です
観たかった作品だけに残念だけど、Amazonプライムだからね
二階堂ふみ作品は観ておきたい
ミスキャスト
一番のミスキャストは大杉漣さん。設定として必要なはずの、老練された作家の影のある色気や毒が皆無で、無駄に老けメイクをしただのご老人でした。
意外だったのは、爺作家のロリータ妄想爆発、てだけの単純な話ではなかったこと。作家の昔の女の正体は単に幽霊ではなく、ならば今面倒をみてる愛人だってひょっとしたら…?
エキセントリックに暴れまわるあかこと作家のやり取りだけに目がいき、背景の物語はぼやけてしまいがちですが、捻りもしっかりあり、観察眼が試されそうなお話でした。
あ、MVPは芥川龍之介役の高良健吾さんに。
金魚と作家?
面白くないだろうけど、ふみちゃんが出ているので観ました。
金魚?作家?大杉漣?二階堂?
この意外性が凄く面白かったです。
ふみちゃんらしさが出ている所も良かったです
大杉漣さんとの掛け合いも面白かった。
大杉漣さんのご冥福をお祈りします。
なにげに、原作ファンだったりする
と、言っても、読んだのつい最近なんですけどね。昔、衛星で映画をチラ見して気になって、去年の秋に借りて観て、今月、「青空文庫」(著作権が切れた又は許可の下りた作品を、有志の方々がネットに直に打ち込んだもの)で原作を読み、また観直したという寸法。否、遠回り(笑)
シュールレアリスム文学という名称を初めて知りました(このサイトのあらすじ読んで)。
原作は会話のみで「地の文」無し、ト書きの無い戯曲みたいなもので、最初はまごつきました。でも、老いや人生、男と女、金魚や他の生き物やについて縦横無尽に、ざっくばらんに語り合う作家と金魚は魅力的で、そのやり取りはなかなかに哲学的。妙な含蓄があったり、名言めいた台詞も多く、読み終わった時はちょっと寂しかったです。
原作を読んでから映画を観ると、よくもまぁアレを映画化する気になったナァ、と(もちろん良い意味で)思います。
原作は会話が主体であってドラマ的展開に乏しいので、そこんとこ苦労したと思います。金魚(赤子)でも幽霊(ゆり子)でもない、第三の女(たぶん作家志望の女の子)を出してくるのも、無理はない。
原作の作家先生はだいぶ枯れてます。昔は多少の色恋はあったし今でも女の人は好きだけど、もう年だからさぁ、、というスタンス。「子供がほしい=他の金魚と交尾してくる!」という赤子に、ことさら反対もしません。
性別や年齢や種族の壁を越えてしまった二人の、なんだかちょっと親友みたいな雰囲気、好きなんですけどね。ただ、そのままではドラマがないから(笑) 映画では妬いて妬かれて、けっこうな愛憎が繰り広げられます。赤子はゆり子とすっかり仲良くなるし、作家が芥川龍之介(!)(高良健吾)の幽霊と邂逅する一幕も。
ちなみに、原作には室生犀星本人による「あとがき」も付いていた。これには本編以上に、まごついた(笑) しかし、非常に面白い読書体験だったので、室生犀星はもちろん、出合わせてくれたこの映画にも感謝。
二階堂ふみのフルヌードだけが良かった。
冒頭に詳しい説明がないので、話しの内容が全く入ってこない。
二階堂ふみは昔しの話し方なのに、夏木よう子は普通の話し方。
二階の間にある鏡もなんだか分からない。
19年間寝たきりの奥さんはどこ❓
エンディングで二階堂ふみと大杉漣
が踊るのは全く意味不明。
二階堂ふみのオールヌードを観るためだけの映画。
映画館で観なくて良かった。
幻想と芸術と文学の組み合わせはいいのですが、
金魚に老作家が恋をした。幻想的文学作品を映像化。
老作家の妄想を芸術的に映像化なのか?本当に金魚が人間に化けているのか?そこは真相は語らず視聴者のお任せにしている所が文学らしい。
しかし、現代にて映像化するにあたり、昭和初期の風情なり四季なり丁寧に描けなかったものか?
幻想的な部分をコミカルに描くだけで、セットや撮影方法が少し雑。勿体ない。
俳優陣と致しましては、大杉漣は老作家の割にはシャキシャキ若過ぎて年配としての魅力が薄い。
金魚役の二階堂ふみと幽霊役の真木よう子のみで作品を引っ張っている感あり。高良健吾の立ち位置演技微妙。金魚売りの永瀬正敏は超微妙💦
まぁ、文学作品の様に出てくる人物達に感情移入出来れば楽しめると思います。
ただ、内容に映像が負けていると思います。
独特の世界観、予想通りだけど、飽きない色合い
金魚は発言も行動もかなり際どいのに全く汚かったりしなくて、かつ色合いが綺麗なので二階堂ふみさんの色気も引き立っていてとても良かったです。
1つの映画を3、4章くらいに分けていた点や、金魚と実写の分け方なども昔の文学作品を映画化する上では合っていたと思います。
大杉漣さんはやはりとてもいい俳優さんでした。御冥福をお祈りします。
幽霊、金魚売り、芥川龍之介も文学の世界からそのまま出てきたような、かつ当時の色合いが見えるような(その時代を知っているわけではないですが…)そんな独特でユニークなキャラクター。
どの登場人物も憎めないいいキャラです。
幻想的な映像文学
Blu-rayで鑑賞。
原作は未読です。
幻想的な雰囲気に彩られていて、観ていて不思議な気分になりました。まるで実相寺昭雄監督みたいな世界観だな、と…
二階堂ふみがとにかく奔放かつ妖艶。肢体を惜し気も無く曝して、金魚の精・赤子を体現していました。老作家とのキワドイ会話もなんのその。演技力の高さに脱帽でした。
身に纏う衣装の赤がなんだか破廉恥。映像美も相まってかめちゃくちゃ画面に映えて来るし、赤子の唯一無二の存在感を際立たせていました。「あたい」って言うのもかわいい…
老作家と金魚と元妻(幽霊)との三角関係がコミカルな部分もありつつ非常に生々しい…。嫉妬に狂うと云う初めての感情に戸惑い、やけくそでオスの金魚とまぐわってしまう赤子の暴走と、それをただ見つめるしか無い老作家の感情や如何ばかりか…。ラストの切なさに胸が締めつけられました。
[余談]
大杉漣もさすがの名演技!
この演技がもう観られないとは…
非常に残念です。
※修正(2023/03/16)
肉感的幻想に酔った
訊かれない話をかたりますが・・・
小学生の頃バレエをやってました。
やめた理由?男の子はトウシューズを履かせてもらえなかったからです。
やめてなければ今ごろ熊川哲也かなぁ(笑)
で、映画のこと、
どこか精進した芸事・習い事を肥にしている役者は、内側からいぶし銀の光を放つ。
たとえその鍛練が役柄に直接用いられない筋書きであってもだ。
舞台を喰ってしまうこの金魚は、そら恐ろしいものを持っている。
二階堂ふみは、もしやと思って調べたら、なるほどこの人はバレエをやっていたか!
あの首の傾げと視線の映えは、西洋の舞台芸術の精神、その発露だ。
大杉漣は、二階堂とバランスをとりうる重鎮として、二人で二枚看板の見事な芝居だったと思う。
白衣の幽霊役は、残念ながら力不足ではなかったかな。体幹が安定していないから、演技が見ていられない。茶道、日舞、あるいは能でもたしなんでいたなら、もっと良い幽霊になれたであろうに。
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〉どこか精進した芸事・習い事を肥にしている役者は、内側からいぶし銀の光を放つ。
「しゃべれども しゃべれども」の踊る国分太一が大好きです。
欲しくなっても・・夢・・幻想・・妄想で
この作品は映画館に足を運びたいと思ってた作品でしたが残念ながら足を運べずで見てなかったのですが、大杉漣さんの訃報を友人からのLINEの投稿で知り調べましたら本当なんだぁ〜と思い。悲しさが込み上げてきたら「がんばっていきまっしょい」を思い出した。
この作品はテレビドラマ、映画とどちらも良作品です。まだ見てない方いましたら見て頂けたら嬉しいです。「蜜のあわれ」室生犀星さん原作。卍は谷崎潤一郎さん。室生犀星さん原作の映画は正直この作品がはじめてやと思う。昔々若い頃は原作だとか?監督さんとか意識せずにやたらと見てた時にもしかして見てるかもしれないが多分はじめて。谷崎潤一郎さんは見てる、なぜか見てると言いきれる。室生犀星さんを演じる大杉漣さん渋谷すぎる間違いなし作家もしくは詩人に見えてくる想像・妄想・なんだかよくわからないが
金魚の二階堂ふみさんとのやり取りは二階堂ふみさんも上手いのは間違いないが当たり前のことを言って申し訳ないが大杉漣さんの顔出しながらの顔なき芝居は最高に素晴らしい。バイプレイヤーズのメンバーで私は光石研さんが大好きなんです。光石研さんの濡れ場も上手いですが、この作品の大杉漣さんは本当に良い。金魚や幽霊を金魚や幽霊な感じ見させてしまうのは女優さんの上手さもあるが蓮さんの上手さが飛び抜けてる。石井岳龍さんの世界観に浸ってしまった。
真木よう子さん。高良健吾さん。二階堂ふみさんと
私の好きな俳優さんたちがこの先何年も何十年も頑張って俳優さんを続けてくれることを思い祈ります。
これを機に室生犀星さんの本読んで見ようと思いました。
小説を超える出来栄え
原作は室生犀星の幻想小説。金魚の女の子と老作家の恋物語と聞いて、絶対に好みだと思ってたけど、予想を超えるほど良かった!
二階堂ふみの演じる"赤い三年子の金魚"が可愛くてエロティックで最高です。衣装も似合いすぎ!
"おじさま"役の大杉漣さんもシブかわでたまらない!
夢か現実かそれはまるで命のように儚い。
小説の世界が見事に映像化されています。
原作ファン、幻想小説好きはぜひ見てみて下さい!
昭和の香り漂う
良い雰囲気映画!
金魚の二階堂ふみさんはエロ可愛いし、芥川の高利さんは存在感凄いし…。真木よう子は眼力がね…怖い幽霊ですよ…。
主人公のおじさまも、そら何人も女できるわ〜っていう説得力があるしね…。
これを全部人間でやってたら話がいやらしくなりすぎるから、人、金魚、幽霊という幻想に落とし込んだのかなあとか、原作未読で思いを馳せたりします。
生きると言って出て行った金魚が死んでしまったり、タイミングの皮肉があああ〜ってなりますがおじさまも自分勝手だしそういう所凄く昭和の文豪っぽい!!!
ぬらぬらの金魚の美しさを堪能できましょう。
二階堂ふみさんが、金魚にしか見えない(笑)
彼女だからこそ、この映画は完成されたのかもしれません。
尾鰭のように赤い服をひらひらさせて、部屋を走り回る姿は実に美しい…。
そして、ご主人を官能的にじっと見つめる姿も実に魅力的…。
大杉漣さんのチョット狂った感じも、二階堂ふみさんの狂った感じと相まって素敵な幻想的な世界を創り出しております。
まさに、昭和のエンターテイメントといった感じです。
また更に、真木よう子さんの白装束姿が、二階堂ふみさんの赤い服に映えて、対照的な美しさを見せてくれます。
二人の掛け合いも見事。
真木よう子さんの驚く演技と、二階堂ふみさんの自由な笑顔。
対照的な二人の姿もまた美しい。
美しさを存分に引き出した、昭和の情事でございます…。
話は後よ
二階堂ふみのコケティッシュな魅力はハマり役。谷崎潤一郎的フェティシズム。よく考えれば谷崎潤一郎って名前がエロくないですか?関係ないけど。
演出が苦手。も少しこましな音楽つければいいのに。赤色も弱い。
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